水産高校が取り組む「害魚」をおいしく消費する方法

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私は「魚釣り」が好きだが、「釣り人」は好きじゃない。

もちろん全てではないが、その理由として、「外道はアウトオブ眼中」なところにある。

そこにビジネスを見出す漁師と学生のほうが、よっぽど賢いし貢献しているんだよなぁ……。

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疲弊した水産業を救う一手とは

現在の水産業は従事者が年々減少して、稼ぎもわずかといい話を聞かない。

一昔前より技術は向上し、水揚げ能力はあがっているものの、何故そうなってるのかといえば──単純に資源量が減っているから。「採れ過ぎて笑いが止まらねぇぜ!」な時代に、保護へと考えがシフトしなかったツケが今、回ってきているだけ。

まあ辛辣にいえば、「だいたい老害のせい」ってことになります。

農林水産が金銭面で割を食うのが”中間に入る業者”。

生産者は生産のみ、衛生管理はそれだけ、販売者もそれだけと……ひっくるめて協同組合内での操業になります。流通に携わる中間業者だけが妙に大きな企業となりすぎている。傍から見ればただの「金食い虫」にしか見えない。

農林水産は個人事業主が多いわけで、現状を例えると「ウェディングケーキを会場全員で貪り食べている」ような状況。

これを”切り分ける”役目を果たしているのが国と漁協ですが、機能しているとはお世辞にもいえず、連携がうまくいかないまま時が過ぎて、水産資源は減少し続けているといえます。

個々が自由すぎて「ブレーキ役」が機能していなかった……といえるし、ブレーキが作動すると思っていたけど実はワイヤー切れてました(てへぺろ☆彡)ともいえる(おそらく後者)。

疲弊した企業を救う術は「融資」か「合併」が手っ取り早い。そのうちの一つ”融資”は期待できないため、”合併”が最も現実的ともいえる。

漁港毎に一つの会社として運用して「水揚げ→加工→流通」までを引き受けることができるならば、余分なマージンを切り捨てれるし、国の管理も楽にはなります。大手水産加工業を持つ静岡県中部では、”共同で稼ぐ”という考えが浸透しています。これは由比の桜えび漁も一役買っているのが事実です。

ようするに組合が企業として機能すりゃいいだけの話。

これはTPPで最も早く動いた農業では既に成功例が多く、”農家”よりも農協をオマケとして自社生産・加工・流通を行う”企業”が増えてきた。ITとの親和性も高く研究も進んでおり、今後は「初期投資こそ嵩むが維持費は安い」がモットーになる可能性があります。

一方漁業はウナギとマグロの制限を未だに嫌がっている低レベルな意識である。

今後の販売経路をどうするかといえば、「地産地消を推進していく」か「海外販路を切り開く」のどちらかになります。

輸入品は安価で手に入りやすいですが、衛生面での問題が相次いで、生産者の写真を貼って「生産者が見える商品」が売れやすい傾向がある。”グローバル”を推進しつつも、それに対応しきれない年齢層が多い日本では、「地産地消」を推し進めるほうが利にかなっています。

これが上手く機能しているところに必ずあるのが、地産を一般へと取り扱う「市場」を備えています。

そもそも枯渇する資源を喰い物にするよりも、新しい資源を掘り起こすほうが未来がある。

それに一役買っているのが大学などの研究施設だが、意外にもメディア露出では水産高校が上だったりする。

加工物として可能性を秘める「害魚」などの売れない魚

本当にマズイ魚は存在を見つけるほうが難しい。

市場へ販売する際、買われやすいものは「知名度」と「見た目」が重視される。それより美味しい魚を知っているのが漁師なんですけど、”売れる”ことを重視すれば獲る魚も必然的に固定されてしまうし、市場にも決まった魚しか流通されない。

日本近海には約3900種ほど生息しているが、販売店で見かける魚は地域にもよるが、その1%未満であることが多い。

一部だけ獲っていれば、そりゃあ数も急激に減るに決まっています。

それで今、少なくなったメジャーな魚ではなく、マイナーで資源量が多い外道に注目が集まっている。

一般流通させる下準備として、知ってもらおうと努力をしているのが、地域の水産業と水産高校生たちである。

焼津の海を守れ!アイゴンマン(焼津水産高校)

焼津水産高校をはじめ、最近ではアイゴを使った料理がメディアに載ることが多くなってきた。

これには「いい流れが来ている」と思う。どのみち家庭で魚1匹を丸々捌くことなんか全然ないし、手間とゴミに労力があわないせいで”鮮魚”としての流通はどの魚も難しい。

それならば、「加工してから流通させどのように利益を得るか」を考えればいいだけの話になる。

アイゴは海藻を食べるため、小動物を育成する”藻場”を破壊する害魚として知られている。

メジナとイスズミやニザダイもそうなんだけど、アイゴの損している部分は棘に毒があるところ。それ故に釣り人からは忌み嫌われ、強力な棘で漁をする際にも危険が伴うと水揚げ自体にリスクが伴う。

でもきちんと処理をすればおいしい魚である。

アイゴンマン」「アイゴンボール」と、コラボもできそうなネーミングセンスは嫌いじゃない。

ここまでいくと”境地”になるけど、下処理をすればどこでも食べれる証明として貴重。

うちでもアイゴは度々登場しております。

外道のほうが美味い説その2~アイゴ編~

TVや新聞でアカエイの魅力を発信する三谷水産高校

ショアルアーメンからは最も嫌われる存在のアカエイ。「重すぎてラインが切れる」「毒がある」「ウェーディングで刺される」など、釣り人は”駆逐してほしい”という願いがありながらも、釣って食べようという考えには至らないらしい。

アカエイは浅場に生息するため、海水浴や水遊びで刺される被害もある。

基本的に臆病で音や光に敏感なのだが、被害の原因はそもそも”増えすぎ”なところにある。河川近くの干潟なんて「ボトムとったら即エイ」にもなりかねない。

「PDFでルビ振ってくんねぇかな…」と感じる読みづらい文だけど、「ハシキンメ」「カガミダイ」「ギマ」「アイゴ」に焦点をあて、実例として「アカエイ」を挙げている。

生徒は毎年4~11月、高校近くの海でアカエイを専用(せんよう)の道具(どうぐ)で釣(つ)って、胃(い)の中身(なかみ)を調べています。生徒たちは「調べるだけではエイがかわいそうだから、食べよう」と、ひれの部分を唐揚げにして文化祭で売ることを考えました。

アカエイは煮こごりが有名で、一昔前にはよく流通もされていました。

刺身でもいけますが、淡白な身なので味を付ける料理が向いている。軟骨のコリコリした食感が日本人ウケがいい。素体も巨大化するので、一度に素材として取れる部分も多い。

……釣り人にとってネックなのは、その「量が多い」って部分なんですけどね。1体を1人で消化するには飽きます。

アカエイ料理に関してはDASH海岸でも取り上げられています。

DASH海岸~アカエイ~|日テレ

アカエイは海底にいる生物などを食べるので、掃除屋としての役割もあります。──ここで取り上げられている「香草揚げ」に近いものが、三谷水産が文化祭で販売した「エイの唐揚げ」ですね。

豊橋市の水産加工業者と協力して、商品化を進めているそうです。

臭いからマズイと決め込む人は損をしている

メディアでシーバスは80以上だろうがリリースシーンは必ずあるけど、ヒラメの40cm上はほぼ無いのはなんでなんだぜ?

ブラックバスもリリース禁止が決定してから、リリースしてるのかキープして処理してるのか曖昧ですね。処分として食べることを推奨されているのに、その”食べる”部分に関しては何にも触れない業界は正直いって嫌いです。

アイゴやアカエイなど、釣り人が釣り上げやすくぞんざいに扱う魚を、美味しく調理して商品化を図り、地域の水産業の足しにならないかと行動している水産高生のほうがよっぽど水産資源維持に貢献しています。

この業界(釣り)、実のところ他からの支援は全くといっていいほど無く、全て業界内で生み出している技術になる。

いわば水産資源を管理している側からすれば、完全にアウトローな存在です。

金払って稚魚を放流してるとか、リリースして個体維持に努めているとか……

どんなに綺麗事いっても、一部で台無しになり多方面に迷惑をかける釣り人はどうかと思いますし、だから”嫌い”ですね。

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