ミスリードがひどい太平洋クロマグロ漁獲規制案の見送り

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クロマグロの漁獲規制について話し合っていた「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」が閉幕。

結果として再度”見送り”になったわけで、「日本案は受け入れられなかった」と書いている記事が多いんですけど……

日本案はそもそも”保護する気がない”んだよなぁ。

このタイトルと記事を鵜呑みにすると、「日本の要求を世界が拒否した」と受け取れますが、実際は「世界の要求に日本が反対した」のが正解。

世界の要求に何故賛成しないかは、「マグロを数年間獲るな」くらいの条件だから。そして日本案は「これ以上は獲らないからいいだろ?(半ギレ)」という内容。

……そりゃあ決裂しますわ。

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米国が提案する2030年までに親魚の資源量を約13万トンにするためには?

米国は去年も同様の案で”反論”し、日本は難色を示して決裂──今回も同じ結果となりました。

先にもいいましたが、これは実質的に「獲るな」が指標となります。

2014年で太平洋クロマグロの全資源はわずか5万トン弱

水産庁の資料(PDF)はどれも「漁獲制限はやっていて結果は出ていますけど?」アピールがひどい。

資源量が”最低水準”とは理解していながら資源量の明記はなく、漁獲量がメインになるため、データを見るだけでは「本当に減っているの?」と感じるところがある。

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http://www.jfa.maff.go.jp/j/tuna/maguro_gyogyou/pdf/sankousiryou2.pdf

米国が提唱する13万トンはグラフで最も上に位置するところで、現在の親魚資源量からすると約7倍

これを実現するには、「現存するクロマグロの一生をワンサイクル一切獲らずに見届ける」くらいの気概は必要。

ちなみにクロマグロは20年は生きるといわれています。

対して日本が提唱するのは4.3万トン、これは現在の親魚資源量の2倍程度

これは現在の漁獲制限でも可能なレベルではあります──が、そもそも小さい日本の消費量だけで年間50万トンほどあるし、近海での漁獲制限はわずか4000トン程度で、国産のマグロは全体の1割以下になる。

Q:「足りない量はどこから?」

A:「みんなが勝手に持ってきてくれるのさ」

国産のブランド力は強いですが、高価になりすぎるため大衆は目を向けないし、必ず手に入るわけではないので飲食側も扱い辛く流通も悪い。

親魚の2万トンも1匹100kgで計算すれば、だだっ広い太平洋にわずか20万匹ということになる。

球場をプールにしたとして、そこから「1匹だけイワシを入れたから捕って?」といわれているようなものでしょう。

日本の漁業が儲からないのは管理が下手なだけ

わざわざ自ら安くしていくのか(困惑)。

農業もそうですが、旬の物は流通量が増えてしまうので価格は低くなりがちです。

賢い人はそこを外して売り出しますけど、生鮮食品は保存がネックになります。しかし漁業は冷凍技術の向上により農業よりもこの点は有利に働きます。

野菜にはフリーズドライもあるので、どちらがより上かとなると微妙ですが。

昔は1回網を入れれば飯が食えたものだ」とよく聞きます。

「昔は~昔は~」とグダるなら、その海を再び取り戻せばいいだけじゃないですかね。

その意識を持った漁師は少なからず存在しますが、全体としてはどうでしょうか。

私としては、省庁の中でも水産庁はお世辞にも機能しているとは思えない。

安く売らないと売れないから、黒字にするためには多く獲らなければいけないわけで、みんな同じ考えだからなおさら市場価格が一気に下がってしまう。

国内では限定とされた種と漁場のみ、地域がみずから保護に乗り出して採算を合わせる漁が成功を収めています。

これは”本当にいなくなる”という危機感を目の当たりにした結果ですが、国みずから保護に乗り出すケースは、漁業に関しては残念ながら見つけるほうが難しいくらい。

マグロに関してはおそらく釣りの”遊漁”にしわよせが来るでしょうね。

遊漁による水揚げ量は闇の中なので、米国の案が通れば個人のプレジャーボートでの釣りは禁止になるんじゃないですかね。

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