「残業上限月100時間未満」を勘違いしている人多すぎない?

2017316tp191

ようこそ! ここは一応釣りブログです(予防線)

今回はちょいと政治の堅い話になります。

新聞にしても雑誌にしても、記事の”タイトル(見出し)”で「読もう」と決める人は多いかと。

先日首相が裁定した「残業上限」で、「月100時間」の値は、多くの社畜を震えあがらせました。

……なんか勘違いしてない?

記事の見出しだけ読んで、「月100時間」だけに反応している文盲が多いことに驚く。

内容をきちんと理解すれば「今までよりかなりマシ」とわかるこの決まりを、多くの人に知って欲しい。

一応釣りブログなので、その方向から説明したいと思います。

スポンサーリンク

フィッシングライフで例える時間外労働の限度時間

ある地域に住む「Sさん(仮名)」は魚釣りが大好きです。

幼少から積極的に釣りに行き、それは社会人になっても変わりませんでした。

平日も隙あらば始業前・終業後に時合を叩き、休日は丸一日を釣りに費やす釣りバカです。

そんな彼に転機が訪れました。──結婚です。

パートナーの「Uさん(仮名)」は、「これまで通り魚釣りに行ってもいいが、2人の時間もたまには欲しい」と口頭で約束を求めます。

彼はそれに軽く「いいよ」と告げました。

約束を反故するSさんに待つ未来

”これまで通り”をそのまま受け止めたSさんは、「月イチで出かければいいだろ」と裁量し、これまで通り魚釣りに出かけ、たまーにUさんとドライブに出かける程度でした。

Sさんの家庭に車は1台しかなく、彼が釣りにでかけるとUさんは足がなくなってしまうため、食料品を買うためにSさんの助力が少しでも必要でした。しかし月イチでドカッと買っても、消費期限がありますし、冷蔵庫の容量にも限度があります。

子供が生まれたあとを考え「このままではいけない」、そう感じました。

2人の話し合いは意見の食い違いが続きます。

「これまで通りでいいって、そういったじゃないか」「月1回だけは、付き合っていた頃より少ないわ」

「魚釣りと家庭、どっちが大事なの?」「そりゃあ君だけど、釣りをしないとストレスで死にたくなるんだ」

熱くなった頬を冷ますため、彼は潮風を浴びに行きました。

ブツブツ文句をいいながらルアーを投げていると、ランカー級の大物がかかり、それを釣りあげ、家に持ち帰りました。

「どうだ! スゲーだろう」

……パートナーはその姿にあきれ、離婚が選択肢としてよぎりました。

しかしながら別れるまでは考えられません。「決まりごとを作れば修復が可能なのではないか?」と考えます。

戒めるため、明確な規定を設けることを決意しました。

2017316tp193

ガバの極地だった”今までの”時間外労働上限

労働基準法で定められる労働時間は、第三十二条に記されています。

・使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない

・使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない

これは義務教育の過程で習うので、ほとんどの方はそう認識しているかと存じます。つまり法律では1日8時間、週40時間以上働いてはいけないと決められているわけです

「うっそマジで? 俺余裕で超えてんだけど、訴えていい?」と思わざるをえない現状ばかりです。

法律だけを見ると、「残業は違法ではないか?」という話になります。

しかし雇用主は「どうしても時間と人員が足りないから、1日8時間、週40時間を超えてもいいように、なんとかならない?」と考えます。

基本としてダメな残業と休日出勤をさせることができるのが、ニュースでも耳にしたであろう「36協定」です。

【ガバの極地】「36協定」と「特別条項」

「36協定(サブロク)」は労働基準法三十六条を指し、そこにはこう記されています(一項目)

使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。ただし、坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務の労働時間の延長は、一日について二時間を超えてはならない。

残業や休出は法律では認められていないが、雇用主がそうしなければならない旨を届け出し、認められれば残業をさせることが可能です。

それが「36協定」と呼ばれており、それにより、労働基準法で認められる残業は1ヶ月に45時間、年に360時間を超えてはならないとされています。

(あれれ~? おかしいぞ~?)と子供探偵がアップをはじめる違和感ですね。

なぜそれ以上の残業が認められているのか。それは36協定に「特別条項」として、「その時間を超えなければ会社が潰れちゃう!」みたいに最もな理由付けをすることで上限を超えられます。

現在はこの特別条項のおかげで、残業時間がインフレしていたわけです。

──Sさんは月毎と年間の釣行回数に制限を設けられ、今までより自由に魚釣りへ行くことができなくなりました。

しかし時間を制限することにより、自己を律する能力が備わって、より効率を求めることで円満な生活を送ることができるようになりました。Uさんもニッコニコです。

……普通に考えれば、残業を無くせば能率を求め、より生産力が向上すると考えられます。

ことジャパンのソウルに染み付いた社畜根性はそれを許しません。「残業が減ると給料が減る!」と、雇用側からすれば頭突きをかましたくなるよくわからない理論を振りかざします。

10時間で100だった仕事量を、8時間で限りなく100に近づければいいだけなのに、時給が上がる残業をしなければダメと決めつけます。

つまりは、「通常業務で手を抜き、意図的に残業へと持ち込む」ようになり、生産性のカケラもなくなり、経済成長も停滞することとなります。

それが恒常化しては、企業として利益があがっても人件費がクソ高い状況です。

なので、営業利益だけを公開して儲かっているアピールをし、株主を誘惑する状態をせざるをえません。

──そして第一子が産まれ、幼稚園に入る頃、Uさんに第二子が宿りました。

Sさんが釣りに行けるタイミングはますます少なくなり、約束を守りつつも、よりよい家庭を築いていくことができるのでしょうか。

Sさんの釣り欲を解き放つ「特別条項」

ある日Sさんは子供と朝食を楽しんでいる時、釣り友のインスタを見て衝撃を受けます。そこには座布団鮃を数枚手に持ち、ドヤ顔の友人がアップされていました。

「何、何が起きてるの?」「◯社のルアー使ったら、そらもう入れ食いさ!」

トドメに「今釣りに来ないなんて、もったいないぜ?」といわれ、Sさんはどうにかして釣りに行きたいと葛藤しだしました。

そこで彼は”特例”として、「爆釣シーズンは子供の面倒を見てくれる代行者がいれば釣りに行くことができる」ように、Uさんへ提案をしました。

Uさんも「束縛しすぎていたかも」と負い目を感じ、自ら意見をいえるようになった子供ならもういいかもしれないと考え、その提案を飲みました。

そしてSさんは「この時期は釣れやすいから、この日に──」と事前通達し、釣りに行くようになりました。

やがてそれに慣れた頃、「預けることができれば、その時間は釣りができる!」と気付きます。

Uさんが第二子を出産し、産後の里帰りをしていた時、事件が起きました。

──その日の朝はSさんのタイムラインが盛り上がっていました。

子供が風邪で寝込んでおり、「預けなくても家でおとなしくしているからいいのでは?」と判断し、居てもたってもいられないSさんは釣りに出かけてしまいます。

友人を誘い、そして予想以上に釣れ、楽しい時間を過ごすことができました。

そして帰る時、偶然にも車内に忘れていたスマフォを見て、Uさんからの鬼電があったことに気づきます。

折り返しの電話にはすぐ応答しませんでしたが、しばらくしてから着信があり、それに応答すると……

「──貴方が目を放したせいで、子供が入院することになったんだけど」

今まで聞いたことのないUさんの冷えた声色が突き刺さります。

戸籍にはバツがつけられ、いつ帰っても暖かかった家は冷えたまま。1人だけになるたび後悔し、トラウマとなって度々落ち込むようになりました。

しかしSさんは釣りバカです。それを振り払うよう、ますます釣りに没頭するようになり、しばらくすると海辺には元気なSさんの姿が!

……無理やりな例でしたね。

残業時間の見直しに関しては、「自らの過ちに気付き、世界をやり直したい。……けどすぐにはいっか☆といった感じで、今まで明確な基準は設けられてきませんでした。

その先延ばしは「仕方のないこと」とされて、過労自殺の裁判もあまり注目されず、トップが謝罪してすげ替えれば元通りの状況でした。

しかし、若い女性がクリスマスに命を絶つという、悲しすぎる過労自殺から見直しがようやくはじまります。

いつだって法律の改正は、事が起こってから、です。

残業月100時間未満は「制限無し」から「制限有り」になったので進歩なわけですが

事業形態は千差万別でも、「繁忙期」は時期が違えど存在します。

「その時間内で繁忙期の業務をこなすには時間が足りない、どうすればいい?」。人員確保も間に合わず、最小限の人員で回さないといけない雇用主は悩みます。

そこで「特別条項」を添えて36協定を締結すれば、従来の限度時間を超える”残業”を行うことができます。

先に書いた通り、労働基準法で定められる残業の上限は「月45時間・年360時間」です。

この記事を書いている3月は年度末なので、月45時間を超える残業をまさに今している方も多いかと思われます。

36協定における特別条項は、”従来の限度時間を超えることが恒常的ではなく、一時的・突発的なものである”というような、特別な事情がある場合に限られます

2017316tp192

24時間戦ってもいいようにします

バブルの頃にこんなキャッチコピーが流行しました。

「24時間戦えますか」

高度経済成長期における日本は、朝8時始業~終電上がりが基本でした。

なぜならば、そうしなければ”時間が足りなかったから”です。4組交代制を2組で回す感じですかね。あの頃は”これでも”見合った給料を得ることができ、満足度は結果的に高かったわけです。

「仕事と家庭どっちが大事なの!?」というお決まりのセリフに、「仕事だよ(真顔)」と男性が答え家を出ていき、よよよと泣き崩れる女性はこの時代において、当たり前でした。

バブルも崩壊し、経済成長も停滞する最中──。「今までのように働く理由があるのか?」と疑問に思うのは当然の流れ。

それ以来はコスト削減に人員を割くのが”流れ”となり、「少ない人員で以前のように生産すれば利益バンバンじゃなーい」と、無茶ブリをする企業も多くなりました。

そうすれば、結果的に企業は儲かるわけですが、そこに楽しみを見いだせない労働者への負担は増すばかり。

時代が移るにつれ、今度は仕事に疲れて家庭をないがしろにする、ワーカーホリックが社会問題として提起され、過労死問題も世間に知られるようになりました

──前置きが長くなりましたが、36協定の「特別条項」を簡単にいうと、「24時間戦ってもいいようにするよ!」という決まりです。

今までは特別条項を締結することができれば、年6ヶ月まで残業時間が無制限にできるブッ飛んだ決まりごとでした。

これに明確な基準を設けたのが、今回裁定された「残業上限時間の見直し」です。

残業時間100時間報道を見出しだけで受け取る奴は馬鹿

この報道がされた時、世間の反応は実におもしろいものでした。

「月100時間まで残業できるようにするとか鬼畜!」の意見が一番多かったのではないですかね。

”ねじれ国会”とはよく聞きますが、報道の仕方がねじれているせいかと存じます。

メディアは「残業上限100時間未満」だけを前面に押し出し、それに反対する党の意見を載せるだけです。

なので、”調べない人”には反対意見だけが残り、何一つ内容を知らずとも、「ダメ絶対!」と決めつけてしまうわけです。

そんな流れで決められた「安保法制」も、これからの「共謀罪」も、普通に考えれば”必要”な法案なんですけどね。

文盲を論破する「残業時間上限の見直し」について

まず”現行法”を覚えて欲しい。

・残業は原則として月45時間・年360時間まで

・それを一時的に超えることができるのが特別条項。それは6ヶ月内なら時間制限が存在しない

つまり特別条項が発動されていれば、「6ヶ月だけで360時間……バカな、まだ上がるだと!?」と、インフレした戦闘能力みたいに残業を課すことが可能だったわけです。

これが見直しでどう変わるのかというと──

・残業は原則として月45時間・年360時間まで

・特別条項が適用されても残業は月100時間未満。年間720時間までとする

見直しは特別条項に上限を設けました。結果的に、該当する労働者が「違法」を唱えやすい状況となるわけです。

これに関してわかりやすい図があるのが、こちらのツイート。

馬鹿は何を勘違いしているのか、「毎月100時間までなら、いくらでも残業させてもいい」決まりと勘違いしている。

そうではなく、もともと残業は月45時間までである

それを超えることができる特別条項の時間上限に明確な設定がなかったため、訴訟も過労死認定も難しかったのが現状となる。

ようするに、これがそう制定されれば、

「残業時間45時間以上を超えた場合、特別条項としてそれ以上の時間を雇用主が決めていても、月間100時間、年720時間以上の残業が認められれば、問答無用に雇用主を罰することができる

ようになるわけ。

……どう考えても”進歩”、じゃないですかねぇ?

給与明細に労働時間の項目があると思いますが、いくらでも改竄できる余地はあります。ですので、「日記」として労働時間を記録しておくと、裁判の証拠として有利に働きます。

「残業が月間100時間以上の証拠を持ち、レッツ法廷!」すれば、まず負けることがなくなるわけです。

(現行法では特別条項があるため、企業側に酌量の余地があり、労働時間の裁判は雇用側が不利に働くケースも考えられるため)

「過労死ライン」を今までの残業時間上限と勘違いしているケース

”100時間未満”に対して意義を申し立てている野党の意見は、「過労死ライン」を想定しています。

こちらは「月80時間まで」とする答弁が目立ちますが、そのラインについてざっくり説明すると以下の通り。

・発症前2~6ヶ月に渡り、1ヶ月当たり80時間を超える時間外労働が認められる場合

・発症前1ヶ月間に100時間を超える時間外労働が認められる場合

これが過労死認定の基準となっております。

……国会であーだこーだと与党と野党が残業時間の見直しについて議論していますが、蓋を開ければ「過労死認定ギリギリの時間」で決めているわけですね。

でも100時間を超える時間外労働を強いてた企業は全体の1割存在するということで、その1割を無くせることができるのはいいことではないでしょうか。

働き方改革は「当たり前の残業」をなくすこと

残業は通常より割の高い給金を支払う必要があり、企業として残業を強いるのはコスト増です。

「サービス残業」が広辞苑に載るくらいに、その残業に見合った金額が支払われないことも、ある意味”自慢話”とされています。

「残業をしないと満足な給料を得られない」とはよく聞いてきましたが、それって何かおかしくねぇか? と。

毎日8時間労働をして、年収1000万以上の人もいるし、300万以下の人だっています。

それぞれ何が違うのでしょうか。

例えば釣具の「リール」がありますよね。

これを”発明した人”と、”製造している人”。どちらが収入が多くなるでしょうか。

それは発明した人でしょう。

ようするに”収入の差”は、「社会への貢献度の違い」みたいなもの

発明側が地球規模の貢献に対し、製造側はリールを使う人への貢献のみです。

よって動かす金額の桁が違うわけです。

ちなみにマイクロソフトの創業者で起業家のビルゲイツを例にすると、全盛期は秒給120万だったりします。

これは極端な例ですが、それも貢献度から考えれば、至極当然なことでしょう?

日本における働き方改革としては、仕事量に対する意識を変えるべきではないかと。

魚釣りで例えると、今の働く姿勢は「1日に1匹を釣らないといけない!」という考えですが、「1年間で365匹釣り上げればいい」とも考えることができます。

釣れない時期にやっても時間の無駄だし、釣れる時期を逃しては無駄になります。

より効率を求めるのであれば、「釣れる時に釣る、釣れない時はやらない」くらいで丁度いいわけです。

就活からしても「安定した企業に入れれば勝ち」な風潮もありますが、就業して貴方がどれだけ企業や社会に貢献できるかが、給料の目安になります。

企業名がステータスとして先行するような現状は「なんだかなぁ」と感じます。

だって有名な人って、名前だけでもお金が稼げるレベルでしょう?

そうなるためには、自分の得意な部分に投資をして、どんどん伸ばしていきましょう

知識と人脈は、そういうことに役立つ時が来ます。

※参考サイト

36協定の限度時間に注意!|労働基準監督署対策相談室

残業上限100時間報道をそのまま受け取る馬鹿「残業100時間なんてひどい!人間の暮らしじゃない!」|ハムスター速報

労働基準法

過労死ライン」「仕事中毒(ワーカーホリック)」|wikipedia

スポンサーリンク

にほんブログ村 釣りブログ 東海釣行記へ

「残業上限月100時間未満」を勘違いしている人多すぎない?
この記事の他にも
「とある浜松アングラーの一生」の情報は、
いいねしてチェック!
スポンサーリンク