【吉報?】ニホンウナギがワシントン条約からぬるりと逃れる

 

9月に行われるワシントン条約会議において、「ニホンウナギとクロマグロの規制」の提案が浮上していたが取り下げられる運びとなった。

EUはウナギを、アメリカはマグロを。「お前らホントいい加減にせえよ」と言及したのを、東アジアが突っぱねたと受け取れる。

資源保護の在り方を今一度問いかけたい。

 

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OPECの減産見送りなんかもありましたね

 

原油は「消費<生産」の構図となっており、近年の原油安はデフレ状態がもたらしているものです。

これを解消するために、昨年末のOPEC総会にて「減産しよっか?」と話あう機会があったのですが、見送りになりました。

そうなった理由が、今回の「ウナギとマグロのワシントン条約入り見送り」になった構図と似ています。

 

稼いだ者と稼ぎたい者との話はこじれる

 

原油最大の産出国はサウジアラビアで、最も余裕がありつつOPECで一番権限を持っている。

次いでシェールオイルの低コスト増産を実現し、輸入国から産出国へと変化したアメリカは、これに関してはどちらでもいいくらい。

一方経済制裁を解かれたイランや経済の冷え込みで稼ぎたい国は、「減産協定されちゃ飯が食えなくなる!」「俺たちの戦いはこれからだ」と、もともと否定的だった。

 

減産して原油価格を上げれば、これ以上の原油安を喰い止めれる。

世界経済の冷え込みは、国際取引されている原油の下落が要因にもなっており、投資家にとって立て直し減産は”不可欠”とされていた。ごねるイランを説得すれば、減産が可決されそうなところだったが──某皇太子が「それはありえない」とつっぱねたので、結局減産は見送りに。

……おまけに、1バレル50ドル割れを一時的に誘発し、市場の混乱を招きました。

 

アメリカがロシアへの経済制裁のついで──とかいろいろ政治的思惑や駆け引きがあったと想像されていますけど、”世界経済の冷え込みを危惧しながら減産を見送った”ことには変わりはない。

では今回のウナギとマグロの見送りは、政治的な思惑はあったのでしょうか。

ていうかむしろ、誰が得をして損をするのでしょう?

 

ウナギが絶滅しかけているのは、だいたい日本のせい

 

日本以外でもウナギはヨーロッパでも、古くから食べられています。

しかし、蒲焼きのような黄金色で食欲をそそる香りがする調理法ではなく、彼らの食べ方は日本の江戸時代より遅れています。

 

 

江戸時代に”開いて焼く”ことが開発され、それ以前はヨーロッパ同様、ぶつ切りで煮たり焼いたりで、それほど食用として重要視されてはいませんでした。

この蒲焼きを生み出したことにより、うなぎは美味しく食べられるようになり、消費が増えていきました。

そしてウナギ資源に大打撃を与えたのは、バブル後期のブームと、護岸整備による生息地の減少でした。

 

水産の先物市場、ウナギとマグロ

 

──今まで1尾あたり1000円以下でも食べられていたものが、現在では2倍以上は当たり前になった。

値段があがるのは資源が少ないながらも需要があるため。

値段がさがるのは資源が余りつつ需要がないため。

 

昨年辺りからようやく政府が、「そろそろやばくね?」と動き出し、水産資源の保護へと乗り出してはいます(するとはいってない)。

水産資源は年々減少を辿っており、異常気象が原因とはいわれています。──ですが、10年も獲らなければどんな水産物も倍に増えるという試算も研究も進んでおり、これは単純明快な解であると誰もが思うでしょう。

 

乱獲続く漁業を10年で回復する「良識ある」改革|WIRED.jp
世界の漁場で、乱獲のため魚が減り続けていることが問題になっている。しかし、適切な漁業改革を行えば、多くの漁場が10年以内に回復目標に達し、漁業の収益も向上するという研究結果が発表された。

 

じゃあ獲らないほうがいいじゃん、無理して食べることないし」と考えれますが、それを獲ることを生業としている方々は、当然反対することになるわけです。

 

ウナギの条約入りを見送ったのは東アジアが原因

 

ニホンウナギ貿易規制は見送り ワシントン条約締約国会議
 野生動植物の貿易を規制するワシントン条約締約国会議の事務局は2日、議題を公表した。日本政府が懸念していた規制対象にニホンウナギを加える提案は見送られた。提案を検討していた欧州連合(EU)が最終的に取

 

「ウナギとマグロが食べれなくなったらどうなるか?」を考えてみてください。

……人それぞれだろうけど、「たいして困らないかも」という考えが多いかと思います。

質問を変えましょう──

 

10年間ウナギやマグロを食べることはできなくなるが、以前の半額で食べられるようになる

10年後に食べられなくなるとわかっていながら、高騰するウナギやマグロを食べ続ける

 

どちらが賢く、経済的でしょうか。

 

これから辿る道は後者です。

ワシントン条約下で保護され、日本が本気を出せば前者になります。

 

「業績は”右肩”でしか許されない」慣習のある我が国では、貿易を止めると経済が死ぬと考えています(マグロかな?)。

ニホンウナギの減少は、保護を念頭におかず獲れるだけ獲る精神でここまで減りました。

クロマグロの減少は、主に水産加工業の大型船による巻き網漁で、大きさを考えず乱獲したことが原因です。

「漁師が悪い」とされがちですが、実のところ、生業としているからこそ危機に直面していると知っているので、保護に関しては肯定的です。

代表とされるのが、壱岐のマグロ漁師の自主禁漁ですね。

 

日本のマグロの目撃者たち|WWF

 

良記事なのでぜひ目を通していただきたい。

 

ニホンウナギが輸出できなくなって一番困る国は?

 

この件に関して、ウナギもマグロも大量消費国である自国が率先して、保護に乗り出すべき案件ではあります。

ところが水産庁はかなりやる気のない発言をしている。

 

農水省はEUに「東アジア地域が連携して資源管理に取り組んだ方が効果的だと説明した」としています。(02日19:29)

ニホンウナギ取引規制、米EUが提案見送り

 

えっ、ちょっと頭やばない?

それを出来てないから、他国から提案されたんだろうがと。

 

日本の養鰻業は、東アジアからの輸入でほぼ全てを賄っており、本当の意味での地産は微粒子レベルになっている。

レッドリスト入りを決めてから、各養鰻池への制限がかけられてはいるが、実質的な”保護”という観点には至っていない。

 

高くて売れないウナギを安く提供したりして、生産を減らそうとしているとは考え難い。

それにともないシラスウナギは高騰を続けており、密漁が絶えないからだ。

 

<養鰻100業者調査>貿易制限「反対」6割|静岡新聞

 

そりゃ反対するわな。

向こうの都合で収入が減る、もしくは廃業になるんだから、受け入れられるはずがない。

 

 

輸出で旨味を知って捨てられないアジアと、輸入しないと自国消費が間に合わない日本。

”東アジアが連携して”といっているが、連携できる外交ができれば、日中関係が冷え込んでいないんだよなぁ。今まで格下と見てきたツケが、近年になって業が返ってきたともいえる。

 

とまあ、よくある利権保持のために理由をつけて逃げている──としか見えないですね。

 

<養鰻100業者調査>貿易制限「反対」6割|静岡新聞

 

職に関してフットワークが鈍い国なので、この結果は当然だと感じます。先日の憲法記念日に、第九条に関しての議論が高まりましたが、保守的な意識が強いので「現状維持」が根強い。

 

 

ウナギもマグロも、我慢すれば安くなるのに…

 

ウナギとマグロのワシントン条約入りを回避するのは、絶滅するとわかっていながらも、「これからも食べまぁす!」と宣言しているようなもの。

仮に輸入規制されると、日本の水産業は打撃を受けることには違いはない。でも数年の空白を与えれば、現在よりも安定した供給が望めます。

 

TPPで「日本の農業を守る!」「日本の水産業を守る!」とかいってますが……。自由貿易になることは、グローバル化(笑)を進めたいのなら歓迎すべきことです。

報道などからすると、現在の農林水産業が海外から”奪われる”視点で書かれることが多いのですけど……もともと奪われてんだよなぁ。

 

売れる時に売る根性が強すぎて、何回も市場をぶっ壊しているのに学ばない日本。

物価を安くすれば物は売れるが、得をするのは消費者で、身を削るのは製品に携わる人たちになる。

インフレだのデフレだの騒いでいますが、現状では単純にモノが溢れすぎているだけなんですよね。

 

労働基準を維持して、100の生産と販売力を維持していればお互いハピハピなのに、150の注文が来るとすーぐ200の生産力でブン回すから、物の価値が相対的に下がっていく。

労働時間を減らして減産し、ゆとりがある生活を手に入れれるチャンスなのに、儲かっていたころが当たり前と感じて回してしまい、逆に首を締めていっている。

らしいといえばらしいけど、競争よりも協調していけば、働きすぎといわれる日本の”労働”にも余裕が生まれるんですけどね。

水産ニュース
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海釣りがメインで、たまに淡水もやります。2018年は身近な浜名湖で、ポイントを転々と釣り歩いてマッピングしたい所存。
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