横須賀港・大須賀海岸とは?御前崎と福田の間に眠る遠州の穴場フィールド
遠州灘の釣りスポットといえば、御前崎や浜名湖、中田島砂丘が真っ先に名前が挙がる。だが、掛川市南部の横須賀港(よこすかこう)と大須賀海岸(おおすかかいがん)は、地元アングラー以外にはまだまだ知られていない”遠州の隠れた一級ポイント”だ。
御前崎港から西へ約12km、福田港から東へ約15km。ちょうど遠州灘のど真ん中に位置するこのエリアは、堤防のクロダイ・アジとサーフのヒラメ・シロギスを一日で両方楽しめる贅沢なフィールド。週末でも混雑が少なく、浜松方面から車で40〜50分というアクセスの良さも魅力だ。
この記事では、横須賀港の堤防ポイントから大須賀海岸のサーフエントリーまで、釣り場の地形・季節別の狙い方・駐車場・周辺施設を実釣経験ベースで徹底解説する。「御前崎は混んでるし、もうちょっと空いてる場所ないかな」と思っているアングラーにこそ読んでほしい。
アクセス・基本情報
車でのアクセス
| 出発地 | ルート | 所要時間(目安) |
|---|---|---|
| 浜松市中心部 | 国道150号を東進 → 大須賀方面 | 約45分 |
| 掛川IC(東名) | 県道37号を南下 → 国道150号 | 約25分 |
| 袋井IC(東名) | 県道61号南下 → 国道150号を東へ | 約30分 |
| 御前崎方面 | 国道150号を西進 | 約15分 |
国道150号(バイパス)沿いなので迷うことはほぼない。カーナビには「横須賀漁港」または「大須賀支所」と入力するとスムーズだ。
電車・バスでのアクセス
JR東海道本線「袋井駅」から秋葉バスサービスの横須賀車庫行きで約35分。ただし本数が限られるため、釣行には車が現実的だ。
駐車場情報
- 横須賀港・漁港駐車スペース:港の東側護岸沿いに10台ほど駐車可能(無料)。漁業関係者の邪魔にならないよう奥側に停めること
- 大須賀海岸・国道150号沿い空き地:サーフへのエントリーポイント付近に数カ所の駐車スペースあり(各5〜8台・無料)
- 大東温泉シートピア裏:大須賀海岸西寄りへのエントリーに便利。施設利用者向けだが、早朝は空いていることが多い
トイレ・コンビニ・周辺施設
- トイレ:横須賀港には常設トイレなし。最寄りは大須賀支所(車3分)のトイレか、国道150号沿いのコンビニ
- コンビニ:国道150号沿いにセブンイレブン掛川大須賀店(港から車5分)。氷・飲料の補給はここで
- 釣具店:最寄りはイシグロ掛川店(車20分)またはフィッシング遠州袋井店(車25分)。エサの事前購入を推奨
- 温泉:大東温泉シートピア(車10分)で釣行後の汗を流せる。大人510円
横須賀港の堤防・護岸ポイント詳細
東堤防(メインの釣り場)
横須賀港でもっとも人気があるのが、港の東側に延びる東堤防だ。全長約150m、幅は2m強で、先端に向かって水深が深くなる。堤防の外側(遠州灘側)はテトラポッドが積まれており、内側(港内側)は垂直護岸になっている。
外側テトラ帯では根魚の実績が高い。カサゴ・メバルは年間を通して狙え、特に12月〜3月のメバリングでは尺クラスの報告もある。テトラの隙間にブラクリ仕掛けを落とし込めば、カサゴが高確率でヒットする。足場が不安定なので、スパイクブーツとライフジャケットは必須だ。
内側護岸は足場が良く、ファミリーや初心者にも向いている。
- 春(3〜5月):港内に入ってくるクロダイをダンゴ釣り・フカセで狙う。水温が15℃を超える4月中旬から本格化
- 夏(6〜9月):サビキでアジ・小サバ・イワシの回遊を待つ。朝マヅメと夕マヅメの回遊タイミングを逃さないこと
- 秋(10〜11月):アジのサイズが上がり20cm超が混じる。エギングでコウイカ・アオリイカも
- 冬(12〜2月):メバリング&カサゴの穴釣りが主役。夜釣りの電気ウキでメバルを狙う常連も多い
西護岸(船揚げスロープ周辺)
港の西側は漁船の係留エリアだが、船揚げスロープの脇から竿を出せるスペースがある。水深は浅く1.5〜2.5m程度。ハゼ釣りの一級ポイントで、8月下旬〜11月のハゼシーズンには延べ竿で手軽に数が出る。
ここで注意したいのは漁業作業の妨げにならないこと。早朝5時〜7時ごろは漁船の出入りが活発なので、この時間帯は仕掛けを港内に投入しないようにしよう。
港口(みなとぐち)周辺
港の入り口は潮の流れが効くため、シーバス(スズキ)の実績が高い。とくに秋〜冬のナイトゲームでは、港内の常夜灯に集まるベイトフィッシュを追ってシーバスが差してくる。ルアーは9cm前後のミノー(アイマ コモモ SF-90、ダイワ モアザン ガルバスリム80Sなど)が定番。
満潮前後の2時間が勝負で、潮が動いている間にベイトの群れが港口に溜まるタイミングを狙う。干潮時は水深が極端に浅くなるため、潮汐表のチェックは必須だ。
大須賀海岸のサーフポイント詳細
大須賀海岸の地形的特徴
大須賀海岸は、横須賀港の東西に広がる遠州灘のサーフエリアだ。全長は約5kmにわたり、典型的な遠州灘の砂浜海岸が続く。特徴は以下の通り。
- 遠浅の砂地:中田島や竜洋に比べると全体的にやや遠浅。第一ブレイクまでの距離が50〜80mほどあることが多い
- 離岸流(カレント):横須賀港の東西に離岸流が発生しやすいポイントがある。ヒラメ・マゴチはこのカレント周辺に集中する
- 河川流入:小河川(弁財天川など)の流れ込みが数カ所あり、汽水域を好むシーバスやキビレの着き場になる
- 砂利混じりのポイント:海岸東端の御前崎寄りでは砂に小石が混じるエリアがあり、根魚やヒラメの好ポイントになる
エントリーポイント別攻略
①横須賀港東側エントリー(港から徒歩5分)
港の東堤防を越えたすぐのサーフ。港の構造物による潮の変化があり、ヒラメ・マゴチの好ポイント。港口から払い出す流れと沿岸流がぶつかる場所を重点的に探る。
メタルジグ(30〜40g)やジグヘッド+ワーム(ピンテール4〜5インチ)で広範囲をサーチ。ルアーを着底させてからスローに巻き上げる「ストップ&ゴー」が効く。朝マヅメの1時間が勝負で、明るくなってからはキス狙いのちょい投げにスイッチするのが効率的だ。
②大須賀海岸中央エントリー(国道150号沿い空き地から)
海岸のちょうど中央付近。広大なサーフが広がり、シロギスの投げ釣りには最高のロケーション。5月下旬〜10月の釣期には、仕掛けを80m以上投げて砂底をゆっくり引いてくるとキスが連掛けになることがある。
| シロギス釣りの推奨タックル | 詳細 |
|---|---|
| 竿 | 投げ竿25〜30号(シマノ サーフリーダー405CX-T、ダイワ プライムサーフT 27-405 など) |
| リール | 投げ専用リール(シマノ スーパーエアロ スピンジョイ 30、ダイワ クロスキャスト 4000QD など) |
| 道糸 | ナイロン3号またはPE0.8〜1号+力糸 |
| 仕掛け | キス天秤仕掛け 針7〜8号×2〜3本針 |
| エサ | ジャリメ(石ゴカイ)が定番。イシゴカイでも可 |
| オモリ | ジェット天秤25〜30号 |
ここのキスは型が良く、20cm超の”ヒジタタキ”サイズが混じるのが嬉しい。6月と9月に特に実績が高い。
③大須賀海岸西端エントリー(大東温泉シートピア側)
海岸の西端寄りで、小河川の流入がある周辺がポイント。秋〜初冬のシーバスが面白い。落ちアユやイナッコを追って接岸するシーバスを、ミノーやシンキングペンシルで狙う。
波打ち際から30m以内にブレイクラインがあり、ここにルアーを通すのがコツ。シマノ エクスセンス サイレントアサシン120Fやジャンプライズ かっ飛び棒130BRなど飛距離の出るルアーが活躍する。
季節別・ターゲット別攻略カレンダー
| 月 | 横須賀港(堤防) | 大須賀海岸(サーフ) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1〜2月 | メバル・カサゴ(夜釣り) | ヒラメ(低活性・大型チャンス) | 防寒対策必須。北西風の日は避ける |
| 3月 | メバル・クロダイ(乗っ込み開始) | シーバス(バチ抜けパターン) | 水温上昇とともに魚の活性が上がる |
| 4月 | クロダイ(フカセ・ダンゴ最盛期) | マゴチ(シーズンイン) | クロダイの乗っ込み本格化 |
| 5月 | クロダイ・アジ(回遊開始) | シロギス開幕・ヒラメ | GW明けからキスの釣果が出始める |
| 6月 | アジ・小サバ・イサキ | シロギス最盛期・マゴチ | 梅雨の合間が狙い目 |
| 7〜8月 | アジ・サバ・タチウオ(夜) | シロギス・マゴチ・ショゴ | 早朝か夜釣りメインに切り替え |
| 9月 | アジ(良型)・タチウオ | シロギス・ヒラメ(秋シーズン) | 青物の回遊が始まることも |
| 10月 | アジ・コウイカ・クロダイ | ヒラメ最盛期・シーバス | サーフ天国。ルアーマン多数 |
| 11月 | コウイカ・カマス・メバル | ヒラメ・シーバス(落ちアユ) | 秋の最盛期。平日でも人が増える |
| 12月 | メバル・カサゴ・カマス | ヒラメ(ラストチャンス)・ブリ回遊 | 北西風が強まり釣行日が限られる |
横須賀港・大須賀海岸で使える実践テクニック
堤防クロダイのダンゴ釣り(紀州釣り)
横須賀港の東堤防内側は、ダンゴ釣り(紀州釣り)の好フィールドだ。水深が3〜5mと手頃で、底は砂泥。ダンゴが割れた後のオキアミに食いつくクロダイとの駆け引きが醍醐味だ。
- ダンゴの配合:ヌカ+砂+集魚剤(マルキュー チヌパワーなど)を7:2:1で混ぜ、海水で硬さを調整。握ったときにギュッと固まるが、水中で1〜2分で割れる硬さが理想
- ポイント設定:堤防の際から2〜3m沖の底に、ダンゴを同じ場所に集中して投入。コマセの山を作るイメージ
- エサ:付けエサはオキアミの他、練りエサ(マルキュー 食い渋りイエロー)も有効。エサ取りが多い夏場は練りエサの出番
- 合わせ:ウキがジワジワ沈んだら即合わせは禁物。完全に消し込んでから竿を立てる。クロダイは口が硬いのでしっかり針掛かりさせる
4月〜6月の乗っ込み期は30〜45cmクラスが期待でき、年無し(50cmオーバー)の実績もある港だ。
サーフのヒラメ狙い・離岸流の見つけ方
大須賀海岸でヒラメを効率よく仕留めるには、離岸流(カレント)の位置を正確に把握することが最重要だ。
- 波の切れ目を探す:周囲より波が立っていない場所=沖に向かって流れが出ている証拠。ここが離岸流の入り口
- 海の色が変わる場所:砂が巻き上がって白濁している帯状のラインは離岸流の可能性が高い
- ゴミや泡が沖に流れていく場所:漂流物の動きは離岸流の一番わかりやすいサイン
- 地形変化:砂浜がえぐれている場所、波打ち際に段差がある場所の沖には離岸流が発生しやすい
離岸流を見つけたら、その流れの脇(ヨコ)にルアーを通す。ヒラメは流れの本流ではなく、流れの端で待ち伏せしていることが多い。ジグヘッド(14〜21g)にシャッドテールワーム(エコギア パワーシャッド4インチ、DUO ビーチウォーカー ハウルなど)をセットし、着底→3〜5回巻き→着底のリフト&フォールで探る。
夜のアジング・メバリング
横須賀港の常夜灯周りは、ライトゲームの穴場だ。御前崎港や福田港に比べてアングラーが少なく、魚がスレていない。
- アジング:ジグヘッド0.6〜1.5g+ワーム2インチ(34 タープル、ティクト フィジットヌードなど)。常夜灯の明暗境界をスローにドリフトさせる
- メバリング:プラグ(スミス メバペン、ラッキークラフト ワンダー45など)のただ巻きが効く。巻き速度は「1秒にハンドル半回転」のデッドスロー
- タックル:ロッドはアジング用6〜7ft(ダイワ 月下美人MX 68L-S、シマノ ソアレXR S64UL+-Sなど)。ライン:エステル0.3号またはPE0.2号+フロロリーダー0.8号
安全情報・注意事項
足場と安全対策
- 東堤防のテトラ帯:足場が非常に不安定。雨天時・夜間は滑落の危険あり。必ずスパイクシューズとライフジャケットを装着すること
- 大須賀海岸のサーフ:遠州灘特有の高波・離岸流に注意。ウェーダーを着用しての入水は腰より上に波が来る状況では絶対にやめること
- 波の高さの目安:波高1.5m以上、風速8m/s以上の予報が出ている日はサーフ釣行を中止する判断を。事前にWindyやSCW天気予報でコンディションを確認しよう
- テトラポッドの上での釣り:単独釣行は避ける。万が一の落水に備え、携帯電話は防水ケースに入れて身につける
漁業者・地域ルール
- 横須賀港は現役の漁港。漁船の航路・係留ロープ付近での釣りは厳禁
- 早朝のセリ時間帯(5:00〜7:00頃)は港内の車移動を控え、漁業関係者の作業を優先する
- ゴミの持ち帰りは当然のマナー。コマセやエサで汚した護岸はバケツの海水で洗い流してから帰る
- 漁港内は漁協の管理区域。立入禁止の看板がある場所には絶対に入らない
- 大須賀海岸は5月〜8月にアカウミガメの産卵地となるエリアがある。ロープで囲われた保護区域には近づかないこと
天候・潮汐のポイント
- 風向き:冬〜春は北西の「遠州のからっ風」が強烈。風裏になる港内側か、風の弱い日を選ぶ
- 潮回り:堤防のクロダイは大潮〜中潮の満潮前後がベスト。サーフのヒラメは潮が動き始めるタイミング(満潮・干潮の前後1〜2時間)が狙い目
- 水温:遠州灘の黒潮の影響で、真冬でも水温14〜15℃程度を維持。年間を通して何かしらの魚が狙える
混雑状況と釣行プランの立て方
混雑の傾向
| 条件 | 横須賀港 | 大須賀海岸 |
|---|---|---|
| 平日 | ほぼ貸し切り(常連2〜3人) | ほぼ無人 |
| 土日祝(通常期) | 5〜10人程度 | ルアーマン数人 |
| GW・お盆 | 堤防先端は早い者勝ち | 投げ釣り師が増える |
| ヒラメシーズン(10〜12月) | 大きな変化なし | 朝マヅメは10人以上 |
御前崎や浜名湖の有名ポイントと比べると、圧倒的に空いているのがこのエリア最大の強み。土日でもストレスなく竿を振れる。
おすすめ釣行プラン
プランA:半日サーフ+堤防コース(朝マヅメ〜昼)
- 4:30:大須賀海岸の東側エントリーポイント到着。夜明け前からヒラメ・マゴチ狙い
- 5:00〜7:00:サーフでルアーフィッシング。朝マヅメの2時間が勝負
- 7:30:横須賀港に移動。堤防でちょい投げのキス or サビキのアジ狙い
- 10:00:釣果をクーラーに入れて納竿。帰りに大東温泉シートピアでひと風呂
プランB:ファミリーのんびりコース(午前〜午後)
- 8:00:横須賀港の西護岸(船揚げスロープ横)でハゼ釣り or サビキ
- 10:30:大須賀海岸でちょい投げのキス釣り。砂浜で子どもも遊べる
- 12:00:国道150号沿いの食事処で昼食
- 13:30:港に戻ってのんびりウキ釣り。15時頃に納竿
プランC:夜釣りライトゲームコース(夕方〜夜)
- 16:00:横須賀港到着。明るいうちに堤防のテトラ帯で穴釣り(カサゴ狙い)
- 18:00:夕マヅメにサビキでアジ。エサ釣りでまずボウズ回避
- 19:00〜21:00:常夜灯周りでアジング or メバリング。潮が効いている時間帯に集中
まとめ:遠州灘の穴場を味方につけよう
横須賀港・大須賀海岸は、派手さはないが「釣りの基本」をしっかり楽しめる実力派フィールドだ。堤防のクロダイ、サーフのヒラメとキス、夜のライトゲーム——一つのエリアで多彩な釣りが完結する。
何より、混雑しないことがこのポイントの最大の価値だ。隣のアングラーとお祭り(仕掛けの絡まり)を心配する必要もなく、自分のペースで海と向き合える。週末の御前崎や浜名湖の混雑に疲れたら、ぜひ一度足を運んでみてほしい。
最後にポイントを整理しておこう。
- 横須賀港東堤防:クロダイ(春〜秋)、メバル・カサゴ(冬)、アジ(夏〜秋)が主力
- 横須賀港口周辺:シーバスの夜釣り実績高し。満潮前後が勝負
- 大須賀海岸東側:ヒラメ・マゴチのサーフルアー。離岸流を見つけることが攻略のカギ
- 大須賀海岸中央:シロギスの投げ釣り天国。6月と9月がベストシーズン
- 大須賀海岸西端:秋のシーバス+通年のキス。河川流入がストラクチャーの役割
エサ・ルアーは事前に購入しておくこと、ライフジャケットの着用、ゴミの持ち帰り——この3つを守って、遠州灘の穴場フィールドを存分に楽しんでほしい。



