【訂正】2026年クロマグロ遊漁ルール|届出制・1人各期間1尾・30kg未満は採捕禁止(商業枠拡大との違い)

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2026年・太平洋クロマグロの漁獲枠が過去最大級に拡大|遠州灘・御前崎沖の遊漁ルール変更点と浜松アングラーが知るべき最新動向

【訂正とお詫び】2026年7月27日

当サイトが以前公開していた「2026年・太平洋クロマグロの漁獲枠が過去最大級に拡大」という記事には、事実と異なる記述が複数含まれていた。とくに遊漁(釣り)のルールについて「小型魚は原則リリース推奨」「遊漁船の事前届出は2027年以降に義務化の方向」と書いた点は明確な誤りで、実際には30kg未満の小型魚は採捕そのものが禁止されており、届出制も記事公開の時点ですでに施行されていた。読者が結果として違法な採捕をしかねない、危険な誤りだった。深くお詫びする。

本記事は当該記事を全面的に書き換え、水産庁が公表している資料で確認できた内容だけで再構成したものである。あわせて、商業漁業の漁獲枠に関する会合の記述に加え、報告の期限、罰則の内容、都道府県独自ルールに関する記述も訂正した。

訂正の内容|旧記事の記載と確認できた事実

旧記事の記載(誤り)確認できた事実
2026年4月にWCPFCとIATTCの合同作業部会が開かれ、2027年漁期からの大幅増枠で合意した2026年4月にそのような会合は開かれておらず、2027年漁期からの増枠合意も存在しない。実在するのは2026年7月8〜11日に長崎で開かれた合同作業部会(JWG-11)だが、そこで議論されたのは長期漁獲戦略(管理方式)であり、合意には至っていない。増枠を決めたのは2024年12月の第21回年次会合である
2024年12月のWCPFC年次会合は「段階的増枠で合意」としつつ、2025〜2026年の枠は据え置きと書いたこの会合で合意した増枠の適用は2025年からであり、2025〜2026年を据え置きとする記述は誤り。2024年12月の第21回年次会合(フィジー・スバ)で、日本の太平洋クロマグロ漁獲枠を大型魚+50%・小型魚+10%とすることに合意している
遊漁では小型魚は原則リリースが推奨されている推奨ではなく禁止。30kg未満のクロマグロは、キャッチ&リリースを前提とした場合であっても遊漁による採捕が禁止されている
遊漁船の事前届出は2027年以降に義務化される方向すでに義務。令和8年(2026年)4月から事前届出が必要で、届出の受付は令和8年1月1日に始まっている
30kg以上を採捕した場合は24時間以内に報告する起算は採捕した日ではなく陸揚げした日で、そこから1日以内。ウェブ報告サイトまたは電子メールで、採捕者本人が行う
採捕停止命令に違反した場合は3年以下の懲役または200万円以下の罰金罰則は漁業法第193条により1年以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金等である
静岡県の独自ルールにより、遊漁船が1航海あたりの持ち帰り上限を設定している都道府県ごとの独自の枠や、知事による採捕停止命令という仕組みは存在しない。クロマグロの遊漁管理は国が全国一律で行っている

まず結論|浜松のアングラーがやるべきこと

この記事で伝えたい要点を先に並べる。細部は以降で説明する。

  • 商業の枠は増えたが、遊漁のルールはむしろ厳しくなった。「枠が拡大した=釣りやすくなった」ではない
  • 30kg以上のクロマグロを狙うなら、釣行前に届出が必要。船からでも陸(堤防等)からでも同じ
  • 30kg未満は釣ってはいけない。リリースするつもりでも採捕自体が禁止。掛かったら速やかに放す
  • 持ち帰れるのは1人あたり各期間1尾。以前の「毎月1尾」から変わった
  • クロマグロを狙わない釣り人に届出義務はない。浜名湖のシーバスやハゼ釣りに届出はいらない

商業の漁獲枠|増枠を決めたのは2024年12月の年次会合

まず、旧記事がいちばん大きく取り違えていた商業枠の話から整理する。

日本の太平洋クロマグロ漁獲枠が増えたのは事実である。2024年12月、フィジー・スバで開かれた中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の第21回年次会合で、日本の漁獲枠を大型魚+50%・小型魚+10%とする増枠が合意された。適用は2025年からで、増枠後の数量は大型魚8,421トン、小型魚4,407トンとなっている。

旧記事はこの会合で合意した増枠が2025〜2026年は据え置かれると書き、代わりに存在しない2026年4月の合同作業部会をニュースの主役に据えてしまっていた。順序も内容もあべこべであり、記事の骨格そのものが誤っていた。

2026年7月に長崎で開かれた会合は「増枠の決裂」ではない

直近の動きとしては、2026年7月8日から11日にかけて長崎で、全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)とWCPFC北小委員会の合同作業部会(JWG-11)、および第22回北小委員会(NC22)が開催された。ここでは長期漁獲戦略、いわゆる管理方式(MP)について議論されたが、合意には至らないまま閉幕している。

この会合について「漁獲枠を25%拡大する提案が決裂した」といった受け取られ方をしている場面があるが、これは正確ではない。25%という数字は、管理方式の案のなかで漁獲枠の変更幅の上限として置かれていた数字であって、増枠率そのものではない。数字だけが一人歩きしやすい部分なので、ここは正確に理解しておきたい。

いずれにせよ、この会合の結果によって釣り人が守るべきルールが変わったわけではない。遊漁のルールは次に述べる2026年4月からの内容がそのまま生きている。

遊漁のルール|2026年4月から変わった4つの点

ここからが本題である。商業枠の拡大とは対照的に、遊漁(釣り)に対する管理は強化されている。柱は「届出制」「バッグリミット」「小型魚の採捕禁止」「報告義務」の4つだ。

1. 届出制|大型魚を狙うなら年1回の事前届出

令和8年(2026年)4月から、クロマグロの大型魚を対象とする釣りには事前の届出が必要になった。対象は次の2者である。

  • 大型魚(30kg以上)のクロマグロを採捕しようとする釣り人
  • 大型魚を釣らせる目的で遊漁者を漁場に案内する遊漁船業者・プレジャーボート等の運航者

ポイントは、クロマグロを狙わない一般の釣り人に届出義務はないという点である。遠州灘や浜名湖で青物やシーバスを狙う釣行に届出はいらない。逆に、狙う場合は船釣りでも陸(堤防等)からでも届出が必要で、そこに区別はない。

届出は年1回でよく、釣行のたびに出し直す必要はない。届出の受付は令和8年1月1日から始まっている。また、遊漁船業者・プレジャーボート運航者については、届出の締切が原則として令和8年3月20日とされている。届出先は広域漁業調整委員会(水産庁)である。

手続きの具体的な方法や様式は水産庁の「届出制の導入・届出の方法について」のページにまとまっているので、実際に出す前にそちらを確認してほしい。

2. バッグリミット|「毎月1尾」から「各期間1尾」へ

持ち帰れる尾数の制限も変わった。変更前は太平洋広域漁業調整委員会指示第49号により「1人毎月1尾」だったが、指示第54号(令和8年2月17日一部改正)によって令和8年4月1日から「1人各期間1尾」に変更されている。

ここでいう「期間」は、次の6区分である。

期間区分上限尾数(1人あたり)
4月〜5月1尾
6月〜7月1尾
8月〜9月1尾
10月〜11月1尾
12月〜1月1尾
2月〜3月1尾

2か月で1尾になったわけで、単純に見れば従来の半分である。「先月釣ったから今月また1本」という感覚のままでいると、知らないうちに上限を超えることになる。ここは意識を切り替えておきたい。

3. 小型魚|30kg未満はリリース前提でも採捕禁止

旧記事でもっとも罪深い誤りがここだった。あらためて正確に書く。

30kg未満のクロマグロは、キャッチ&リリースを前提とした場合であっても、遊漁による採捕が禁止されている。「リリースするなら釣ってよい」ではない。狙って掛けること自体が認められていない。掛かってしまった場合は、速やかに放す必要がある。

「推奨」と「禁止」は、守らなかったときの結果がまったく違う。旧記事の書き方では、読者が善意で従っても違法な状態になりかねなかった。

4. 報告義務|30kg以上は陸揚げした日から1日以内に本人が報告

30kg以上のクロマグロを採捕した場合は、採捕者本人が、陸揚げした日から1日以内に報告しなければならない。船長や船宿がまとめてやってくれるものではなく、釣った本人の義務である点に注意したい。

報告する項目は次のとおり。

  • 氏名・住所・連絡先
  • 尾数・重量
  • 尾さ長
  • 陸揚げした日・場所
  • 採捕した海域
  • 利用した船舶の情報 など

あわせて、尾さ長が確認できる写真本人確認書類の写しの添付が必要になる。報告はウェブ報告サイトまたは電子メールで行う。

実務的に効いてくるのは写真である。陸揚げしてから「尾さ長が分かる写真を撮っていなかった」となると詰むので、計測と撮影は現場で済ませておくこと。なお、リリースした個体に報告義務はない。

数量上限|上限に達すると採捕停止になる

個人の尾数制限とは別に、遊漁全体で採捕できる大型魚の数量にも上限が設けられており、上限に達した時点で採捕が停止される。

令和8年度の遊漁の大型魚上限は年間51.4トン。公表されている月別の配分は4月4.2トン、6月3.8トン、8月以降は各月3.5トンで、前年度の年間60トンから縮小している。配分の詳細と、現在の残枠・停止状況は水産庁の公式ページで確認してほしい。

ここでも管理は厳しくなる方向にある。全国の釣り人の採捕量が積み上がって上限に達すれば、その時点で採捕はできなくなる。自分の届出が済んでいても、枠が閉まっていれば釣ることはできない。

つまり、大型魚を狙う釣行を組むなら、出船前に採捕停止がかかっていないかを確認するという手順が新たに必要になる。停止の有無を含む最新の状況は水産庁の公式サイトで確認できるので、釣行前に一度目を通しておきたい。

罰則と、よくある誤解

罰則は漁業法第193条

これらのルールに違反した場合、漁業法第193条により1年以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金等が科される。「知らなかった」で済む話ではない。とくに小型魚の採捕禁止は、リリースするつもりだったかどうかにかかわらず適用される点に注意したい。

都道府県ごとの枠や、知事による停止命令は存在しない

「静岡県の枠はどうなっているのか」「県が独自に採捕停止を出すのか」といった疑問を持つ人もいるが、そうした仕組みは存在しない。クロマグロの遊漁管理は国が全国一律で行っている。静岡県だけ緩い・厳しいということはないし、知事による採捕停止命令という制度もない。

旧記事が「遠州灘・御前崎沖の遊漁ルール変更点」というタイトルで地域ごとの差があるかのような印象を与えていた点も、あわせて訂正しておく。遠州灘で釣る場合も、適用されるのは全国共通のルールである。

ケース別|自分は届出が必要か

釣行の内容届出備考
クロマグロの大型魚を狙って乗合船・チャーターに乗る必要釣り人本人が届出。年1回でよい
自艇(プレジャーボート)で大型魚を狙う必要採捕する本人としての届出に加え、他人を案内するなら運航者としての届出も関わる
堤防など陸から大型魚を狙う必要船釣りと陸で扱いは変わらない
青物・シーバスなど、クロマグロを狙わない釣り不要ただし掛かった場合のルールは適用される
大型魚を釣らせる目的で遊漁者を漁場に案内する事業者必要届出締切は原則 令和8年3月20日

クロマグロが掛かってしまったときの手順

狙っていなくても掛かることはある。そのときに迷わないよう、手順を整理しておく。

  • 30kg未満と判断できる個体…採捕が禁止されているため、速やかに放す。持ち帰る・キープしておいて後で考える、という選択肢はない
  • 30kg以上で持ち帰る場合…事前の届出が済んでいることが前提になる。その期間にすでに1尾採捕していないかを確認し、船上で尾さ長を計測して、尾さ長が確認できる写真を残す
  • 陸揚げ後…陸揚げした日から1日以内に、ウェブ報告サイトまたは電子メールで報告する。本人確認書類の写しも忘れずに添付する
  • リリースした場合…報告は不要

判断に迷う要素があるなら、その場で船長に確認するのがいちばん早い。制度の細かい扱いについては、水産庁のクロマグロ遊漁Q&Aにも整理されている。

まとめ|「枠が増えた」を釣り人の話に翻訳しない

今回の訂正で一番伝えたいのは、商業漁業の漁獲枠と遊漁のルールは別の話だ、ということである。日本の漁獲枠は2024年12月の合意で増えた。しかし遊漁の側は、届出制が始まり、バッグリミットが毎月1尾から各期間1尾に絞られ、遊漁全体の数量上限も年間60トンから51.4トンへ縮小している。方向はむしろ逆だ。

ニュースの見出しだけを見て「今年は釣りやすくなった」と受け取ると、そのまま違反につながりかねない。大型魚を狙うなら、届出・尾数・計測と写真・報告という一連の手順を、釣行の段取りに組み込んでおきたい。制度の細部や最新の採捕停止情報は、下記の水産庁の各ページで必ず確認してほしい。

参考にした一次情報

  • 水産庁「クロマグロ遊漁の部屋」 https://www.jfa.maff.go.jp/j/yugyo/y_kuromaguro/kyouryokuirai.html
  • 水産庁「届出制の導入・届出の方法について」 https://www.jfa.maff.go.jp/j/yugyo/y_kuromaguro/attach/prior_notification.html
  • 水産庁「クロマグロ遊漁Q&A」 https://www.jfa.maff.go.jp/j/yugyo/y_kuromaguro/attach/q_and_a_2025.html
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