「ジギング」と一言で言っても、水深30〜60mでワンピッチジャークするショアジギング・オフショアジギングと、水深80〜300mでジグをゆっくりフォールさせるスロージギング(スローピッチジャーク)は全くの別ジャンルです。
御前崎沖・焼津沖の中深場(水深80〜200m)で根魚・クロムツ・マダイを狙うスロージギングには、専用に設計されたタックルが必要不可欠。道具衛門がスロージギング専用タックルの選び方をシマノ・ダイワ横断で徹底解説します。
1. スロージギングと通常ジギングの違い
| 項目 | 通常ジギング(ワンピッチ) | スロージギング(スローピッチ) |
|---|---|---|
| 水深 | 30〜100m | 80〜300m |
| ジグアクション | 高速・激しい動き | ゆっくりフォール・スライド |
| ジグ形状 | 縦長・細い(センターバランス) | 扁平・幅広(リアバランス傾向) |
| ジグ重さ | 60〜150g(浅場) | 150〜400g(中深場) |
| ロッド調子 | 先調子・硬め | 胴調子・柔らかめ(6:4〜5:5) |
| 主なターゲット | 青物(ブリ・カンパチ・ヒラマサ) | 根魚・マダイ・クロムツ・アマダイ |
| 体力消耗 | 大きい(腕・肩への負荷が高い) | 比較的少ない(ゆっくりした動作) |
2. スロージギング専用ロッド——選び方の核心
ロッドの調子(曲がり方)が最重要
スロージギングロッドは「胴調子(6:4〜5:5)」が正解。竿全体がしなやかに曲がることで:
- ジグに「間」のある動きを与えやすい
- 深場からの急激な引きをロッド全体で吸収してバラシを防ぐ
- ゆっくりしたアクションでも確実にジグを動かせる
スロージギングロッド比較2026
| 製品名 | メーカー | 長さ | ウエイト対応 | 価格帯 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| グラップラー CT スローJ B68-3 | シマノ | 6ft8in | MAX200g | 約35,000円 | 入門者から中級者向け。しなやかな胴調子で扱いやすい |
| グラップラー CT タイプスローJ B66-3 | シマノ | 6ft6in | MAX200g | 約38,000円 | やや硬め。潮流が速い場面でも安定したアクション |
| ソルティガ SJ B63-4 | ダイワ | 6ft3in | MAX240g | 約60,000円 | 高感度・軽量。本格スロージガー向け |
| ソルティガ SJ B66-5 | ダイワ | 6ft6in | MAX300g | 約65,000円 | 水深150〜250mの深場に対応。大型根魚狙いに |
| ゼスタ スロースタッカー | ゼスタ | 6ft3in〜6ft6in | 各グレード設定 | 約40,000〜55,000円 | スロージギング専門ブランドの定番。国内スロージギングの礎 |
| DEEPLINER スローフリーク | ディープライナー | 6ft〜6ft3in | 各グレード設定 | 約55,000〜70,000円 | スロー専門ブランドの最高峰。プロ使用率が高い |
ロッドのウエイトクラス(水深別)
- 水深80〜120m:MAX150〜200gクラス(B63-3〜B66-3)
- 水深120〜200m:MAX200〜300gクラス(B63-4〜B66-5)
- 水深200m以深:MAX300g以上の専用ロッド
3. スロージギング専用リール
リール選びのポイント
スロージギングでは水深が深いため、電動リールまたは大型の両軸リール(ベイトリール)を使用するのが一般的。スピニングリールは使わない(ラインのヨリが問題になるため)。
| リール名 | メーカー | タイプ | 推奨ジャンル | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|
| オシアジガー 1500HG | シマノ | 両軸(手巻き) | 水深〜150m | 約55,000円 |
| オシアジガー 2000NRHG | シマノ | 両軸(手巻き) | 水深〜200m | 約60,000円 |
| プレイズ 4000 | シマノ | 電動 | 水深100〜200m | 約70,000円 |
| ソルティガ 15HL | ダイワ | 両軸(手巻き) | 水深〜200m | 約57,000円 |
| シーボーグ 200JL | ダイワ | 電動 | 水深100〜200m | 約85,000円 |
初心者へのアドバイス:最初は手巻きリールで体感を養ってから電動リールに移行するのがベスト。電動は楽だが、手巻きのほうが魚の動きが手に伝わりやすく上達が早い。
4. PEラインとリーダー
PEラインの選択
| 水深目安 | PE号数 | おすすめ製品 |
|---|---|---|
| 〜120m | 1〜1.2号 | シマノ タナトル4、ダイワ UVF スロージギングセンサー |
| 120〜200m | 1.5〜2号 | よつあみ G-soul オードラゴン、サンライン PE EGI ULT |
| 200m以深 | 2〜3号 | ダイワ UVF スーパーセンサー8+Si² |
カラーローテーション(マーキング):水深の把握がしやすいように10m毎に色が変わるマーキングPEラインを使用。スロージギングでは底ダチの正確な把握が釣果に直結する。
リーダー
- 素材:フロロカーボン(擦れ・根ズレに強い)
- 強度:30〜50lb(根魚・マダイ相手では50lb推奨)
- 長さ:3〜5m(根魚の根ズレ対策で長めに)
5. スロー系ジグの選び方
スロー系ジグの形状と動き
スロージギング専用ジグは通常ジグと全く異なる形状:
- 扁平・幅広の形状:水をはらんでゆっくり沈む「ヒラヒラフォール」を演出
- リアバランス傾向:尻尾側が重いため、フォール中にジグが前後に揺れる
- キラキラとしたフラッシング:明滅がクロムツ・マダイのスイッチを入れる
おすすめスロー系ジグ
| ジグ名 | メーカー | 重量ラインナップ | 特徴 |
|---|---|---|---|
| スティンガーバタフライ ペブルスティック | シマノ | 130〜250g | 国内スロージギングの定番。ヒラヒラフォールが絶妙 |
| スティンガーバタフライ キングスラッシャー | シマノ | 150〜250g | フォール速度が少し速め。潮流が速い場面に |
| ソルティガ TGベイト | ダイワ | 100〜200g | タングステン製で小さくて重い。深場の潮流対策に |
| ディープライナー スピン | ディープライナー | 150〜400g | スロー専門ブランドの定番。マダイ・クロムツ実績高い |
| ガンフラップ | ゼスタ | 180〜300g | 広いフォールアクションで根魚を誘う |
カラー選びの考え方
- ゴールド・シルバー:基本のカラー。晴天・透明度高い時
- グリーン・ブルー:濁り潮・曇天時
- ケイムラ(紫外線発光):深場・暗い時間帯に有効
- レッド・オレンジ:クロムツ・アマダイに実績あり
6. アシストフックの選択
スロージギングのフックセッティング
- 前後ダブルフック:フロント(頭側)とリア(テール側)にアシストフックを装着する「前後セッティング」が基本
- フロントのみ(ワンフック):根魚狙いで根掛かりリスクを減らしたい場合
- フックサイズ:対象魚に合わせて。マダイ・根魚なら#2〜1/0、クロムツ・大型根魚なら1/0〜2/0
まとめ——「スロージギングは「道具選び」から始まる」
スロージギングは通常のジギングとは全く異なる釣りです。専用に設計されたロッド・リール・ジグを揃えることが、御前崎沖でクロムツやマダイを手にする最初の一歩。
まずはシマノ・グラップラーCTスロー系(約35,000円)と電動リール(シマノ プレイズ等)、ディープライナー・スピンジグのセットから始めることをおすすめします。入門セットを揃えたら、御前崎・焼津の中深場便に乗り込んでください。
※スロージギングは水深が深いため、初心者は必ず経験者または船長のアドバイスに従ってください。電動リールの操作方法は事前に確認しておくことを強く推奨します。



