浜名湖の北部——細江・三ケ日・渚園エリアは、南部(弁天島・今切口)とは異なる独特の魅力を持つ釣りエリアです。塩分濃度が低い「汽水域」から「ほぼ淡水域」へと変化するこの北部エリアでは、ウナギ・コイ・フナ・ブラックバスといった他では味わえないターゲットが多く、独自の釣り文化が根付いています。このページでは浜名湖北部(細江・三ケ日・都田川・新居湖周辺)の釣りスポットをアクセス情報・ターゲット魚種・釣り方とともに完全解説します。
浜名湖北部エリアの地理的特徴
湖の塩分濃度勾配
浜名湖は今切口(南部)から海水が流入する汽水湖ですが、北部に向かうほど塩分濃度が低くなります。
- 今切口(南部):塩分15〜30ppt(海水の半分〜ほぼ同等)→シーバス・チヌ・タコが主体
- 湖中央部:塩分10〜15ppt→シーバス・クロダイ・ウナギが混在
- 細江・三ケ日エリア(北部):塩分1〜8ppt(ほぼ淡水)→ウナギ・コイ・フナ・バスが中心
- 都田川・新居湖(最北部):淡水→コイ・フナ・ブラックバス・ブルーギル
北部エリアの豊かな生態系
浜名湖北部はヨシ(アシ)や水草が繁茂する豊かな浅場が広がり、魚の産卵場・稚魚の育成場として機能しています。この生態系の豊かさが独特の釣りを生み出しています。
スポット①:細江大橋周辺(ウナギ・シーバスの名所)
場所・アクセス
- 場所:浜松市北区細江町付近(細江大橋〜細江港エリア)
- アクセス:浜松市内から車で約40分(国道301号経由)
- 駐車場:細江大橋付近の路肩スペース・細江港の無料スペース
細江大橋周辺の特徴
細江大橋は浜名湖の中でも特に潮の流れが複雑になるポイントで、橋脚周りにシーバスやウナギが集まることで知られています。
- シーバス:橋脚の下(橋の影・シェード)にシーバスが常駐。春〜秋の夜がベスト。ミノー・バイブレーションで橋脚に沿ってリトリーブ
- ウナギ:夜の電気ウキ・ブッコミ釣りが定番。エサはドバミミズ・ザリガニが最強。5〜8月の夜がシーズン
- チヌ:橋脚周りの底にチヌが着く。フカセ釣り・チニングで狙える
スポット②:三ケ日エリア(浜名湖最北西部)
場所・アクセス
- 場所:浜松市北区三ヶ日町(みっかびちょう)
- アクセス:東名三ヶ日IC から車で10分。またはJR浜松駅からバスで約1時間
- 三ケ日みかんの産地として有名な観光エリアでもある
三ケ日エリアの釣り特徴
三ケ日エリアは浜名湖の最北西部に位置し、ほぼ淡水域です。コイ・フナが豊富で、浜松市内から来るルアーアングラー(バスフィッシング)も多いエリアです。
- コイ(ニゴイ含む):三ケ日地区の護岸・桟橋周りにコイが多い。ダンゴ釣りが伝統的な釣り方。ご飯粒やうどんエサも有効
- フナ:浜名湖のフナ(ゲンゴロウブナ・ヘラブナ系)は大型になる。ヘラブナ師が集まる有名ポイントもある
- ブラックバス:外来種だが浜名湖北部に生息。ヘラブナ釣り師との共存が課題になっているエリア
- ウナギ:6〜9月の夜に三ケ日港周辺でウナギのブッコミ釣りができる。地元のベテラン釣り師に人気
スポット③:渚園キャンプ場周辺(多目的釣りポイント)
場所・アクセス
- 場所:浜松市中央区村櫛町(浜名湖の中央西岸部)
- アクセス:浜松市内から車で25分。渚園(なぎさえん)は浜名湖サービスエリア付近
- 施設:渚園オートキャンプ場(有料)が隣接。キャンプ+釣りが楽しめる
渚園周辺の釣り
渚園の岸から湖の中央方向を狙うポイントは、塩分が中程度の汽水域で多様な魚種が狙えます。
- ハゼ:夏(6〜10月)の干潟際でちょい投げ。初心者・ファミリーに人気
- シーバス:夜のルアー釣り。岸際のシャロー(浅場)をサスペンドミノーで狙う
- チヌ:底をズル引きするチニングが有効。干満の差が小さいこのエリアでは干潟際の底を探る
スポット④:都田川(都田川河口〜上流部)
都田川の特徴
都田川(みやこだがわ)は浜名湖に流入する主要河川の一つで、淡水から汽水まで様々な釣りが楽しめます。
- 河口部(浜名湖との合流点):シーバス・ウナギが主体。夜の電気ウキ・ルアー釣りに適している
- 中流部(橋梁周辺):コイ・フナ・ウナギ。橋脚周りが好ポイント
- 上流部:完全淡水域。コイ・フナが主体
都田川でのウナギ釣り
都田川は浜名湖のウナギが遡上するルートとして昔から知られています。
- 釣り方:夜のブッコミ釣りが基本。エサはドバミミズが最強(雨上がりの翌日はミミズが地表に出る→採集チャンス)
- 時期:5〜9月の夜。特に梅雨(6月)の増水後が狙い目
- 注意:天然ウナギは資源保護の観点からリリース文化が広まっている。地域の漁業規制を確認すること
スポット⑤:湖西連峰(浜名湖西岸の穴場エリア)
湖西市の浜名湖岸
静岡県湖西市側の浜名湖岸には、あまり知られていない穴場ポイントが点在しています。
- 浜名湖北岸の漁港跡地:コンクリート護岸が残る小規模ポイント。周辺は砂泥底でハゼ・シーバスが狙える
- 湖西市の農業用水路:浜名湖に流入する小河川・水路。夜にウナギが上がってくる場所として地元に知られる
- アクセス:湖西市内から各ポイントへ。国道301号沿いから湖岸に出る道が複数ある
北部エリアの注意事項
ウナギ・コイの漁業規制
浜名湖北部は漁業が行われているエリアが多く、釣りに関する規制を事前に確認することが重要です。
- 浜名漁業協同組合・内湖漁業協同組合の管轄区域では特定魚種の採捕に遊漁券が必要な場合あり
- 天然ウナギは「絶滅危惧種(EN)」指定(環境省レッドリスト)。採捕量を最小限に抑えること
- コイ・フナ等はリリースを基本とする釣りスタイルが推奨されている
車・釣り場マナー
- 北部エリアは農業・漁業地帯に隣接するため、農道への無断侵入・農地への立入は絶対禁止
- ゴミの持ち帰りは当然。地元の生活道路に車を停めることは避ける
北部エリアの釣り具・エサの入手場所
- 中谷釣具店(舞阪漁港近く):ミミズ・活エサが充実。ウナギ釣りの情報も豊富
- 上州屋 浜松弁天島店:北部エリア向けの仕掛けも揃う
- ホームセンターコーナン・カインズ(浜北・三ケ日方面):基本的な釣具・エサが購入可能
まとめ:浜名湖北部は「別の顔」の釣りを楽しめるエリア
浜名湖は南部(シーバス・タコ・チヌ)と北部(ウナギ・コイ・バス)で全く異なる釣りの顔を持ちます。南部の活気ある潮流ゲームに慣れたアングラーが北部の静かな夜のウナギ釣りに挑戦するのも、浜名湖釣りの楽しみ方の一つです。
特に夏の夜(6〜8月)に細江大橋や都田川でウナギのブッコミ釣りをして、翌朝自分で捌いてウナギを食べる——浜名湖の釣り文化を深く体験できる最高のアクティビティの一つです。



