スズキ(シーバス)をおいしくいただくための豆知識【寄生虫と洗いについて】

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成長すれば体長は1mに迫り、岸から狙いやすいスズキ(シーバス)は、トップクラスの人気がある釣り対象魚。

反面、海釣りでは珍しく「釣るけど食べない人」が多い。

スズキは市場でキロ単価1,200円ほど。わりと高級寄りで、コース料理のメインを張る魚なのだが、美味しい魚だと知らない人が多い

 

その理由に「クサイ」「寄生虫ガー」とよくいわれているけれども……

臭くない魚なんて、「香魚(アユ)」くらいだと思うのですが。

 

スズキに付着する可能性のある寄生虫

 

魚に宿る寄生虫で、人へと宿る寄生虫をどれだけ知っていますか?

実は、有名な”アニサキス”しか居ません。

 

スズキに宿る寄生虫は「ウオノコバン」「粘液胞子虫」が特に多い。

小魚を食べるため、それらに宿っている虫を頂戴することもあり、寄生虫リスクはわりと高い魚になる(参考に→魚の寄生虫)。ぶっちゃけ、リンク先の虫全部に侵される可能性はあります。

ウオノコバンは外皮のどこかしらに、オプションで着いているので気付きやすい。

粘液胞子虫は身肉に宿るため、捌いてからのお楽しみです。(実際はキモイ)

 

オプション装備タイプなら取り除けば問題はない。仮に生で食べたとしても、人に寄生することはありません。

粘液胞子虫も加熱すれば問題ありませんが、見た目が悪いのと、筋肉を食べるから全体の食味は落ちてしまいます。

人に寄生しない=人体に影響はない」というわけです。

今まで「寄生虫=食べるとヤバイ」と、間違った認識を持っていた人は多いのではないでしょうか。

 

知ろう!防ごう!食中毒|公益社団法人日本食品衛生協会

 

アニサキスは肉眼で見れますが、ヒラメに宿るとされているクドアは肉眼で確認できません。

でも魚に宿る寄生虫は、不安ならいずれも加熱すればいい話

日本は生食文化があるので、わざわざリスクを高めるなら、寄生虫への造詣を深める必要はあると感じませんか?

 

寄生虫が原因でないのなら食中毒になるのは何でなんだぜ?

 

これは魚に付着している雑菌や、台所など調理側の衛生管理が原因であるケースが多い。

 

魚の身は一部の例外を除き、基本は無毒です。

魚を食べることで中毒になる”シガテラ”や”フグ毒”は、生まれた時から宿しているわけじゃないです。

 

この仕組みは食物連鎖によるもので、毒を含んだエサを食べ続けることで蓄積していき、連鎖の上位に影響していく。寄生虫と同じ構図ですね。

フグはスベスベマンジュウガニを食べてテトロドトキシンを蓄積する特殊なタイプ。養殖されたトラフグは「無毒」をウリにできるのも、毒を食べることがないためです。

「アブラソコムツ」や「バラムツ」など、人体に影響のある油脂を持つ生物を除くと、毒素をあらかじめ持つ魚類は、自然界にほとんど生息していません

 

 

衛生面で気をつけることは、とにかく水で洗い流すこと。

細菌が付着するのは外皮(外側)と内臓に、あとは血液。魚を捌いたまな板をそのまま使用せず、身を切る前に洗い流すか裏返しにするかしましょう。

◯枚に卸した切り身は別容器に分けるのは、雑菌が着くリスクを減らすためです。

 

 

スズキの色で生息地がある程度わかる

 

スズキは居着くタイプと回遊するタイプが存在します。とはいえ大半の魚がそれに該当しますが……。

スズキの特徴は、淡水と海水どちらでも対応でき、水質変化に柔軟です。しかし寄生虫や雑菌のリスクが高まるのは、淡水域になるにつれ高くなります。

 

淡水や汽水で釣れる個体は、表皮が黄色に見えたりドス黒かったり、おまけに臭いがキツいのが多い。

対して外洋のスズキは銀鱗でピカピカ、淡水に比べて臭いはまだマシ。沿岸に定着する方が黄色がかっている色をしており、回遊するタイプのほうが銀ピカで、こちらはよく「良いコンディションですねぇ」といわれてますね。

ちなみにアジも黄と青がいますが、これと似た理由です。

食味でいうなら、栄養は沿岸に居るほうが多く摂るので「黄色」のほうが味が濃く感じる。外洋の青がかったのは臭いが少なく、食べやすいクセのない味になります。

 

ヒラスズキが綺麗なのは、外洋に生息しているため。海流による循環で水質が安定しており、銀ピカな個体が多くなります。

食性もほぼ肉食で小魚を主に食べているため、身にクセがつきにくく、余分な下処理が省けて味も上品。おまけに捕獲も難しく個体数も少ないために、高級食材とされているわけです。

 

外見の色で調理法を考えよう

 

黄色がかったスズキは水質が悪い場所に居た可能性が高いため、生食は回避して加熱調理が無難。

銀ピカのスズキは外洋で揉まれたから、身が締まっているので刺身でも大丈夫。

大型になるほど寄生虫のリスクは高まり、小型ほどオプションは少ない傾向があります。

 

現代において「人体に影響がでるレベル」や「魚が死ぬレベル」の水質汚染は無に等しく、どこで釣っても生食するのは可能です。

ではなぜ食中毒のような症状がでるのだろうか?

大事なことなので2回目、家庭での捌き方や衛生管理がそもそもの原因であることが多いのです。

 

例えばまな板で魚を捌き、切り身をグリルで焼いたとする。

焼いたけど皿がないからとりあえず──でまな板に置くとか。それを拭いた布巾で調理台を拭くとか。

雑菌は捌いた道具に多いので、ようは「捌く道具」と「造る道具」を別にするといい。

 

 

スズキを洗いにするのは寄生虫や雑菌を洗い流すため?

 

スズキは”洗い”が有名ですが、これはただの下処理です。

雑食性で身に脂がのりやすく、それは臭いの元でもあるため、そのまま刺し身にするとクセを感じる。

なので流水で身を洗い臭いを取り、氷水で身を引き締めて歯ごたえをよくする──。

その手法を洗いと呼ぶだけで、食中毒を予防するための仕事ではありません

 

そして洗いをするには鮮度が問われます。

これは食感を出すためで、死後硬直が進行した個体では、ボソボソとした食感になってしまうためです。

「洗いにすればなんでもOK!」ではなく、身にクセ(臭い)のある魚を歯ごたえが良い状態で頂くための手法が”洗い”です。

 

 

魚を生食するために大事なこと

 

魚を生食するのが大好きな日本は、外から「ぶっち切りでイカれたヤツ」と冷ややかな目で見られていました。

近年は和食ブームもあり、旅行に来る人も多くなったり、刺し身も認められてきました。

そして、生食するのが大好きなのは釣り人も同様です。

 

釣り人は”魚を締める”知識を備えています。

ですが、偏った知識が垣間見えるので、こんな記事も書いてみました。

 

「血抜きvs神経締め」どちらの効果が上か?【魚を〆る美学】
釣り場で魚を締めている姿を見かける。 「せっかく釣れたのだから、より美味しく食べたい」──の気持ちはわかる。けれど、根拠は存在しているのだろうか。 「締めた刺身はうまいなぁ(チラ」とか「やっぱり神経締めは違うなぁ(チラ」とか、ボジョレー

 

血を抜くのは確かに身を綺麗にするし、神経締めは死後硬直をほぼ無くすことができます。

そんなことよりも、寄生虫のリスクを避けるには、内臓を取り出すのが手っ取り早い方法です。

アニサキスは魚の死後、内臓から身に転移するから、そのリスクを無くせるわけ。サバやブリなど、青物を釣ったら即首を折り内臓を出すのはこのため。

まあ”締める”ほうで認知されているみたいですけど。

 

生食する以上、魚だけではなく、肉や野菜も食中毒のリスクはあります。

品質管理も予防に重要ですが、最たるものは調理する側

外食産業でよくある例は、「肉を切った包丁でサラダを作る」や、「肉を切ったまな板でサラダを作る」など。作り手側の衛生観念がずさんだったことが多い。

そしてこれは、家庭でこそなおさら起こりやすい問題です。

 

刺し身を造るにあたり、まな板と包丁は2セット欲しい

 

外食産業では常識ですが、素材によりまな板と包丁を使い分ける衛生意識高い系家庭はおそらく少数でしょう。

魚を捌くにあたり、魚をおろす用と造る用でまな板を使い分けるのは、その予防として重要です。

 

スズキのさばき方|手前板前

 

食中毒を防ぐためには先のことを基本として、血合いと身をよく洗うことがひとつ。

まな板と包丁が2セットない場合には、とにかく水で流すのが第一歩です。

 

生食するための調理で重要なのは「雑菌を洗い流すこと」「雑菌を付着させないこと」。

 

清潔は当たり前であって、生物を扱うからこそ、普段の衛生管理が問われます。

季節を問わずして、食中毒になるかならないかは調理の意識次第。

正しい知識という基本を備えたうえ、正しく調理しましょう。

 

肉や魚を扱った調理器具は、洗ったあとにアルコールスプレーでの除菌をすすめます。

湿度が高い季節などは、台所に除湿機を置くなどして湿地帯にすることを避けましょう。

 

ヨーロッパのレストランで普通に多い魚料理がスズキを使ったもの。

「臭い魚料理」というのは下処理が間違っているだけ。

それを違えなければ、マズイ魚なんてこの世にほとんどいませんよ?

料理
タイトル通り浜松市在住のアングラー。その周辺に出没します。 当ブログは私に見える範囲での、釣り情報から釣り方の知識など、おまけに業界ニュースを主にとりあげています。 2018年はモバイルロッド片手に、浜名湖一周釣り歩きを計画中。
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