スズキ(シーバス)は海釣りで最も人気の魚。体長は最大1mに迫り、岸から狙いやすく、初心者から玄人まで好かれる対象魚です。
「生臭くて食べられない!」とも評判ですが、刺身で食べれない魚と思い込んでいる人が多い。
今記事は「シーバスを刺身でも美味しく頂くための豆知識」についてまとめています。
この記事のまとめ
スズキ(シーバス)は、海釣りで人気の高い魚で、最大1mに成長し、初心者から熟練者まで愛されています。しかし、「生臭い」と評されることが多く、刺身で食べられないと思われがちです。この記事では、シーバスを刺身で美味しく食べるためのポイントを解説しています。
まず、シーバスには寄生虫が付きやすいことを認識しましょう。特に「ウオノコバン」や「アニサキス」などのリスクがあります。寄生虫は加熱すれば無毒化できるため、焼き魚や煮魚として調理するのが安全です。しかし、日本には生食文化があり、刺身や寿司の魅力は捨てがたいものです。
刺身での食中毒は細菌が原因であることが多いため、衛生管理が重要です。魚を捌く際には、包丁やまな板をこまめに洗浄・消毒することが必要です。また、シーバスの旬は冬で、この時期は脂が乗り、臭いも少なくなります。
特に、シーバスの「洗い」という調理法がおすすめです。流水で脂を洗い流し、氷水で身を引き締めることで、さっぱりとした刺身に仕上がります。また、刺身で食べる場合は、外洋側の綺麗な水質で育ったシーバス、特にヒラスズキが最適です。
スズキ(シーバス)に付着する可能性のある寄生虫
川の魚と海の魚、どちらが寄生虫リスクが高いと思いますか?
実は川魚のほうが寄生虫を持つ率が高く、食べることで人に寄生する種類もいます。
川は土壌のミネラル分が含まれ、響きは健康に良さそうですが、野生動物の糞尿も盛りだくさんあるため、煮沸消毒なしに飲むのは大変危険です。
シーバスは肉食タイプで、寄生虫リスクはそれなりに高め。
臭いと評判なのは、水質が悪くなりやすい、浅い地域に生息することを好むため。外洋に面した磯で釣れるヒラスズキは、嫌な臭いもなく銀色で美しいですね。
スズキ(シーバス)に限らず、沿岸の肉食タイプに宿る可能性の高い寄生虫は、「ウオノコバン」「粘液胞子中」などが該当し、チヌでも良く見られます。あとは小魚をよく食べため、「アニサキス」のリスクがゼロとはいえません。
シーバスは、”寄生虫リスクがそこそこ高い魚”であることを認識してください。
寄生虫は加熱すればたいてい倒すことができる!だから加熱調理しよう!
寄生虫は加熱すればほぼ無毒化できます。
寄生虫や食あたりのリスクに怯えるくらいなら、焼き魚に煮魚と、火を入れちゃえばいいのに──と、常々思うのですが、日本には生食文化があります。
そして……刺身と寿司という、魔性の料理があります。
生食文化は絶やしてならない! でも生は危ない……! 一体どうすればいいの?
刺身の食中毒は細菌が原因になることが多い
刺身で腹イタタになるのは、細菌が原因であることが多い。
魚の表皮には、鱗と粘液で守られています。独特の臭いは粘液が要因であることが多く、ここには水中の細菌も付着します。
細菌による食あたりがなぜ起こるのでしょう?
もしかして、魚を捌く時……包丁とまな板を洗わずにやりませんでした?
魚の鱗を取る時はまな板に乗せると思いますが、その時、まな板に細菌が移ります。その都度洗い流したり消毒すれば問題ありません。でも、洗わず切り身を乗せて刺身を作れば……?
まな板から刺身に細菌が移り、食中毒の原因になりやすいわけです。
魚料理でも刺身は特に、衛生管理が重要です。鱗処理はシンクの中でやって、捌く時はまな板を使ってもいいですが、刺身に切る時は新しい面を使うようにしましょう。
これを心がけるだけで、リスクは格段に減るはずです。
シーバスを安全においしく刺身で頂くため覚えておくこと
スズキ(シーバス)の旬は「夏」らしい。
夏は脂が乗りやすいけど、水温が高く水質が悪くなりやすいため、ぶっちゃけ刺身に向かない時期。そもそも脂の質も悪いですしね。
スズキを食べるのに最も向いているのは「冬」。
冬期は産卵期も重なり、大きく育ったスズキが寒い冬を越すため、たっぷり脂をこさえています。水温が下がると微生物も減り、水質もよくなるため、この時期のスズキは嫌な臭いが薄れていると感じるはず。
越年するタイプで一番ウマイのは、冬期だと相場は決まっています。問題は釣りやすいかどうかの違い。
スズキの洗いはどんな料理?
スズキの刺身料理といえば「洗い」が有名です。
魚の脂は臭いの元凶。それを流水で洗い流すことで、サッパリした刺身に仕上げるための手法が「洗い」です。その工程は非常にシンプル──
- 刺身の大きさに切った身を流水で洗う(脂を落とす)
- 氷水で身を引き締める(歯ごたえアップ!)
ようは「茹でたうどん・そうめん」を冷水で洗い、コシを与える作業と同じこと。
けっこう勘違いしている人が多いですが、決して食中毒を予防するための調理法ではありません。
刺身でシーバスを食べたければサーフか磯に行け!
刺身で美味いシーバスが食べたいなら、サーフや磯などの外洋側がおすすめ。
外洋は海流で常に循環しており、水質が綺麗な状態を維持しているから、表皮の独特な臭いが弱くなります。水質が良ければエサも美味くなるわけで、身質も良いですよ?
ヒラスズキは高級魚に分類されます。
最もたる理由は、磯の岸壁に生息するため漁がしにくいのもありますが、水とエサの質がいい場所で育つから、銀色でキレイな体に育ち、独特の匂いも少ないから。
刺身にするならヒラスズキはオールシーズンでベスト。地磯が近所で毎日釣る実力があるなら、料理店に専属卸しで副業もできますね。