『投げる』『掛ける』『取り込む』の3つに、ロッドが折れやすい条件が集中します。
数ある釣りの中でも、ウェーディングが最も折れやすい状況が多い。
ロッドは曲げてナンボ。
でも想定外の曲げ方をすればすぐ折れてしまう……。
やってはいけない、曲げてはいけない角度を知ることで、破損を防ぎましょう。
“この記事のまとめ”
ロッドが折れやすい状況は、「投げる」「掛ける」「取り込む」の3つの場面に集中しています。特にウェーディングではロッドが折れやすく、その原因は**ランディング(取り込み)時にロッドを真上に上げることにあります。ロッドの角度を仰角40~60°**に保つことで、折れるリスクを大幅に減らせます。
ウェーディングや管釣りの際、ロッドの破損を防ぐためのテクニックとして、長めのランディングネットを使う、もしくはロッドの角度を維持したまま魚を引き寄せることが有効です。ロッドは曲がってこそ性能を発揮するため、正しい角度で使うことが重要です。
ロッドの選び方として、曲がりを楽しむなら**「胴調子(スローテーパー)」、敏感なアタリを察知したいなら「先調子(ファストテーパー)」がおすすめです。高級ロッドはより大きく曲がる耐久力がありますが、どのロッドも正しい使い方を守ることで、折れることを防げます。
ウェーディングでロッドが折れやすい理由
ウェーディングでロッドが折れやすいのはなぜだろう……?
答えはランディング(取り込み)時にあります。魚を取り込む時は、網かグリップを携えて、手づかみできる位置まで寄せますよね。そうしようとすると、ロッドをほぼ真上まで上げないといけない。
雑な図で説明するとこんな感じ。
この状態で魚に暴れられると、大きさを問わずにあっさり「ポキッ」といきます。ロッドの角度は仰角40~60°が性能を美味しく使える範囲。ここを守れば折れる心配はまずないです。
ウェーディングや管釣りのランディングでロッドを破損させないテクニック
ウェーディングなど、人と魚の距離が短い釣りでは、ランディングにコツがいります。といっても難しいことじゃなく、簡単な工夫で対処できます。
- ランディングネットの柄を長めにする
- ロッドの角度を維持したまま腕を引いて魚を寄せる
(1)は道具でなんとかする方法。ネットの柄を長くすれば、人と魚が離れても取り込めるため、真上まで上げる必要がなくなります。
ウェーディングで柄が長いと邪魔になりやすいが、柄が伸びるタイプを意識して選択するのがオススメ。
(2)はハンドランディングで必須になるテクニック。鱗のない魚はネットやグリップで傷つけないため、手でランディングする必要があります。そんな時はロッドを持つ腕を後ろに引き、逆の手を伸ばして魚を掴みましょう。
ロッドの正しい角度は対象物との三角形を意識すること!
ロッドは曲げてこそ性能を発揮する物。曲がって元に戻る力(反発)は魚のアタックを吸収するし、少ない力で仕掛けを遠くに飛ばしてくれる。
ロッドの性能を全て引き出すには、正しい使い方、正しい角度を知るのが重要です。手っ取り早く図で説明するとこんな感じ──
ロッドの角度魚を繋ぐラインは、曲がりに直角が来る三角形を意識するとベスト。これを意識すれば反発も最大限活用できるし、ラインシステムへの負担も少なくなります。
……とはいえ、手元に寄せるにつれ、ロッドは水平にしていく必要があります。この時に下げ過ぎるとラインに負荷がかかり「ブチッ」、上げ過ぎるとロッドの細い部分に負荷がかかり「ポキッ」──といきます。破損なりバラシの原因は大体これ。
ロッドは対象魚の重量を考慮して設計するため、耐えうる重量こそ存在しますが、正しい角度に正しい曲げ方を守り、リールのドラグを活用すれば、折れることはまずありません。
曲がりを楽しむロッドの選び方
ロッドの曲がりを楽しむなら、「胴調子(スローテーパー)」(参考:上記ロッド)を選択するのがおすすめです。
仰角高めでこそ性能を発揮するので、持ち上げる必要があるから、自然とロッド全体の姿を視界に入れることができます。
「先調子(ファストテーパー)」は小さなアタリを敏感に察知しやすく、投げやすいのがメリット。
↑仰角を抑えることができるので、楽だしある意味エコです。
究極の胴調子となれば「磯竿」と「船竿」ですかね。
これらは振り出しタイプに一本物が大半なので、ジョイントする物よりロッド全体が均等に曲がるため、特に美しい。磯竿は5m超が多いので、なおさら弧が映えますね。
ちなみに、最強・最高峰ロッドの凄さは、シマノの「EXSENCE∞」。
ある”強度テスト動画”がおすすめ。
ちょっと馬鹿げてる角度で曲がっています。これは新品一発勝負ならではなので、実際に真似しないでください。
3万以下だと「く」の字が限界ラインですけど、5万以上は「つ」の字まで許容できる耐久力がある感じですね。ちなみにどんなに高価でも「つ」を超えれば折れます。
魅せるアングラーはロッドの曲げ方も上手い
魚を掛けた後のロッドの扱い方が、特に巧いと思うのが村田基氏と高橋哲也氏。
魚を掛けた後、一見して派手なパフォーマンスをしているかのように見えますが、ロッドの角度をほぼ一定に保っていることが、映像内でわかると思います。
ロッドの扱い方やランディングのレクチャーは、「管釣りマスター」が映像として参考になります。
DVDだが、ぜひ!!