「カレイ」と言えば、多くの方が口にした事があるポピュラーな食用魚です。
煮付けや刺身、干物で食べられ地域によっては年末年始になくてはならない食材となっている事もあります。
⭐この記事でわかる事(先に結論)
マツカワは北海道から東北の冷たい海に棲む、カレイの仲間で最高級とされる大型魚です。漁獲量がごく少ないため「幻のカレイ」「カレイの王様」と呼ばれ、35cmを超える良型は北海道えりも以西で水揚げされたものが「王鰈(おうちょう)」というブランド名で流通します。釣りで狙う場合は北海道沿岸や津軽海峡のサーフ・漁港からの投げ釣りが基本で、秋から冬が好機。エサはイソメ類やゴカイ、サンマ・サバの切り身などが効きます。本記事では生態・見分け方・投げ釣りの仕掛けとエサ・釣期と釣り場・刺身や縁側など料理まで、図鑑級にまとめました。
| 項目 | マツカワ早見データ |
|---|---|
| 分類 | カレイ目カレイ科マツカワ属(学名 Verasper moseri) |
| 別名 | 王鰈・タカノハガレイ・ムキガレイ・タカバ など |
| 大きさ | 全長60〜80cm、時に80cm超・体重6kg超も |
| 分布 | 茨城沖・若狭湾以北の太平洋、日本海北部、南オホーツク海 |
| 釣期 | 沿岸で狙えるのは主に秋〜冬(産卵期は晩秋〜春) |
| 釣り場 | 北海道太平洋側・津軽海峡などのサーフ・漁港 |
| 釣り方 | 投げ釣り(ぶっこみ)・遠近に複数本のサオを設置 |
| エサ | イソメ・ゴカイ・ユムシ、サンマやサバの切り身 |
| 主な料理 | 刺身・縁側・カルパッチョ・塩焼き・煮付け |
また、カレイは投げ込み釣りで釣りやすいため、釣り初心者や家族でアウトドアを始めた方にも人気があります。
その中でも今回は「幻のカレイ」「カレイの王様」と呼ばれる「マツカワ」について皆様にご紹介させていただきます。
マツカワは漁獲量が少ないだけでなく、その分謎が多い種類です。しかし、貴重なその身は非常に美味しいため、カレイの仲間とは思えない高級魚となっています。

この記事は、そんなキングオブカレイの世界をまとめてみました。
1,謎多き幻の魚・マツカワとは!?
マツカワは「カレイの王様」と称される一方で、その生態には今なお分からない部分が多い魚です。大型のカレイなのに漁師さんの刺し網にもなかなか掛からず、市場に並ぶ事も滅多にありません。まずは分類・別名・分布・大きさ・見た目・食性・釣れる時期といった基礎データから、この魚の全体像をつかんでいきましょう。カレイの仲間全般の生態や、より身近なマコガレイ・イシガレイとの違いを知っておくと、マツカワの特異さがより際立ちます。あわせてカレイ(マコガレイ・イシガレイ)完全図鑑も参考にしてみてください。
①分類
マツカワは生物学上「カレイ目カレイ科マツカワ属」に分類されています。学名は「Verasper moseri」で「Verasper」がマツカワ属を指しています。

マツカワ属の魚には同じく美味しい魚と言われている「ホシガレイ(星鰈)」も含まれており、食の期待値が高いです。
②別名について
多くの名前を持つ種類でもあり、「キマツカワ」「シロマツカワ」「タカノハガレイ」「ムキガレイ」「ヤマブシガレイ」「クロスジガレイ」「タカバ」とも呼ばれています。
これだけ別名が多いのは、生息域が北海道から東北、日本海側まで広く、地方ごとに呼び名が根付いてきたためです。背ビレと尻ビレに走る帯模様が鷹の羽のように見える事から「タカノハガレイ」、皮を引いて食べる事から「ムキガレイ」と呼ぶ地域もあります。流通の現場ではマツカワよりもブランド名の「王鰈」の方が通りが良い事も多く、同じ魚でも呼び方ひとつで価値の印象が変わる、不思議な存在です。

マツカワという名前自体も有名ではありますが、「王鰈(おうちょう)」という呼び名もかなり有名です。
③生息分布について
生息分布は意外と広く、茨城沖、若狭湾より北の太平洋や北日本海、南オホーツク海に生息しており、島根県の太平洋側でも漁獲される事もあります。

マツカワは特に大陸棚の底が砂泥になっている場所を好んでおり、暖かい時期は浅瀬、寒い時期は水深200m以上の深さに移動して生活するのが特徴です。
⭐北のマツカワ、南のホシガレイ!
南日本でよく漁獲される高級魚・ホシガレイと相対する魚として、マツカワは北日本代表の高級カレイとされています。
マツカワは漁獲量自体が少ないため見かける機会は滅多にありません。

また、漁獲されたとしても一般的な魚屋さんや市場でも並ぶ事はほとんどなく、マツカワのほとんどが料亭などに流通するとまで言われています。
④どのくらいの大きさ?
カレイの仲間の中では大型種であり、全長90cm以上になる事もあります。

マツカワは体長平均60〜80cmほどに成長しますが、天然物は滅多に市場に出回る事がなく、養殖された40cmほどの個体が売りに出される事がほとんどです。
⑤どんな見た目?
体型はカレイの仲間らしく縦に著しく扁平で、上から見ると菱形に見えます。
マツカワの体表は黒褐〜茶褐色をしており、移動や擬態に用いられる背ビレ、尻ビレには黒〜褐色の帯模様があります。
また、体表にはザラザラとした硬いウロコがあるのも他のカレイとの違いの1つです。

マツカワの尾ビレは後端の真ん中部分が丸みを帯びた扇型になっており、これを使って一気に泳ぎ獲物に近寄ったり天敵から逃げたりします。
⭐名前の由来は体表の硬いウロコから!
マツカワは漢字表記では「松皮・松川」と表記されます。この名前の由来として、マツカワのウロコは硬くて丈夫、ザラザラとした触り心地をしており、模様も含めて松の木の皮に似ているために付けられたという説があります。
⭐成熟した個体は雌雄判別も簡単!?
マツカワは貴重な魚ではありますが養殖もされており、それに伴って雌雄判別もしやすいカレイの仲間となっています。
その方法はマツカワをひっくり返した時に見られる目がない面(無眼部)で判別をするというものです。

ひっくり返した時に、この面が白ければメス、黄色ければオスです。ちなみにひっくり返した時に無眼部に黒い斑模様があった場合はホシガレイとなりますので、釣り上げた際は種類判別も含めてやって見ると良いと思います。
⭐基本は砂に潜っている

マツカワを始めとするカレイの仲間達は砂泥に潜って外敵から身を守っています。
筆者もダイビング中に見た事があるのですが、砂から目だけを出して常に周りを窺っています。

そんな彼らは背ビレと尻ビレがとても器用で、少しだけ立てて波のように動かす事で砂地を歩いたり、隠れる時も背ビレと尻ビレを細かく動かして自身に砂をかけながら潜り、敵の目を欺きます。
⑥何を食べているの?
マツカワは肉食性の魚です。自然下では砂泥に潜んで待ち伏せし、エビやカニなどの甲殻類やゴカイ、貝類、小さな魚などを捕食しています。

魚釣りの際はゴカイにも反応しますが、サバやアジ、イワシにも強く反応する個体がいます。
⑦漁獲されている時期は?
非常に美味しい魚と言われるマツカワは10月〜12月に漁獲されており、カレイの刺し網漁が盛んな北海道の苫小牧市では11月がマツカワ水揚げのピークとなっています。

また、マツカワの産卵期は11月〜4月と言われているため真子を狙う場合は産卵期前に狙うようにしましょう。
⑧そっくりさんとの見分け方(ホシガレイ・イシガレイ)
マツカワを釣り上げた時、まず迷うのが同じく高級カレイの「ホシガレイ」との区別です。決め手は背ビレと尻ビレの模様です。マツカワは黒い帯がヒレの外縁まで届く帯状になっているのに対し、ホシガレイは丸い斑点(星)が胴体に沿って並び、外縁までは達しません。「帯ならマツカワ、星ならホシガレイ」と覚えておくと現場で迷いません。
もうひとつの手掛かりが、ひっくり返した目のない側(無眼側)です。ホシガレイは無眼側の後方に黒い斑紋が散っている事が多いのに対し、マツカワは無い個体が多く、あっても少数にとどまります。北海道で放流された栽培魚が育った個体には、無眼側にうっすらと黒ずみが出る事もあります。砂浜でよく釣れるイシガレイは体表に骨質のかたいゼイゴ(石)が並ぶのが特徴で、ザラついたウロコのマツカワとは触り心地も見た目も大きく異なります。
| 種類 | 背ビレ・尻ビレ | 無眼側 | 体表の手触り |
|---|---|---|---|
| マツカワ | 黒い帯が外縁まで届く | 斑紋はほぼ無い | 松皮のようにザラザラ |
| ホシガレイ | 丸い星状の斑点が並ぶ | 黒い斑紋が散る事が多い | 比較的なめらか |
| イシガレイ | 帯・星ともに無い | 白っぽい | 骨質のゼイゴが点在 |

マツカワとホシガレイはどちらも「幻」級の高級魚なので、釣れたらまず帯か星かをチェック。釣果写真を残しておくと、後から種類を確かめる時にも役立ちます。
2,幻との対峙!マツカワ釣りの仕掛けについて
滅多に水揚げされない事から「幻のカレイ」とも呼ばれるマツカワですが、北海道沿岸部や津軽海峡などで投げ釣りをしているとヒットする事があります。


ここではマツカワを釣り上げるための仕掛けや方法についてご紹介させていただきます。
マツカワ釣りの基本は、サーフ(砂浜)や漁港からの投げ釣り、いわゆるぶっこみ釣りです。仕掛けを遠投して底に置き、当たりを待つスタイルが中心になります。砂泥底に潜んで獲物を待ち伏せする魚なので、底をきちんと取れるオモリ選びと、カケアガリ(海底の傾斜)を狙う意識が釣果を左右します。下の各項目で、時期・サオ・イト・ハリ・仕掛け・エサの順に、王様を手にするための準備を具体的に見ていきましょう。
①時期を考えて挑もう
マツカワは時期によって浅瀬と深場に移動する魚です。
暖かい春〜夏は浅瀬、寒い晩秋〜冬は深場にいるため、季節ごとに場所を変えて挑むのがマツカワ釣りに欠かせません。

浅瀬にいる時期は漁港、深場にいる時期はサーフや釣船などを使って優位に進めましょう。
②大物狙いで!
カレイの仲間の中でもヒラメ並みに大型化するマツカワは、小物釣り用の竿では太刀打ちできない魚です。

ヒットしても25cmに満たない小さなマツカワが釣れる事もありますが、大物を狙うためには「3.9〜4.2mの投げ竿」で挑むのが良いとされています。
③釣り糸は太めで挑む!
ミチイトはナイロン3号またはPE1.5号を使います。またチカライトは15m、真下に落とすなら3〜8号で遠投する場合は12号にします。

また、幹イトは4〜10号を使いますが、遠投して狙いたい場合は太めの物がオススメです。
④大物を想定して針は大きめに!
マツカワは釣りでは小さな個体がヒットしやすいため、敢えて大きめの針を使う事で少し震いをかけます。

針は丸セイゴ、ソイ針の18号を使い、大物に食らいつかせましょう。
⑤ハリス同士の間隔は30cmほど開ける事
マツカワは平たい魚なのでもう少し間隔を詰めたいところですが、間隔を開ける事でハリス同士が絡まりにくくなったり、それぞれの動きを見てマツカワが反応しやすくなります。

また、キラキラした反射物を見ると寄ってくるため、集魚効果のあるホタテミラーやサバの皮などを仕掛けても効果があります。
⑥餌は大好物のアレ!
マツカワはエビやカニの他、ゴカイやイソメ、小魚が大好物です。
釣具屋さんに行けばこれらの餌はすぐに購入できますし、マツカワの生息地に生息しているモエビやカニ、ツブ、アサリなどを捕まえる事ができれば餌として使う事も可能です。
実際の北海道の投げ釣りでは、アオイソメやジャリメといったイソメ類、太くて存在感のあるユムシなどの虫エサが定番です。さらに大型を意識するなら、サンマやサバを短冊状に切ったエサ、アナゴの切り身などの魚エサが効く事もあります。マツカワは小魚にも強く反応する肉食魚なので、虫エサに切り身を組み合わせる「抱き合わせ」も有効です。イソメ類は弱りやすいので、こまめに付け替えて新鮮さを保つとアタリが続きやすくなります。

また、小アジや小サバ、サンマの切り身にもよく反応するので外野からのついばみによって簡単に取れないように針に仕掛けましょう。
⑦数本は用意しておきたい
マツカワは簡単に釣れる魚ではなく、これに関しては運の要素もかなり強いです。

少しでもヒットの可能性を上げるため、マツカワ仕掛けの竿は2〜3本用意し、それぞれ遠投、真下と距離を変えて設置します。
⭐色々面倒だと思ったら市販の仕掛けがある!
とはいえ初めてマツカワに挑むのは色々と準備が必要なので、仕掛けを作るのも面倒になってしまうかも知れません。
相手は幻の魚。ナメタガレイやヒラメが掛かってもおかしくはありません。釣れるのは嬉しいけれど本命が釣れないのは慣れないとそこそこダメージがあります。
多くの熟練アングラーが経験や情報を頼りに仕掛けを作って挑んでいますが、そこまで考えるのが難しいという方は、市販のマツカワ仕掛けを利用しましょう。
市販の物に頼る事は恥ずかしい事ではありません。むしろ自作するより時短ですし、難しい事を考えずに目的の魚に挑む事ができます。

魚釣りは自然との勝負。釣れる釣れないという事や緊張感もあるかも知れませんが、あまり難しく考え過ぎずに目的の魚との勝負を楽しんでください。
⭐小さい個体はリリースしよう!
マツカワには謎が多く、大型魚なのに漁師さんの刺し網になかなかかからないため、非常に珍しい魚となっています。
ですが、シンプルに漁港で投げ釣りしていたら掛かったという報告も一定数あったりもします。
そんな不思議なマツカワですが、小さな個体が釣れた場合は大きくなって帰ってくる事を願ってリリースしてあげましょう。

特に北海道では35cm以下のマツカワを漁獲してしまった場合は速やかにリリースするように呼びかけています。
マツカワが狙える時期と釣り場・釣り方のコツ
仕掛けの準備ができたら、次は「いつ・どこで」を押さえましょう。カレイ釣り全般は周年楽しめますが、沿岸で数が出て味も良くなるのは秋から冬にかけてです。マツカワも同様で、水温が下がる時期に岸寄りで狙いやすくなります。
釣期は秋から初冬がねらい目
マツカワは冷たい水を好む魚で、適水温はおおむね10度から24度ほどとされています。暖かい春から夏は浅場、寒くなる晩秋から冬は深場へと移動するため、沿岸からの投げ釣りで狙いやすいのは水温が下がり始める秋からです。産卵期が晩秋から春にかけてなので、抱卵した良型に出会えるチャンスもこの時期に重なります。一方で真冬に深場へ落ちてしまうとサーフからは届きにくくなるため、秋の落ち込みのタイミングが一つの狙い目になります。
釣り場は北海道太平洋側と津軽海峡が中心
マツカワの主な釣り場は、北海道の太平洋側(日高地方の漁港やサーフなど)と、北海道と本州を隔てる津軽海峡周辺です。砂泥底が広がるサーフや、その隣接する漁港が狙い目になります。大型を狙うなら、潮通しが良く沖にカケアガリのある場所を選ぶと有利です。マツカワの実績ポイントは栽培漁業の放流が盛んなエリアと重なる傾向があり、地元の釣具店で直近の釣果情報を聞いてから入るのが近道です。

本州の太平洋側でも、冬のサーフでカレイを狙う釣りはとても面白いです。マツカワは北の魚ですが、投げ釣りの基本テクニックは共通。冬のカレイ投げ釣り完全攻略でサーフ攻略の考え方をつかんでおくと、北の遠征でも応用が効きます。
底取りとカケアガリ・置きザオの考え方
砂泥底で待ち伏せするマツカワには、仕掛けをきっちり底に置く事が何より大切です。投げたら糸ふけを取り、オモリが着底したのを確認してから軽くサオ先を張ってアタリを待ちます。海底の傾斜(カケアガリ)に潜んでいる事が多いので、遠投・中距離・近投と複数のサオで投げ分け、反応のあった距離を絞り込んでいきます。アタリがなければエサを点検し、フレッシュな物に替えながらポイントを少しずつずらすのが、運の要素が強いこの魚を手にするコツです。
3,カレイの王様に恥じない旨味!マツカワ料理について

マツカワは漁獲量が少ないだけでなく非常に美味しい魚として珍重されており、その旨味は多くの食通達を喜ばせています。

ここではマツカワの旬や捌く時の注意、マツカワを使った料理についてご紹介させていただきます。
①マツカワの旬について
マツカワ自体が珍しい魚ではありますが、旬は晩夏〜冬までとされています。

この時期を過ぎてしまい、産卵期に入ってしまうと味が落ちてしまい、品質もかなり不安定になってしまいます。
②マツカワのウロコは「すき引き」で対処!
松の樹皮のように硬くザラザラしているマツカワのウロコはウロコ掻きで取ろうとすると上手く剥がれてくれない事も少なくありません。
そんな時は、ヒラメやクエと同じように包丁でウロコをすき引きします。

マツカワの皮は薄くて柔らかいため、ちょっと難しいですが美味しくいただくためにも下処理を頑張りましょう。
③マツカワの身は透明感のある白身!

そこはカレイの仲間らしく、身は透明感のある白身をしています。
この身は見た目の美しさだけでなく上品な味わいから、同じく高級魚であるヒラメを凌ぐとまで言われています。

マツカワの身は鮮度が落ちにくいものの、食べる時は活魚またはその日に獲れた締めたての状態が好ましいと言われています。
④上品な味わいが魅力!マツカワ料理の種類について
マツカワ料理はシンプルな物が多く、しっかりとした歯応えと旨味が高く評価されています。

ここではそんなマツカワ料理をご紹介いたします。
・刺身
マツカワ本来の旨味をダイレクトに味わえる一品です。
鮮度が良いマツカワは身に強い弾力があるため、薄めに切るのがポイントです。

クセのない味わいと脂の甘味はカレイの中で最も美味と言われています。
・縁側の刺身

カレイやヒラメの仲間は背ビレと尻ビレをよく動かすため筋肉が発達し、他の魚より分厚くなっています。
マツカワの縁側も分厚くなっており、強い歯応えと旨味を楽しむ事ができます。脂が乗っていて身よりも甘味が強いため、魚の脂が大好きな方にもオススメです。

ちなみにここでもヒラメ派かマツカワ派か分かれるようです。
・唐揚げ
幻の魚を贅沢に使った一品です。
淡白な旨味は油とも相性が良いため、唐揚げにすればサクサクの衣にプルプルの皮、フワフワなのにジューシーな身の三重奏を楽しむ事ができます。

刺身より食感が優しいので、お子様にもオススメです。
・マリネ、カルパッチョ
クセのない味わいは和食だけでなく洋食にもピッタリという万能フィッシュ・マツカワ。
薄く切った身に塩コショウで味付けし、レモンなどの柑橘とオリーブオイルに軽く漬けたマリネやカルパッチョにも良く合います。

パーティーメニューにあったらオシャレな一品ですし、お酒好きな方は白ワイン片手に味わってみるのもオススメです。
・塩焼き
淡白な旨味と脂の甘さが特徴的なマツカワの身に塩を振って焼き上げた料理です。
ホクホクの身にシンプルな塩味がマツカワの旨味を引き立てます。

脂がある分焦げやすいので焼きすぎには注意が必要です。
・酒蒸し
アサリなどの貝類が主な材料ですが、マツカワも酒蒸しに良く合います。
すき引きしたマツカワの身を、皮目を下にしてアサリなどと共にさっと焼きます。焼いたら返さず、白ワインや日本酒を回しがけてから蓋をして蒸し焼きにします。

使うお酒によって風味が若干異なりますが、アサリとマツカワの旨味がたっぷり滲み出したスープは絶品で、マツカワの身もふっくらと仕上がります。
・アラの煮付け
カレイの代表料理と言えば煮付けのイメージがありますが、マツカワも煮付けにされます。身の方はあまり煮付けにされず、頭やアラを煮付けにする事が多いようです。
マツカワは大型なのでカマや頭部にも厚みがあり、肉が多くついています。トロトロの皮と旨味の強い希少な肉を美味しく食べられる料理方法であり、玄人さんの中には「魚は頭とカマが一番旨い」という方もいるくらいです。

煮付けを作る場合、マツカワの淡白な旨味を損ねないように濃く煮すぎないようにするのがポイントです。
・真子(卵巣)の煮付け
元々希少な魚であるマツカワのメスから取れる超希少な食材・真子を使った贅沢な料理です。
良型のマツカワのメスからはある程度の大きさの真子が入っている事があります。産卵期が近付いた個体だと中の真子も大きくなります。
真子は繊細な食材なので、煮る前に筒切りにして中の卵が散らばらないようにします。その後、酒、醤油、みりん、ザラメ(砂糖でも可)を合わせて沸騰させた物にそっと入れて落し蓋をして煮付けます。

甘辛いタレがしみた真子はご飯に良く合うので取り合わないように注意しましょう。
⭐カレイの仲間は低カロリー高タンパク!
マツカワを始めとするカレイの仲間達はマグロやサケのように脂がノリノリではなく、適度な脂肪を持つ白身魚なので低カロリー高タンパクという特徴があります。

また脂が乗りすぎていない分胃に負担をかけず消化しやすい事から病気で体調が優れない時や赤ちゃんの離乳食にも良い食材と言われています。
⭐タウリンが豊富!
某栄養ドリンクのCMを思い出しそうですが、カレイの仲間はタウリンという成分を豊富に含んでいます。
このタウリンは血糖値の上昇を抑制したり、コレステロール値の低下、動脈硬化の予防や血圧の正常化、視力の回復、心臓や肝臓の機能を高めるなどの効果があると言われています。

ダイエットや健康的な生活をお考えの方は、魚料理の中に是非カレイ達を取り入れてみてはいかがでしょうか。
⭐味わいたくなったら通販もオススメ!
マツカワは食べられるサイズを釣り上げたら奇跡みたいなところもある魚なので、なかなか出会う機会も少ないと思います。
しかし、マツカワを食した多くの人達のレビューを見ると「美味しい魚」という言葉が多く、できる事なら食べてみたいのではないでしょうか?
そんな時は通販で購入するのがオススメです。マツカワは「王鰈」というブランド名で販売されている事があり、最低でも35cm以上はあるので刺身やカルパッチョを食べる事はできます。

お値段は人によって感じ方がそれぞれ違うのでノーコメントですが、気になる方は是非お取り寄せしてみてください。
4,マツカワと人間の関係について
「北のマツカワ」とも呼ばれる彼らは非常に希少な魚であり、その歯応えと旨味から高級魚として知られています。
現に北海道の日高や渡島などの沖合いで漁獲された個体の内35cmを超す個体は「王鰈」と呼ばれ、ブランドとして流通しています。
この「王鰈」というブランド名は、2002年に北海道えりも以西栽培漁業推進協議会が広く名称を公募し、多数の応募の中から選ばれたものです。鰈の中の王様という意味が込められ、後に商標としても登録されました。ブランドとして認められるのは、えりも町から函館市南茅部にかけての太平洋海域で水揚げされ、体長35cm以上の活きたまま、または活け締めにされた品質基準を満たす個体に限られます。大きい物は体長80cm・体重6kgを超え、その姿から「座布団鰈」と呼ばれる事もあります。
⭐なぜマツカワは「幻」で「高級」なのか
理由は大きく三つあります。①天然での漁獲量がもともと極めて少なく、市場に出回りにくい事。②カレイの仲間でも飛び抜けて大型になり、肉厚で身質が良い事。③ヒラメを凌ぐとも評される上品な白身と、脂の乗った分厚い縁側という、味そのものの高さです。希少性と美味しさが掛け合わさり、料亭向けの高級魚として珍重されてきました。
「カレイの中で最も美味しい」「カレイの王様」と呼ばれる彼らに相応しいブランド名です。
そんなマツカワは希少とあって、自然の資源を守るために養殖も行われるようになりました。
このキッカケは1980年代に北海道のマツカワの漁獲量が1tを下回った事だと言われており、養殖に漕ぎ着けたのは2006年と意外にも最近です。
2006年に養殖と放流が始まり、小さい個体はリリースするなど地道に保護した結果、2008年以降は100t以上の漁獲ができるようになったのです。
マツカワは依然として高級魚であり養殖も色々と気遣いが必要なため、北海道の漁師さんは売り上げの一部をマツカワの稚魚育成のための基金にして養殖に力を入れています。
最近では青森県でもマツカワの養殖がされるようになり、希少過ぎて一般的に名前があまり知られていないこの魚を「美味しい養殖魚」として普及に努めています。
養殖のこだわりとして、青函トンネルから採取した湧き水を使っているとの事です。
しかし、近年記録的な暑さによる海水温の上昇により、多くの養殖場が大きな被害を受けてしまいました。
マツカワもその1つであり、高水温になってしまった海水に耐えられず県内各地で大量死してしまったのです。陸上養殖施設でも様々な対策をしたものの、小さな命を救う事はできませんでした。
マツカワは10℃〜24℃という冷水性の魚なので高水温に弱い他、2023年8月は水温の急激な変化があったため、小さなマツカワの稚魚達はそのダメージに耐えられず次々と死んでしまいました。

「幻のカレイ・マツカワ」が本当の幻にならないように新たな対策や養殖方法を模索する必要があり、今後も目が離せません。
マツカワ釣り・料理のよくある質問
マツカワは初心者でも釣れますか?
投げ釣りで底に仕掛けを置いて待つというシンプルな釣り方なので、釣り方そのものは初心者でも取り組みやすいです。ただしマツカワは天然の数が少なく、狙って釣るには運の要素も大きい魚です。漁港でカレイ狙いの投げ釣りをしていたら混じって掛かった、という報告もあります。まずは秋から冬の北海道太平洋側や津軽海峡で、カレイ釣りの延長として気長に狙うのがおすすめです。
小さいマツカワが釣れたらどうすれば良いですか?
小型の個体はリリースしましょう。マツカワは資源保護のために栽培漁業(種苗放流)が行われており、北海道では35cm以下の個体はリリースが呼びかけられています。大きく育って戻ってくる事を願って、丁寧に海へ返してあげてください。
マツカワとヒラメはどちらが美味しいですか?
好みが分かれるところですが、マツカワはクセのない上品な白身と脂の乗った分厚い縁側が持ち味で、刺身ではヒラメを凌ぐと評価する人もいます。とくに縁側は「ヒラメ派かマツカワ派か」で意見が割れるほど。両方を食べ比べられる機会があれば、ぜひ味の違いを楽しんでみてください。
釣れなくてもマツカワを食べる方法はありますか?
あります。マツカワは「王鰈」というブランド名で、北海道や青森県の産地から活け締めの状態で通販・お取り寄せされています。35cm以上の良型が中心なので、刺身やカルパッチョ、煮付けなどを家庭でも味わえます。釣りで出会えるのは奇跡に近い魚だからこそ、まず食べてみたいという方には通販が現実的な選択肢です。
まとめ
今回は幻のカレイ・マツカワについて皆様にご紹介させていただきました。
マツカワは高級魚でありながら滅多に市場に出回らないため一般的には結構マイナーな魚です。
しかし、魚釣りの世界となれば餌の見せ方や仕掛け、時期を見計らう事である程度狙いを定める事もでき、幻とのファイトも夢ではありません。
そんなマツカワはクセがない上品な旨味とあっさりとした甘い脂、強い歯応えが多くの人々を唸らせており、縁側の刺身もヒラメ派かマツカワ派かに分かれるほどで、刺身に関しては色味的にも寝かせない方が良いとまで言われています。
食べ方にも様々なこだわりがあり、ヒラメに匹敵する大きさと旨味があるカレイの王様・マツカワとのファイトを希望される方は是非北の海へ足を運んで見てはいかがでしょうか。

王様との勝負に打ち勝つ事ができれば、料亭ですらなかなか手に入れられない「天然極上の旨味」というご褒美が手に入るかも知れません。









