初夏の浜名湖で人気のターゲットである「タコ」は、梅雨入り前の5月から釣れだし、7月には終盤戦──てところ。無難なサイズを狙うなら「6・7月」がベストです。
タコングのベストシーズンを逃さないためにも、浜名湖におけるタコ釣りのコツを、3つに絞って教えます。
まずは浜名湖に生息するタコさんの生態を知るべし
浜名湖に生息するタコは「マダコ」が多い。ここに生息する奴らは、クルマエビやワタリガニを食べて育つため味もよく、市場でも高値で取引されています。
人間よりいいものを日常的に食べている奴がマズいわけがない!
……そんなわけでシーズン中の浜名湖では、各地でタコさんの奪い合いが繰り広げられています。決して広い場所ではないので必然的に激戦区となるわけですが、他者を出し抜く術は対象の生態を理解することに尽きます。
物陰が好きなタコを狙うには物陰を探すしかない
蛸壺漁があるようにタコは狭い場所や物陰が大好き。そのため岩場に居ることが多いんですけど、浜名湖は大半が砂底です。
浜名湖で多く生息するのは、太平洋と接続する入り口から中域くらいまで。この辺は砂地が大半を占めるため、タコさんが隠れる場所は堤防など岸に近い所にしかないため、釣りやすい環境になっています。

砂底とはいえ潮汐による流速があるので、流芯は岩が露出しやすい特徴があります。そのため太平洋に近いほうが、タコさんの隠れる場所が多く、自然と生息数も多くなるわけです。
なので中流域までならば、沿岸の大半でタコングが楽しめます。
より一歩先を狙うなら、偏光グラスで海藻が生えている箇所を見つけましょう。「海藻が生える=石がある」の公式は他の釣りでも活用できます。
浜名湖でやるタコ釣りのコツとは?
浜名湖のタコ釣りは3つのコツが重要です。
- 潮汐を味方につける
- タコエギはカラーよりもサイズで選ぶ
- タコに耐えるタックルセッティング
それぞれ順に説明していきましょう。
潮汐を味方につけてエギを流す
浜名湖は太平洋に近いほど、潮汐による流れが強くなり、タコエギを底につけるのも難しくなります。それは市販のウェイトだけでは底を取るのも難しいほど。
タコは底に棲む生物なので、タコングを成立するためエギを底につける前提が必要。強い流れでも着底させるには重くするだけですが、エギも大きくなるため、タコが見向きしないサイズに合わなくなる可能性も。
この問題を解決するには、オモリを追加するのが単純かつ効果的。
その方法は2通りあって、「ダウンショットリグ(胴付き)」にするか、「エギにウェイトを追加できるモデル」にするか。胴付き仕掛けに関してはこちらのサイトを参考にしてください。
これよりも手軽なのは、スナップでオモリを追加するタイプ。浜名湖なら10~20号のナス型オモリがあれば、潮が動いている時でも対応できます。とはいえ流れるのはしょうがないから、自然の流れに任せてエギを流し、ついでにタコが来ればいいやの心構えでいいかと。
タコエギはカラーよりもサイズで選ぶ
エギのサイズと重量は「号数」で表記されます。グラムじゃないとわかんねぇぞって方は多いだろうので、下記に「2.0~4.0号」をまとめてみました。
2.0号 | 6.06cm | 6g |
2.5号 | 7.57cm | 10g |
3.0号 | 9.09cm | 15g |
3.5号 | 10.6cm | 20g |
4.0号 | 12.12cm | 25g |
タコングで肝心なのは”エギの長さ”。
浜名湖で釣りやすいサイズは、頭部がコブシ大かそれ以下のサイズです。そのため3号以上になると食いが悪くなります。ベイト(エビカニ)に合わせる視点でも10cm以下が望ましいですね。

カラーは選択は「カラフルor白基本」の2択で十分。砂地をずるなら赤基調のカラフルなエギが目立つし、海藻がつく岩礁帯なら白のほうが目立ちます。
エギのサイズは2号から0.5刻みで3号まで揃えれば、困ることはないでしょう。
どうしても根掛かりが多い釣りなので、ストックは多めに用意しましょう。たった一つで挑んでマッハで根掛かりロストになると、泣くに泣けません。
タコに耐えるタックルの選び方
タコはぐいぐい引くことはないですけど、吸盤で地球にしがみついたり、純粋に重かったりと、釣りあげるためにはロッドパワーがとても重要です。タコ向けのロッドは「曲がらないただの棒」を選ぶ感覚でもOKなくらい。
浜名湖で使うなら、180gまで対応しているアブガルシアの「タコスフィールド」がおすすめ。
合わせるリールは両軸のベイトリールがベスト。ベイトはギアがスピニングより大きく、巻き上げるパワー伝達効率が良いメリットがあります。
根掛かりが多い釣りなので、ラインは太めを選びましょう。
メインラインはPE2号以上、ショックリーダーは5号以上てところ。リールにPE3号を巻いて直接繋いでもいいし、ナイロン5号を直巻でも構いません。
生餌を使うテンヤはエギよりも利点なのか?
タコエギが主流になる前は、テンヤにカニをくくりつける「タコテンヤ」が活躍していました。
臭いのある生餌を使うメリットは待つことができること。なので今は、ボートのタコ釣りでよく使われています。エギよりも重いため、流れの強い今切口付近で専門に狙うなら有効な手段。
とはいえカニを調達するのが面倒ですし、タコエギで十分です。
ヒョウモンダコには要注意
浜名湖でもヒョウモンダコの目撃例はあります。温暖化で水温が高めになった近年は、発見される事例も多めになっています。
ヒョウモンダコはかなり小型ですし、普段は特徴の”豹紋”もないので見つけづらい。噛むことで毒を注入するので、噛まれない限り大丈夫です。もし見つけたりエギにくっついてきたら、なるべく触らないよう還してあげましょう。
浜名湖でタコングができるおすすめのポイント
陸っぱりなら弁天島周辺全域がポイントみたいなもの。適当な駐車場に車をとめて、テクテク歩いて探り歩いていきましょう。
橋脚周りがヨサゲに見えますが、陸っぱりの射程範囲はごくわずかなので、拘る必要はありません。むしろナイトシーバスのポイントになります。
陸っぱりで最もやりやすいのが「新居海釣り公園」のT字堤。渚園周りもウェーディングで流芯に届くし、トップルアーでチニングする合間でやるのも一興です。
シーバスやチヌのついでにできるのも魅力ですけど、柔らかすぎるロッドでタコを引き上げるのは大変です。もし共用するのであれば、タックルの強度を考えましょうね。
つれづれダイアリーならタコ釣りをマンガで学べる
浜名湖のタコ釣りを学ぶには、浜名湖を舞台にしたJK釣りマンガの「つれづれダイアリー2巻」を読むのもオススメ。
専門のムック本より絵が多くてわかりやすく、地域特化してるため、釣具屋で陽気に聞くより参考になるでしょう。同時に聖地巡礼もできてお得やぞ!