シマノの17年次世代リールのはじまりは、耐久力に定評のある「ツインパワー」が登場。(現在は2021版が登場しています!)

「耐久性の基準を変えてしまう」とか、前モデル以上に強くするとか頭おかしいんじゃねぇの?
発表後に沸き立つソルト界を他所に、いまいち魅力は感じられなかった。
良さより突っ込み所が多いので、なるたけ活かす方法を考えた結果、「ツインパワーXD」として生まれ変わったリールを、主観だだ漏れで紹介。

とにかく強い!(小並感)を全面に押し出したツインパワーXD

前置きしておくと、これはむしろ良すぎるリール。

買って損はないでしょう。
でも「これいる?」と感じる点があったから、そこにツッコミを入れたい記事です。
シマノは『HAGANEギア』をやたらと推すけど、ギアの耐久だけ向上されても……。
それ以外に耐えられない部分が多いからね。
タックルには金属を使えない箇所があり、リールより脆い部分は多い。
リールはもともと強固な物。
ギアを強くするメリットは「ゴリ巻き(力押し)」にあるけれど、全力で逃げる大物相手に、ドラグを出さず耐えれるロッド、切れないラインシステムがまず存在しません。

──みたいなチグハグを感じる。
『NEWツインパワー』の初期ラインナップは3000・5000番で、ショア向けの小型がメイン。
強さを全面に出すなら──

「マグロ100kgもゴリゴリでイケましたよ! HGNギアまじヤバイっすね!」
くらいのアピールで、SWモデルの10000番台を最初にだね。
総合的に見れば悪い点はないし良すぎるくらいだが

ツインパワーXDのお値段は49000円前後。
リール全体の耐久性は業界随一であるし、ローター部は最軽量のヴァンキッシュに迫るスペック。
何回“他のリールが過去”になればいいのやら。
マイクロモジュールギアを入れなかったのは、絶対的な強度を得るためだろう。
大口径のギアを活かすのならば、あれは無用の長物ともいえるし、差別化としていい選択でしょう。
ただそれを活かせるファイトをしているアングラーは、どこで戦っているかを考えると──
ロックショアを主戦場にしている人たちくらいだろうな、と思う。
新構造の防水構造「Xプロテクト」について
これを見て「スゲェ!」より「バカじゃねぇの」と思ったのは私だけだろうか。
入る水が海水なら、出にくくすれば錆びるだけじゃねーのと。
内部で塩が結晶化して排水できなくなるとか、内部が腐食してボロッともげる未来がありそう。
わざわざ複雑な構造にして、生産と修理のコストを上げるのもバカらしいと思う。
防水構造の「コアプロテクト」は、浸水しにくい構造なだけで、完全な防水じゃない。
完全防水にするには、水の分子が入れない隙間かつ、可動させる必要があるわけで、無茶ブリもいいところです。
リールの場合、ハンドルを回すと内部からエアーが吹き出て「自然乾燥機能ですけど?」くらいが面白いと思う。
TPは買いだけどラインローラーは釣行のたびに洗おうね
ステラで最も多いトラブルが、ラインローラーの塩ガミ。
これはハッキリいってユーザー側が悪いだけ。
開発側からすれば「釣行後に洗えよ」とキレ気味にいうだろうけど、防水構造にした悪影響も要因にある。
ようするに、水が入りにくいってことは出にくいってこと。
メンテナンスフリー(笑)のマグシールドでさえ、この問題は解決しておらず、海釣りの天敵はいつだって塩である。
機械は単純構造のほうが修理もしやすく、誰でもメンテナンスしやすい。
よって「物持ちがよくなる」メリットがある。
わざわざ複雑化してコストを上げる選択をとるのは、日本企業の悪いクセ。
まあリールに関わる技術で、客を刺激する明確な違いは、軽量化と剛性アップしかないしね。
この選択はしょうがないって、私はわかっているから(生暖かい目)。
ツインパワーXDのスペックが最大限に活かせるポイントは磯くらいでは?
10kgクラスのアカエイ番長でも、ドラグを出しつつロッドが折れなければ、なんとでもなります。
ツインパワーXDのスペックをフルに活かす指標は、そういう重いヤツをドラグを出さずに巻きで寄せることでしょう。
ほならね、「大間のマグロ釣り」を参考にしてみたらどうでしょう。
ようは大物相手にロッドを使うのは非効率です。
それが「ゲームフィッシング」といわれる所以でもあるし、難しいから達成感のある行為。

──法律で定められているってのもあるけど。(遊漁的な意味で)
