【触れるな危険!】アオミノウミウシの特徴や毒性・対処方法を解説!【美しいけど危ない】

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はじめに

引用元:Glaucus_atlanticus_1.jpg: Taro Taylor from Sydney, Australiaderivative work: dapete – Glaucus_atlanticus_1.jpg, CC 表示 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=6854543による

夏になったら皆様はどこへ遊びに行くでしょうか?

ショッピングモールでお買い物、川遊び等行く所は様々でしょう。そして、海に遊びに行く方もいらっしゃると思います。

暑い日が続く夏場は海水浴場に「カツオノエボシ」や「アカクラゲ」等の刺すタイプの危険生物が現れやすく警戒が必要です。

しかし、場合によっては奇抜で美しい見た目を持つ危険生物が現れる事もあります。

それが今回皆様にご紹介させていただく「アオミノウミウシ」です。この生物はあまりの美しさからファンがいたり、海外でも親しまれているのですが、「綺麗なバラには棘がある」という諺通りの生物となっております。

それでは美しき危険生物の特徴や対処方法等について早速ご紹介させていただきます。

1,危険生物・アオミノウミウシとは一体何者!?

①どんな見た目をしているの?

アオミノウミウシは見た目から「海のナメクジ」と呼ばれる「ウミウシ」の仲間ですが、その中でも「アオミノウミウシ科アオミノウミウシ属」に分類されています。

このウミウシの特徴は、何と言ってもその美しい見た目です。青白い体色を彩る鮮やかな青色の模様を持ち、まるで3対の翼を持つ竜のような如何にもファンタスティックな見た目をしています。

体のサイドから生えている3対のヒレは細かく枝分かれしており、ヒレの中心部分は白〜薄水色ですが、その周りを鮮やかな青色が取り囲み、更にその先は白、ヒレの先は青というコントラストが非常に美しいです。

また、体の方も白〜薄水色、薄藤色をしており、背面には鮮やかな青いラインがグルリと入ります。

このラインは2本に見えますが、頭部と尻尾のように伸びている胴体後部でくっついています。

②その大きさは?

派手な見た目をしているのですが、その大きさは2〜5cm程の小さな生き物です。

砂浜に打ち上げられている時などは小さく縮んでいて、見た目もウネウネ動くスライムのようですが、海中にいるアオミノウミウシはヒレや体をいっぱいに広げて泳ぐため、大きさの割には大きく見えます。

③どんな所に生息しているの?

ウミウシの詰め合わせ(右下がアオミノウミウシ)

世界中の岩礁やサンゴ礁、浅瀬等に生息しているウミウシ達とは違い、アオミノウミウシは暖かい海の外洋であれば広い範囲に分布しています。

これは、アオミノウミウシがウミウシの仲間の中では遊泳力が強い種類であり、消化器官に空気を溜めて浮き袋代わりにしながら外洋を漂うように泳いで移動する他、クラゲに掴まって漂って移動をしています。

日本では小笠原諸島や南西諸島の他、湘南の海でも目撃されており、近年の地球温暖化の影響からさらに北でも目撃される可能性があります。

2,アオミノウミウシが「危険生物」と言われる理由とは!

波間にゆらゆらと漂うアオミノウミウシは、その神秘MAXな見た目から、一度見たらどうしても気になって触ってみたくなってしまうかも知れません。それは小さなお子さんであれば尚更です。

はる@釣行中
はる@釣行中

しかし!絶対に素手で触ってはいけません!

その理由は、アオミノウミウシの「食性」「ある習性」にあります。

まず、アオミノウミウシの食性についでにですが、その見た目に似合わず肉食性の生き物です。

そして、主食にしているのは海水浴場の嫌われ者・クラゲ。しかもその中でも強力な毒性を持つ「カツオノエボシ」や「ギンカクラゲ」を捕食しているのです。

ちなみに捕食されているギンカクラゲの刺胞が持つ毒性は人が刺されると死亡する事もあるほど強力です。

これを聞くと

はる@釣行中
はる@釣行中

「食べたらヤバそうだけど、何で触ったらアウトなの?」

と疑問になると思います。

その答えがアオミノウミウシの「ある習性」なのです。

アオミノウミウシは餌となるクラゲの触手一本にも満たない小さな体でクラゲに取りつくと、その猛毒の触手をモリモリと食べます。

アオミノウミウシにはクラゲの毒は全く効かないため食べても害はありませんが、問題はここからです。

実はアオミノウミウシは、この猛毒の刺胞を「奪う」習性があるのです。

餌となるクラゲから奪った刺胞を体内に溜め込み、外敵に対しての「自己防衛手段として転用する習性」があるため、アオミノウミウシは素手で絶対に触ってはいけない危険生物となっています。

この習性や生態は「盗刺胞」と呼ばれており、アオミノウミウシ以外ではイソギンチャク等を主食とする「ミノウミウシ」の仲間が有名です。

ミノウミウシは背中に幾つもの「背角」を持ち、見た目もカラフルかつ簑を纏ったような姿をしていてダイバーからの人気も高い種類となっています。

打ち上げられてしまった個体をクラゲとは違った物珍しさから触ってしまったり、シュノーケリング中などで水中を漂っている個体にぶつかったりしてしまうと、体内に溜め込んだ殺人クラゲの猛毒がカウンターとして放たれるという恐怖と脅威はしっかりと理解しなくてはいけません。

はる@釣行中
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このアオミノウミウシの能力はまるで、捕食した相手の能力を使う丸いピンクのあやつか、倒した敵の能力を学習して使う青ヘルキャノンの少年ロボのようです。

■猛毒の脅威が人々を襲う!近年起きた被害について!

アオミノウミウシはクラゲと共に浅瀬や岩礁に流れ着く事はあるものの、基本的には外洋を漂っているタイプなので被害という被害は少ない生き物です。

しかし、今から約5年前の2017年2月14日。オーストラリアのクイーンズランド州の沿岸で大規模な被害が発生してしまいます。

一応断っておきますが、日付がたまたまバレンタインデーという事から、アオミノウミウシが「リア充爆発しろ!」と人類に襲撃を仕掛けた、という訳ではありません。

丁度この頃はオーストラリアの中東部を記録的な熱波が襲っており、その影響からアオミノウミウシが大量発生してしまったのです。

アオミノウミウシは雌雄同体。しかも3000個以上の卵を産卵する生き物のため、発生した数も桁外れだったのでしょう。海水浴を楽しむ人々やサーファー達は大量発生したアオミノウミウシに次々と刺され、63人もの人々が被害に遭ってしまいました。

その後はこれほどの規模の被害はありませんが、世界的に気温が上がったり急な気候変動もあるため、アオミノウミウシの大量発生が起きないとは限らりません。

はる@釣行中
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大量発生のニュースや知らせを受けたら海に近付かないようにしましょう。

3,アオミノウミウシの対処方法について

アオミノウミウシの一番の対処方法は「絶対に素手で触らない事」です。

はる@釣行中
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波間を優雅に揺蕩う姿や浜辺に打ち上げられた可哀想な姿を見たとしても触ってはいけません。

特にシュノーケリング中は危険で、アオミノウミウシは海中というよりは海の表層を生活圏にしているため、気付かずにぶつかってしまう事もあります。

海中で見つけたら距離を保ってぶつからないようにしましょう。海面に複数匹のアオミノウミウシを見つけてしまった場合は海水浴を止め、急いで陸に上がり接触を避けてください。

また、中には浜辺に打ち上げられてしまった個体を助けたいという方もいらっしゃると思います。

その場合は万が一触れても良いように厚手のゴム手袋を着用し、バケツ等で一気に捕まえてしまいます。

逃がす場所は海水浴場から離れた場所、海水浴のお客様が少ない場所にそっと逃がしてあげましょう。

アオミノウミウシに何らかの理由で触れてしまい、刺されてしまった場合はすぐに救急車を呼びます。

クラゲの中でも強力な毒を持つ種類から毒を盗み、転用するのがアオミノウミウシです。

その毒によってアナフィラキシーショックを起こす場合もあるため、ウミウシと侮る事なく素直に救助を求めましょう。

救急車を待っている間は患部に海水をかけたり酢をかけたりして刺胞を無力化させ、万が一容態悪化した場合にもすぐ気が付けるように近くで待機します。

◆クラゲの毒にやられると「ある食べ物」に注意が必要!?

アオミノウミウシが使う毒は、元々餌となるクラゲから奪った物です。

クラゲの種類やその人の体質によってダメージは様々ですが、クラゲの毒の被害に遭った方は日本ではポピュラーな「ある食べ物」に気を付けなければならない場合があるそうです。

その食べ物は、なんと「納豆」

なにやら納豆にはクラゲの毒に含まれるタンパク質と同じものが含まれているらしく、クラゲの被害にあった方の中には、その成分に免疫が過剰反応して酷いアレルギー反応を現す事があるようです。

はる@釣行中
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全ての被害者に同じ反応が出るかは分かりませんが、納豆を食べる時はクラゲ毒を処置してくれた医師に一応聞いてみても良いかも知れません。

4,アオミノウミウシの危険生物以外の一面について

餌から獲た武器を転用して身を守る危険生物・アオミノウミウシですが、危険生物以外の一面も多い生き物でもあります。

はる@釣行中
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ここではそんな意外な一面を皆様にご紹介させていただきます。

①美しすぎてファンが多い!

アオミノウミウシは体色、見た目の美しさからとにかく人気のある種類です。

ダイバーやシュノーケリング愛好家にも愛されており、良い感じの距離を保ちながら1枚パシャリと撮られる事もあります。

ミノウミウシの仲間も見た目が美しい事もあり、同じ要領でパシャリと撮影されています。

②海外でも愛されている!

広い外洋を気ままに漂うアオミノウミウシは海外でも広く知られており、その幻想的な美しさから親しまれています。

翼を広げたような姿から「ブルーエンジェル」「シースワロー(「海のツバメ」の意味)」「ブルードラゴン」とも呼ばれており、どれもがアオミノウミウシの神秘的、幻想的な姿や神々しさを表現しています。

③困難だけど飼育も可能!?

ファンタジーの世界から飛び出してきたような見た目をしているアオミノウミウシ。

はる@釣行中
はる@釣行中

飼育できたらさぞかし特別な気分や雰囲気を味わう事ができるでしょう。

「江ノ島水族館」ではアオミノウミウシの動画が公開されており、アオミノウミウシがカツオノエボシをモグモグ食べる様子が確認できます。

餌であり、猛毒クラゲでもある「ギンカクラゲ」や「カツオノエボシ」を飼育管理+供給できれば自己責任+現実離れな部分はありますが飼育は可能です。

④クラゲの天敵

クラゲを移動手段として使う事もありますが、基本的にアオミノウミウシはクラゲ達にとって天敵である事に変わりはありません。

はる@釣行中
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クラゲにとって捕食や外敵の排除を担っている触手を失う事は死活問題!

アオミノウミウシは触手を積極的に食べるため、クラゲにとってはストーカー気質かつ真綿で首を絞めてくるタイプの恐怖の対象なのです。

⑤天敵という天敵はいないんだけど…

アオミノウミウシは天敵と呼べる生き物が挙げられない生き物で、これに関しては防御面は最強クラスと言えそうです。

しかし、海面を生活圏にしているために思わぬ落とし穴がありました。

何とアオミノウミウシ、台風や高波等の自然災害に弱い面があるのです。

小さい体で海面に漂っているため、台風や強風にあおられたり、高波で流されたりすると簡単に打ち上げられてしまうという憂いき目に遭っています。

アオミノウミウシがよく見られる地域では、台風の後に数十匹もの個体が打ち上がっている事があるそうです。

はる@釣行中
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毒を備え、天敵という天敵がいなくても大自然の力には敵わないのです。

まとめ

今回は美しい見た目とは裏腹な危険生物・アオミノウミウシについて皆様にご紹介させていただきました。

海水浴場の嫌われ者である猛毒クラゲを捕食するだけでなく、その毒を奪って自身を守るという特殊な能力を持つ彼らは積極的に自分から攻撃を仕掛ける事は皆無であり、あくまで自分を守るためにその毒を使います。

そのため、こちらから彼らにちょっかいをかけなければお互い傷付く事なく海を楽しむ事ができるのです。

また、アオミノウミウシの美しさは海洋生物の中でも神秘的であり、多くの人々の目や心を惹き付ける魅力に溢れています。

多くの呼び名があったり写真があるのも、その美しさや特徴があってこそです。海面をゆったりと泳ぐ姿は呼び名の通り、翼を広げた天使や竜に見えます。

はる@釣行中
はる@釣行中

夏に海へ遊びに行く予定のある方だけでなく、海の生き物に興味のある方にこの記事を通して少しでも危険生物の性質や特徴を知っていただけたなら私も嬉しく思います。

コラム釣りの雑学

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