ギマは三河湾や浜名湖でよく釣れる魚で、姿はカワハギに似ています。
それと味は遜色ないため、美味しい魚なのですが……表面にぬるぬるがあってキモいし、皮がザラザラで鎧みたいだし、カメラの三脚のようなトゲがとても硬く網もやぶる強さで、漁師にも嫌われています。
ギマが嫌われる理由に、”捌くのが面倒(難しい)”があると思うので、効率化を求めてみました。
ギマを簡単に捌きたいなら道具と気持ちが必要!
わざわざギマを狙って釣りに行く人も少なくありませんが、「味はいいから騙されたと思って──」と甘い囁きに負けて、大量に持ち帰るとハマるのが下処理(捌く)の面倒さです。
その点、あらかじめ「今日はギマ料理にする!」などと心構えがあったり、下処理の経験者なら作業はスムーズに進みますけど、効率がいい手順を知らないと、本当に面倒な魚です。
ギマを捌く前に、「これだけは用意すべき!」って物が2つあります。
- 軍手かビニール手袋
- ありあまるパワー(脳筋感)
ギマはカワハギと同じく、”皮を剥ぐ”必要がありますが、体表にぬるぬるがあったり、皮が必要以上にザラザラして痛かったりするため、手の皮を保護するのと滑り止めのために、軍手をつけて望むほうが楽です。
パワーが必要なのは、ギマのアンデンティティである邪魔なトゲを落とす必要があるからです。これは骨の一部なので、結構力のいる作業です。
……それでは(そこそこ)美味いギマの捌き方に効率を求めてみましょう。
スピードとパワーが比例していくギマの捌き方
おそらくこれが一番速いと思います(フラグ)。
たくさん釣れた時、この動画を参考にして捌いてみたけど、確かに速い……。でも力が必要なので疲れました。刺し身にするため鮮度を維持したいなら一択でしょう。
見てわかるとおり、皮を剥ぐ時「ふむむむむ!」と唸るくらい硬いです。ホンカワハギより剥きにくいと思います。
スマートで華麗にギマを捌きたいけどやっぱりパワーが必要な捌き方
この方法は先よりも力は必要としませんが、包丁の切れ味が重要になります。
ギマを捌くには、背中と胸のトゲを落としてから始めると簡単です。ただし直接これを包丁で切ることは困難、というか無理。トゲは切り落とすのではなく、付け根に切り込みを入れてヘシ折るとまだ楽かと。
釣れた際はトゲをニッパーで切っておくと、袋に入れる時に突き破られることもなくなるし、安全な運搬ができるためオススメ。でも硬いことには変わりないです。
どちらの方法も、数匹捌けばいい筋トレになります。
ギマを捌くのが難しい理由
他のカワハギ系も同じですが、皮が硬いため剥ぎ取る必要があるのと、包丁で頭を直接「ダァン!」と落とすことが難しいため、捌く工程が増えるのが難しい理由かと。
特にギマは立派に育つトゲが厄介で、頭蓋骨とくっついているし、めちゃ硬いから簡単に切れないし、正しい手順を踏まないと捌けないような魚です。時限爆弾の解体かな?
ホンカワハギやウマヅラハギは、口か尻尾に切り込みを入れれば、そこから皮を全部剥げるので楽です。ギマはそれができず、オマケに表皮にあるぬるぬる成分が作業の邪魔をします。
このぬるぬるをどうにかするには、熱を通すか洗い流すのが手っ取り早い……とわかりました。
ぬるぬるは洗い流す!とにかく水を使いましょう
血や汚れを洗い流すのは、どの魚でも重要な衛生管理の基本。
ギマは活きている限り、表皮や筋肉からぬるぬる成分を出し続けるため、最後の最後まで簡単に食べさせてはくれない魚です。ぬるぬるを残すと臭いと酸っぱさが残るため、十分に洗い流すようにしましょう。
なので、活きで刺し身にするよりも、内臓とツノを取ってしばらく置いてから作業にとりかかると、ぬるぬるを出し続けることもないから、スムーズにできます。
……新鮮な状態でやろうとすると、とにかく水を使うため、手がふやけやすく思わぬ副作用が私を襲いました。
顔認証のスマホなら何の問題もないけど、指紋認証が弾かれるようになると、面倒なことになります。生体認証を採用している企業だったら、懲戒モノになりそう(震え)。
ギマは生食と加熱どちらが最善なのか
ギマの味を一言でいえば「劣化カワハギ」です。個人的にはクロダイやヒラメよりも旨いと思います。肝の旨さは絶品ですし、魚種を伝えず刺し身を出せば、大半の人が「何これおいしー!」ってなると思います。
調理法で「どれが最善か」の話は加熱か生食かの選択になるので、両方試してみました。
比べてみたところ、「刺し身のほうが美味しい」との声が多いです。煮物はアラ煮になりますけど、出汁がとれるほど旨味がある魚じゃないため、”肉を食べやすくするための方法”がしっくり来る感じ。
なので指紋が消えない程度に、頑張って刺し身用に捌きましょう。
ギマを持ち帰りやすくするためにニッパーは必需品
ギマのトゲはビニール袋なぞ簡単に貫通するため、釣れても持ち帰るのが面倒で厄介です。
このトゲはかなり硬いため、直接切るためには、それなりに強い(形容)ニッパーが必要です。釣り用のプライヤーに針金を切る程度の機能はありますが、それを頼るとすぐ刃こぼれするくらい硬いです。
なので100均でもいいから、ちょいと大きめのニッパーを用意したほうが、トゲを切る作業は楽になりますよ?
ちなみにトゲは骨なので、海に捨てても分解されずに残りやすく、いつか化石として見つかるかもしれません。なので魚を捌いたアラなどは、”燃えるゴミ”に出しましょう。
もともと魚の一部なんですけど、捌いたアラを海に捨てることは「不法投棄」になることもあるので、海に捨てないようにしましょう。