ロッド内部にラインを通すタイプを「インターライン」と呼びます。
外付けガイドの弱点をなくした優れもの(のはず)なのに、使っている人は全然見ません……。でも気になっている人は多いようですね。
ちなみにインターラインはダイワの呼称、シマノは”インナーガイド”と呼びます。

それを実際に使ってみた経験から、この記事を書くにあたり、どうしてもジャギ様が浮かびました。
結論から先に。インターライン(中通し)ロッドは「万能な優等生」ではなく、ライントラブルを消したい特定の状況で無双するピーキーな一本です。まずは下の早見表で、自分の釣りに向くかどうかをざっくり掴んでください。
| 判断軸 | インターラインが向く | 外ガイド竿が向く |
|---|---|---|
| 釣り方 | 磯フカセ・落とし込み・サビキ・エギング | 遠投カゴ・ぶっこみなど飛距離最優先 |
| 環境 | 夜釣り・強風・雨・足場が複雑な磯 | 無風の日中・とにかく手軽に |
| 重視するもの | ライントラブルの少なさと感度 | 飛距離・軽さ・気軽さ |
| 手入れ | 釣行後の通水洗浄を許容できる | 準備と手入れを最小にしたい |
| 予算 | 用途を絞って専用竿に投資できる | できるだけ安く一本そろえたい |
この記事のまとめ
インターラインロッドとは、ラインをロッド内部に通すタイプの釣り竿のことで、ダイワでは「インターライン」、シマノでは「インナーガイド」と呼ばれます。
外付けガイドの弱点を補うとされながら、使用者は少ないのが現状です。インターラインロッドの優れた点は、針が多くても絡まないこと、感度が高いこと、強風でもラインが煽られにくいことの3点です。特にサビキ釣りやエギングに向いており、針の絡みや風の影響を受けにくいので、取り回しが良く快適です。
しかし、飛距離が落ちる、総重量が増える、準備と片付けが面倒などのデメリットがあります。また、価格も高めです。
インターラインより優れたロッドはいねぇ!

『北斗の拳』に登場するジャギは、「兄より優れた弟なぞ存在しねえ!」とイキりつつ弟に負けました(要約)。……短い登場ながら抜群の存在感だったため、敬愛をこめて”ジャギ様”と呼ばれます。
なぜ北斗的小話からはじめたかは、
今回紹介する「インターライン」のロッドが、ジャギ様の立ち位置に似ているところから。
釣り竿の起源から考えるに、穂先にラインを結ぶ延べ竿が長兄であり、リールを活かす外付けガイドのタイプが次男、そしてインターラインが三男の位置。いわずもがな、現在もっとも主流なのは次男タイプです。さすトキ。延べ竿は淡水域のスタンダードだし、ラオウのような力強さを感じます。
それらの影に隠れた存在が、三男のインターライン。
使用するアングラーは少ないですが、兄より優れている点があることも忘れてはいけない。それは使い手によって輝く、AC版のジャギ様のように……。
インターラインが外付けガイドより優れている3つのポイント
インターラインを使ってみて、外付けガイドよりも優れていると気づいたのは以下の3点!
- 針が多くても絡まない!
- ガチで感度がいい!
- 強風でもラインが煽られにくい!
(案外ショボくね……?)────と、読者の心の声が直接脳内に届く。
正直いって日常で使うのはクソ面倒なロッドです。でもこれら3点が絡む状況においては、まさに世紀末覇者となりえる存在なのです! さすがジャギ様!
針が多くても絡まないからサビキ釣りに最適!
インターラインのロッドは、外に針が引っかかる部分が(ほぼ)ありません。そのため外付けガイドでよくある「ラインに引っかかる」「ガイドに引っかかる」「穂先に絡む」などのトラブルと無縁。
そのため、針がめっちゃ多いサビキ釣りとの相性が抜群!
特にキャストする投げサビキにおいては、ロッドに仕掛けを絡めてもすぐ取り外せるので、ちょこちょこ移動するランガンスタイルにはもってこい。絡むのは仕掛けくらいなので、サビキのほうが無能に感じるほど。
ガチで感度がいいロッドを語るならこれ!
インターラインは名前の通り、ラインをロッド内部に通せるタイプです。
仕組みを簡単にいうと、中にガイドリングが無数にあって滑りをサポートしています。だからラインとロッドが触れる接点が多くなるため、必然的に感度が外付けより優れます。
外付けは数個しかラインが触れませんし、実際は先端の2個くらいでしか感じられません。
しかしインターラインは先端のみならず、手元までの全体で感じれるため、それよりも格段に繊細なアタリをとることができます。
この感度の正体は、ブランクス(竿本体)内部の構造にあります。ダイワの磯モデルなどでは、道糸のベタ付きを抑えるためのリニア構造(内部のリブやガイド)に耐久撥水加工を組み合わせ、内壁とラインの接点を細かく分散させています。ラインの張りが手元まで一本の芯のように伝わるので、豆アジがついばむような小さなアタリでも「コッ」と明確に返ってくる。ここは実際に握り比べると、外ガイドとの差が一番わかりやすいところです。
ロッド内部にラインがあるから強風に強い!
外付けガイドは風にラインが煽られやすく、強風時は手元から引っ張られる感覚になります。
インターラインのロッドは、リールから外に出る部分も最小限のため、風に煽られるのは先端から出ている部分からになります。なので強風時でも、穂先を水に浸ければその影響も全然感じません。
遠州灘のように季節風が吹き抜ける釣り場だと、この差はさらに効いてきます。外ガイド竿だと風でできた糸フケがガイドに絡んだり、アタリが風にかき消されたりしがちですが、中通しは糸が竿の中を通っているぶん、煽られる面積そのものが小さい。夜釣りでヘッドライトの光の外に手を伸ばしてガイド絡みを直す、あの地味なストレスから解放されるのも大きな利点です。
──というわけで、3つのメリットは兄より優れるのは確実。なのに使う人が少ないのは、もちろんデメリットが勝るからです。
インターラインが兄より優れない理由

- どうしても飛距離が落ちる!
- 総重量が増える!
- 準備と片付けが超めんどい!
”どうしても飛距離が落ちる”理由は、ロッド内部にあるガイドのせい。外付けよりラインが触れる箇所が増えるため摩擦が発生しやすく、水気が抜けにくいためにおこる悲しい現象。
”総重量が増える”のは、ガイドの多さもありますが、ロッド全体が肉厚になりやすいから。あとは”ロッド内部にラインを通す”だけで、準備と片付けの面倒さは伝わるでしょう。
──あと「高価になりやすい」って理由もあるけど、使うアングラーが少ないのは、日常的に使うほど利便性が高くないからですね。
ある条件下では無敵、でも基本スペックは低い。AC版のジャギ様そっくりじゃないか!
というわけで、インターラインが特に向いている釣りを紹介しましょう。
サビキ釣り全般で優位に立てる!
ロッドに引っかかる部分がないから、陸と船上のサビキ釣りでの取り回しの良さは抜群。
特に「ショアジギングwithサビキ」の投げサビキでは、これ以上に向いているロッドは存在しないですね。キャスティングでライントラブルを起こすこともほぼないから、ストレスなくぶん投げれます。
ジグサビキにおすすめなのは、ダイワの「リーガル遠投3-45」です。
長さは13ft相当で30gまでのジグが使えます。仕掛けが長いサビキを投げるには、長いロッドのほうが有利。でもロッド自体が重くなるし、小柄だと投げにくく難点もあるから注意。
ラインコントロールが重要なエギングで
エギングのシーズンは春と秋がメインで、季節の変わり目であることから風が強めの日が多い。エギはルアーの中でも軽いしデカいから、キャストで風の影響を受けやすいし、ラインが煽られるとすぐ浮いてしまう。
インターラインなら穂先を水に浸ければ、その悩みもなくなるので、エギングにとっては最適のロッドといえます。
ダイワのエギングモデル「エメラルダス」には、インターライン仕様が豊富にあります。
それだけエギングに向いているわけですが、通常よりも高価になりやすいし、品数も少ないのが難点。最高のセッティングでやってみたい人向け。
そもそも中通し(インターライン)ロッドはどんな構造なのか

ここまで「兄より優れた弟」的にメリットを語ってきましたが、なぜ絡まず・感度が高いのか、構造をもう少し噛み砕いておきます。ここを理解しておくと、後半のライン選びやメンテナンスの話がスッと入ってきます。
外ガイド竿は、竿の外側に足のついたガイドリングが数個並び、そこへラインを通します。対して中通し竿は、リール手前の「エントランスガイド」から糸を入れ、竿の中空を通して穂先の出口から送り出す仕組み。竿の外側に引っかかる突起がほぼ無いのが最大の違いで、だからこそ針や糸が竿に絡む余地が構造的に生まれません。
ただ「ただの筒に糸を通すだけ」では、内壁との摩擦でラインが張り付いてしまう。そこでメーカーは、内壁に道糸のベタ付きを抑えるリニア構造を設けたり、撥水コーティングを施したりして、外ガイドに近い放出性を確保しています。ダイワが「インターライン」、シマノが「インナーガイド」と別名で呼ぶのは前述の通りで、呼び方こそ違えど狙いは同じ。この撥水加工が生きているうちは快適、劣化すると一気に飛距離が落ちる——ここが後述するメンテナンスの肝になります。
インターラインが真価を発揮する釣り(磯フカセ・落とし込み・夜釣り)

サビキとエギングは先に紹介した通り。それ以外にも、中通しが「無双」しやすい釣りがいくつかあります。共通するのは、環境がシビアでライントラブルが起きやすい釣りほど中通しが輝く、という点です。
磯フカセ釣り:足場と風がシビアなほど活きる
磯のフカセ釣りは、複雑な地形・強い風・波しぶきと、ライントラブルの温床みたいな環境です。外ガイド竿だと、足元の岩やタモの枠にガイドをぶつけてしまうこともありますが、中通しなら引っかかる出っ張りが少なく、竿を寝かせて振り込む動作もスムーズ。撥水加工で軽い道糸を素直に送り出せるので、ウキを潮に乗せていく釣りとの相性は良好です。磯釣りそのものの始め方は磯釣り完全入門ガイドにまとめているので、タックルを選ぶ前に一読しておくと失敗が減ります。
落とし込み・前打ち:堤防のキワをテンポよく
チヌ(クロダイ)を狙う落とし込みや前打ちは、堤防のキワに沿って仕掛けをそっと落としていく釣り。ここでもガイド絡みゼロが効いてきます。糸の出がスムーズだと落下速度が安定し、着底やアタリの間を読みやすい。取り込みで竿を立てたときに糸が暴れないのも、足場の高い堤防では地味にありがたいポイントです。
夜釣り・雨天:見えない状況でのトラブルを消せる
個人的に中通しの恩恵を一番感じるのが夜釣りと雨です。暗くて手元が見えない状況でガイド絡みをほどくのは本当にストレスで、下手をすると穂先を折ります。中通しなら絡む場所がそもそも無いので、暗闇でもテンポが崩れない。雨の日も、濡れて外ガイドに張り付いた糸がバチンと弾ける現象が起きにくく、キャストが安定します。
インターライン専用ラインの選び方(表面加工と号数)

中通し竿は、ラインとの相性で快適さがガラッと変わります。ここをケチると「絡まないけど飛ばない竿」になってしまうので要注意。選ぶときのポイントは次の三つです。
- 表面加工されたラインを選ぶ:撥水・低吸水タイプだと内壁の摩擦や水の巻き込みが減り、放出がスムーズ。中通し対応をうたったナイロン道糸が無難です。
- 号数は竿の適合表に合わせる:磯竿クラスなら道糸ナイロン2〜5号あたりが目安。太すぎると内壁抵抗が増え、細すぎると内部でヨレやすい。まずは適合の真ん中を選ぶと失敗しにくい。
- 極端に張りの強いラインは避ける:ゴワつく糸は中でクセがつきやすく、放出時にビリッと出て飛距離を削ります。
PEラインを通すこと自体は可能ですが、細くて張りが無いぶん、内部でのバタつきや毛羽立ちが気になる場面もあります。まずはメーカー推奨のナイロン系から入り、慣れてから用途に応じて詰めていくのがおすすめです。
インターラインロッドの内部メンテナンス(通水洗浄とシリコン)

中通し最大の弱点は「準備と片付けの手間」。とくに海で使ったあとの内部洗浄をサボると、塩が固まって糸の通りが悪くなり、飛距離低下や糸鳴りの原因になります。手順自体はシンプルなので、面倒でもこれだけはやっておきたいところ。
- 釣行後すぐに通水する:継ぎを外し、エントランス側を下に向けて水道水を各セクションの内部に流し込み、反対側から抜く。これで大半の塩と砂が落ちます。
- 塩噛みがひどい時はぬるま湯に浸ける:固着した塩は、ぬるま湯に一〜二時間ほど浸けてからもう一度通水すると、溶けて流れやすくなります。熱湯は素材を傷めるので使わない。
- しっかり乾燥させる:中通しは内部が乾きにくいのが難点。風通しのいい日陰に立てかけ、完全に乾いてから仕舞う。生乾きで仕舞うとニオイやコート劣化のもとです。
- 撥水を補修する:放出が渋くなってきたら、内壁用の撥水(シリコン系)メンテスプレーで撥水性能を回復させる。専用スプレーが各社から出ています。
正直、この一手間を「面倒」と切り捨てるか「儀式」と楽しめるかで、インターラインとの付き合いやすさは決まります。私は釣行後にベランダで通水するのが妙にクセになりましたが、万人向けでないのは認めます。
通常ガイド竿とインターラインの使い分け

結局のところ、どちらが上という話ではなく「その日の釣り・その場の環境で選ぶ」のが正解です。ざっくりした指針を置いておきます。
- 飛距離が命の釣り(遠投カゴ・重いジグのぶっこみ)→ 迷わず外ガイド。中通しの摩擦ロスはここでは致命的。
- トラブルを消したい釣り(磯フカセ・落とし込み・サビキ・夜釣り)→ インターラインの独壇場。
- 一本で色々やりたい入門者→ まずは扱いやすい外ガイド+汎用リールから。中通しは二本目以降で「刺さる状況」に絞って足すのが賢い。
タックル全体の相性でいうと、竿だけでなくリールとのバランスも大事です。番手やドラグの考え方はスピニングリールの選び方と使い方入門で整理しているので、中通しに合わせる一台を選ぶ際の下敷きにしてください。中通しは軽量な仕掛けを素直に扱える相棒を選ぶと、メリットがさらに際立ちます。
インターラインは使う状況によって強キャラになる

正直いってインターラインは”無くても困りません”。なので積極的に勧める人もいないでしょう。
一部の状況においては唯一無二の存在になるため、細かいセッティングを追求するアングラーには好まれると思います。メリットを活かせるのは「ウキフカセ」「エギング」「サビキ」「ショアジギング」くらい。簡潔にまとめれば、ラインのトラブルレスが強み。
それに投資するメリットがあるかを考えましょう。
中通しロッドを実際の釣り場で使い込んだ様子は、インターラインロッドを実釣で検証した記事で別角度からまとめています。外付けガイド派のまま突き詰めるなら、トルザイトリングとSiCリングの違い比較も参考にどうぞ。
よくある質問とその回答例

Q1: インターラインロッドを使うメリットは何ですか?
A1: インターラインロッドの最大のメリットは、ラインがロッド内部を通ることで、外部に針やラインが引っかかるリスクが大幅に減少することです。これにより、サビキ釣りやエギングなど、針が多い仕掛けや風の影響を受けやすいシチュエーションで非常に有利になります。また、ラインとロッドが多くの接点を持つため、感度が高まり、繊細なアタリもキャッチしやすくなります。
Q2: インターラインロッドのデメリットは何ですか?
A2: インターラインロッドのデメリットには、飛距離が落ちる、ロッドが重くなる、そして準備と片付けがやや面倒である点が挙げられます。特に飛距離の低下は、ロッド内部のガイドによる摩擦が原因で、長距離キャストを必要とする釣りには不向きです。また、全体的に肉厚な設計のため、ロッドが重く感じることもあります。
Q3: インターラインロッドはどのような釣りに向いていますか?
A3: インターラインロッドは、サビキ釣りやエギング、ウキフカセ釣りなど、ラインのトラブルを避けたい状況で特に有効です。特に針が多いサビキ釣りでは、ラインが絡まるトラブルがほとんどないため、快適に釣りが楽しめます。また、エギングでは風の影響を最小限に抑えられるため、キャスト時の安定感が増します。
Q4: 初心者でもインターラインロッドを使いこなせますか?
A4: インターラインロッドは、メリットを活かせる特定のシチュエーションでは初心者にも扱いやすいですが、デメリットも理解した上で使用することが大切です。特に飛距離が重要な釣りでは不利になるため、使用する状況をしっかりと見極めることが求められます。また、準備と片付けが外付けガイドに比べてやや面倒な点も、初心者には少しハードルが高いかもしれません。
Q5: インターラインロッドの価格は高いですか?
A5: インターラインロッドは、通常の外付けガイドロッドに比べてやや高価になることが多いです。これは、ロッド内部にガイドを設ける特殊な設計がコストに反映されているためです。ただし、釣りのスタイルや頻度によっては、そのコストに見合う価値を感じることができるでしょう。







