ロッド内部にラインを通すタイプを「インターライン」と呼びます。
外付けガイドの弱点をなくした優れもの(のはず)なのに、使っている人は全然見ません……。でも気になっている人は多いようですね。
ちなみにインターラインはダイワの呼称、シマノは”インナーガイド”と呼びます。
それを実際に使ってみた経験から、この記事を書くにあたり、どうしてもジャギ様が浮かびました。
この記事のまとめ
インターラインロッドとは、ラインをロッド内部に通すタイプの釣り竿のことで、ダイワでは「インターライン」、シマノでは「インナーガイド」と呼ばれます。
外付けガイドの弱点を補うとされながら、使用者は少ないのが現状です。インターラインロッドの優れた点は、針が多くても絡まないこと、感度が高いこと、強風でもラインが煽られにくいことの3点です。特にサビキ釣りやエギングに向いており、針の絡みや風の影響を受けにくいので、取り回しが良く快適です。
しかし、飛距離が落ちる、総重量が増える、準備と片付けが面倒などのデメリットがあります。また、価格も高めです。
インターラインより優れたロッドはいねぇ!
『北斗の拳』に登場するジャギは、「兄より優れた弟なぞ存在しねえ!」とイキりつつ弟に負けました(要約)。……短い登場ながら抜群の存在感だったため、敬愛をこめて”ジャギ様”と呼ばれます。
なぜ北斗的小話からはじめたかは、
今回紹介する「インターライン」のロッドが、ジャギ様の立ち位置に似ているところから。
釣り竿の起源から考えるに、穂先にラインを結ぶ延べ竿が長兄であり、リールを活かす外付けガイドのタイプが次男、そしてインターラインが三男の位置。いわずもがな、現在もっとも主流なのは次男タイプです。さすトキ。延べ竿は淡水域のスタンダードだし、ラオウのような力強さを感じます。
それらの影に隠れた存在が、三男のインターライン。
使用するアングラーは少ないですが、兄より優れている点があることも忘れてはいけない。それは使い手によって輝く、AC版のジャギ様のように……。
インターラインが外付けガイドより優れている3つのポイント
インターラインを使ってみて、外付けガイドよりも優れていると気づいたのは以下の3点!
- 針が多くても絡まない!
- ガチで感度がいい!
- 強風でもラインが煽られにくい!
(案外ショボくね……?)────と、読者の心の声が直接脳内に届く。
正直いって日常で使うのはクソ面倒なロッドです。でもこれら3点が絡む状況においては、まさに世紀末覇者となりえる存在なのです! さすがジャギ様!
針が多くても絡まないからサビキ釣りに最適!
インターラインのロッドは、外に針が引っかかる部分が(ほぼ)ありません。そのため外付けガイドでよくある「ラインに引っかかる」「ガイドに引っかかる」「穂先に絡む」などのトラブルと無縁。
そのため、針がめっちゃ多いサビキ釣りとの相性が抜群!
特にキャストする投げサビキにおいては、ロッドに仕掛けを絡めてもすぐ取り外せるので、ちょこちょこ移動するランガンスタイルにはもってこい。絡むのは仕掛けくらいなので、サビキのほうが無能に感じるほど。
ガチで感度がいいロッドを語るならこれ!
インターラインは名前の通り、ラインをロッド内部に通せるタイプです。
仕組みを簡単にいうと、中にガイドリングが無数にあって滑りをサポートしています。だからラインとロッドが触れる接点が多くなるため、必然的に感度が外付けより優れます。
外付けは数個しかラインが触れませんし、実際は先端の2個くらいでしか感じられません。
しかしインターラインは先端のみならず、手元までの全体で感じれるため、それよりも格段に繊細なアタリをとることができます。
ロッド内部にラインがあるから強風に強い!
外付けガイドは風にラインが煽られやすく、強風時は手元から引っ張られる感覚になります。
インターラインのロッドは、リールから外に出る部分も最小限のため、風に煽られるのは先端から出ている部分からになります。なので強風時でも、穂先を水に浸ければその影響も全然感じません。
──というわけで、3つのメリットは兄より優れるのは確実。なのに使う人が少ないのは、もちろんデメリットが勝るからです。
インターラインが兄より優れない理由
- どうしても飛距離が落ちる!
- 総重量が増える!
- 準備と片付けが超めんどい!
”どうしても飛距離が落ちる”理由は、ロッド内部にあるガイドのせい。外付けよりラインが触れる箇所が増えるため摩擦が発生しやすく、水気が抜けにくいためにおこる悲しい現象。
”総重量が増える”のは、ガイドの多さもありますが、ロッド全体が肉厚になりやすいから。あとは”ロッド内部にラインを通す”だけで、準備と片付けの面倒さは伝わるでしょう。
──あと「高価になりやすい」って理由もあるけど、使うアングラーが少ないのは、日常的に使うほど利便性が高くないからですね。
ある条件下では無敵、でも基本スペックは低い。AC版のジャギ様そっくりじゃないか!
というわけで、インターラインが特に向いている釣りを紹介しましょう。
サビキ釣り全般で優位に立てる!
ロッドに引っかかる部分がないから、陸と船上のサビキ釣りでの取り回しの良さは抜群。
特に「ショアジギングwithサビキ」の投げサビキでは、これ以上に向いているロッドは存在しないですね。キャスティングでライントラブルを起こすこともほぼないから、ストレスなくぶん投げれます。
ジグサビキにおすすめなのは、ダイワの「リーガル遠投3-45」です。
長さは13ft相当で30gまでのジグが使えます。仕掛けが長いサビキを投げるには、長いロッドのほうが有利。でもロッド自体が重くなるし、小柄だと投げにくく難点もあるから注意。
ラインコントロールが重要なエギングで
エギングのシーズンは春と秋がメインで、季節の変わり目であることから風が強めの日が多い。エギはルアーの中でも軽いしデカいから、キャストで風の影響を受けやすいし、ラインが煽られるとすぐ浮いてしまう。
インターラインなら穂先を水に浸ければ、その悩みもなくなるので、エギングにとっては最適のロッドといえます。
ダイワのエギングモデル「エメラルダス」には、インターライン仕様が豊富にあります。
それだけエギングに向いているわけですが、通常よりも高価になりやすいし、品数も少ないのが難点。最高のセッティングでやってみたい人向け。
インターラインは使う状況によって強キャラになる
正直いってインターラインは”無くても困りません”。なので積極的に勧める人もいないでしょう。
一部の状況においては唯一無二の存在になるため、細かいセッティングを追求するアングラーには好まれると思います。メリットを活かせるのは「ウキフカセ」「エギング」「サビキ」「ショアジギング」くらい。簡潔にまとめれば、ラインのトラブルレスが強み。
それに投資するメリットがあるかを考えましょう。