相良港・地頭方港は遠州灘東部の”二大拠点漁港”|浜松から車50分の実力派フィールド
浜名湖や御前崎に比べると知名度で一歩譲るものの、牧之原市の相良港(さがらこう)と地頭方港(じとうがたこう)は地元アングラーが通い詰める実力派の釣り場だ。東名・相良牧之原ICから15分前後というアクセスの良さに加え、港内の足場が良く、ファミリーから上級者まで幅広い釣りが楽しめる。
この2つの港は直線距離でわずか3kmほど。片方が混んでいればもう片方へ移動できる”ハシゴ釣り”が成立するのが最大の強みだ。本記事では、相良港と地頭方港それぞれのポイント構成・狙える魚種・季節パターン・駐車場やトイレ情報まで、現地で迷わないレベルで徹底解説する。
相良港の全体像とポイントマップ
相良港は相良海岸の西側に位置する中規模漁港で、駿河湾の西端・遠州灘の東端という地理的な境界にあたる。港は大きく東堤防・西堤防・港内岸壁の3エリアに分かれており、それぞれ異なるターゲットを狙える。
東堤防(赤灯台堤防)
相良港の主力ポイントがこの東堤防だ。先端に赤灯台があり、外側は遠州灘の潮がダイレクトに当たる。堤防の長さは約200m、幅は3m前後で歩きやすい。
- 外側(遠州灘向き):テトラ帯が続く。根魚(カサゴ・メバル)の穴釣りに最適。春〜秋はクロダイのフカセ釣りで実績が高い。テトラの隙間が大きい箇所があるため、磯靴かスパイクブーツは必須
- 内側(港内向き):足元の水深が3〜4m。サビキでアジ・イワシが狙える。夏〜秋の朝夕マヅメは回遊次第で入れ食いになることも
- 先端部:潮通し抜群で、秋のカマス回遊時は先端の争奪戦になる。ショアジギングで小型青物(ワカシ・ショゴ)が出ることもある。ただし先端は波を被ることがあるので、うねりの強い日は立ち入らないこと
西堤防
東堤防に比べて短く(約100m)、釣り人も少ないが、穴場的な存在。外側にテトラが積まれており、カサゴ・メバルの根魚天国になっている。内側は砂泥底で、ちょい投げのキス・ハゼが楽しめる。
西堤防の付け根付近は常夜灯の明かりが届くエリアがあり、夜のアジング・メバリングで穴場的に機能する。特に3〜5月のメバルシーズンは、東堤防より西堤防の常夜灯周りのほうが安定して釣れる印象だ。
港内岸壁
漁船の係留スペースの隙間から竿を出せるエリア。足場はコンクリート護岸でフラット、柵こそないがファミリーでも安心できる高さ。水深は2〜3mと浅めだが、ハゼ・小型クロダイ(チンタ)・セイゴが居着いている。
注意:漁船の作業を妨げないこと。早朝の出港・夕方の帰港時間帯は漁師さんの邪魔にならないよう、声をかけて場所を空けるのがマナーだ。
地頭方港の全体像とポイントマップ
相良港から海岸沿いに東へ約3km、国道150号を少し南に入ったところにあるのが地頭方港。相良港より一回り小さいが、港の入口が南向きで潮の入りが良く、魚影の濃さでは引けを取らない。
南堤防(白灯台堤防)
地頭方港のメインポイント。先端の白灯台まで約150m、外側は石積み+テトラで根魚のストック量が豊富。
- 先端〜中間部の外側:エギングの好ポイント。秋の新子アオリイカ(9〜11月)は堤防から10〜20m先の藻場に着いており、2.5〜3号のエギで数釣りが楽しめる。春の親イカ(4〜6月)は3.5号で沖のブレイクライン付近を狙う
- 内側の船道:水深が5〜6mに掘れている箇所があり、冬場のカマスが溜まる。ジグヘッド+ワーム(2〜3インチ)のスローリトリーブが有効
- 付け根付近:常夜灯あり。夜のアジングで豆アジ〜中アジ(15〜25cm)が回る。ジグヘッド0.8〜1.5gにアジリンガーやレインズアジアダーが定番
北岸壁
漁協の建物裏手にあたるコンクリート護岸。足場は良好で車を横付けできる区間もある(ただし漁協の作業日は移動を求められることがある)。
ここはちょい投げのキスが意外な穴場で、港の出入口方向に投げると砂地が広がっており、5〜9月は15〜20cmのシロギスがコンスタントに釣れる。ジャリメやイシゴカイの房掛けで、仕掛けは天秤2本針のシンプルなものでOKだ。
港内中央の船揚場スロープ周辺
水深は浅いが(1.5〜2m)、小魚が集まりやすいエリア。子連れのファミリーがサビキ釣りで遊ぶには最適のポイントで、夏〜秋はスズメダイ・小サバ・小アジが見えることも多い。透明度が高い日はサイトフィッシングで魚を見ながら釣れるので、子どもの食いつきが違う。
季節別の狙い魚と攻略パターン
相良港・地頭方港で狙える魚種は季節によって大きく変わる。以下に月別の狙い目をまとめた。
| 月 | メインターゲット | 釣り方 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1〜2月 | カサゴ・メバル | 穴釣り・メバリング | 両港テトラ帯・常夜灯周り |
| 3〜4月 | メバル・クロダイ | メバリング・フカセ | 西堤防常夜灯・東堤防外側 |
| 5〜6月 | アオリイカ(親)・クロダイ | エギング・フカセ・ダンゴ | 地頭方南堤防外側 |
| 7〜8月 | アジ・シロギス・小サバ | サビキ・ちょい投げ | 港内岸壁・北岸壁 |
| 9〜10月 | アオリイカ(新子)・カマス・アジ | エギング・ジグヘッド・サビキ | 地頭方南堤防全域 |
| 11〜12月 | カマス・カサゴ・クロダイ | ジグヘッド・穴釣り・落とし込み | 両港堤防先端・テトラ帯 |
春(3〜5月):メバルからアオリイカへの移行期
3月はまだ水温が低く(14〜16℃)、メバリングが主役。日没後の常夜灯周りで1〜1.5gのジグヘッドをドリフトさせると、15〜22cmのメバルが顔を出す。プラグならメバペンやガンシップ45Sのスローリトリーブが効く。
4月下旬から水温が18℃を超えてくると、アオリイカの親個体が接岸を始める。地頭方港の南堤防外側は藻場が近く、夕マヅメの時合に3.5号エギのボトムステイで2〜3杯出ればいいほうだが、キロアップの良型が交じるのが魅力だ。
夏(6〜8月):サビキとちょい投げの最盛期
海水温が22℃を超える7月以降、両港の港内にアジ・イワシ・小サバの群れが入る。サビキ仕掛け(ハリス1号・6本針・下カゴ)にアミエビを詰めて、棚を1.5〜3mに合わせれば子どもでも簡単に釣れる。朝5〜7時の時間帯が最も安定する。
ちょい投げのキスは地頭方港の北岸壁が一押し。天秤仕掛けを20〜30m投げて、ゆっくりサビいてくると「ブルブル」とキス特有のアタリが出る。数釣りなら2本針、型狙いなら1本針がバレにくい。
秋(9〜11月):最もターゲット豊富なハイシーズン
秋は相良・地頭方が最も賑わう季節。新子アオリイカのエギング、カマスのライトゲーム、アジのサビキ・アジングと、何を狙っても楽しい時期だ。
カマスの回遊は例年10月中旬〜12月がピーク。群れが入ると港内の水面がザワつくので分かりやすい。ジグヘッド(3〜5g)にピンテールワーム、またはメタルジグ(5〜7g)の高速リトリーブが有効。カマスの歯でリーダーが切られやすいので、フロロ2〜3号を30cm程度付けるか、ワイヤーリーダーを噛ませるとバラシが減る。
冬(12〜2月):根魚とカマスの残り組で粘る
水温が下がるとターゲットは絞られるが、根魚(カサゴ・メバル)はテトラ帯に居着いているため通年で狙える。ブラクリ仕掛けにオキアミやサバの切り身を付けて穴に落とすだけのシンプルな釣りだが、20cmオーバーの良型カサゴが出ると嬉しい。
12月いっぱいはカマスの残り組が港内に溜まっていることがある。朝マヅメより夕マヅメ〜夜のほうが反応が良く、常夜灯の明暗の境目を通すイメージでワームをリトリーブするのがコツだ。
アクセス・駐車場・周辺施設情報
相良港へのアクセス
| 交通手段 | ルート | 所要時間の目安 |
|---|---|---|
| 車(浜松方面から) | 東名高速→相良牧之原IC→県道473号→国道150号南下 | 約50分(浜松IC起点) |
| 車(静岡方面から) | 新東名→島田金谷IC→国道473号→国道150号 | 約40分(静岡IC起点) |
| 電車+バス | JR菊川駅→しずてつバス「相良営業所」行き→終点下車→徒歩10分 | バス約30分+徒歩 |
相良港の駐車場
- 東堤防付け根の空き地:未舗装だが10台程度駐車可能。無料。堤防まで徒歩1分
- 相良海水浴場駐車場:夏季は有料(1日1,000円前後)、それ以外の時期は無料開放されていることが多い。トイレ併設。東堤防まで徒歩5分
- 港内岸壁沿い:漁協の建物周辺にスペースはあるが、漁業関係者優先。平日は駐車できることが多いが、休日は避けたほうが無難
地頭方港へのアクセスと駐車場
- 相良港から国道150号を東へ約3km、「地頭方」交差点を南へ入ると港に着く
- 南堤防付け根の駐車スペース:5〜6台程度。先着順で埋まりやすい。無料
- 北岸壁沿い:車横付け可能なエリアあり。ただし漁協作業日は利用不可の場合がある
- トイレは港内の漁協建物横に公衆トイレあり(清潔度は時期による)
周辺施設
- コンビニ:国道150号沿いにセブン-イレブン牧之原相良店あり。相良港から車3分
- 釣具店:フィッシングショップおおはし(牧之原市)が比較的近い。エサ・仕掛けの補充に。営業時間は事前確認を
- 食事:相良港周辺には地魚を出す食堂が数軒ある。釣りの後に寄るなら「さがら子生れ温泉」で入浴と食事を兼ねるのもおすすめ
- 救急:榛原総合病院(牧之原市細江)が最寄りの総合病院。港から車15分
仕掛け・タックルの推奨セッティング
相良港・地頭方港は堤防釣りが中心なので、大掛かりな装備は不要。以下に釣り方別のタックル目安を示す。
サビキ釣り(アジ・イワシ・小サバ)
- 竿:磯竿2〜3号(4.5m前後)またはコンパクトロッド
- リール:スピニング2500〜3000番
- 仕掛け:市販サビキ(ハリス1〜1.5号、ハリ5〜7号)+下カゴ
- エサ:アミエビ(冷凍ブロック1個で半日分)
- コツ:棚はこまめに変える。反応がなければ50cm刻みで探り、群れの遊泳層を見つけるのが数を伸ばす秘訣
エギング(アオリイカ)
- 竿:エギングロッド8.0〜8.6ft(ML〜M)
- リール:スピニング2500番(シャロースプール)
- ライン:PE0.6〜0.8号+フロロリーダー2〜2.5号
- エギ:秋の新子は2.5〜3号(オレンジ・ピンク系)、春の親は3.5号(ナチュラル系・赤テープ)
- コツ:地頭方港南堤防の外側は根掛かりしやすいので、着底後すぐにシャクリ上げること。藻場の際をトレースするイメージで
ライトゲーム(カマス・メバル・アジ)
- 竿:ライトゲームロッド6.0〜7.6ft(UL〜L)
- リール:スピニング1000〜2000番
- ライン:PE0.3〜0.4号+フロロリーダー1〜1.5号(カマス狙いは2〜3号推奨)
- ジグヘッド:アジング0.8〜1.5g、カマス3〜5g
- ワーム:アジにはクリア系2インチ、カマスにはピンテール系3インチ
- コツ:カマス狙いの場合、フォール中のバイトが多い。テンションフォールでラインの変化を見逃さないこと
ちょい投げ(シロギス・ハゼ)
- 竿:万能竿やちょい投げ専用ロッド(2.1〜2.7m)
- リール:スピニング2000〜2500番
- 仕掛け:L型天秤(8〜12号オモリ)+キス針7〜8号の2本針
- エサ:ジャリメまたはイシゴカイ。1パックで半日は持つ
- コツ:投げたらゆっくりサビいて(引きずって)アタリを待つ。根掛かりしたら無理に引かず、角度を変えて外す
安全情報と釣り場のルール
足場と安全対策
相良港・地頭方港ともに堤防の足場は比較的良好だが、以下の点に注意してほしい。
- テトラ帯は滑りやすい:特に雨後や波しぶきで濡れたテトラは危険。磯靴かフェルトスパイクブーツを着用し、必ず三点支持で移動すること
- ライフジャケットは必携:堤防であっても落水事故は起きている。腰巻き式の自動膨張タイプなら動きの邪魔にならない
- うねりの強い日は先端に行かない:南〜南西風が強い日は遠州灘からのうねりが堤防先端を洗う。天気予報で波高1.5m以上の予報が出ていたら先端部は避けるべき
- 夜釣りはヘッドライトと反射材:常夜灯はあるが、堤防全体を照らすほどではない。足元の確認用にヘッドライトは必須。車が通る道沿いでは反射材付きのベストがあると安心
釣り場のマナーとルール
- ゴミは必ず持ち帰る:仕掛けのパッケージ、ライン屑、エサの残り、すべて持ち帰り。釣り場のゴミ問題は釣り禁止に直結する
- 漁業者優先:漁港は漁師さんの仕事場。係留ロープの上に荷物を置かない、船の近くにキャストしない、出入港時は場所を空ける
- サイズリリースの意識:小型のアオリイカ(胴長10cm以下)やクロダイ(25cm以下)はリリースを心がけたい。資源保護は釣り場の未来を守ることだ
- 駐車マナー:路上駐車や農道への駐車はトラブルの元。必ず指定の駐車スペースを利用すること
緊急時の連絡先
| 状況 | 連絡先 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 海の事故・落水 | 海上保安庁(118番) | 118 |
| 救急・火災 | 消防(119番) | 119 |
| 事件・事故 | 警察(110番) | 110 |
| 最寄り病院 | 榛原総合病院 | 0548-22-1131 |
混雑状況と空いている時間帯の狙い目
相良港・地頭方港の混雑度は、御前崎や新居海釣公園に比べるとかなりマシだ。ただしシーズンによっては場所取りが必要になることもある。
混雑しやすい時期・条件
- 秋のエギング最盛期(10〜11月の週末):地頭方港南堤防の外向きは朝5時で埋まることがある
- 夏休みの土日:ファミリーのサビキ釣りで港内岸壁が賑わう。ただし堤防先端は空いていることが多い
- カマス回遊のニュースが出た直後:SNSや釣具店の釣果情報で「カマス爆釣」が出ると翌週末は混む
空いている狙い目
- 平日の朝マヅメ:どの季節でもまず場所に困らない。仕事前の早朝短時間釣行にも向く
- 冬の夜(12〜2月):根魚やカマス残り狙いの夜釣りはアングラーが少なく、のんびり釣れる
- 相良港の西堤防:通年で東堤防より空いている。特に平日はほぼ貸切状態のことも
浜松方面からの釣行プランニング|相良・地頭方を1日で回るモデルコース
浜松から相良・地頭方エリアへ日帰り釣行する場合のモデルプランを紹介する。
夏〜秋のファミリー向けプラン
- 5:00 浜松出発(東名経由で相良牧之原ICへ)
- 5:50 地頭方港着。南堤防付け根でサビキ釣り開始。朝マヅメのアジ・小サバを狙う
- 8:00 アジが一段落したら、北岸壁に移動してちょい投げのキス狙い
- 10:00 暑くなる前に相良港へ移動。港内岸壁で子どもと一緒にハゼ・小魚釣り
- 12:00 昼食。相良海岸周辺の食堂か、さがら子生れ温泉で入浴&食事
- 14:00 帰路。途中で御前崎の「なぶら市場」に寄って海産物を買って帰るのもアリ
秋のルアーアングラー向けプラン
- 14:00 浜松出発(午後スタートで夕マヅメ〜夜を攻める)
- 15:00 地頭方港着。南堤防外側でエギング開始。夕マヅメまでアオリイカを狙う
- 17:30 日没前後にカマスの回遊をチェック。群れが入っていればジグヘッド+ワームに切替え
- 19:00 相良港西堤防に移動。常夜灯周りでアジング or メバリング
- 21:00 納竿。帰路は国道150号→バイパスで浜松へ(約1時間)
まとめ|相良港・地頭方港は浜松からの釣行圏に入る”ちょうどいい漁港”
相良港と地頭方港は、浜名湖エリアの釣り場に通い慣れたアングラーが「ちょっと足を伸ばしてみよう」と思ったときに最適な選択肢だ。
- 足場が良く、ファミリーでも安心して釣りができる
- アジ・カマス・アオリイカ・根魚と四季を通じてターゲットが豊富
- 2つの港が近接しているので、片方がダメでももう片方で釣れる保険が利く
- 御前崎ほど混まないので、週末でもストレスなく竿を出せることが多い
- 周辺に温泉・食事処・なぶら市場があり、釣り以外の楽しみも充実
次の週末、浜名湖を少し離れて遠州灘の東側に目を向けてみてはいかがだろう。相良・地頭方の堤防に立てば、いつもと違う潮の匂いと新しい出会いが待っているはずだ。まずはサビキセットとクーラーボックスを車に積んで、国道150号を東へ走り出そう。



