冬の遠州灘・浜名湖はカレイ投げ釣りの隠れた好フィールド
「遠州灘でカレイなんて釣れるの?」——そう思った方、実はもったいない話だ。確かに瀬戸内海や東京湾ほどメジャーではないが、遠州灘サーフや浜名湖周辺の砂泥底には、11月後半から翌3月にかけてマコガレイとイシガレイがしっかり接岸する。特に水温が13〜15℃まで下がる12月〜2月が最盛期で、40cmオーバーの「座布団」クラスも決して珍しくない。
キスの投げ釣りは夏の風物詩として定着しているが、同じタックルの延長で楽しめるカレイ投げ釣りは、冬に竿を出す動機付けとして最高のターゲットだ。しかもカレイはキスと違い、「待ちの釣り」と「攻めの釣り」を状況に応じて切り替えるゲーム性の高さがある。この記事では、遠州灘・浜名湖エリアに特化したカレイ投げ釣りの全技術を、仕掛けの作り方からエサ付け、誘い、ポイント選びまで徹底的に解説する。
遠州灘・浜名湖で狙えるカレイの種類と特徴
まず、このエリアで釣れるカレイを知っておこう。種類によって好むポイントや食性が微妙に異なるため、狙い分けの基本になる。
マコガレイ(真子鰈)
遠州灘のメインターゲット。体色はやや褐色で、表面にぬめりが少なく肌がサラッとしている。砂底〜砂泥底を好み、イソメ類やゴカイを主食とする。食味は冬のカレイの中でも最上級で、刺身・煮付けともに絶品。30〜45cmが中心サイズだが、産卵前の12月〜1月には50cm近い大型も接岸する。
イシガレイ(石鰈)
マコガレイよりやや泥質の底を好む傾向があり、浜名湖の湖内や河口域で釣れることが多い。体表にゴツゴツした石状突起があるのが名前の由来。マコガレイに比べると食味はやや劣るとされるが、新鮮なものは十分うまい。エサへの反応はマコガレイより積極的で、初心者にも釣りやすい。
狙い分けの目安
| 項目 | マコガレイ | イシガレイ |
|---|---|---|
| 好む底質 | 砂底〜砂泥底 | 砂泥底〜泥底 |
| 主なポイント | 遠州灘サーフ、今切口外側 | 浜名湖湖内、馬込川河口 |
| 最盛期 | 12月〜2月 | 11月〜3月 |
| 好むエサ | マムシ(本虫)、アオイソメ | アオイソメ、ユムシ |
| 平均サイズ | 30〜40cm | 25〜35cm |
| アタリの出方 | 繊細で小さい | 比較的明確 |
カレイ投げ釣りのタックル選び
キスの投げ釣りタックルを持っている方は、ほぼそのまま流用できる。ただし、カレイ釣りならではのポイントがいくつかあるので押さえておこう。
竿(ロッド)
投げ専用ロッド25〜30号、長さ3.9〜4.25mが基本。遠州灘サーフでは飛距離がモノを言う場面が多いため、シマノ「サーフリーダー」やダイワ「プライムサーフ」クラスの振り抜きの良いロッドが使いやすい。浜名湖の堤防や護岸からなら、3.6〜3.9mのコンパクトロッドでも十分。竿を2〜3本並べる「多点待ち」が基本戦術なので、予算と相談しつつ複数本用意したい。
リール
投げ専用スピニングリール(シマノ「スーパーエアロ スピンジョイ」やダイワ「クロスキャスト」など)が理想だが、4000〜5000番の汎用スピニングリールでも問題ない。ドラグ性能よりもライン巻き量と遠投性能を重視しよう。PEライン使用時はドラグをやや緩めに設定しておくと、カレイの繊細なアタリを弾きにくい。
ライン
- ナイロンライン:3〜5号(遠投重視なら3号)。伸びがあるためカレイのアタリを吸収しやすく、置き竿との相性が良い
- PEライン:1〜1.5号+力糸(テーパーライン)5〜12号。飛距離と感度が格段に上がるが、風の強い遠州灘では糸フケ管理に注意が必要
- 力糸:ナイロンなら5〜12号のテーパーライン、PEなら専用力糸を必ず結束。フルキャスト時の高切れ防止に不可欠
オモリ
遠州灘サーフでは潮流が速い場面が多いため、海藻テンビン25〜30号が標準。L型テンビンやジェットテンビンも使えるが、カレイ釣りでは仕掛けを安定させたいため、着底後に動きにくい形状が有利だ。浜名湖内の穏やかなポイントでは15〜20号で十分。
仕掛けの作り方——カレイ専用仕掛けのキモ
カレイ投げ釣りの仕掛けは、キスの仕掛けとは設計思想が根本的に異なる。キスは「動かして誘う」仕掛けだが、カレイは「底に安定させてエサを見せる」仕掛けだ。この違いを理解しているかどうかで、釣果に大きな差が出る。
基本仕掛け(2本針仕掛け)
- 幹糸:フロロカーボン5〜6号、全長80〜100cm
- 枝ス(ハリス):フロロカーボン3〜4号、長さ15〜20cm。キスの仕掛けより太く、長めに取るのがポイント
- 枝間:30〜40cm。カレイは底べったりの魚なので、枝間を狭くして2本とも底付近に配置する
- 針:カレイ専用針(がまかつ「カレイ専用」、オーナー「カレイ」)10〜13号。流線針やキス針と違い、軸が太く、大きなエサをしっかりホールドできる設計
- 装飾:赤・蛍光ビーズ、夜光玉を針の上に1〜2個通す。カレイは視覚でエサを探す傾向が強く、アピール要素が効果的
仕掛け作りのコツ
- 枝スの結び方:エイトノット(8の字結び)で幹糸に接続し、枝スが幹糸から直角〜やや上向きに出るようにする。下向きだと絡みやすくなる
- 赤い要素を入れる:カレイは赤色への反応が良い。赤ビーズ、赤い糸巻き、赤いエサ留め——何かしら赤を入れておくと集魚効果がある
- エサ留め(ケン付き針 or ストッパー):カレイ釣りではエサが大きく重いため、キャスト時にエサがズレないようケン付き針を使うか、針上にゴムストッパーを入れる
- 2本針が基本:3本針以上にすると絡みのリスクが増え、エサ付けの手間も増える。カレイ釣りでは手返しよりエサの鮮度と安定性が重要なので、2本針で十分
市販仕掛けのおすすめ
自作が面倒な方は、以下の市販仕掛けが遠州灘エリアで実績が高い。
- がまかつ「投カレイ」:赤ビーズ+夜光玉の定番構成。12号針がオールラウンドに使える
- ハヤブサ「投匠カレイ」:枝スにフロロカーボンを採用し、感度と耐久性のバランスが良い
- ささめ針「特選カレイ」:コスパが良く、複数本竿を出すときの消耗品として優秀
エサの選び方と付け方——カレイを本気にさせる「房掛け」の極意
カレイ投げ釣りの勝敗を分ける最大の要素がエサだ。「カレイはエサで釣る魚」と言われるほど、エサの種類・鮮度・付け方が釣果を直接左右する。
エサの種類と使い分け
| エサ | 特徴 | 適する状況 | 入手先(浜松エリア) |
|---|---|---|---|
| アオイソメ | 安価で万能。動きでアピール | パイロット(最初の探り)、イシガレイ狙い | イシグロ浜松高林店、フィッシング遊浜松店 |
| マムシ(本虫・岩イソメ) | 強い匂いでカレイを寄せる。高価だが効果絶大 | マコガレイ本命狙い、食い渋り時 | イシグロ(要予約の場合あり)、通販 |
| アオイソメ+マムシのミックス | アピールと集魚を両立するコンビネーション | 最も汎用性が高い。迷ったらこれ | — |
| ユムシ | 大型カレイに特効。エサ持ちが良い | 座布団級狙い、遠投して長時間放置する場面 | 取扱店が限られるため通販推奨 |
エサの付け方:房掛けが基本
カレイ釣りではエサを大きく、目立たせることが鉄則。キス釣りのように1匹掛けではアピール不足だ。
- アオイソメの房掛け:アオイソメ3〜5匹を1本の針に房状に掛ける。まず1匹目を通し刺しにして針のチモト(根元)まで押し上げ、2匹目以降はチョン掛けで追加する。全体が海中でウニョウニョと動く「生きたブーケ」を作るイメージだ
- マムシの通し刺し+アオイソメ:マムシ1匹を通し刺しにしてチモトまで上げ、その先にアオイソメ2〜3匹をチョン掛け。マムシの匂いで寄せて、アオイソメの動きで食わせる最強コンビ
- ユムシの付け方:ユムシは体液が集魚力の源。針先をユムシの口(硬い部分)から入れ、体の1/3ほどまで通したら針先を出す。残りの体がぶら下がることで匂いを拡散させる
エサ付けの注意点
- ケチらない:カレイ釣りは「エサ代=釣果」と心得る。1回の投入でアオイソメなら4〜5匹、マムシなら1〜2匹はしっかり付ける
- エサ交換は30〜40分に1回:エサが白くなったり動かなくなったりしたら速やかに交換。特にアオイソメは海水温が低いと弱りやすい
- エサは冷やしすぎない:冬場でもクーラーに入れっぱなしにすると仮死状態になる。使う分だけ木製のエサ箱に出し、海水で湿らせた新聞紙で包むと元気な状態を維持できる
釣り方の実践——置き竿と誘いの使い分け
カレイ釣りは「置き竿で待つだけ」と思われがちだが、実はそれだけでは半分の釣果しか拾えない。状況に応じた「攻めの誘い」を組み合わせることで、釣果を倍増させることができる。
基本の投入と置き竿
- キャスト:フルスイングで100m以上飛ばすのが理想だが、遠州灘のカレイは意外と近い(50〜80m)ことも多い。まずは3本の竿を60m・80m・100mと投げ分けて、ヒットレンジを探る
- 着底確認:オモリが着底したら糸フケを取り、竿先がわずかに曲がる程度にラインを張る。張りすぎると風や波でオモリが動いてしまう
- 竿立てにセット:三脚式のロッドスタンドに竿を立てかけ、ドラグをやや緩めに設定。竿先に鈴やケミホタル(夜釣り時)を付けてアタリを待つ
- 待ち時間:最低15分、最大30分を目安に待つ。それ以上はエサが弱って集魚力が落ちるため、アタリがなくても回収してエサを交換する
攻めの誘い——「ズル引き」と「聞き上げ」
置き竿で反応がないときは、積極的に仕掛けを動かしてカレイにエサの存在を気づかせよう。
- ズル引き(サビキ引き):リールをゆっくり2〜3回転巻いて、仕掛けを1〜2m手前に引きずる→10〜15秒静止→また2〜3回転。この「動かして止める」リズムがカレイの捕食スイッチを入れる。砂煙が立つことでエサの位置をアピールする効果もある
- 聞き上げ:竿をゆっくり45度まで持ち上げ、仕掛けが浮き上がるか浮き上がらないかギリギリのスピードで聞く。このとき竿先に「モゾモゾ」「コツコツ」と重みが乗れば、カレイがエサを咥えている可能性大。そのまま竿を立てて合わせる
- タイミング:潮が動き始めるタイミング(潮変わりの前後30分)に誘いを入れると効果的。潮止まりは置き竿で待ち、潮が動き出したら誘いに切り替えるのが定石
アタリの出方と合わせ
カレイのアタリはキスやシロギスのような明確な「ブルブル」ではなく、じわっとした重みの変化で出ることが多い。
- 典型的なアタリ:竿先が「スーッ」と1〜3cmゆっくり入る→戻る→また入る。この繰り返しがカレイの「エサを吸い込んでは吐き出す」動作
- 合わせのタイミング:焦りは禁物。竿先がしっかり入って戻らなくなったタイミング(本アタリ)で、大きくゆっくり竿を立てる「聞き合わせ」が基本。ガツンと合わせるとハリスが切れるか、口周りの薄い皮を裂いてバラす
- 空振り対策:合わせて乗らなかった場合、すぐに回収せずそのまま30秒〜1分待つ。カレイはエサの近くに留まっていることが多く、再び食ってくることがある
遠州灘・浜名湖エリアのカレイポイント攻略
ここからは、浜松周辺でカレイが狙える具体的なポイントと、それぞれの攻略法を紹介する。
遠州灘サーフ(中田島砂丘〜天竜川河口)
広大な砂浜が続く遠州灘サーフは、マコガレイの実績が高いエリア。特に12月〜1月の産卵期に大型が接岸する。
- 狙い目:波打ち際から70〜100m沖の第2〜第3ブレイクライン(カケアガリ)。カレイは地形変化の底に張り付いていることが多い
- 時間帯:朝マズメ(日の出前後1時間)と夕マズメ(日没前後1時間)が最も期待できるが、カレイは日中でも釣れる珍しいターゲット
- 注意点:冬の遠州灘は西風(遠州のからっ風)が強烈。風速7m以上になると釣りにならないため、風裏になるポイントを事前に確認しておく。天竜川河口寄りは比較的風が弱い場面がある
浜名湖・今切口周辺
今切口の外側(海側)はマコガレイ、内側(湖側)はイシガレイが狙える一石二鳥のポイント。新居堤や舞阪堤からのアクセスが便利だ。
- 狙い目:潮通しの良い船道周辺の砂泥底。今切口は潮流が非常に速いため、潮止まり前後1時間がチャンスタイム
- 仕掛けの工夫:流れが速い場面では30号以上の重めのオモリを使い、仕掛けを安定させる。もしくは、流れに乗せてドリフトさせ、下流側のカケアガリに仕掛けを落ち着かせるテクニックも有効
- ゲストも期待:同じポイントでクロダイやセイゴ(小型シーバス)が外道で掛かることがあり、冬場の退屈しのぎになる
浜名湖湖内(庄内湖・細江湖周辺)
湖内は水深が浅く潮流も穏やかなため、初心者がカレイ投げ釣りを覚えるのに最適なフィールド。イシガレイが中心だが、大型のマコガレイが混じることもある。
- 狙い目:船の通り道(ミオ筋)周辺の砂泥底。水深2〜4mの浅場で、15〜20号の軽めのオモリで近投〜中投が基本
- 時期:湖内は海側より水温変動が大きいため、本格的なシーズンは12月中旬〜2月がベスト
- 駐車場:庄内湖周辺は駐車スペースが限られる場所が多い。村櫛海岸や舘山寺周辺の公共駐車場を利用し、徒歩でポイントに入ろう
天竜川河口
河口域の汽水エリアはイシガレイの好ポイント。淡水と海水が混じるエリアにはゴカイやイソメが豊富に生息しており、カレイの餌場になっている。
- 狙い目:河口から500m〜1km上流の砂泥底。テトラ帯や護岸沿いのカケアガリが好ポイント
- エサ:河口域ではアオイソメの実績が高い。マムシよりもアオイソメの「動き」がアピールになる場面が多い
季節・潮回り・天候別の戦略
月別カレンダー
| 月 | 状況 | 戦略 |
|---|---|---|
| 11月 | 水温低下開始、カレイが沿岸に寄り始める | まだ数は少ない。広く探る「ランガン投げ」で有望ポイントを開拓 |
| 12月 | 産卵前の荒食い期。大型のチャンス | マムシをメインエサに据え、座布団級を狙う。朝マズメに集中投入 |
| 1月 | 産卵期。浅場に大型が接岸するピーク | 近投(50〜70m)を重点的に攻める。水温が最も低い時期なので誘いは控えめに |
| 2月 | 産卵後の戻りガレイ。体力回復のため食い気あり | アオイソメ主体で手返し重視。数釣りが楽しめる時期 |
| 3月 | 水温上昇とともに沖へ移動開始 | 遠投主体に切り替え。90〜120m先を狙う。シーズン終盤だがイシガレイはまだ残る |
潮回りの選び方
- ベスト:中潮〜大潮の下げ始め。カレイは潮が動くタイミングでエサを探し始める
- 注意:大潮の干潮時は今切口周辺の流れが激流になるため、仕掛けが流される。大潮なら満潮前後の「潮止まりから動き出し」を狙う
- 小潮・長潮:潮が動かない分、誘いの技術が問われる。ズル引きを積極的に入れて、カレイの目の前にエサを持っていく攻めの姿勢が必要
天候と風の読み方
冬の浜松は「遠州のからっ風」で有名な強風地帯。天候と風は釣行計画の最重要ファクターだ。
- 北西風5m以下:ベストコンディション。遠州灘サーフでも快適に釣りができる
- 北西風5〜8m:サーフは厳しい。浜名湖の風裏ポイント(庄内湖東岸、舘山寺温泉側)に逃げる
- 北西風8m以上:無理に竿を出さない。安全第一。風が収まる翌日の朝マズメが「風裏好釣」になることが多い
- 雨後:河口域は濁りが入ってイシガレイの活性が上がる。ただし大雨直後は淡水が強すぎてカレイが沖に出るため、雨の翌々日がベスト
よくある失敗と対策——カレイが釣れない原因を潰す
失敗1:エサが小さい・少ない
キス釣り感覚でイソメ1匹掛けにしている人が多いが、カレイには通用しない。「こんなに付けるの?」と思うくらいでちょうどいい。アオイソメなら最低3匹、理想は4〜5匹の房掛け。エサ代をケチると、結果的にボウズで交通費もガソリン代も無駄になる。
失敗2:合わせが早すぎる
竿先がチョンと動いた瞬間に反射的に合わせてしまうパターン。カレイは口が小さく、エサを徐々に吸い込む。最初のアタリから本アタリまで30秒〜数分かかることも珍しくない。「カレイは待つ魚」——この鉄則を体に染み込ませよう。
失敗3:同じ場所に投げ続ける
カレイはキスのように群れで回遊しない。同じスポットに何時間投げても1枚しかいなければ1枚しか釣れない。30分アタリがなければ、着水点を10〜20mずらすか、角度を変えて扇状に投げ分けよう。
失敗4:底荒れを見落とす
冬の遠州灘はウネリが入りやすく、底が荒れるとカレイは食い気を失う。仕掛けを回収したときにエサに砂がびっしり付いていたり、海藻のゴミが絡んでいたりするなら底荒れのサイン。その場合は浜名湖内やワンド(入り江)状の地形など、波の影響を受けにくいポイントに移動するのが正解だ。
失敗5:防寒対策の不足
テクニック以前の話だが、冬の遠州灘で3〜4時間じっと待つ釣りは、防寒が不十分だと集中力が切れて釣りにならない。防寒着は「動かない釣り」を前提に、フィッシングスーツの下にインナーダウンとフリースを重ね着。足元はネオプレンウェーダーか防寒長靴に厚手のウールソックス。手先はフィンガーレスグローブ+カイロ。万全の装備で「待ち」の時間を楽しめる余裕を持とう。
上級者向けテクニック——釣果を伸ばす一手
「コマセ投げ」で寄せて釣る
カレイ釣りでもコマセ(撒き餌)は有効だ。アミエビと砂を混ぜたものをオモリ周辺に投入するか、コマセカゴ付きテンビンを使うことで、周囲のカレイを仕掛けの近くに集められる。特に潮の動きが小さい日は、コマセの有無で釣果に明確な差が出る。
夜投げのマコガレイ狙い
マコガレイは夜間に活発にエサを捕食することが知られている。日没後〜22時頃までの時間帯に竿を出すと、日中は食い渋っていた大型が急にアタリ出すことがある。竿先にケミホタルを装着し、ドラグを緩めにして鈴を頼りにアタリを待つ。冬の夜はかなり冷え込むが、座布団級を仕留めたいなら試す価値は十分だ。
2色(80m)以内の精密攻撃
冬場のカレイは意外と岸近くにいることがある。特に水温が安定する夕方〜夜間は、波打ち際から30〜50m付近に大型が寄っているケースが多い。遠投にこだわらず、あえて近距離に1本竿を置いてみよう。近い分、アタリの感度も良く、合わせのタイミングも取りやすい。
「エサの鮮度ローテーション」
3本竿を出す場合、全部同時にエサを交換するのではなく、10分ずつずらしてローテーションする。こうすることで「常にどれか1本は新鮮なエサが付いている」状態を維持でき、カレイが寄ってきたときに確実に食わせるチャンスが途切れない。
まとめ——冬こそ投げ竿を持って遠州灘・浜名湖へ
カレイ投げ釣りは、冬の寒さを理由に竿を仕舞ってしまうアングラーに「まだシーズンは終わっていない」と教えてくれる貴重な釣りだ。特に遠州灘・浜名湖エリアは、マコガレイとイシガレイの両方が狙える恵まれたフィールドでありながら、キスの投げ釣りに比べて競合が少ない「穴場」的存在でもある。
最後に、カレイ釣りの鉄則を改めて整理しておこう。
- エサはケチらない——房掛けでボリュームたっぷりに
- 合わせは焦らない——本アタリが出るまでじっくり待つ
- 投げ分けて探る——距離と角度を変えて広く攻める
- 誘いを入れる——置き竿だけでなくズル引きと聞き上げを組み合わせる
- 防寒は万全に——体が冷えたら集中力もアタリも逃す
まずは12月の週末、アオイソメとマムシを1パックずつ買って、中田島砂丘周辺か今切口に竿を出してみてほしい。冬の澄んだ空気の中で、竿先がゆっくり絞り込まれる瞬間——あの独特の重量感は、一度味わったら病みつきになるはずだ。



