五島海岸(三軒屋海岸)の釣りは、朝マズメのヒラメ・マゴチ、夏のキスと夜のタチウオ、秋の青物が主役。そして東隣の天竜川河口西岸に移れば、シーバス実績随一の導流堤と、ハゼ・テナガエビで手軽に遊べる河川敷護岸が控えている。まずは下の結論ボックスと早見表で、今日の狙いに合うエントリー場所を30秒で決めてほしい。
| エントリー場所 | 主なターゲット | 駐車場 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 五島海岸サーフ | ヒラメ・マゴチ・キス・タチウオ(夏夜)・青物(秋) | 五島海岸駐車スペース(約15台・無料・砂地) | ルアー派・遠投派 |
| 西岸導流堤 | シーバス・クロダイ・キビレ・ヒラメ | 天竜川河川敷駐車スペース(約20台・無料) | 中級者以上・単独釣行派 |
| 西岸河川敷護岸 | ハゼ・テナガエビ・ウナギ・セイゴ | 同上または天竜川緑地公園(約50台・舗装・トイレあり) | ファミリー・初心者 |
- 天竜川河口西岸〜五島海岸とは? 浜松サーフの「右端」に潜む一級フィールド
- アクセス・駐車場・周辺施設情報
- ポイント① 天竜川西岸導流堤 ─ 河口の「本命」ストラクチャー
- ポイント② 西岸河川敷護岸 ─ ファミリーも安心の足場良好エリア
- ポイント③ 五島海岸サーフ ─ 遠州灘サーフの「東端」で叩くフラットフィッシュ
- 【2026年8月】夏の五島海岸は「朝ジグ・夕キス・夜タチウオ」の三本立て
- 季節別攻略カレンダー
- 潮回り・天候と釣果の関係
- 天竜川河口の釣り禁止期間(10月1日〜11月15日)─ 知らないと違反になる
- 安全対策 ─ 天竜川河口は「優しい顔をした危険地帯」
- まとめ ─ 天竜川河口西岸は「通う価値のある」フィールドだ
- 同じエリアの釣り場ガイド
天竜川河口西岸〜五島海岸とは? 浜松サーフの「右端」に潜む一級フィールド

浜松のサーフアングラーなら誰でも知っている中田島砂丘や篠原海岸。しかし、そこから東へ車を走らせた先にある天竜川河口の西岸エリアは、意外と見落とされがちな実力派ポイントだ。遠州灘に注ぐ大河川・天竜川の河口部は東岸(磐田市側)の掛塚港や竜洋海岸が有名だが、西岸(浜松市側)にも導流堤・河川敷護岸・五島海岸サーフと、性格の異なる3つのフィールドが凝縮されている。
天竜川本流の淡水と遠州灘の海水がぶつかる汽水域は、ベイトフィッシュの宝庫。春〜秋のシーバス、夏のヒラメ・マゴチ、通年のキスに加え、秋には青物の回遊も射程圏内に入る。対岸の掛塚港エリアと比べてアングラーの数が少なく、特に平日は「貸し切り」に近い状況で竿を出せるのも大きな魅力だ。
この記事では、天竜川河口西岸〜五島海岸をポイント別・魚種別・季節別に徹底解説する。初めて訪れる人が迷わずエントリーでき、経験者にも新たな発見がある内容を目指した。駐車場・トイレ・コンビニ情報から安全対策まで、これ一本で完結するガイドだ。
なお、本記事で扱う「五島海岸」は、地元で三軒屋海岸とも呼ばれるエリアを含む。釣り場情報サイトでも「五島海岸(三軒屋海岸)」と併記されるのが通例で、指しているのは馬込川河口と天竜川河口に挟まれたサーフとほぼ同じだ。どちらの名前で検索しても本記事の内容がそのまま使えると考えてもらっていい。
アクセス・駐車場・周辺施設情報

車でのアクセス
最寄りICは東名高速・浜松ICから南東へ約25分。国道150号(浜松バイパス)を東進し、「天竜川橋」の手前で右折して河川敷方面へ向かうルートが基本だ。もう一つのルートは、国道1号浜松バイパスから県道312号を南下するコース。どちらも片側1車線区間があるため、朝マズメ狙いで早朝に動くならストレスなく到着できる。
- 浜松ICから:国道150号東進→天竜川橋西交差点を右折→河川敷道路を南下(約25分)
- 浜松西ICから:国道257号→国道150号東進→同上(約35分)
- 磐田ICから:国道1号西進→天竜川橋を渡り右折→河川敷道路(約20分)
駐車場情報
| 駐車場名 | 収容台数 | 料金 | 最寄りポイント | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 天竜川河川敷駐車スペース(西岸) | 約20台 | 無料 | 導流堤・河川敷護岸 | 未舗装・雨天後はぬかるみ注意 |
| 五島海岸駐車スペース | 約15台 | 無料 | 五島海岸サーフ | 砂地・スタック注意。4WD推奨 |
| 天竜川緑地公園 駐車場 | 約50台 | 無料 | 河川敷中流寄り | 舗装済み・トイレあり。ポイントまで徒歩10〜15分 |
注意:河川敷の未舗装駐車スペースは、台風や増水後に路面状況が大きく変わる。特に梅雨〜秋の台風シーズンは、事前にSNS等で路面情報を確認してから向かうのが賢明だ。
トイレ・コンビニ・周辺施設
- トイレ:天竜川緑地公園に公衆トイレあり。河口付近・五島海岸には無いため、事前に済ませておくこと
- コンビニ:最寄りは国道150号沿いのセブンイレブン浜松天竜川町店(河口から車で約5分)。エサ・飲料の調達はここで
- 釣具店:イシグロ浜松高林店(車で約15分)、フィッシング遊浜松店(車で約20分)。朝マズメ前の5時台に開いているのはイシグロが頼りになる
- 救急:浜松医療センター(車で約20分)。河口エリアは携帯電波が入るので、緊急時は迷わず119番を
河川敷道路は台風や大雨の増水時に通行止めになることがあり、未舗装区間は夜間の見通しも悪い。朝マズメ狙いで暗いうちに入るなら、初回は明るい時間帯に一度下見をしておくと迷わない。なお、馬込川河口や可美公園周辺など浜松市中央区(旧南区)全体の釣り場事情は浜松市中央区(旧南区)釣りガイドで網羅しているので、エリア全体を俯瞰してから行き先を選びたい人はそちらもあわせて確認してほしい。
ポイント① 天竜川西岸導流堤 ─ 河口の「本命」ストラクチャー

ポイントの特徴
天竜川の河口には、流れを安定させるための導流堤(どうりゅうてい)が東西両岸から突き出している。西岸側の導流堤は全長約300m、幅約3mのコンクリート構造物で、先端部は遠州灘の波が直接当たる。この導流堤こそが西岸エリア最大の武器だ。
導流堤の根元付近は天竜川本流の流れが護岸に沿って走り、中間部では流れが緩むヨレが形成される。先端部は河口流出と沿岸流がぶつかる複雑な潮目が発生し、ベイトが溜まりやすい一級のフィーディングエリアになる。
狙える魚種と時期
| 魚種 | ベストシーズン | 時間帯 | おすすめの釣り方 |
|---|---|---|---|
| シーバス(マダカ・セイゴ含む) | 4月〜11月 | 朝夕マズメ・夜間 | ミノー・バイブレーション・ワーム |
| ヒラメ | 4月〜6月、9月〜11月 | 朝マズメ | ジグヘッド+ワーム・メタルジグ |
| マゴチ | 6月〜9月 | 日中〜夕マズメ | ジグヘッド+ワーム・底ズル引き |
| クロダイ・キビレ | 5月〜10月 | 朝夕マズメ | 前打ち・落とし込み・チニングワーム |
| キス | 5月〜10月 | 日中 | ちょい投げ・投げ釣り |
攻略のコツ
シーバス狙いでは、導流堤の中間部にできる「ヨレ」が最大のキーポイント。上げ潮で海水が天竜川に押し込まれるタイミングで、導流堤の内側(川側)にベイトが寄る。この時、堤防の上から川側に向かってシンキングミノー(12〜14cm)をダウンクロスで流し込むと、ドリフト中にガツンとバイトが出る。実績ルアーはima sasuke 120裂波やDUO タイドミノースリム140フライヤー。カラーはナチュラル系(ボラカラー・イナッコ)が安定だが、濁りが入った日はチャート系に切り替えると反応が変わる。
ヒラメ・マゴチ狙いでは、導流堤の先端から外側(海側)に向かってメタルジグ(30〜40g)を遠投し、ボトムを丁寧にトレースする。天竜川の流出で砂が堆積したシャローフラットが広がっており、朝イチのまだ人が入っていない時間帯に「一投目」で食わせるのが鉄則。波打ち際まで魚が寄っていることが多いので、足元までしっかり巻き切ること。
導流堤の注意事項
- 立入制限:導流堤は本来、河川管理施設であり、立入禁止の表示がある区間もある。現地の看板・表示に必ず従うこと
- 波被り:先端部は遠州灘のうねりが直接かぶる。南風が強い日(風速5m/s以上)やうねり1.5m以上の日は先端に出ないこと
- 足場:コンクリート表面は苔や海藻で滑りやすい。スパイクシューズまたはフェルトスパイクソールが必須
- ライフジャケット:膨張式でも良いので必ず着用。河口の流れは想像以上に速い
もう一つ、秋の規制も忘れてはならない。毎年10月1日〜11月15日は天竜川河口部の採捕禁止期間にあたり、導流堤周辺の川側では釣りそのものができない(詳細は後述の規制まとめを参照)。境界線の解釈で迷うくらいなら、この期間の導流堤は丸ごと休場と考えるのが安全だ。「秋のハイシーズンに導流堤へ」と考えている人は、9月中に通い込むか、11月16日の解禁後を狙ってスケジュールを組もう。
ポイント② 西岸河川敷護岸 ─ ファミリーも安心の足場良好エリア

ポイントの特徴
導流堤の付け根から上流側に約500mにわたって続くコンクリート護岸が、西岸河川敷の中心エリアだ。護岸の高さは水面から1〜2m程度で、柵こそないが足場はフラットで安定している。車を横付けできるポイントもあり、ファミリーフィッシングにも対応できる敷居の低さが魅力。
このエリアの水深は足元で1〜3m、沖に向かって緩やかに深くなる。川底は砂泥底が主体で、所々に沈み石や流木が入っている。これらのストラクチャー周りにシーバスやクロダイが着くため、護岸沿いをランガンしながら変化を探っていく釣りが有効だ。
狙える魚種と釣り方
ハゼ(7月〜11月):このエリアの「主役」と言ってもいい。特に8月〜10月のハゼは数・型ともに期待できる。仕掛けは市販のハゼ天秤にアオイソメを1匹掛け、護岸から5〜15mほど投げるだけ。潮が動いている時間帯(上げ3分〜下げ3分)がゴールデンタイムで、1時間で20〜30匹ペースも珍しくない。
テナガエビ(6月〜9月):護岸の継ぎ目や沈み石の隙間がテナガエビの巣穴になっている。玉ウキ仕掛けにアカムシを付け、護岸際スレスレに落とし込む。アタリがあっても即アワセは厳禁。ウキがゆっくり沈んでから5〜10秒待ち、十分に食い込ませてから聞きアワセするのがコツだ。夕方〜日没直後がもっとも活性が高い。
シーバス(4月〜11月):護岸エリアでのシーバスは、夜間のバチ抜けパターンが特に熱い。4月〜5月の大潮回り、日没後1〜2時間に護岸際でバチ(ゴカイ類)が大量に抜け、それを捕食するシーバスが岸際に寄る。この時はシンキングペンシル(7〜9cm)をスローリトリーブで通すだけで60〜70cmクラスが出る。Jackson にょろにょろ85やDUO マニック95が定番だ。
ウナギ(5月〜10月):天竜川河口域は天然ウナギの好ポイントとしても知られる。日没後にミミズやアオイソメを房掛けにしたぶっこみ仕掛けを護岸から投入。竿は2〜3本出し、鈴を付けてアタリを待つスタイルが基本。天竜川のウナギは脂の乗りが良く、自分で蒲焼きにすると感動ものの旨さだ。
ファミリーフィッシングのポイント
- ハゼ・テナガエビ狙いなら、高価なタックルは不要。2,000〜3,000円程度の振り出し竿セットで十分
- 護岸は平坦だが柵がないため、小さな子どもからは絶対に目を離さない
- 日陰が一切ないので、タープやパラソルの持参を強く推奨。真夏は熱中症リスクが高い
- 河川敷にはトイレがないため、天竜川緑地公園のトイレ(車で約3分)を事前に確認しておく
なお、この護岸エリアも10月1日〜11月15日の河口規制区域に含まれる。ハゼの数釣りは8月〜9月に集中して楽しみ、規制明けの11月後半に「落ちハゼ」の良型を深場のかけ上がりで拾う——という二段構えが、規制と付き合いながらこのポイントを使い倒すコツだ。
ポイント③ 五島海岸サーフ ─ 遠州灘サーフの「東端」で叩くフラットフィッシュ

ポイントの特徴
天竜川河口の西側に広がる五島海岸(ごしまかいがん)は、中田島砂丘から続く遠州灘サーフの東端に位置する。天竜川の流出による砂の堆積で、沖合にサンドバー(砂州)が発達しており、その手前のスリット(溝)にヒラメ・マゴチが着く。
海岸線にはテトラ帯(消波ブロック)が点在し、単調な砂浜が延々と続く中田島側と比べて人工ストラクチャー絡みの変化が多いのも特徴だ。水深は隣接する天竜川河口前のサーフよりやや浅めで、そのぶんサンドバーとスリットの明暗がはっきり出やすい。テトラ周りはクロダイや根魚の付き場になる一方、根掛かりや高波時の危険もあるため、テトラの切れ目は「離岸流や潮の通り道を教えてくれる沖のヒント」として使い、立ち位置そのものは開けた砂浜から取るのが賢い。
中田島〜篠原エリアと比べた最大の違いは、天竜川の淡水流入の影響を直接受けること。河口寄りになるほど塩分濃度が下がり、ベイトの種類も変わる。遠州灘の定番ベイトであるシラスやカタクチイワシに加えて、天竜川から流れ出るボラの幼魚(イナッコ)やアユの稚魚がベイトになるため、マッチ・ザ・ベイトの選択肢が広がるのが面白い。
エントリーポイントと地形の読み方
五島海岸へのエントリーは、河川敷道路から海岸に出る未舗装路を利用する。エントリーポイントは大きく3か所ある。
- 河口寄り(東端):天竜川の流出が直接影響するエリア。流れが強く上級者向けだが、シーバスの実績は随一。離岸流が発生しやすいのでウェーディングは避ける
- 中央部:サンドバーとスリットが明瞭に形成されるメインエリア。ヒラメ・マゴチの実績が高い。波打ち際から30〜50mに第一ブレイクがあり、ここを重点的に攻める
- 西端(中田島寄り):比較的穏やかで、キスのちょい投げやファミリーサーフにも向く。遠投すれば水深のあるポイントにも届くため、秋のワカシ・ショゴ(青物の幼魚)狙いにも使える
地形変化の見つけ方
サーフフィッシングで最も重要なのは「どこに魚が溜まるか」を地形から読むこと。五島海岸では以下のサインに注目しよう。
- 波の立たない場所:周囲で波が崩れているのに、特定の場所だけ波が穏やか=そこは深い溝(スリット)。ヒラメ・マゴチの通り道だ
- 白波が沖で崩れる場所:サンドバーの上で波がブレイクしている。サンドバーの手前(岸側)のスリットが狙い目
- 水色が変わるライン:天竜川の茶色い水と遠州灘の青い水がぶつかる境目。ここにベイトが溜まりやすい
- 鳥山・ナブラ:カモメやウミネコが水面に突っ込んでいたら、その下にベイトがいる証拠。迷わずルアーを通せ
おすすめタックルとルアーセレクト
| ターゲット | ロッド | リール | ライン | ルアー |
|---|---|---|---|---|
| ヒラメ・マゴチ | サーフロッド 10〜11ft(ML〜M) | 4000〜5000番 | PE1.0〜1.2号+リーダー20lb | ジグヘッド14〜21g+4inchワーム、メタルジグ30〜40g、ヘビーシンキングミノー |
| シーバス | シーバスロッド 9〜10ft(ML〜M) | 4000番 | PE1.0号+リーダー16〜20lb | ミノー12〜14cm、シンペン、バイブレーション |
| キス | 投げ竿4.0〜4.25m またはちょい投げ竿2.7m | 投げ専用 または 3000番 | PE0.8号またはナイロン3号 | ジェット天秤15〜27号+キス針7〜8号2〜3本 |
ヒラメ狙いの一軍ルアーとして個人的に信頼しているのは、DUO ビーチウォーカー ハウル(21g・28g)とジャクソン 飛び過ぎダニエル(30g)。ハウルはスローリトリーブでもテールがしっかり動き、ダニエルは圧倒的な飛距離で沖のブレイクまで届く。カラーはピンクゴールドやアカキンが朝マズメの定番、日中はナチュラル系のイワシカラーにローテーションするのが基本パターンだ。
近年の遠州サーフでもう一つ見逃せないのが、フロートリグの遠投で狙うサーフアジング(通称・砂アジ)の盛り上がりだ。浜松近郊の釣具店の釣果情報でも、サーフから尺クラスのアジが上がる報告が続いており、フラット狙いの合間に軽いタックルで遊ぶ選択肢が増えている。なお、中田島砂丘から天竜川河口までのサーフ全体の地形の読み方や戦略は遠州灘サーフフィッシング完全攻略で体系的にまとめている。五島海岸を「遠州サーフの一部」として俯瞰したい人は、あわせて読むと立ち回りの精度が一段上がるはずだ。
【2026年8月】夏の五島海岸は「朝ジグ・夕キス・夜タチウオ」の三本立て
近年の遠州灘は夏の海水温が高め基調で、日中の炎天下を避けて時間帯を絞り込むのが8月攻略の大前提になる。浜松近郊の釣具店の釣果情報では、遠州サーフ一帯で20cm級を交えたキスの数釣りと、夜のサーフに回遊するタチウオの報告が目立っており、これに朝の小型青物を加えた「三本立て」が今夏の実戦パターンだ。
| 時間帯 | 本命ターゲット | 戦術の要点 |
|---|---|---|
| 4:30〜7:00 | ワカシ・ショゴ・ソウダガツオ/マゴチ | メタルジグ30〜40gの速巻き。反応がなければボトムのリフト&フォールに切り替え |
| 7:00〜9:00 | キス | ジェット天秤のちょい投げ。第一ブレイク周辺をゆっくりサビく |
| 9:00〜16:00 | (休憩推奨) | 砂浜の表面温度は50℃超。無理せず車内や日陰で体力回復に充てる |
| 16:00〜19:00 | キス・マゴチ | 夕マズメの涼しい時間に再開。マゴチはワームの底ズル引きが効く |
| 19:00〜23:00 | タチウオ・シーバス | グロー系ワインドやメタルバイブをスロー気味に。ライトは2灯必携 |
朝はショアジギングで青物+マゴチの二段構え
8月に入ると、ソウダガツオやワカシ・ショゴといった小型青物の回遊が始まる。メタルジグ30〜40gをフルキャストし、着水直後の速巻きで表層〜中層をチェック。ナブラや鳥山が出たら何を措いてもジグを通したい。青物の反応がなければ、同じジグをボトムまで沈めてリフト&フォール——夏マゴチの拾い釣りに切り替えられるのが、ジグ1個で完結するこの時期の効率の良さだ。9月に入ればサイズも数も上向くので、8月はその前哨戦と位置づけて回遊のパターンを掴んでおくと秋に効いてくる。
キスは朝夕に寄せて数釣り
盛夏のキスは数釣りシーズン本番。ただし日中の砂浜は人間側が持たないので、竿を出すのは朝7時までか夕方16時以降に寄せるのが現実的だ。ジェット天秤15〜20号にキス針2〜3本の仕掛けを30〜60m投げ、サビいては止めるを繰り返す。波打ち際から30m前後の第一ブレイク周辺で連掛けになることが多く、群れに当たれば20cm級を交えて二桁は十分に現実的な数字。引き釣りで反応が薄い日は、置き竿気味に「待ち」を入れると型が出ることもある。
夜はサーフタチウオが夏の新定番
ここ数年で完全に定着したのが、夏〜秋の夜に天竜川河口周辺のサーフへ差してくるタチウオだ。平日の夜でも駐車スペースが埋まるほどの人気ぶりで、釣り方はグローカラーのワインド用ワームやメタルバイブをスロー気味に引くだけとシンプル。五島海岸では河口寄りのエリアが有望で、常夜灯のない真っ暗なサーフだけにヘッドライト+予備ライトは必携になる。歯が鋭い魚なので、ワイヤーリーダーか太めのフロロリーダー(8号前後)も忘れずに用意したい。波打ち際に立ち込まず、一歩下がった位置から扇状に探るのが安全に数を伸ばすコツだ。
季節別攻略カレンダー

春(3月〜5月)
3月はまだ水温が低く(13〜15℃)、ターゲットは限られる。4月に入って水温が16℃を超えるとシーバスが河口域に入り始め、同時にキスの第一陣が砂浜に寄る。5月は天竜川のアユの遡上が本格化し、河口域にイナッコやアユの稚魚が大量に溜まる。これを追ってシーバス・ヒラメが岸寄りするため、5月中旬〜下旬が春のベストタイミングだ。
春の注意点は、遠州灘特有の「春一番」から続く強い西風。風速8m/sを超えるとサーフでのキャストが困難になるため、風裏になる導流堤の川側を選択肢に入れておこう。
夏(6月〜8月)
梅雨入り前の6月上旬はヒラメ・マゴチの最盛期。水温が20℃を超え、サーフ全体がフィーディングエリアになる。梅雨の増水時は天竜川が濁流化し、河口域の塩分濃度が大きく下がる。この時は魚が河口を避けて五島海岸の西寄り(中田島方面)に移動するパターンが多い。
7月〜8月の盛夏は、早朝4時台の朝マズメ一択。日が昇ると砂浜の表面温度が50℃を超え、人間もルアーも持たない。マゴチは日中の高水温にも強いため、どうしても昼間に竿を出すならマゴチ狙いに絞ると効率が良い。
秋(9月〜11月)
年間を通じて最も魚種が豊富になるゴールデンシーズン。9月はマゴチの終盤戦とヒラメの秋シーズン開幕が重なり、10月はシーバスの荒食いが始まる。天竜川の落ちアユパターンで80cmオーバーのランカーシーバスが狙えるのもこの時期だ。
11月に入るとワカシ〜イナダクラスの青物が遠州灘沿岸を回遊し、五島海岸にも射程圏内に入ってくる。メタルジグ40gのフルキャストで沖のナブラを撃つ、エキサイティングな釣りが楽しめる。水温が18℃を下回る11月下旬からは徐々に魚影が薄くなるため、秋の釣りは「10月が本番、11月は早い者勝ち」と覚えておこう。
ただし、秋には重要な注意がある。10月1日〜11月15日は天竜川の河口規制期間にあたり、導流堤の川側や河川敷護岸では竿を出せない(詳細は次章の規制まとめを参照)。秋の荒食いと落ちアユパターンは、境界線より海側の五島海岸サーフから狙うか、規制が明けた11月16日以降の短期決戦で仕留めるのが正しい立ち回りだ。解禁直後の11月後半は、規制期間中に竿抜けになっていた河口内にコンディションの良いシーバスが残っており、意外な爆発力がある。
冬(12月〜2月)
正直に言えば、冬の河口西岸は厳しい。水温が14℃を下回るとシーバスもヒラメも沖に出てしまい、サーフからの釣りは成立しにくい。ただし、導流堤の根元付近では居着きのセイゴ(30〜40cm)やカサゴが狙える。メタルバイブ7〜14gのリフト&フォールでボトム付近を丁寧に探る釣りになる。
冬場にあえてここに来るなら、もう一つの選択肢は投げ釣りでのカレイ。12月〜1月に河口域の砂泥底で良型のイシガレイがヒットすることがある。アオイソメの房掛けを天秤仕掛けで遠投し、置き竿で待つスタイルだ。
潮回り・天候と釣果の関係

潮回りの選び方
天竜川河口西岸では、大潮〜中潮の上げ潮がもっとも釣果が安定する。天竜川の下げ流れと上げ潮の海水がぶつかるタイミングで潮目が明瞭に形成され、ベイトが凝縮されるからだ。
- ベスト:大潮・中潮の上げ3分〜上げ7分(朝マズメと重なれば最高)
- グッド:下げ始め〜下げ3分(河口からの払い出しが効いてベイトが散らばる前)
- タフ:小潮・長潮の日中(潮が動かず魚の活性も低い)
風向きと波高の判断基準
| 条件 | 判定 | 備考 |
|---|---|---|
| 南西風3m/s以下・波高0.5〜1.0m | ◎ 最高 | 適度な波気で魚の活性が上がる |
| 西風5m/s以下・波高1.0〜1.5m | ○ 良好 | やや波があるがサーフ可能。導流堤の先端は注意 |
| 南風5m/s以上・波高1.5m以上 | △ 注意 | サーフは厳しい。護岸エリアに切り替え |
| 風速8m/s以上・波高2.0m以上 | × 中止 | 命に関わる。撤退一択 |
風向き・波高の確認にはWindyアプリやウェザーニュースの「海天気.jp」が便利。出発前の確認に加え、現地到着後にも必ず目視で波の状況を確認する習慣をつけよう。
天竜川の増水と濁りへの対応
天竜川は上流に佐久間ダム・秋葉ダムなどの複数のダムを抱えており、ダムの放流や事前放流で河口域の水量が急変することがある。2026年からはダム群の事前放流運用が拡大されており、雨の予報がなくても急に濁流が増すケースが増えた。
河口域の濁りが強い(視界30cm以下)時は、魚が濁りを嫌って五島海岸寄りに退避するパターンが多い。こういう日は河口直近を避け、五島海岸の中央〜西端エリアを重点的に攻めるのが正解だ。ルアーカラーもチャートやパールホワイトなど視認性の高いものに切り替えよう。
天竜川河口の釣り禁止期間(10月1日〜11月15日)─ 知らないと違反になる
天竜川河口で竿を出す前に、必ず頭に入れておきたい規制がある。天竜川漁協が公式サイトで案内しているとおり、毎年10月1日から11月15日まで、浜北大橋から河口までの区間では一切の水生生物の採捕が禁止される。アユなどの産卵保護を目的とした措置で、釣りはもちろん手づかみでの採捕も対象。ルアーのキャッチ&リリースも「採捕」にあたるため、この期間の規制区域内では竿を出せないと理解しておこう。
どこからが「海」なのか ─ 境界線の考え方
規制区域の海側の境界は、竜洋海岸側の灯台基部の南端と、浜松市側のコンクリート構造物(旧堤防)の南端を結んだ線とされている。この線より南(海側)へのキャスティングは規制の対象外だが、河口の閉塞部分より上流側は「河川」と判断されて採捕禁止になる。
- 10月1日〜11月15日に釣りができない場所:西岸導流堤の川側・河川敷護岸・河口内の汽水域全体
- この期間も釣りができる場所:境界線より海側の五島海岸サーフ(河口から離れた立ち位置で海側へキャスト)
- 判断に迷ったら:現地の看板表示と天竜川漁協の最新案内を確認。「怪しい位置では竿を出さない」が正解だ
本記事の季節別攻略で紹介している秋の河口シーバスやハゼ釣りは、いずれも規制期間外(9月30日まで、もしくは11月16日以降)を前提にしたものだ。10月の釣行は五島海岸サーフ側に絞るか、対岸の竜洋海岸側でも同じ規制がかかることを踏まえてプランを組んでほしい。また、消波ブロックの上に乗っての釣りは管理者が認めていない。導流堤の立入制限表示と合わせて、現地のルールには必ず従おう。
安全対策 ─ 天竜川河口は「優しい顔をした危険地帯」

天竜川河口は穏やかに見えて、実は遠州灘エリアの中でも事故リスクの高いポイントの一つだ。以下の安全対策は「知っているけどやらない」ではなく、「毎回必ず実行する」レベルで徹底してほしい。
必須装備
- ライフジャケット:桜マーク付きの膨張式または固型式。導流堤・サーフ問わず必ず着用
- スパイクシューズ:導流堤の苔対策。サーフではサーフシューズ可
- 偏光サングラス:水面のギラつき軽減だけでなく、波の大きさや離岸流の確認にも必須
- 携帯電話(防水ケース入り):緊急通報の生命線
- ヘッドライト:朝マズメ・夕マズメは暗い中での移動が伴う
河口特有のリスク
- 離岸流(リップカレント):河口付近は地形の変化が大きく、離岸流が発生しやすい。万が一流された場合は、岸に向かって泳がず、流れに直角(横方向)に泳いで脱出すること
- 急な増水:上流のダム放流で水位が急上昇する場合がある。河川敷に水が上がってきたら即座に避難
- 波の入り:遠州灘は太平洋の外洋に面しており、うねりの周期が長い。「今は穏やか」でも、数分後に大波が来ることがある。常に海に背を向けない
- 単独釣行のリスク:河口エリアは人が少ない。可能な限り2人以上で入り、単独の場合は家族や友人に釣行場所と帰宅予定時刻を伝えておく
夏場に上乗せされるリスク
- 熱中症:日陰ゼロの砂浜は体感温度が市街地より高い。飲料は1人2L以上、帽子と冷感タオルを標準装備に。めまいや吐き気を感じたら釣果に関係なく即撤収
- 雷:夏の夕立に伴う雷は、遮蔽物のないサーフでは致命的。雷鳴が聞こえたらカーボンロッドを置いてでも車に退避する
- 夜釣りの視界:タチウオ狙いの夜サーフは足元の波が見えにくい。ヘッドライトに加えて予備ライトを持ち、波打ち際には立ち込まない
まとめ ─ 天竜川河口西岸は「通う価値のある」フィールドだ

天竜川河口西岸〜五島海岸は、導流堤のストラクチャーフィッシング、護岸でのお手軽ハゼ・テナガエビ釣り、サーフでのフラットフィッシュゲームと、一つのエリアで3つの異なる釣りが楽しめる贅沢なフィールドだ。
対岸の掛塚港や竜洋海岸に比べてアングラーが少なく、特に平日は広大なサーフを独り占めできることも多い。ただし、その分「自分の安全は自分で守る」意識が不可欠な場所でもある。ライフジャケットとスパイクシューズは絶対に省略しないでほしい。
初めて訪れるなら、まずは秋(10月)の大潮・朝マズメに五島海岸サーフから入るのがおすすめだ。シーバス・ヒラメ・マゴチ・キスのどれかしらは反応があるし、境界線より海側なら落ちアユを意識したランカーシーバスのチャンスもある。ただし10月1日〜11月15日は河口規制期間のため、導流堤や河川敷護岸まで足を延ばすプランは規制明けの11月下旬か、4月〜9月に取っておこう。河川敷の駐車スペースに車を停め、護岸を歩いて地形を確認してからサーフへ向かう定番ルートは、規制期間外でこそ真価を発揮する。
浜松サーフの「右端」に位置するこのフィールド、一度ハマれば通い詰めたくなること間違いなし。次の週末、まだ行ったことがないなら、ぜひ天竜川河口西岸を候補に入れてみてほしい。




