この記事の結論(3行)
1. 秋の堤防を1本で広く回したいなら、シマノ23ルアーマチック S86ML(自重123g・ルアー6〜32g・エギ2.5〜3.5号まで公式対応)が素直です。
2. 狙う釣りがすでに決まっているなら、メジャークラフトNEWソルパラの該当ジャンルモデル(アジング・エギング・シーバス・ロックフィッシュ・ショアジギングなど12ジャンル)を番手指名で買うほうが失敗しません。
3. 電車や家族の車で運ぶ前提なら、第3の選択肢としてルアーマチックMB S86ML-4(4ピース・自重143g)が現実解になります。
9月に入ると、堤防の水面はいきなり賑やかになります。豆アジのサイズが上がり、カマスの群れが射程に入り、朝夕にはイナダやショゴのナブラが立ち、夕まずめにはシーバスが差してくる。「秋に釣りを始めたい」という相談がいちばん増えるのが、まさにこの8月後半から9月にかけての時期です。
そのとき必ずぶつかるのが、シマノ23ルアーマチックとメジャークラフトNEWソルパラのどちらを買うかという二択です。どちらも1万円前後、どちらも入門用の定番、どちらもネットで褒められている。だから決められません。
この記事では、2社の公式スペック表とメーカー公式の価格情報だけを突き合わせて、この二択に使う条件ごとの答えを出します。曖昧な「どちらも良い竿です」では終わらせません。なお筆者が両方を実釣で比べたという体裁は取りません。判断材料はすべて公表スペックと公式情報に限定し、その範囲で言えることだけを書きます。
結論|1本で回すならルアーマチック、狙いが決まっているならソルパラ
先に分岐だけ示します。あなたが次の3つのどれに当てはまるかで、買うものは変わります。
分岐1|「秋の堤防をとりあえず一通りやってみたい」→ 23ルアーマチック S86ML
アジもカマスもシーバスも、あわよくばエギングもタチウオも、と考えているなら8フィート6インチのML(ミディアムライト)が中心軸になります。23ルアーマチックのS86MLは、シマノの公表スペックで適合ルアーウエイト6〜32g、エギサイズ2.5〜3.5号、適合ラインPE0.6〜1.5号と、明確に「複数の釣りをまたぐ」設計値が与えられています。エギサイズがスペック表に載っている汎用ロッドは、この価格帯では珍しい部類です。
分岐2|「アジングがやりたい」「エギングがやりたい」と決まっている → NEWソルパラの該当モデル
メジャークラフトの公式サイトでは、NEWソルパラはショアジギング・エギング・アジング・ロックフィッシュ・シーバス・クロダイ・岸タコ・ジギング・ティップラン・イカメタル・タイラバ・カワハギの12ジャンルに分かれて展開されています。つまりソルパラの設計思想は「1本で全部」ではなく「釣りごとに刻む」側です。狙いが決まっているなら、この刻みはそのまま利益になります。
分岐3|「電車で行く」「車に常時積んでおきたい」→ ルアーマチックMB S86ML-4
2ピースのS86MLは仕舞寸法133.2cm。これは電車移動や小型車のトランクではかなり扱いづらい寸法です。4ピースのルアーマチックMB S86ML-4なら仕舞寸法は70cm弱に収まり、自重143gと2ピース版から20g増えるだけで済みます。移動手段が制約になっている人は、性能比較より先にここで決めてしまって構いません。
正面比較|公式スペックで並べた23ルアーマチックS86MLとNEWソルパラSPSB-862L/ML
まず、いちばん近い者同士を正面から並べます。23ルアーマチックの主力であるS86ML(8’6″ ML)と、NEWソルパラ シーバスゲームモデルの最短番手SPSB-862L/ML(8’6″)です。数値はシマノとメジャークラフトそれぞれの公表値で、メーカーごとに行を分けず1行に混ぜると基準が違って誤解を招くため、価格の税表記も出典どおりに分けて記載します。
| 項目 | シマノ 23ルアーマチック S86ML | メジャークラフト NEWソルパラ SPSB-862L/ML |
|---|---|---|
| 全長 | 8’6″(2.59m) | 8’6″ |
| 継数 | 2本 | 2本 |
| 仕舞寸法 | 133.2cm | 公式スペック表に記載なし |
| 自重 | 123g | 150g |
| 適合ルアーウエイト | 6〜32g | 5〜30g |
| エギサイズ | 2.5〜3.5号(公式明記) | 記載なし(エギングは専用シリーズ) |
| 適合ライン(ナイロン・フロロ) | 8〜16lb | 6〜16lb |
| 適合ラインPE | 0.6〜1.5号 | 0.4〜1.5号 |
| アクション | 本記事の参照資料では確認できず | レギュラーファスト(RF) |
| ガイド | 富士工業(Fuji)Oリングガイド(公式FEATURE欄に明記) | 富士工業製Kガイドフレーム |
| ブランク素材 | カーボン含有率95.7%(公式明記) | 中弾性カーボンをメインクロスに採用 |
| 保証・補修 | シマノのカスタマーセンターが補修パーツ価格を公開 | 保証書1年(会員登録で3年まで延長) |
| メーカー価格 | 本体9,600円(税抜) | 11,660円(税込) |
「本記事の参照資料では確認できず」と書いた項目は、その仕様が存在しないという意味ではなく、公表資料の範囲で数値や記述を確定できなかったという意味です。アクションが判断材料になる方は、購入前にメーカー公式の製品ページで確認してください。
この表を読み解くと、性格の違いがはっきりします。
ルアーマチックS86MLの強みは、軽さと守備範囲の広さです。自重123gは同じ8’6″クラスで27g軽く、これは半日投げ続けたときの前腕の疲労にはっきり出る差です。加えてエギサイズまでスペックに含めているので、「今日はシーバス、来週はアオリイカ」という使い回しがメーカー想定の範囲内に入ります。
ソルパラSPSB-862L/MLの強みは、ガイド銘柄と保証条件が公表されていることです。富士工業製Kガイドフレームの採用と、保証書1年(会員登録で3年まで延長可能)の2点が公式サイトに明記されています。ブランクについてはルアーマチック側もカーボン含有率95.7%まで公式スペック表に載っているので、素材の開示量そのものに大きな差はありません。差が出るのはガイドのフレーム形式(Kガイドフレームか否か)と保証年数の2点で、特に保証年数の明記は、初めての1本を長く使いたい人にとっては数値以上の安心材料になります。
価格差は、メーカー表記をそのまま税込に直すとおよそ1,100円前後です。この差額を「軽さ」に払うか「保証と部材の明示」に払うかが、実質的な選択になります。ML・Lといった硬さ表記そのものの意味が曖昧な方は、釣りロッドの選び方完全ガイドでパワークラスと長さの考え方を先に押さえておくと、この表の読み方が変わります。
秋の堤防でML級1本はどこまで届くのか
「ML1本で秋を回せる」という話は、どこまでが本当でどこからが誇張なのかを、適合ルアーウエイトという数値で線引きしておきます。基準はルアーマチックS86MLの6〜32gです。
| 秋の堤防ターゲット | よく使うルアー重量の目安 | 86ML級1本での可否 |
|---|---|---|
| シーバス(ミノー・バイブレーション) | 10〜28g | 本命。適合の中心にすっぽり入る |
| カマス(小型メタルジグ・ジグヘッド) | 7〜20g | 問題なく成立 |
| 小型青物(イナダ・ショゴ級のジグ) | 20〜30g | 上限寄りだが射程内。40g以上は範囲外 |
| タチウオ(ワインド・ジグヘッド) | 14〜28g | 成立する |
| エギング(秋の新子アオリ) | エギ2.5〜3.5号 | 公式スペックに明記あり |
| アジング(ジグ単) | 0.6〜1.5g | 不可。適合下限6gに遠く届かない |
| メバリング(プラグ・ジグ単) | 1〜5g | 不可。専用ロッドが必要 |
「アジが釣れる」と「アジングができる」は別物です
この表でいちばん重要なのは最後の2行です。秋の堤防の代名詞であるアジングとメバリングは、86ML級のロッドでは物理的に成立しません。ジグ単で使う0.6〜1.5gのジグヘッドは、適合下限6gの1〜2割程度の重さしかありません。キャストしても飛ばず、着底も分からず、アタリも取れません。
「アジは釣れる」と書いてある解説はたしかにあります。ただしそれは、5g以上のキャロライナリグやフロートリグ、あるいはサビキ的な釣り方を含めた話です。1g前後のジグヘッドを操作する、いわゆるアジングをやりたいのであれば、86MLは最初から候補外です。ここを曖昧にしたまま買うと、初日で「思っていた釣りができない」となります。
秋の小型青物は「上限寄りで使える」という理解が正しい
イナダやショゴを狙う場合、ML級で扱えるのは30g前後までのジグです。堤防の足元から近距離を回遊するベイトに付いた個体なら十分に届きますが、沖のナブラまで届かせたい、40g以上を投げたいという段階になると、ML級では明確に力不足になります。遠州灘や御前崎の堤防で青物を本気で狙う条件やタックルの考え方はライトショア青物完全攻略にまとめてあります。まずML級で回遊に当たってみて、通うようになったらショアジギング専用ロッドを足す、という順番が現実的です。
タチウオは86ML級の得意分野
秋から初冬にかけて堤防で人気が高まるタチウオのワインド釣法は、14〜28g前後のジグヘッドを使うことが多く、6〜32gという適合ウエイトの中心付近に収まります。ジグヘッドの重さ選びやアクションの付け方はタチウオワインド完全攻略で解説しています。1本目に86ML級を選んだ人が、最初に「この竿でよかった」と実感しやすいのがタチウオです。
NEWソルパラで特化買いする場合の番手指名表
狙いが決まっている人向けに、メジャークラフト公式サイトの各ジャンルページに現行品として掲載されている番手から、秋の堤防で使いやすいものを抜き出します。型番・全長・適合ウエイト・価格は、いずれも公式スペック表の表記(価格は税込)です。生産終了ページの旧型番は含めていません。
| やりたい釣り | 推奨番手 | 全長 | 適合ウエイト | 公式価格(税込) |
|---|---|---|---|---|
| アジング(ジグ単の標準・ソリッドティップ) | SPAJ-S622L | 6’2″ | 0.2〜3g | 12,210円 |
| アジング(少し長めでレンジを広く探る) | SPAJ-S682L | 6’8″ | 0.2〜3g | 12,760円 |
| アジング(キャロなど重めのリグまで) | SPAJ-S622M | 6’2″ | 0.6〜5g | 12,210円 |
| 根魚(カサゴなどのライトロック) | SPRF-S732L | 7’3″ | 0.5〜10g | 11,660円 |
| 根魚(やや重めのリグまで) | SPRF-T762ML | 7’6″ | 0.8〜15g | 12,760円 |
| 秋のエギング(新子から数釣り) | SPE-832ML | 8’3″ | エギ1.5〜3.5号 | 12,210円 |
| エギング(少し長く遠投寄り) | SPE-862ML | 8’6″ | エギ1.5〜3.5号 | 12,760円 |
| シーバス(堤防中心の標準) | SPSB-862L/ML | 8’6″ | 5〜30g | 11,660円 |
| シーバス(足場が高い堤防・河口) | SPSB-902ML | 9’0″ | 7〜35g | 12,210円 |
| ライトショアジギング(イナダ級) | SPSJ-942ML/LSJ | 9’4″ | ジグ15〜40g | 12,760円 |
番手ごとの自重は公式スペック表に載っています
NEWソルパラは各ジャンルの公式スペック表に標準自重が明記されています。アジングは61〜78gのレンジで、上の表に挙げた番手ではSPAJ-S622Lが67g、SPAJ-S682Lが72g、SPAJ-S622Mが74gです。ジグ単アジングは自重が体感に直結する釣りなので、この数字はそのまま番手選びの判断材料になります。他ジャンルも同様に、ロックフィッシュ(ライトロックのSPRF系で84〜91g)、エギング(96〜112g)、シーバス(150〜220g)、ショアジギング(182〜279g)と公式に明記されています。
買う前に必ず確認|旧ソルパラと新ソルパラは型番が違います
これは実害が出やすいので強調します。メジャークラフト公式サイトでは、旧世代のソルパラ シーバス(SPX-862MLなどSPXで始まる型番)のページに【生産終了】と明記されています。現行のNEWソルパラ シーバスはSPSBで始まる型番です。
ややこしいことに、旧世代のSPX-862MLも新世代のSPSB-862L/MLも、どちらも8’6″のMLクラスです。通販サイトで「ソルパラ 862ML」と検索すると両方が並びます。旧型は在庫処分で安く出ていることがあり、それ自体は悪い買い物ではありませんが、今回比較したスペック(自重150g・Kガイド・保証条件)は新世代のSPSBのものです。型番の頭を必ず確認してください。
現行のNEWソルパラはジャンルごとに型番の接頭辞が分かれています。アジングはSPAJ、シーバスはSPSB、ロックフィッシュはSPRF・SPHR、エギングはSPE、ショアジギングはSPSJです。一方、公式サイトで確認できる範囲ではSPXで始まる型番は旧世代のソルパラで、いずれも【生産終了】と付いたページにまとめられています。通販で「ソルパラ アジング」を検索するとSPXで始まる旧型番が並ぶことがありますが、それは現行モデルではありません。狙った番手が現行品かどうかは、メジャークラフト公式サイトの各ジャンルのページに掲載されているかどうかで判断してください。生産終了品はページタイトルに【生産終了】が付きます。
第3の選択肢|4ピースのルアーマチックMBが効く条件
ここまでは2ピースの話でした。ですが「そもそも2ピース133cmを持ち運べるのか」という問題を先に解決すべき人が一定数います。
| 項目 | 23ルアーマチック S86ML(2ピース) | ルアーマチックMB S86ML-4(4ピース) |
|---|---|---|
| 全長 | 2.59m | 2.59m |
| 継数 | 2本 | 4本 |
| 仕舞寸法 | 133.2cm | 69.9cm |
| 自重 | 123g | 143g |
| 適合ルアーウエイト | 6〜32g | 6〜32g |
| 適合ライン(ナイロン) | 8〜16lb(フロロ含む) | 4〜12lb |
| 適合ラインPE | 0.6〜1.5号 | 0.6〜1.5号 |
ルアーマチックMBは、23ルアーマチックとは別に展開されているマルチピース(パックロッド)シリーズです。同じ86MLでも仕舞寸法が半分近くまで縮み、その代償は自重20g増という、非常に分かりやすいトレードオフになっています。
次のどれかに当てはまるなら、MBを優先して構いません。
- 電車やバスで釣り場へ行く(ロッドケースが人に当たらないサイズにしたい)
- 家族の車を借りる、あるいは軽自動車のトランクに常時積んでおきたい
- 旅行や出張のついでに竿を持っていきたい
- 自宅の収納が押し入れの奥しかなく、出し入れが面倒で釣行頻度が落ちそう
注意点として、MBは適合ナイロンラインが4〜12lbと、2ピース版の8〜16lbより細い側に寄っています。同じ86MLという表記でも設計上の想定は同一ではありません。上限の差は4lbほどなので決定的ではありませんが、太いラインで大型を強引に止める使い方を前提にするなら、2ピース版のほうがやや素直ではあります。
もう一点、仕舞寸法はシマノ公式のスペック表では69.9cmです。通販サイトでは66.9cmと表記されていることがありますが、公式値は69.9cmのほうです。日常的な判断には「70cm弱」という理解で差し支えありませんが、収納ケースやスーツケースの内寸ぎりぎりで選ぶ場合は、購入前にシマノ公式の製品ページで数値を確認してください。3cmの差で入らないという事態は、実際に起こります。
5,000円のセット竿と何が違うのか
「同じような長さのロッドとリールのセットが5,000円で売っているのに、なぜ1万円出すのか」という疑問には、性能論ではなく「メーカーが何を開示しているか」という検証可能な軸で答えるのが誠実です。
1. ガイドの素性が分かるかどうか
NEWソルパラは公式サイトで富士工業製Kガイドフレームの採用を明記しています。Kガイドはフレーム形状によってPEラインの絡みを減らす狙いで設計されたもので、これが最初から入っていることは、細いPEラインを使う秋の堤防では実利になります。廉価セットの多くはガイドのメーカーや型式を公表していません。
2. ブランク素材の記述があるかどうか
ソルパラは「粘りのある中弾性カーボンをメインクロスに採用」と素材の性格まで書いています。ルアーマチックの側は、番手ごとに仕舞寸法・自重・先径・カーボン含有率・適合ルアーウエイト・適合ライン・エギサイズまで数値化された公式スペック表が公開されています。数値が公表されているということは、その数値に対してメーカーが責任を負うということです。廉価セットの多くは、そもそも比較できるだけの数値が出ていません。
3. 折れたときに直せるかどうか
ここが最大の差です。シマノのカスタマーセンターでは、23ルアーマチック S86MLの補修パーツが番手単位・セクション単位で価格公開されています。穂先側のセクション(#1)が4,730円、バット側(#2V)が6,380円といった具合に、ガイド類まで含めて品目ごとに価格が示されています。
つまり穂先を折っても、竿を丸ごと買い直さずに済む可能性があるということです。メジャークラフト側は保証書1年(会員登録で3年まで延長可能)という形で、別のアプローチで長期使用を担保しています。廉価セット竿はこのどちらも期待しにくいのが実情で、折れたら終わりになりがちです。
3年使うつもりなら、この差は初期価格の5,000円を上回る可能性が高くなります。予算をどうしても抑えたい場合は、新品の廉価セットに飛びつくより、状態の良い中古の中堅機を探すほうが結果的に安く付くことが多いです。
合わせるリールと総額設計
ロッドが決まったらリールです。S86MLの適合PEは0.6〜1.5号なので、合わせるリールは2500番からC3000番あたりのサイズが素直です。なお下の表を見て気づく方もいると思いますが、シマノの価格表には、希望本体価格の数値がそもそも出ていない品目があります。同じシマノでも23ルアーマチック(2ピース)は番手ごとに9,600円などと金額が明示される一方、ルアーマチックMBや23セドナは「バリュープライス(税抜)」表記で金額が出ていません。この違いは、店頭で予算を組むときに知っておくと混乱しません。
| 品目 | 候補 | メーカー公表価格 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ロッド | シマノ 23ルアーマチック S86ML | 本体9,600円(税抜) | 自重123g |
| ロッド | メジャークラフト NEWソルパラ SPSB-862L/ML | 11,660円(税込) | 自重150g |
| リール | シマノ 23セドナ C3000HG | 価格表は「バリュープライス(税抜)」表記で金額の記載なし | 自重は245g(公式スペック表) |
| リール | ダイワ 23レガリス LT2500S-XH | 希望本体価格13,600円(税抜) | 自重185g・ZAION V採用 |
| リール | ダイワ 23レガリス LT3000-CXH | 希望本体価格14,100円(税抜) | 自重200g |
「予算2万円」はメーカー価格ではなく実売価格の話です
ここは正直に書きます。メーカーの公表価格を単純に足すと、ロッドとリールだけで2万円を超えます。たとえばルアーマチックS86ML(税込に直すと10,560円)と23レガリスLT2500S-XH(税込に直すと14,960円)で25,000円を超えます。「予算2万円で一式」という話は、あくまで店頭やネット通販の実売価格を前提にしたものです。実売価格は時期と流通で動くので、この記事では具体的な実売額を断定しません。
予算を確実に締めたいなら、ロッドとリールを同一メーカーで揃える必要はないという前提を持っておくと選択肢が広がります。シマノのロッドにダイワのリールを付けても、まったく問題は起きません。重要なのはブランドではなく、ロッドの適合ラインとリールのスプール径・糸巻量が噛み合っているかどうかです。この噛み合わせの考え方はタックルバランス入門で釣り種別のセット例まで整理してあるので、リールの番手選びで迷ったら先に読んでおくと無駄買いが減ります。
本体以外に必要になるもの
ロッドとリールだけでは釣りは成立しません。最低限、PEライン、リーダー、ルアー数個、スナップ、ラインカッター、そして安全装備が必要です。ここに数千円が上乗せされることを最初から見込んでおくと、「思っていたより高い」という不満になりません。
買った初日の失敗を避ける4つのポイント
最後に、1本目で起こりがちな事故と、その予防を具体的に書いておきます。
1. 継ぎの差し込みが甘いと、キャストで竿が飛びます
2ピースでも4ピースでも、継ぎ目はまっすぐ、しっかり奥まで差し込みます。斜めにねじ込むと継ぎ目が削れ、そこから割れます。差した後は、ガイドの向きが一直線に並んでいるかを必ず目視で確認してください。ガイドがずれたまま投げると、ラインが不自然な角度でガイドに当たり、飛距離が落ちるだけでなく破損の原因にもなります。
そして釣行中、1時間に一度は継ぎ目を握って緩みを確認する習慣をつけてください。特にMBのようなマルチピースは継ぎ目が3か所あり、キャストの振動で少しずつ抜けてきます。抜けかけた状態で強くキャストすると、穂先側が丸ごと海に飛んでいきます。
2. 適合ルアーウエイトの上限は「破断の目安」だと思ってください
S86MLの上限32gは、「32gまでなら安全に投げられる」という意味であって、「40gでも少しなら大丈夫」という意味ではありません。上限を超えた重量を全力でキャストすると、ブランクに設計外の負荷がかかります。特に危険なのが、垂らしを長く取って勢いよく振り抜く投げ方です。
秋の青物狙いでは「もっと飛ばしたい」という欲が出て、つい重いジグに手が伸びます。ですが40gのジグを投げたければ、それはML級の仕事ではありません。竿を替えるべき場面です。
3. 穂先は「仕舞うとき」と「移動するとき」に折れます
ロッドが折れる場面は、魚とのやり取り中よりも、車のドアに挟む・玄関で立てかけて倒す・仕舞う際に無理な角度で曲げるといった陸上の事故が圧倒的に多いです。前述のとおり、23ルアーマチックS86MLの穂先側セクションはシマノのパーツ価格表で4,730円と案内されています。ロッド本体の税込価格の4割を超える金額です。
予防は単純で、釣り場に着いてから継ぐ、車に戻ってから外す。この順番を守るだけで陸上事故はかなり減ります。仕掛けを付けたまま竿を置く必要があるなら、地面に直置きせずに済むロッドスタンドを1本用意しておくと安全です。
4. 安全装備は「竿より先」に予算を確保してください
堤防はコンクリートで平らに見えますが、濡れた足元は驚くほど滑ります。海上保安庁は釣り中の海中転落について繰り返し注意喚起しており、ライフジャケットを着用していた人のほうが生存率が高いことを事故統計の分析として公表しています。
秋は日没が急激に早くなる季節です。夕まずめを狙って粘ると、片付けの時間には完全に暗くなっています。ライフジャケット(膨張式でも固形式でも構いません)とヘッドライトは、ルアーを1個減らしてでも先に買ってください。加えて、立入禁止と表示された堤防や岸壁には絶対に入らないこと。港湾施設の多くは釣りのための場所ではなく、管理者の判断で立入が制限されます。
掛かった魚を無理に引き寄せて足場から身を乗り出すのも、転落事故の典型的なパターンです。ドラグを適正に効かせて時間をかけて寄せるほうが、結果的にバラシも事故も減ります。
まとめ|二択の答えをもう一度
秋の堤防デビューの1本目は、次のように決めてください。
- やりたい釣りがまだ絞れていないなら、23ルアーマチック S86ML。自重123g、適合6〜32g、エギ2.5〜3.5号まで公式にカバーし、1本で秋の堤防の大半を試せます。
- アジング、エギング、根魚など狙いが決まっているなら、NEWソルパラの該当ジャンルモデル。12ジャンルの刻みは、目的が決まっている人にはそのまま精度になります。購入前に、その番手が公式サイトの現行ジャンルページに載っているかを必ず確認してください。
- 移動手段や収納が制約なら、ルアーマチックMB S86ML-4。仕舞70cm弱と引き換えに自重が20g増えるだけで、釣行頻度そのものが上がります。
- そしてアジングをやりたいなら、86ML級は最初から選ばないこと。適合下限6gと必要重量1g前後の差は、努力で埋まりません。
なお本記事のスペックは、シマノとメジャークラフトの公表情報および価格情報にもとづいています。ロッドは年式でスペックが改訂されることがあり、旧世代の数値を載せたまま更新されていない解説も残っています。購入前には必ずメーカー公式の製品ページで、型番と現行スペックを自分の目で確認してください。その一手間が、1万円の買い物を後悔しない一番確実な方法です。



