2026年・静岡県がドローンフィッシングの利用ルールを初策定|浜名湖・遠州灘の飛行禁止区域と浜松アングラーが知るべき航空法・漁業調整規則の最新動向

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2026年・静岡県がドローンフィッシングの利用ルールを初策定|浜名湖・遠州灘の飛行禁止区域と浜松アングラーが知るべき航空法・漁業調整規則の最新動向
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ドローンフィッシングに初のルール整備──静岡県が全国に先駆け策定へ

「ドローンで仕掛けを沖に運んで、サーフから100m以上先のブレイクラインを直撃する」──SNSやYouTubeで話題のドローンフィッシングが、ついに行政の規制対象として明確に位置づけられることになりました。静岡県は2026年4月、水産振興課と交通基盤部が合同で「無人航空機を利用した遊漁に関するガイドライン」の素案を公表。パブリックコメントを経て、2026年夏までに正式なルールとして運用を開始する方針です。

浜名湖・遠州灘エリアは、広大なサーフと開けた湖面というドローンフィッシングに適した地形が多く、近年利用者が急増しています。一方で、漁業者との接触トラブルや野鳥営巣地への侵入、墜落によるリチウムバッテリー海洋流出といった問題が2025年後半から相次ぎ、県への苦情件数は前年比3倍に達しました。この記事では、新ガイドラインの全容と浜松アングラーへの具体的な影響を徹底解説します。

そもそもドローンフィッシングとは?急速に広まった背景

ドローンフィッシングの基本的な仕組み

ドローンフィッシングとは、マルチコプター型の無人航空機(ドローン)に釣り仕掛けを吊り下げ、沖合のポイントまで空中搬送してから投下する釣法です。一般的な手順は以下のとおりです。

  1. ドローンのランディングギアやペイロードリリース機構に仕掛け(オモリ+エサまたはルアー)をセット
  2. GPSで目標ポイントを設定し、高度30〜50mで沖合へ飛行
  3. 目標地点上空でリリース機構を作動させ、仕掛けを海面に投下
  4. ドローンを帰還させ、岸からリールで通常どおりアタリを待つ

従来のサーフキャスティングでは遠投しても80〜100m程度が限界ですが、ドローンを使えば200〜500m沖のポイントにピンポイントで仕掛けを届けられます。遠州灘サーフでは第二・第三ブレイクラインや離岸流の先端、沖の根周りなど、これまで岸釣りでは攻略困難だったポイントへのアプローチが可能になるため、2024年頃から急速に利用者が増えました。

利用者急増の3つの要因

要因具体的な内容
機体の低価格化DJI Mini 4 Proなど249g以下の軽量機が5〜10万円台で購入可能に。ペイロードリリース装置も3,000〜5,000円で入手できる
SNS・動画の影響YouTubeやTikTokでドローンフィッシングの大物釣果動画が拡散。「ドローン マゴチ 遠州灘」の検索数は2025年比で約4倍に
サーフ釣り人口の増加遠州灘サーフは全国有数のヒラメ・マゴチフィールドとして知名度が上昇。飛距離の壁を超えたいアングラーがドローンに注目

新ガイドラインの全容──7つの柱を読み解く

静岡県が公表したガイドライン素案は、既存の航空法・漁業調整規則・自然公園法などを「遊漁でのドローン利用」に横断的に適用する形でまとめられています。主な内容を7つの柱に分けて解説します。

柱1:飛行禁止区域の明確化

浜名湖・遠州灘エリアで特に影響が大きいのがこのポイントです。以下の区域がドローンフィッシングの飛行禁止区域として指定されます。

禁止区域対象エリア(浜松周辺)禁止理由
航空自衛隊浜松基地の制限空域浜松基地を中心とした半径約6kmの円内(中田島砂丘の大部分を含む)航空法に基づく飛行制限空域
浜名湖今切口周辺舞阪漁港〜新居漁港を結ぶ水道とその両岸500m漁船の航行密度が高く衝突リスク大
浜名湖内の養殖区域上空南浜名湖のカキ養殖棚、ウナギ養殖池周辺養殖施設への墜落・汚染リスク
野鳥保護区域浜名湖東岸・庄内湖周辺(冬季渡り鳥飛来地)鳥類への攪乱防止(自然公園法・鳥獣保護法)
海水浴場(シーズン中)中田島海岸・白須賀海岸・弁天島海浜公園(7〜8月)海水浴客の安全確保
アカウミガメ産卵保護区域中田島砂丘〜天竜川河口(5〜10月の夜間)産卵行動への光・音の影響

特に注意が必要なのは航空自衛隊浜松基地の制限空域です。遠州灘サーフの人気ポイントである中田島砂丘は、この制限空域内にほぼ全域が含まれるため、現行の航空法上もドローンフィッシングは原則不可。しかし実態としては認知不足から飛行させているアングラーが散見され、今回のガイドラインで改めて周知徹底が図られます。

柱2:機体登録・リモートID義務の再確認

2022年6月から施行されている改正航空法により、100g以上のドローンは機体登録とリモートIDの搭載が義務化されています。釣り用途であっても例外はありません。ガイドラインでは以下の点が改めて強調されています。

  • 機体登録番号の機体への表示(見やすい場所に油性マーカーまたはシール)
  • リモートID機能の有効化(内蔵型または外付けモジュール)
  • ペイロードリリース装置を後付けした場合、機体重量が変わるため登録情報の変更届出が必要になるケースがある
  • 未登録機体でのドローンフィッシングは航空法違反(50万円以下の罰金)

柱3:飛行ルールの具体化

ガイドラインでは、遊漁目的のドローン飛行について以下の運用ルールが示されています。

  • 飛行高度:海面から150m未満(航空法の原則どおり)。実運用では30〜50mを推奨
  • 飛行距離:操縦者の目視範囲内(補助者なしの場合、概ね300〜500m程度)
  • 飛行時間帯:日出から日没まで(夜間飛行は原則禁止。夜釣りでのドローン利用は不可)
  • 風速制限:風速5m/s以上での飛行は自粛を推奨(機体メーカーの耐風性能にかかわらず、海上は突風リスクが高い)
  • 同時飛行:同一海岸エリア(500m区間)での複数ドローン同時飛行は事前の相互確認を必須とする

柱4:漁業権・漁業調整規則との関係整理

ドローンフィッシング特有の問題として、仕掛けの投下地点が漁業権設定区域内になるケースがあります。浜名湖は湖面の大部分に共同漁業権が設定されており、遠州灘沖合にも区画漁業権(定置網など)が存在します。

ガイドラインでは以下の原則が示されています。

  • ドローンによる仕掛け投下であっても、遊漁のルール(漁業調整規則)は通常の釣りと同様に適用される
  • 漁業権が設定された区域での遊漁は、対象魚種・漁法の制限を遵守すること
  • 定置網・刺し網などの漁具から半径100m以内への仕掛け投下は禁止
  • 操業中の漁船の上空飛行は厳禁(漁業者からの苦情の最大原因)

柱5:安全装備・保険の推奨

海上でのドローン運用は陸上以上にリスクが高く、ガイドラインでは以下の安全対策が「強く推奨」されています。

項目推奨内容
賠償責任保険対人・対物1億円以上の補償がある保険への加入(DJI Care等のメーカー保険ではカバーしきれない漁業補償に注意)
フロート装着海上飛行時は浮力体(フロートキット)の装着を推奨。墜落時のバッテリー沈没・海洋汚染を防止
フェイルセーフ設定通信途絶時のRTH(Return To Home)を必ず設定。海上でのホバリング停止は水没に直結
予備バッテリー最低2本以上の予備を携行。海風による消費増大で想定より早くバッテリーが消耗するケースが多発

柱6:環境配慮事項

  • 墜落したドローンの残骸・バッテリーは必ず回収すること(リチウムバッテリーの海洋流出は深刻な環境汚染源)
  • 鳥類の営巣期(3〜7月)は海岸沿いの低空飛行を特に控えること
  • ドローンの飛行音(特にプロペラ音)による野生動物への影響に配慮し、同一地点での反復飛行を避けること
  • ペイロードリリース時に使用するワイヤー・クリップなどの小物の海中落下に注意

柱7:罰則と取り締まりの方針

今回のガイドライン自体には直接の罰則規定はありませんが、違反行為は既存法令によって以下のように処罰される可能性があります。

  • 航空法違反(無登録飛行・禁止区域飛行):50万円以下の罰金
  • 漁業調整規則違反(漁業権侵害):6か月以下の懲役または10万円以下の罰金
  • 自然公園法違反(特別保護地区での無許可飛行):6か月以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 県は今後、沿岸部でのドローン飛行パトロールを強化する方針を示しており、特に中田島海岸・今切口周辺が重点監視エリアとなる

浜名湖・遠州灘エリアでドローンフィッシングが「可能」なポイント

規制の話ばかりでは「もうドローン釣りはできないのか?」と思うかもしれませんが、ルールを守れば合法的に楽しめるエリアは存在します。以下は現時点でのガイドライン素案に基づく「条件付きで飛行可能」なエリアです。

遠州灘サーフ(浜松基地制限空域外)

航空自衛隊浜松基地の制限空域は基地を中心とした一定範囲に設定されていますが、天竜川河口〜磐田市福田海岸方面や、湖西市白須賀〜新居海岸(海水浴シーズン外)は空域外となるエリアがあります。ただし、DIPSで個別に飛行申請が必要な場合があるため、事前に国土交通省のDIPS2.0(ドローン情報基盤システム)で確認してください。

浜名湖北部・奥浜名湖エリア

奥浜名湖の三ヶ日エリアや猪鼻湖周辺は、養殖区域や野鳥保護区域を避ければ飛行可能な水面が比較的広く確保されています。チヌ(クロダイ)やキビレの実績が高いシャローフラットへ、ドローンで仕掛けを運ぶ釣り方が一部で試みられています。

天竜川河口域

天竜川河口の広大な砂州エリアは、航空法上の制限空域に該当しない部分があり、かつ漁業権設定も河口域では比較的限定的です。ヒラメ・マゴチ・シーバスの好ポイントが沖合に点在するため、ドローンフィッシングとの相性は高いですが、強い川風には要注意です。

ドローンフィッシングに必要な装備と費用の目安

これからドローンフィッシングを始めたいと考えている浜松エリアのアングラーに向けて、必要な装備と費用感をまとめます。

装備推奨スペック費用目安
ドローン本体GPS搭載・耐風性能10m/s以上・飛行時間25分以上(DJI Air 3、DJI Mini 4 Pro等)7〜15万円
ペイロードリリース装置サーボモーター式・耐荷重200〜500g・遠隔操作対応3,000〜8,000円
フロートキット機体適合品(緊急着水時の浮力確保用)5,000〜15,000円
予備バッテリー最低2〜3本(海風で消費が激しいため)1本8,000〜15,000円
機体登録・リモートIDDIPS2.0での登録(無料)+リモートIDモジュール(内蔵型なら不要)0〜15,000円
賠償責任保険対人対物1億円以上(エアロエントリー、DJI保険等)年間5,000〜12,000円

合計で初期投資10〜20万円程度が目安です。既にドローンを所有しているアングラーであれば、リリース装置と保険の追加で1〜2万円程度から始められます。

先行事例に学ぶ──海外と国内他地域のドローンフィッシング規制

オーストラリア:世界で最もドローンフィッシングが盛んな国

オーストラリアでは2010年代後半からドローンフィッシングが爆発的に普及し、特にニューサウスウェールズ州やクイーンズランド州のビーチで一般的な釣法として定着しています。規制面では以下のルールが確立されています。

  • 機体重量2kg未満は登録不要だが、CASA(民間航空安全局)のルールを遵守
  • 海洋保護区域での飛行は全面禁止
  • 海水浴場から100m以内での飛行禁止
  • サメ監視ドローンとの空域共有ルールが整備済み

静岡県のガイドラインにも、オーストラリアの規制体系が参考にされた形跡が見られます。

沖縄県:国内初のドローンフィッシング自主規制

沖縄県では2025年にリーフフィッシングでのドローン利用に関する自主ガイドラインが釣り団体主導で策定されました。サンゴ礁保護とドローン利用の両立を目指した内容で、静岡県のガイドラインにも一部が反映されています。

地元漁業者・釣り関係者の声

浜名漁業協同組合の見解

浜名漁協は今回のガイドライン策定を歓迎する立場を示しつつ、「定置網の近くでドローンが飛ぶと魚が散る」「プロペラが網に絡まって破損した事例がある」など、漁業者から寄せられている具体的な被害事例を挙げています。特に今切口周辺のシラス船びき網漁との競合が深刻で、操業時間帯(早朝)とドローンフィッシングの時間帯が重なることへの懸念が示されています。

浜松市内の釣具店の反応

浜松市内の釣具店からは「ドローンフィッシングに関する問い合わせは確実に増えている」「リリース装置の取り扱いを始めた店もある」との声がある一方、「ルールを知らずに飛ばしている人が多く、釣り場全体のイメージ悪化が心配」という懸念も聞かれます。ガイドラインの策定により、正しい知識を持ったアングラーが増えることへの期待が大きいようです。

一般アングラーの反応

SNS上では賛否が分かれています。

  • 肯定的な意見:「ルールが明確になるのは歓迎」「グレーゾーンのまま放置されるより健全」「安全に楽しめる環境が整う」
  • 否定的な意見:「規制が厳しすぎて事実上使えない」「中田島でドローン禁止ならサーフ最大のメリットが消える」「ドローンを使わない人にも飛行禁止区域の影響が及ぶのでは」

パブリックコメントの提出方法と今後のスケジュール

ガイドライン素案に対するパブリックコメントは、浜松の釣り人も意見を届ける重要な機会です。手続きの詳細は以下のとおりです。

項目内容
意見募集期間2026年5月1日〜5月31日(予定)
提出方法静岡県公式ウェブサイトの専用フォーム、郵送、FAX、メール
提出先静岡県経済産業部水産振興課 遊漁対策班
素案の閲覧県庁水産振興課窓口、静岡県公式ウェブサイト、各沿岸市町の水産担当課

今後の予定スケジュール

  1. 2026年5月:パブリックコメント募集
  2. 2026年6月:意見集約・修正案作成
  3. 2026年7月:ガイドライン正式公表・運用開始
  4. 2026年秋以降:運用状況を踏まえた見直し検討

釣り場の利用環境に直接関わる内容ですので、ドローンフィッシングを行っている人はもちろん、行っていないアングラーも「飛行禁止区域の設定範囲は適切か」「漁業者との共存ルールに過不足はないか」といった観点から意見を提出することをおすすめします。

浜松アングラーが今すぐやるべき5つのアクション

新ガイドラインの正式運用に向けて、ドローンフィッシングに興味がある方もそうでない方も、以下のポイントを押さえておきましょう。

  1. DIPS2.0で自分の釣り場の空域を確認する
    国土交通省のドローン情報基盤システム(DIPS2.0)の地図機能で、普段通っている釣り場が飛行制限空域に該当するかを確認してください。浜松基地周辺は特に要注意です。
  2. 機体登録とリモートIDを確認する
    すでにドローンを所有している方は、機体登録の有効期限とリモートIDの動作状況を再確認しましょう。ペイロードリリース装置を追加した場合の重量変更届出も忘れずに。
  3. 賠償責任保険に加入する(未加入の場合)
    海上での墜落は漁業施設への被害につながるリスクがあり、数百万円〜数千万円の損害賠償が発生する可能性があります。年間1万円程度の保険料で大きなリスクをカバーできます。
  4. パブリックコメントに意見を提出する
    「規制が厳しすぎる」と思うなら、その根拠を添えて意見を出しましょう。逆に「もっと規制すべき」と感じるなら、具体的な被害事例や懸念を示して提出してください。声を出さなければ、ルールは変わりません。
  5. ドローンを使わないアングラーも飛行禁止区域マップを確認する
    自分がドローンを使わなくても、釣り場で他のアングラーがドローンを飛ばしている場面に遭遇することは今後増えるでしょう。違法飛行を見かけた場合の通報先(県水産振興課、最寄りの警察署)を知っておくことも大切です。

まとめ──ルールを味方にして新しい釣りの可能性を広げよう

ドローンフィッシングは、岸釣りの概念を根本から変えるポテンシャルを持った新しい釣法です。遠州灘サーフの「あの沖のブレイクに届けば…」という長年のもどかしさを解消してくれる技術革新であることは間違いありません。

しかし、ルールなき自由は長く続きません。漁業者との摩擦、環境への影響、安全上の問題──これらを放置すれば、ドローンフィッシングそのものが全面禁止される可能性すらあります。静岡県が全国に先駆けてガイドラインを策定したことは、「ドローン釣りを禁止するため」ではなく、「持続可能な形で認めるための枠組みづくり」として評価すべきでしょう。

浜松エリアのアングラーとしては、パブリックコメントを通じて現場の声を届けつつ、ルールの範囲内で新しい釣りの可能性を模索していくことが、この釣法を次の世代にもつなげる最善の道です。ガイドラインの正式公表後、運用の詳細が明らかになり次第、当ブログでも続報をお届けします。

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