指示ダナで釣れないのはカウンター誤差|電動リールのずれる3原因とダイワ・シマノ別の補正手順

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この記事の結論(3行)

1. 「指示ダナに合わせているのに自分だけ無反応」の容疑者は4つです。カウンター誤差、上からと底からの取り違え、仕掛け全長ぶんの読み違い、エサ落ち。まず切り分けてから道具を触ります。

2. シマノは取扱説明書で、糸巻学習の直後でもカウンター表示と実際に出た糸の長さには最大で±3パーセントの誤差が生じる場合があると明記しています。100mなら約3m、150mなら約4.5mに相当し、浅場では埋もれて深場で初めて牙をむきます。

3. 直す順番は「0セット → 学習(道糸入力)のやり直し → PEのマーカーで実測して補正」です。シマノには糸巻学習補正、ダイワには水深補正という、それぞれ船上で使える専用の補正機能があります。

秋の乗合船は、9月のイナダやワラサ、10月のマダイやアマダイ、11月のヒラメやタチウオと、指示ダナが釣果を決める釣り物が一気に並びます。船長が「上から38m」とアナウンスし、両隣は竿を曲げているのに自分だけ沈黙する。この状況で真っ先に疑うべきなのは腕でも仕掛けでもなく、手元のデジタルカウンターが指している数字そのものです。

電動リールのカウンターは、水中を直接測っているわけではありません。あらかじめリールに覚え込ませた糸の情報をもとに、スプールから出ていった糸の量を計算して表示しています。だから覚え込ませた情報が実態とずれれば、表示は堂々と嘘をつきます。しかも本人には嘘だと分からない。この記事では、船上で計器が狂う症状の切り分けと、ダイワとシマノそれぞれの公式手順での直し方に話を絞って解説します。タナという概念そのものや岸釣りでの合わせ方はタナ(棚)の見つけ方・合わせ方入門完全ガイドで整理していますので、そちらもあわせてご覧ください。

まず切り分け|「指示ダナで無反応」の容疑者は4人いる

カウンター誤差を疑うのは正しいのですが、いきなり学習をやり直すのは早すぎます。船上でリールの学習をやり直すのは糸を全部出し入れする大仕事で、その間ずっと釣りが止まります。まず30秒で終わる確認を順に潰してください。

症状疑うもの船上でできる30秒の確認当たりだった時の対処
底立ちを取った直後の水深が、船長の言う水深と2m以上ちがうカウンター誤差着底したときの表示と、船長が言う底の水深を比べる後述の補正手順へ。まず0セットからやり直す
底の水深はほぼ合っているのに、指示ダナで当たらない上からと底からの取り違え「上から何m」なのか「底から何m」なのかを確認するモードを切り替えるか、底から計算し直す
周りより明らかに下でしか触らない、または全く触らない仕掛け全長ぶんの読み違いハリスやテンビンを含めた仕掛けの全長を測り直す指示ダナに仕掛け全長を足し引きして投入し直す
回収するとハリにエサが残っている、または頭だけ残るエサ落ちや置き竿回収後にエサの残り方とハリスの状態を見る付け直して手持ちに切り替え、誘いを入れる

4番目は計器と無関係ですが、実際には最も多い落とし穴です。オキアミが投入の衝撃で飛んでいれば、タナが完璧でも当たりません。置き竿のまま同じ数字にこだわり続けるより、まず一度上げて確認するほうが早く答えが出ます。逆に、この4つを潰しても症状が残るなら、いよいよカウンターの数字を疑う番です。

カウンターがずれる3つの原因|学習ミス・巻き込み・糸フケ

原因1|学習(道糸入力)そのものが実態と合っていない

電動リールのカウンターは、糸の情報を人間が教えてやらないと成立しません。シマノは糸巻学習を「使用するラインの実測値をリールに記憶させます」と説明し、ダイワは道糸入力という名前で同じことをさせます。つまり最初の入力が現物と違えば、その後の表示はすべて等倍でずれます。

ずれの元になりやすいのは、次のような食い違いです。号数を1.5号と入力したのに実際は2号を巻いた。巻いた長さを300mと入れたのに実測は280mだった。他人に巻いてもらったので何をどれだけ巻いたか分からない。中古で買ったリールに前オーナーの学習値が残っている。銘柄を替えたのに再入力していない。同じ号数表記でも、ダイワの公式アプリのFAQは「メーカーにより糸の太さや長さが異なる」ため登録済みの糸以外は入力できないと説明しています。号数さえ合っていれば同じという発想は、メーカー側が否定しているわけです。

巻いたときのテンションも効きます。シマノのフォースマスターの取扱説明書は学習時の巻き上げテンションを3にするよう指示し、ダイワのシーボーグ300Jの道糸入力マニュアルはパネル左下の数字が4から5になるようテンションを調整せよと書いています。ゆるゆるに巻いた糸は実釣の張力で締まり、スプールに残る量が変わります。学習時と実釣でテンションが違えば、そのぶん表示は寝ぼけます。

原因2|巻き込みすぎ・高切れ・部分交換で基準が壊れる

ここが盲点です。学習を正しく済ませたリールでも、使っているうちに基準が壊れます。シマノもダイワも、学習や入力の注意書きで同じことを警告しています。糸を全部巻き込むな、巻き込むとカウンター誤差の原因になる、と。理由の詳細までは書かれていませんが、シマノとダイワが揃って同じ注意を載せている以上、実務上は守るべき制約と考えてください。

高切れも同様です。シマノの取扱説明書は、高切れした場合は仕掛けを結び直して水面に合わせ、水深表示が10.1m以上の状態で0セットボタンを長押しすると高切れ補正になると案内しています。裏を返せば、高切れしたのに補正せずそのまま釣り続ければ、失った糸のぶんだけ表示は永久にずれ続けます。ダイワもSW CONNECTED REELのヘルプで、水深データのずれが大きい場合は再入力を勧め、糸切れ補正などの影響で誤差が出る可能性があると明記しています。

前半だけ傷んだので50mだけ切って結び直した、というよくあるメンテナンスも、そのままでは誤差の直接原因になります。切ったら入力し直す。これを癖にしておくだけで、秋の一日を無駄にする確率が確実に下がります。

原因3|糸が斜めに入る(糸フケ)

3つ目は道具の問題ではなく物理の問題で、しかも正しく学習したリールでも必ず起きます。カウンターが数えているのは出ていった糸の長さであって、真下に何m沈んだかではありません。潮や風で糸が斜めに入れば、糸は50m出ていても仕掛けは50mの深さにいません。

これはメーカー自身が認めています。ダイワの公式アプリの操作ガイドは、船が流れて仕掛けが斜めに入っている状態の水深を示すドテラ水深について「計算値による目安です。水中での糸フケなど環境によってはズレる可能性があります」と注記し、ヘルプでも「あくまで糸の放出角度による参考値」としています。つまり斜め入りぶんのずれは、リールを直せば消えるものではないのです。斜めのときは糸フケを減らす釣り方そのものを変える必要があります。これは記事後半で扱います。

どれだけ狂うのか|メーカー公表の±3パーセントを深さに換算する

「何mずれるのか」を煽り気味に書いた情報は多いのですが、根拠のある数字はメーカーの取扱説明書にあります。シマノのフォースマスター200およびフォースマスター3000の取扱説明書は、糸巻学習の完了時にこう書いています。カウンターの数値と実際の糸の出た長さとでは最大で±3パーセントの誤差が生じる場合があります、そしてこの誤差とは学習後1投目の誤差です、と。

これは学習が正しく終わった直後、いちばん状態の良いときの数字です。単純に掛け算すると、狙う水深ごとの目安はこうなります。

カウンター表示±3パーセントに相当する幅釣りへの影響の出方
20m約0.6mほぼ気づけない。仕掛けの揺れに埋もれる
50m約1.5mタナがシビアな日だけ違和感が出る
80m約2.4m指示ダナ前後1mを刻む釣りでは致命的になり得る
100m約3.0m群れの上下を外す。隣との差が明確に出る
150m約4.5m底立ちの数字が船長と食い違い始める
200m約6.0m底ダチや根掛かりの判断まで狂う

浅場で誤差に気づけない理由がここにあります。20mで0.6mのずれは、船の上下動やハリスのふけ具合に完全に埋もれます。ところが同じリール、同じ誤差率のまま100m級の深場に持ち込むと3mになり、群れの厚みを1本まるごと外す幅になります。「去年まで普通に釣れていたのに、深場の船に乗った途端おかしい」という感覚は、リールが急に壊れたのではなく、もともとあった誤差率が深さで拡大しただけというケースが少なくありません。

そして上の数字はあくまで学習直後の話です。原因2で挙げた巻き込みや高切れが重なっていれば、誤差は3パーセントの枠内に収まる保証がなくなります。逆に言えば、深場の船に乗る前日に学習をやり直しておくだけで、少なくともスタート地点は取扱説明書の想定内に戻せます。

シマノ機の直し方|0セット・糸巻学習・糸巻学習補正の使い分け

シマノの電動リールには、目的の違う3つの操作が用意されています。混同したまま闇雲に押すと余計に狂うので、役割を先に整理します。

操作何をするものかやるタイミング取扱説明書が示す条件
0セット仕掛けが水面にあるときを0mとして基準を作る釣りを始める前に毎回糸を巻き込みすぎた状態でやらない。水深表示10.1m以上で押すと高切れ補正になる
糸巻学習使用するラインの実測値をリールに記憶させる糸を巻いたとき、巻き替えたときカウント値が6m以下で操作する。6.1m以上のときは先に0セットする
糸巻学習補正カウンターの水深と実際のラインマーカーのずれを補正する釣行中にずれを感じたときカウント値が10m以上のときに有効

0セットの位置づけを間違えない

取扱説明書は0セットを「シカケが水面にあるときを0mとして設定すること」と定義し、これによってシカケの位置が水深を示すようになる、釣りを始める前に必ず行なってくださいと書いています。つまり0セットは誤差の補正ではなく、その日の基準点を作る作業です。基準がずれたまま学習や補正をしても意味がないので、迷ったら必ずここから始めます。

糸巻学習は陸で、糸巻学習補正は船で

糸巻学習には複数のモードがあり、しかも機種によって並びが違います。フォースマスター200の取扱説明書はPEライン学習のE1、下巻き学習のE2、長さが正確に分からない場合のL1とL2という構成です。フォースマスター3000ではE1がPEライン学習、E2がナイロンとフロロ学習、E3が下巻き学習となり、番号の意味自体がずれています。手持ちの機種の取扱説明書を必ず確認してください。

大枠の考え方はシンプルで、これから巻く糸の長さが正確に分かっているならE系、分からないならL系です。L系のPEライン学習は、糸を正確に10m分引き出して巻き取らせる手順で、その10mを何で測るかというと、取扱説明書は「糸の10mごとの色の変化、もしくは1mごとのマーカーの数で確認します」と指定しています。学習の基準そのものがPEの色替えなのだと分かると、次の章の話が腑に落ちます。

そして船上で効くのが糸巻学習補正です。取扱説明書はこの機能を「カウンターの水深と実際のラインマーカーのずれを補正することでより正確な棚取りを行えます」と説明しています。手順は次のとおりです。

  1. カウント値が10m以上ある状態で、糸巻学習補正モードに入ります。入り方は機種で違い、フォースマスター200は0セットボタンとMENUボタンの同時3秒以上押し、フォースマスター3000はMENUボタンと▲ボタンの同時3秒以上押しです。
  2. 現在の水深表示を、切りのいい数値(小数点以下を0)に合わせます。取扱説明書は、小数点以下を0にするとラインマーカーで合わせやすくなり、ラインの色が変わる前後の10m単位が分かりやすいと補足しています。
  3. 実際の糸の位置、つまり色が変わる境目を水面に合わせます。このとき糸を出し入れしても表示は変わりません。
  4. 決定ボタンを押して確定します。確定すれば電源を切っても補正値は記憶されます。

100mを超える深さで補正する場合について、取扱説明書は「表示が199から200に変わった所で合わせて頂くと、より正確な補正となります」と具体的に案内しています。浅い位置で合わせるより、深い位置で合わせたほうが率としての誤差を潰せるからです。深場の船に乗るなら、この一手間の価値は大きくなります。なお補正中にモーターが動いたり魚が掛かったりすると補正はキャンセルされ、前回の補正値が使われます。落ち着いて操作できるタイミングを選んでください。

ダイワ機の直し方|道糸入力P1・P2・P3と船上で効く水深補正

ダイワの電動リールで同じ役割を担うのが道糸入力です。レオブリッツ200Jやシーボーグ100Jの製品ページには道糸入力としてP1、P2、P3(機種によりP4まで)が並びます。それぞれの中身は、シーボーグ300Jの道糸入力マニュアルが図解しています。

モード名称どんなときに使うかマニュアルが示す条件や注意
P1糸長入力リールに巻く糸の長さが分かっているとき表示が0.0のときにMEMOとPICKUPを同時に6秒間押し続けて入力画面へ。長さは10m単位でセットする
P2下巻き入力下巻きをしてから道糸を巻くとき長さの分かる道糸が100m以上必要。糸色を見ながら残り100m、残り50mの節目でリセット操作をする
P3引出し入力巻いてある糸の長さが分からないとき引き出す長さは機種で決まっている(レオブリッツ200Jの製品ページは60m、内訳は30mと30mと記載。シーボーグ300Jのマニュアルは50mを2回で計100m)
メニュー水深補正(水深カウンター修正)釣行中にカウンター表示が糸色に対してずれてきたとき道糸入力とは別枠の、船上で使う補正項目。レオブリッツ200J、シーボーグ100J、シーボーグ300Jいずれの製品ページも、ICカウンターメニューの一覧に水深補正(水深カウンター修正)を掲載している

ここでもテンションと巻き込みの注意は共通です。シーボーグ300Jのマニュアルは、テンションをかけて糸色に注意しながら巻くこと、パネル左下の数字が4から5になるよう調整すること、そして糸を全部巻き込まないこと、巻き込むとカウンター誤差の原因になることを明記しています。加えて入力できる糸の下限は機種差があり、しかも同じ機種でも入力方法によって違います。レオブリッツ200Jとシーボーグ100Jの製品ページはPE0.6号から入力可と記載する一方、シーボーグ300Jのマニュアルは入力方法ごとに下限が違い、P2下巻き入力とP3引出し入力はPE1号未満、P1糸長入力はPE2号未満の細糸が入力できないと注意しています。PE1号から1.5号を巻いている人がP1を選ぶと入力できずに詰まるということです。自分の機種と、選ぼうとしている入力方法の両方の記載を必ず見てください。

もうひとつ現行機で押さえておきたいのが、公式アプリからの入力です。ダイワの公式アプリの操作ガイドは、ソルトコネクテッドリールならライン設定画面で道糸入力モードを選び、リールに送信して入力を開始できると案内しています。ただし条件があり、リール本体が0.0表示以外ではエラー表示になると明記されています。誤操作したときはハンドルやスプールを回さずに、リール本体のスイッチを単押しして0.0表示へ戻すよう指示されています。アプリのFAQには、巻き取る糸の長さは各号数の最大糸巻き量で自動設定されるため指定できないこと、下巻き入力はアプリ非対応でリール本体のP2やP3を使うことも書かれています。さらに同じ操作ガイドには水深補正機能の項目があり、手持ちの魚探の水深表記とリールの水深カウンター、アプリの水深表記を一致させる機能だと説明されています。手順は、水深補正をタップして魚探の水深数に「+」「-」で合わせ、リールに送信するをタップするだけです。ただし水深が1.0m未満の場合は補正値を送信できないと注記されています。

そして肝心のずれへの対処ですが、ダイワ機にも船上で使える専用の補正機能があります。ICカウンターメニューの水深補正(水深カウンター修正)です。レオブリッツ200J、シーボーグ100J、シーボーグ300Jのいずれの製品ページも、ICカウンターメニューの一覧にこの項目を掲載しています。シーボーグ100Jの製品ページは同趣旨の表示補正について、カウンター表示が糸色に対してずれてきた時に実釣中に簡単に補正できる機能と説明しています。つまり糸を全部巻き直さなくても、その場で数字を合わせ直せるということです。メニュー画面の呼び出し方は機種で違い、レオブリッツ200Jの製品ページはPICK UPとMEMOの同時2秒押しと案内しています。ただしメニュー名や操作は機種でばらつくので、手持ちの機種の取扱説明書を必ず確認してください。

再入力が要るのは、ずれが大きいときです。ダイワはSW CONNECTED REELのヘルプで、水深データのずれが大きい場合は再度入力を実施するよう案内し、糸切れ補正などの影響で誤差が出る可能性があると書いています。小さなずれはその場の水深補正で詰め、大きなずれは入力からやり直す。この使い分けができていれば、船上でずれに気づいても、その日の釣りを諦める必要はありません。機種ごとのカウンター仕様やスペックの読み比べは船釣り用電動リールおすすめ10選2026電動リール選び方完全ガイド2026にまとめてありますので、買い替えを検討中の方はそちらもどうぞ。

PEのマーカーで裏を取る|色替えの数え方と薄暮・夜間の運用

ここまで見てきたとおり、シマノの糸巻学習補正もダイワのP2下巻き入力も、正解として使っているのはPEラインの色です。カウンターを信じる前に、糸そのものを読めるようにしておくのが最短の保険になります。

船用のPEラインは10mごとの色替えを採用した製品が多く、これに1mや5mの細かいマーキングが加わります。ダイワのUVF PEデュラセンサーブライトプラスSi2の製品ページは、1mマーキングが黄と黒の並び、5mマーキングが黒のロングと記載しています。この構成なら、色の境目で10m単位、細マーカーの本数で1m単位まで読めます。マーキング入りPEの選び方についてはピットブルとタナトルの違いは色だけ?公式スペックで比較するシマノPEラインどっち購入判断で公式スペックを突き合わせていますので、巻き替えの前に一度見比べてみてください。

船上での数え方の手順

  1. 着底させてから、ゆっくり一定速度で巻き上げます。速く巻くと色を見落とします。
  2. 色が変わった瞬間の水深表示をメモします。これが最初の照合点です。
  3. 照合は10m区間ではなく、できるだけ深い1点で取ります。表示が199から200に変わる色替えのように、100m以上まで数えた地点で、表示の数字と色替えで数えた実際の長さを突き合わせてください。
  4. 誤差率は、ずれた長さ(m)を照合区間の長さ(m)で割った値です。200mの位置で6mずれていれば3パーセントになります。10m区間で見ても意味がないのは、3パーセントの誤差が10mではわずか0.3mにしかならず、船上で目視判別できないからです。
  5. ずれが確認できたら、切りのいい表示のところで補正操作に入ります。

実務でありがちな失敗は、色替えを1つ飛ばして数えることです。特に同じ系統の色が近い製品では、朝夕のマヅメ時にごまかされます。数える場所は必ず、ロッドのトップガイドではなく手元、それも水面から出たばかりの濡れた部分にしてください。乾いた糸は色が飛びます。

薄暮や夜間のタチウオ、アカムツ、イカ狙いでは、そもそも色が読めません。日が沈む前に一度色替えで照合して補正を済ませておき、暗くなってからは表示を信じて釣るという段取りにするのが現実的です。どうしても暗い中で確認するなら、赤色灯ではなく白色のヘッドライトを使い、隣の釣り人の目を照らさないよう手元に向けて短時間だけ点けます。ヘッドライトは夜の船では安全装備でもあります。小型船舶では乗船者のライフジャケット着用が法令で義務づけられており、国土交通省の型式承認品には桜マークが付きます。船宿の貸し出し品を使う場合も、桜マークの有無を確認しておくと安心です。

カウンター誤差を船上で潰す持ち物4点

10m色替え+1mマーカー入り船用PEライン1.5号

照合の基準はPEの色。10mの色替えで深い1点を合わせ、1mマーカーが加われば1m単位まで読める

電動リール用リチウムバッテリー 12V 10Ah

電圧不足のまま学習すると途中で液晶が消える場合があると取説が注意している。満充電で臨む

国土交通省型式承認(桜マーク)ライフジャケット

小型船舶は着用が法令義務。船宿の貸出品も桜マークの有無を確認する

白色LEDヘッドライト 防水・手元照射向け

照合は日没前に済ませるのが基本。どうしても暗い中で見る時だけ白色を手元に短時間

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「上から何m」か「底から何m」か|仕掛け全長を足し引きする

カウンターが正しくても、基準の取り違えがあれば結果は同じです。シマノのフォースマスターの取扱説明書は、この論点をはっきり書いています。通常、船長がこの棚を教えてくれます、この場合、釣場、釣り方、対象魚などによって水面から棚が指示される場合と、海底すなわち底から棚が指示される場合の二通りがあります、と。同じ「38」でも意味が真逆になりうるということです。

だからこの機能があります。フォースマスターは上からモードと底からモードを切り替えでき、電源を入れたときは上からモードで起動します。底からモードでは、仕掛けをいったん底に着けてMEMOボタンを押すとメモ欄が0.0mになり、巻き上げるとプラスにカウントされて底からの高さが読めます。ダイワ側も、レオブリッツ200Jの製品ページのICカウンターメニューに上下カウンターの記載があります。

仕掛け全長を足し引きする計算

もうひとつ、カウンターが示しているのはオモリやビシの位置であってハリの位置ではない、という当たり前の事実があります。0セットの定義が「シカケが水面にあるときを0m」である以上、表示はオモリの深さです。ハリはそこからハリスの長さぶん下、または潮に流されて斜め後方にあります。

釣り物仕掛け全長の考え方指示の出方の例カウンターで合わせる数字
胴付き(カサゴ、アジ、イサキなど)幹糸と枝を含めた全長。船宿指定の号数と針数で変わるため実測する底から1mから2mなど底で0を取り、指示ぶんだけ巻き上げる
コマセ釣り(置き竿でのマダイなど)ハリスは6mから9mが一般的海面からの距離で指示される指示ダナよりハリス分下まで落としてから合わせる
コマセ釣り(手持ちでのマダイなど)ハリスは6mから9mが一般的底からの距離で指示される底を0にして、ハリス分ぶん巻き上げた位置がタナ
テンビン吹き流し(アマダイなど)テンビン長とハリス長の合計。船宿の指定に従って実測する底から1mから2mなど着底後すぐ糸フケを取ってから指示ぶん巻く

コマセマダイの数字はダイワの初心者向け解説ページの記載に沿ったもので、同ページは置き竿釣法では海面からの距離で指示され指示ダナよりハリス分下に仕掛けを落とすこと、手持ち釣法では底からの距離となり底を0にカウント設定してハリス分(6mから9mが一般的)上げたところがタナになることを説明しています。食いダナを探る場合の目安として、タナからマイナス1mから2m、またはプラス2mから3mを基準に探るとも書かれています。ビシは60号から100号までを用意しておけば問題ないとの記載もあります。

ただしハリスの長さも指示の出し方も船宿ごとに流儀があります。乗船前に仕掛けの全長を自分で測っておき、当日は「上からですか、底からですか」「ハリスは何mで組めばいいですか」の2つを最初に聞く。これだけで、カウンター誤差以外の原因はほぼ消せます。船長は忙しいので、出船前か流し替えの合間の短い時間に、簡潔に聞くのが礼儀です。

潮が斜めに入る日の立て直しと、秋の出船前チェックリスト

最後に、リールを直しても消えない誤差、つまり糸フケの話です。上潮と底潮の向きや速さが違う二枚潮の日、あるいは船を風に立てず横に流すドテラ流しの日は、糸が斜めに入ります。ダイワがドテラ水深をあくまで参考値と断っているのは、この角度が読み切れないからです。

斜めに入る日にやること

まずオモリやビシをワンランク重くします。着底が分からないほど糸が出ていくのは、潮の速さに対して重さが足りていない証拠です。次に、投入位置を潮上に取り、糸が立った状態で着底させます。着底したら即座に糸フケを巻き取り、糸が斜めのまま長く放置しないことです。そして落ち着かない日は、こまめに底立ちを取り直します。1投ごとに底を取って0を作り直すほうが、最初の1回の底立ちを信じて流し続けるより結果的に正確です。

それでも合わない日は、隣の釣れている人の何を見るかが分かれ目になります。見るべきは道糸の角度と、竿先が入るタイミングです。同じ数字を出していても糸の角度が違えば、実際に仕掛けが入っている深さが違います。角度が浅い(糸が立っている)人が釣れているなら、自分もオモリを重くするか投入位置を変える番です。

秋の出船前チェックリスト

  1. 前回の釣行以降に高切れや部分交換をしていないか。していれば入力または補正をやり直す。
  2. 糸巻学習または道糸入力を、実際に巻いてある糸の号数と長さで済ませてあるか。
  3. スプールに糸を巻き込みすぎていないか。取扱説明書は糸を全部巻き込まないよう警告している。
  4. PEの色替えを自分で数えられるか。10mごとの色と細マーカーの並びを覚えておく。
  5. 船宿に予約の電話をする際、指示ダナが上からか底からか、標準的なハリス長はいくつかを聞いておく。
  6. 桜マーク付きのライフジャケットとヘッドライトを準備する。日没が早い秋は特に。
  7. バッテリーは満充電か。電圧不足のまま学習すると途中で液晶が消える場合があると取扱説明書は注意している。

よくある質問

手巻きのカウンター付きリールでも同じことが起きますか。起きます。スプールの回転から長さを換算する仕組みは共通なので、糸の情報がずれれば表示もずれます。メーカーは手巻きリール用の道糸入力マニュアルも別に用意しています。

誤差が気になるので毎回学習をやり直すべきですか。糸を巻き替えたときは学習のやり直しが必要ですが、高切れは高切れ補正(水深表示10.1m以上で0セットボタンを長押し)で足り、それ以外のずれも船上の補正で対応できます。シマノ機なら糸巻学習補正、ダイワ機なら本体メニューの水深補正です。ダイワは機種によってメニュー名や操作が異なるので、手持ち機種の取扱説明書を確認してください。何度もやり直すより、PEの色替えで実測して照合する習慣のほうが効きます。

浅場の釣りしかしないなら気にしなくていいですか。20m前後なら実害は小さいのが実情です。ただし0セットだけは毎回やってください。基準がないところに補正はありません。夏場の浅場でのタナの詰め方は夏のウキ釣りタナ取り完全マスター2026でも扱っています。

指示ダナで釣れないという悩みは、腕の問題に見えて、その実かなりの割合が計器と基準の問題です。0セットで基準を作り、学習または道糸入力で糸の実態を教え、PEの色替えで裏を取る。この3段構えを秋のシーズンインまでに一度通しておけば、船長のアナウンスをそのまま信じて釣れる状態に戻せます。

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