電動リールのバッテリーは何Ah?釣り物別早見表と船宿電源の可否・止まる時の切り分け2026

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この記事の結論(3行)

1.必要な容量は「水深と手返し」でほぼ決まります。おおむね60mまでのLTアジ・カワハギなら8〜11Ah級で成立しやすく、100mを超える中深場からは11〜12Ah級を満充電で、200mを超える深場は12Ah級に予備を足すか20Ah級を用意する、というのが目安です。

2.船宿の共用電源は「あるか」より「何Vで、端子が合い、エンジン停止中に使えるか」を予約時に聞きます。ダイワは公式の取扱説明書で、船の電源は電圧や接続端子の形状などにより使用できないことがあると明記しています。

3.船の上で巻き上げが止まっても、多くは故障ではありません。まずリールの保護回路(ブレーカー機能)と接点を疑い、バッテリー・コード・リール本体の順に入れ替えて切り分けます。

秋は電動リールの出番がいちばん増える季節です。9月から11月にかけて、ライトなアジ船からアカムツ・キンメダイの深場まで、狙える釣り物が一気に広がります。そこで毎年つまずくのが「バッテリーは何Ahを買えばいいのか」「船宿の電源で足りるのか」という電源まわりの判断です。

検索すると「12V・10Ah前後で十分」という答えがよく出てきます。これはLTアジのような浅場の答えとしては間違っていませんが、水深200mを何度も往復する深場では通用しません。必要な容量は、釣り物・水深・リールの番手・船宿の電源事情・気温で変わります。この記事では、メーカー公式の仕様表と取扱説明書、消費者庁と国土交通省の公表資料をもとに、秋の初戦までに決めておくべきことを順番に整理します。

Contents

まず船宿に確認する4項目|共用電源の有無・電圧・端子・料金

バッテリーを買う前に、行く予定の船宿に確認したほうが早い項目が4つあります。ここを飛ばして高価なバッテリーを買い、実は船に十分な電源があった、という順番の間違いが起きがちです。

1.共用電源はあるか、席ごとに何口あるか

電動リールに対応する乗合船では、各席に電源端子が用意されていることがあります。ただし「電源あり」の一言だけでは、席あたり1口なのか、隣と共用なのかまでは分かりません。混雑日に1口を2人で分け合う船もあります。

2.電圧は何Vか

ダイワの電動リール共通の取扱説明書には、「ダイワ電動リールは直流(DC)12〜16.8V、12〜24V、24V専用と機種により異なります」と書かれています。つまりリール側にも許容範囲があり、船側の電圧と合っていなければ使えません。とくに大型機は24V仕様のものがあり、ダイワの電動リール対応バッテリー一覧表でも、24V仕様のMARINE POWER 3000-24Vについて「24V仕様のため、12V鉛バッテリー2個を付属のバッテリー直列コードで接続して使用してください」と案内されています。

3.端子の形状は自分のコードで挿さるか

同じ取扱説明書には「船の電源は、電圧、接続端子の形状などにより使用できないことがあります」という一文があります。ワニ口クリップで挟むタイプ、丸端子を差し込むタイプ、船宿独自のカプラーなど、現場の端子は統一されていません。ワニ口とコネクターの両方を持っていくのが実務的な保険になります。

4.電源使用料はかかるか、エンジン停止中も使えるか

電源代を別途もらう船宿もあります。あわせて確認したいのが、エンジンを止めた流し替え中や、朝の出船前にも電源が生きているかどうかです。ダイワの取扱説明書は船電源の使用について、エンジンを切った状態で容量を使い切らないよう注意を促しています。船のバッテリーを空にしてしまえばエンジンがかからなくなるためで、これは釣り人側が守るべきマナーでもあります。

この4つを電話やメールで聞くときは、「電動リールを使います。電源は各席にありますか。電圧は12Vでしょうか。端子はワニ口で挟めますか。電源代はかかりますか」と一息で伝えると話が早く済みます。

あわせて、乗船時の装備も確認しておきましょう。小型船舶に乗る人には原則としてライフジャケットの着用が義務づけられており、国が定めた基準に適合したいわゆる桜マーク付きのものが必要です。船宿のレンタルを利用する場合も、桜マークの有無を確認してください。夜明け前の出船や日没間際の帰港では、両手が空くヘッドライトもあわせて持参すると安全です。

何Ahが必要か|Ah×V=Whの基本と、計算だけでは決まらない理由

バッテリーの表記でまず押さえるのは、Ah(アンペアアワー)とV(ボルト)とWh(ワットアワー)の関係です。国土交通省が航空機への持ち込みルールを説明する資料では、この関係を「ワット時定格量(Wh)=定格容量(Ah)×定格電圧(V)」と定義しています。Ahは「どれだけ電気を蓄えられるか」、Vは「どれだけ強く押し出せるか」、その掛け算であるWhが「実際に取り出せる仕事量」にあたります。

具体例で見てみます。ダイワの公式製品情報によると、スーパーリチウム 12000WPII-Cは電圧14.4V・容量12Ahです。この2つを掛けると、14.4×12=172.8Whになります。同じ12Ahでも電圧が12Vの製品なら144Whですから、Ahの数字だけを比べても実力は分かりません。カタログのAhを見るときは、必ず電圧とセットで見るのが第一原則です。

「消費電流×時間×回数+余裕率」で当たりをつける

理屈のうえでは、必要な容量は次の式で求まります。

必要Ah = 巻き上げ時の消費電流(A)× 1回あたりの巻き上げ時間(時間)× 1日の投入回数 × 余裕率

ところが実務では、この式は最後まで解けません。理由は単純で、主要メーカーの公表スペックには、巻き上げ時の消費電流が示されていないからです。しかも消費電流は一定ではなく、オモリの重さ、潮の速さ、魚の抵抗、巻き上げ速度の設定で刻々と変わります。式の第一項が確定しない以上、電卓で答えを出すことはできません。

ダイワ自身も、公式の電動リール対応バッテリー一覧表に「釣りモノにより容量が不足する場合があります。上記の表は目安にお使い下さい」と但し書きを入れています。メーカーが対応表を出しながら「容量が不足する場合がある」と書いているのは、まさにこの計算不能性のためです。

だから実務では「水深×投入回数」で当たりをつける

現実的な決め方は、消費電流ではなく1日に巻き上げる総距離で当たりをつける方法です。水深50mを30回投入すれば総巻き上げ距離は1500m、水深200mを20回投入すれば4000mです。後者は前者の2.6倍以上の仕事量になり、しかも1回あたりの負荷(オモリの重さ)も重くなります。同じ「1日1回の釣行」でも、電源への要求はまったく別物になるわけです。

そのうえで、余裕率は最低でも1.5倍を見ておくと安心です。リチウムイオン電池も鉛電池も、残量が減ると出せる電圧が下がります。残量ぎりぎりでは巻き上げが遅くなり、後半の一番おいしい時間帯に手返しが落ちます。リール本体の番手やスペックの読み方から整理したい方は、電動リールの電源の種類とスペックの読み方をまとめた記事もあわせてご覧ください。

【早見表】釣り物別・必要容量の目安と船宿電源で足りるか

以下は、メーカー公式の対応表と「釣りモノにより容量が不足する場合があります」という但し書きを踏まえて、釣り物別に整理した目安です。実測値ではなく、公表資料と一般的な釣り方から導いた判断の枠組みとしてお使いください。

釣り物・釣り方主な水深の目安電源への負荷容量クラスの目安船宿の共用電源だけで足りるか自前バッテリーの要否
LTアジ・ライトウィリーおおむね20〜50m軽い8Ah級から成立しやすい電源があればまず足りるあれば安心。なくても成立
カワハギ・LTアマダイおおむね20〜60m軽い〜中8〜11Ah級足りることが多い手返しが多いので自前推奨
コマセマダイ・イサキおおむね30〜80m11Ah級電圧が安定していれば足りる自前推奨
タチウオ・ライト五目おおむね40〜100m11Ah級足りることが多い自前推奨
中深場(アカムツ・メダイなど)おおむね100〜250m重い11〜12Ah級を満充電で足りない場面が出る自前が事実上の前提
深場(キンメダイ・アコウダイなど)おおむね200〜500m非常に重い12Ah級+予備、または20Ah級船電源前提の船もある。要事前確認自前必須。予備も用意

表の使い方で大事なのは、行が下にいくほど「バッテリーが足りない」ではなく「電圧が保てない」ことが問題になるという点です。深場では1回の巻き上げが長く、モーターが連続して高い電流を要求します。容量に余裕がなくなると電圧が落ち、巻き上げ速度が目に見えて鈍ります。深場を狙う日に予備のバッテリーまで用意しておきたいのは、残量不足そのものより、この電圧低下を避けるためです。

深場の代表格であるキンメダイは、多点掛けを狙って重いオモリと長い仕掛けを扱うため、電源への要求がとくに厳しくなります。仕掛けやタックルの組み方はキンメダイの仕掛けとタックルを解説した記事で詳しく触れています。リールそのものの選び方から見直したい場合は、電動リールの基本スペックと用途別の選び方をまとめたガイドが参考になります。

リチウムと鉛はどう違う|対応電源の3区分と純正・非純正の境目

電動リール用のバッテリーは、大きくリチウムイオン系と鉛系(シールドタイプ)に分かれます。違いは重量だけではありません。

電圧が高いほど巻き上げは速くなる

ダイワはスーパーリチウムについて、公式製品ページで「鉛バッテリーより巻き上げスピードとパワーがアップ」と説明しています。理由は電圧です。モーターに掛かる電圧が高いほど回転は速くなり、同じオモリでも巻き上げが伸びます。スーパーリチウム 12000WPII-Cの14.4Vという値は、12Vの鉛より2割ほど高い設定です。

ここで注意したいのが、自分のリールがどの電圧区分に属するかという点です。ダイワの取扱説明書は、対応電源をDC12〜16.8V、12〜24V、24V専用と機種ごとに分けて記載しています。まず取扱説明書で自分の機種の区分を確認し、24V専用機に12V電源、12V系の機種に24V電源といった取り違えをしないことが先決です。12V系(DC12〜16.8V)の機種であれば、14.4Vの純正リチウムは区分の範囲内に収まります。問題になるのは電圧そのものより電池の出所で、同じ説明書には、「ダイワの電動リールに使えると表現している電池がありますが、ダイワはその製品規格・安全性その他に一切かかわっておらず、ダイワは使用をお薦めしません」「リチウム電池については大きな事故を引き起こす可能性が高いため、特にご注意ください」という強い警告が書かれています。純正か、リールメーカーが対応を明示したものを選ぶのが原則です。

寒い朝は鉛のほうが不利になりやすい

秋が深まり11月に入ると、朝の桟橋は一桁の気温になります。電池は種類を問わず低温で出力が落ちますが、とくに鉛系は冷えると立ち上がりが鈍くなりやすい傾向があります。前夜に満充電にして、車内ではなく室内で保管し、当日は保温バッグに入れて運ぶだけでも朝一の挙動は変わります。

現行の純正バッテリー(メーカー別)

メーカー製品名種別・容量公式表記の要点
ダイワスーパーリチウム 12000WPII-Cリチウムイオン/14.4V・12Ah(172.8Wh)自重約1230g、外形94×204×46mm(カバー除く)。2026年3月発売。メーカー希望本体価格81,100円(税抜)。過負荷が加わると安全のために一時停止するセーフティ機能を搭載。対応機種はダイワ公式の電動リール対応バッテリー一覧表で確認
ダイワタフバッテリー 20000Cシールドタイプ/20Ah(20HR)自重約6400g、外形約76×181×166mm。オープン価格。専用キャリーバッグと専用充電器が付属
シマノBTマスター 11AHリチウムイオン/14.4V・11Ah(158.4Wh)自重1700g。電動リールと探見丸CV-FISHの同時接続に対応。対応機種と定格値はシマノ公式の製品情報で確認

数値はメーカーごとに行を分けています。ダイワの電動リール対応バッテリー一覧表には、このほかスーパーリチウム 12000WP・11000WP、タフバッテリー 12000-IVが掲載されています。シマノ側の対応表と定格値は、シマノ公式の製品情報と各製品の取扱説明書で確認してください。重量差にも注目したいところで、同じダイワの純正でも、リチウムの12000WPII-Cが約1230g、鉛系のタフバッテリー20000Cが約6400gと5倍以上の開きがあります。電車釣行や階段のある桟橋では、この差がそのまま体力に効いてきます。なお、Wh(=Ah×V)を併記したのは、遠征時に飛行機で運べるかどうかがこの数値で決まるためです。172.8Whのスーパーリチウム 12000WPII-Cは機内に持ち込めず、158.4WhのBTマスター 11AHは上限内に収まります。詳しくは後述の「持ち運びと保管」で扱います。

電動リールの電源まわり 秋の初戦までに揃える4点

シマノ BTマスター 11AH 電動リール用バッテリー

シマノ機の純正。14.4V×11Ah=158.4Whで早見表の11Ah級(ダイワ機は純正スーパーリチウム系を)

電動リール用 予備電源コード ワニ口/丸端子コネクター

船側端子はワニ口と丸端子で不統一。両方を予備に持つのが保険。リール側の適合は要確認

電動リール コネクターグリス 接点保護用

錆と緑青が通電を阻害する。釣行後30分のメンテで端子を守る

桜マーク付き ライフジャケット 自動膨張式 小型船舶用

乗合船は桜マーク付きの着用が義務。レンタル品も表示を確認

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船上で動かなくなった時の切り分け3手順|まずブレーカー機能を疑う

巻き上げの途中でアラームが鳴り、画面が点滅して止まる。これが起きると多くの人は「壊れた」と思いますが、その多くは故障ではなく保護機能の作動です。

手順0:ブレーカー機能かどうかを見分ける

ダイワ製品のアフターサービスを担うSLP PLUSの解説によると、電動リールにはリールの保護回路として「ブレーカー機能」が備わっており、リールに大きな負荷がかかった場合や性能以上の過酷な状況下で作動します。作動するとアラーム音や画面の点滅が出て、操作ができなくなるか巻き上げが止まります。

重要なのは、ブレーカー機能はしばらくすると自動的に復帰するという点です。復帰までの間も手巻きでの巻き上げはできます。これを知らずに「壊れた」と判断して修理に出してしまうケースは珍しくありません。まずは仕掛けを手で巻き上げながら、数分待ってみてください。

手順1:接点を動かす、別の電源端子に挿し替える

現場でまず試したいのは、ワニ口クリップを挟んでいる場所を動かしたり擦ったりする、という単純な操作です。それでも直らなければ、別の電源端子に挿し替えます。これで復活するなら、原因はリールでもバッテリーでもなく電気の通り道、つまり接点です。

手順2:バッテリー・コード・リールを1つずつ入れ替える

ここからは切り分けの基本です。変える要素は必ず1回に1つにします。

  1. 電源を替える:同船者に断ったうえで別のバッテリー、あるいは船電源につないでみます。これで動けばバッテリー側の問題です。
  2. コードを替える:予備の電源コードに交換します。これで動けばコードの断線か端子の腐食です。コードは巻き癖や踏みつけ、塩分にさらされる部品ですから、消耗品と考えたほうが現実に合います。
  3. リールを替える:同じ電源・同じコードで別のリールが動くなら、ようやくリール本体を疑う番です。

船電源のときは「エンジンの状態」も見る

SLP PLUSは、船電源使用時は電圧が不安定になりやすく、船がアイドリングをしているタイミングでは供給電圧が小さくなっているため、リールの要求電力をまかなえず負荷を掛けた巻き上げができない場合があると説明しています。移動中は普通に巻けたのに、流しに入ったら急に弱くなった、という現象はこれで説明がつきます。

つなぐ順番と極性を間違えない

ダイワの取扱説明書では、コードのクリップを電源に接続(赤がプラス、黒がマイナス)してから、コードのコネクターをリール本体に接続する順序が示されています。極性については「±を逆に接続すると通電しません。またバッテリーおよび本体・コードが破損する恐れがあります」と明記されています。また「水や海水など濡れた手で電源の接続はしないでください。感電する可能性があります」という注意もあります。船縁で慌てているときこそ、この2点は落としがちです。

通電を止める本当の犯人は接点|端子腐食と電圧降下への対処

切り分けをしていくと、原因が接点に行き着くことが本当に多くあります。海の上は塩分と湿気と振動が同時にある、電気接点にとって最悪の環境だからです。

塩分は「通電を阻害」する

SLP PLUSの電動リールメンテナンス解説では、コネクター部とコードの接続部は特に錆や緑青(ろくしょう)の出やすい箇所であり、錆や塩分の付着は電動リールに欠かせない通電を阻害してしまう、と説明されています。ダイワの取扱説明書にも「端子のサビなどによりリールが正常に作動しない場合があります。サビなどは取り除いてご使用ください」という一文があります。

厄介なのは、腐食が「通電しながら」進む点です。わずかな塩分が水分を呼び、そこに電流が流れることで反応が加速します。見た目には白い粉や緑色の粉が端子の隙間に出てきますが、そのときには接触抵抗がかなり上がっています。

釣行後30分でできるメンテナンス

  • 洗う:SLP PLUSはシャワーで全体的に塩分や汚れをしっかり洗い流し、クラッチレバーを上げ下げしたりハンドルを回転させたりして内部にも水を流すことを推奨しています。端子まわりは使い古しの歯ブラシで粉を落とすと確実です。
  • 乾かす:同じ解説では、リールフットに空いている水抜き穴を下にしてリールをまっすぐ置き、日陰で乾かすとされています。生乾きのまま袋にしまうのが一番いけません。
  • 保護する:コネクター部にはコネクターグリスを塗布し、コードを差し込んで馴染ませます。
  • 外して保管する:保管する際はコードを取り外す、というのがSLP PLUSの案内です。刺しっぱなしは腐食と断線の両方を招きます。

延長コードは短く、接点は少なく

席と電源が離れていると延長コードを使いたくなりますが、コードが長くなるほど途中の抵抗で電圧が下がり、モーターに届く電圧が減ります。中継のジョイントを増やせば接点も増え、その一つひとつが新しい故障点になります。延長は必要最小限の長さにとどめ、ジョイントの数をできるだけ減らすのが基本です。深場の船で自前バッテリーが推奨されるのは、容量の問題だけでなく、電源からリールまでの距離と接点を減らせるという理由もあります。

中古・並行品の地雷|回収済み型番を掴まないための確認手順

ここは実害に直結するので、はっきり書きます。中古市場やフリマアプリには、メーカーが回収を告知した型番のバッテリーが今も流通しています。安く手に入るからと飛びつくと、発煙や発火のリスクを抱え込むことになります。

回収が公表されている主な型番

メーカー対象製品公表時期公表されている理由と対応
シマノ電力丸 5Ah、電力丸 7.5Ah、電力丸 8.8Ah、電力丸 10Ah2023年10月16日消費者庁のリコール情報サイトに「発煙・発火に至る重大製品事故が発生」として掲載。対応区分は交換・回収
ダイワスーパーリチウム BM2600C、スーパーリチウム BM2600N2021年11月1日製造上の不具合により、複数の条件が重なった場合にまれに発煙・発火に至る可能性が判明したとして全数回収・返金を告知。使用中止と充電禁止を呼びかけ

ポイントは片方のメーカーだけの問題ではないということです。シマノもダイワも、それぞれ別の時期に自社のバッテリーについて回収を公表しています。「シマノだから安心」「ダイワだから大丈夫」という選び方では、この地雷は避けられません。見るべきはメーカー名ではなく型番です。

買う前の確認手順

  1. 型番を正確に控える:出品写真の本体ラベルから、シリーズ名と容量表記まで読み取ります。読み取れない出品は候補から外します。
  2. メーカー公式のお知らせを確認する:シマノとダイワはいずれも公式サイトにお知らせやサポートのページを持っており、回収や無償交換の告知はそこに掲載されます。
  3. 消費者庁のリコール情報サイトで型番を検索する:メーカー横断で公表情報を確認できます。行政のデータベースなので、販売終了後も記録が残ります。
  4. 非純正・出所不明の互換品は避ける:前述のとおり、ダイワは取扱説明書で非純正電池の使用を勧めておらず、リチウム電池については大きな事故を引き起こす可能性が高いと注意を促しています。

なお、バッテリーが実際に発煙・発火した場合に現場でどう動くべきか、そもそもリチウム電池がどういう仕組みで発火に至るのかについては、釣り場でのリチウムバッテリー火災と発火メカニズム、緊急時の対応をまとめた記事で詳しく解説しています。中古を検討する前に、こちらも一読しておくことをおすすめします。

持ち運びと保管|2026年4月からの機内ルールとオフの管理

遠征で電動リールを持ち出す人にとって、2026年は運び方のルールが変わった年です。

航空機は160Whが天井、預け入れは不可

国土交通省は2026年(令和8年)4月14日、モバイルバッテリーの機内持込みについて新たなルールを4月24日から適用すると発表しました。国際民間航空機関(ICAO)が定める国際基準の緊急改訂を受けたもので、公表資料には次のように書かれています。

  • 機内持込みのモバイルバッテリーは2個(160Wh以下に限る)まで
  • 機内においてモバイルバッテリーへの充電をしないこと
  • 機内においてモバイルバッテリーから他の電子機器への充電をしないこと

従来からのルールとして、預入(受託)手荷物に入れることは禁止されており、必ず機内に持ち込むこと、ワット時定格量が160Whを超えるものは持ち込みが禁止されていること、端子に絶縁テープを貼るなどしてショートを防ぐこと、座席上の収納棚には収納せず座席ポケットなど手元に保管することが示されています。

ここで冒頭の計算式が効いてきます。ワット時定格量(Wh)=定格容量(Ah)×定格電圧(V)です。ダイワのスーパーリチウム 12000WPII-Cは公式仕様で14.4V・12Ahですから、14.4×12=172.8Whとなり、国土交通省が示す160Whの上限を超えますしたがってこの製品は、機内持込みも預入(受託)手荷物もできません。公表資料は「モバイルバッテリー」と「予備の電池(リチウムイオン電池)」の双方について160Whを上限としており、航空会社に相談すれば例外的に通してもらえる、という性質のものではありません。同資料には、これらに違反した場合は航空法により罰則が科される可能性があることも明記されています。遠征でリチウムバッテリーを空輸したいなら、Ah×Vが160Wh以下に収まる製品を選ぶ(たとえばシマノのBTマスター 11AHは14.4V・11Ahで158.4Whと上限内です)か、現地の船宿のレンタルや船電源を使うか、という選択になります。なお同資料は、航空会社によってより厳しいルールを設けている場合があるため各航空会社の指示に従うようにも求めています。

宅配便で先に送る手も一見スマートですが、同じ資料には、持込みできなかったモバイルバッテリーなどは宅配便などによる貨物としても航空輸送できない場合があるため、運送事業者へ確実に申告のうえ指示に従うよう記載されています。「送れるはず」と決めつけず、集荷前に申告するのが正解です。

シーズンオフの保管

一般社団法人電池工業会は、リチウムイオン二次電池について、長期間使用しない場合は機器の漏れ電流により過放電に至る可能性があるため、機器から外して湿気の少ないところに保管するよう案内しています。あわせて、ストーブのそばや炎天下の自動車の車内など高温になる場所に放置しないこと、高温になる場所で充電しないこと、ネックレスやヘアピン、コイン、鍵などの金属製品と一緒に持ち運んだり保管したりしないこと、廃棄するときは両端子を絶縁テープ等で保護してから廃棄することが示されています。

実務としては、シーズンが終わったら電源を切り、コードを外し、端子を洗って乾かしてから、室内の涼しい場所に置く。これだけで翌シーズンの立ち上がりが変わります。車のトランクに積みっぱなしにするのが一番いけません。夏の車内は高温になり、電池工業会が明確に避けるよう求めている環境そのものです。

残量の目安と充電のタイミング

シマノのBTマスター11AHの取扱説明書には、容量ランプの点灯数で残量の目安が分かること、残量が少なくなったら放置せず速やかに充電すること、充電は周囲の温度が0〜40度の範囲で行うことが記載されています。長く放置した過放電状態は、電池そのものの寿命を縮めます。釣行後は「洗って、乾かして、充電しておく」までを1セットにしてしまうのが結局いちばん楽です。

秋の初戦までに決める3つのこと

その1.船宿に4項目を聞く。共用電源の有無、電圧、端子の形状、電源代。これで自前バッテリーが必須かどうかが決まります。

その2.狙う釣り物の水深から容量クラスを決める。60mまでなら8〜11Ah級、100mを超えるなら11〜12Ah級を満充電、200mを超えるなら12Ah級に予備を足すか20Ah級です。Ahは必ず電圧とセットで見ます。

その3.コードと接点を消耗品として扱う。予備の電源コードを1本バッグに入れ、釣行後は端子を洗って乾かす。船の上で止まったら、まずブレーカー機能の自動復帰を待ってから、電源・コード・リールの順に1つずつ入れ替えて切り分けます。

電動リールの電源まわりは、道具の性能以上に「事前の確認」と「接点の管理」で結果が変わる領域です。秋の一番いい時間帯にモーターが止まって悔しい思いをしないために、最初の一投の前にできることを済ませておきましょう。

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