ソウダガツオの料理レシピ完全版|刺身・なまり節・佃煮・つみれ汁・オイル漬けまで遠州灘の青物外道を絶品に仕上げる全技術

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遠州灘のソウダガツオ、持ち帰らないのはもったいない

遠州灘のサーフや御前崎沖でジギングや弓角を投げていると、本命の青物より先にガツンと竿を絞り込んでくる魚がいる。ソウダガツオだ。「またソウダか」とリリースしている人、正直かなり多いと思う。

だが、ちょっと待ってほしい。ソウダガツオは正しく処理すれば本ガツオに負けない旨さを持っている。特にヒラソウダの刺身は「ソウダの中トロ」と呼ばれるほどの脂のりで、知る人は本命そっちのけで狙うほどだ。一方のマルソウダも、なまり節や佃煮にすれば最高の保存食になる。

この記事では、遠州灘で釣れたソウダガツオを1匹も無駄にしないための全レシピと処理技術を解説する。鮮度劣化が異常に早いこの魚を美味しく食べるには、釣り場での処理が命。まずはそこから始めよう。

ソウダガツオの基本知識|ヒラソウダとマルソウダの違い

ソウダガツオにはヒラソウダマルソウダの2種類がいる。見た目は似ているが、味と用途がまったく違うので、まず見分け方を覚えておきたい。

項目ヒラソウダマルソウダ
体型やや平たい(側扁)丸みがある(円筒形)
ウロコのある範囲胸甲部のみ(狭い)体の後方まで広がる
背中の模様斜め縞が明瞭不規則な虫食い模様
刺身適性◎(脂がのる)△(血合いが多く臭みが出やすい)
加工適性◎(なまり節・削り節に最適)
ヒスタミン生成やや少ない多い(鮮度劣化が極めて早い)
遠州灘での旬9〜11月8〜10月

最も重要な違いはヒスタミン生成速度だ。特にマルソウダは血合いに含まれるヒスチジンが多く、鮮度が落ちるとヒスタミンに変化してアレルギー様食中毒を起こす。「ソウダガツオで蕁麻疹が出た」という話の大半はこれが原因。正しく処理すれば安全に食べられるので、次の章の下処理を必ず実践してほしい。

遠州灘での釣期とサイズ

遠州灘では8月下旬〜11月がソウダガツオのシーズン。サーフからの弓角サーフトローリングやショアジギングでナブラ撃ちが定番だ。御前崎〜浜松間のサーフ、福田港・舞阪堤防周辺でも回遊がある。

サイズは25〜40cmが中心で、大きいもので45cm・1kg超が混じる。料理に最適なのは30〜40cmクラス。これより小さいと身が少なく、大きすぎると血合いの比率が高くなる。

釣り場での処理が9割|ソウダガツオの鮮度管理術

ソウダガツオを美味しく食べるための最大のポイントは釣り場での即殺・血抜き・冷却だ。この魚は体温が高く、死後の鮮度劣化が他の魚と比較にならないほど早い。ここを手抜きすると、どんなレシピも台無しになる。

ステップ1:即殺(脳締め)

  1. 釣り上げたら暴れさせずに、ナイフの先で目の後ろ上方(脳天)を刺す
  2. 体がビクッと硬直し、その後脱力すれば成功
  3. ダイワやシマノのフィッシュピック、または太めのアイスピックが使いやすい

ステップ2:血抜き

  1. エラ蓋を開け、エラの付け根を包丁またはナイフで切断
  2. 尾の付け根(尾柄部)にも切り込みを入れる
  3. バケツの海水に頭を下にして10分ほど浸ける。海水は2〜3回交換するとより効果的
  4. 血が出なくなったら引き上げる

ステップ3:急速冷却

  1. 氷と海水を混ぜた潮氷に直接漬ける(氷だけより冷却速度が段違い)
  2. クーラーボックス内の温度は0〜5℃を維持
  3. 帰宅まで2時間以上かかる場合は、現地で内臓を抜いてしまうのも有効

特にマルソウダを刺身で食べたい場合は、釣ってから30分以内に潮氷に入れることを厳守。ヒラソウダはマルソウダほどシビアではないが、同様の処理を推奨する。

帰宅後の下処理

  1. ウロコは胸甲部(硬い部分)のみ包丁でこそげ取る
  2. 頭を落とし、内臓を取り出す
  3. 3枚おろしにする。中骨が硬いのでよく切れる出刃包丁が必須
  4. 腹骨をすき取り、血合い骨を骨抜きで1本ずつ抜く(ソウダガツオは血合い骨が太い)
  5. 刺身用の場合、血合い(赤黒い部分)を可能な限り除去する。血合いと赤身の境目にV字に包丁を入れると綺麗に取れる

難易度:中級(3枚おろしの基本ができれば問題ない。血合い除去の丁寧さが味の分かれ目)

【刺身・たたき】ヒラソウダの真骨頂を味わう

ヒラソウダの刺身は、本ガツオとマグロの中間のような味わい。赤身の旨味に適度な脂がのり、釣り人にしか味わえない贅沢だ。ただし鮮度管理を徹底した個体に限る。マルソウダの生食はリスクがあるので、慣れないうちはヒラソウダのみにしておこう。

ヒラソウダの刺身

材料(2人前)

  • ヒラソウダの柵(血合い除去済み)…200g
  • 大葉…5枚
  • おろし生姜…1片分
  • おろしニンニク…少量(好みで)
  • 醤油…適量
  • ミョウガ…1個(薄切り)

調理手順

  1. 柵を皮付きのまままな板に置く。ソウダガツオの皮は薄いのでそのまま食べられる
  2. 包丁を手前に引くように、7〜8mm厚の平造りにする
  3. 大葉を敷いた皿に並べ、ミョウガと生姜を添える
  4. 醤油にほんの少しニンニクを溶いた「にんにく醤油」で食べると、ソウダガツオの風味と最高に合う

コツ:柵取りした身をキッチンペーパーで包んで冷蔵庫で30分ほど寝かせると、表面の水分が抜けてねっとりした食感になる。

ヒラソウダのたたき

材料(2人前)

  • ヒラソウダの柵…250g
  • 玉ねぎスライス…1/2個
  • ミョウガ…2個
  • 大葉…10枚
  • ニンニクスライス…1片
  • ポン酢…適量

調理手順

  1. 柵に金串を3本打つ(ステンレスの串が使いやすい)
  2. ガスコンロの強火で皮面を5秒、身の各面を2〜3秒ずつ炙る。表面が白くなり始めたらすぐ引き上げる
  3. 氷水に3秒だけ落として表面の温度を下げ、キッチンペーパーで水気を取る
  4. 1.5cm厚に切り分け、スライス玉ねぎと大葉を敷いた皿に盛る
  5. ニンニクスライスを散らし、ポン酢をかける

コツ:炙りすぎると中心まで火が通ってパサつく。表面1mm程度が白く変わったら十分。藁焼きが可能な環境なら、香りがさらに上がる。

【なまり節】マルソウダの最強加工法

マルソウダの最も適した調理法がなまり節だ。焼津・御前崎の鰹節産地では、昔からマルソウダガツオで「宗田節(そうだぶし)」を作ってきた。家庭で本格的な節を作るのはハードルが高いが、なまり節なら半日で完成する。

なまり節は茹でて乾かしただけの半生の鰹節のようなもの。しっとりした食感と濃厚な旨味が特徴で、そのまま食べても、料理のベースにしても抜群に使える。

マルソウダのなまり節

材料

  • マルソウダガツオ…2〜3匹(30cm以上推奨)
  • 水…鍋にたっぷり
  • 塩…水の3%(水1Lに対して30g)

調理手順

  1. 3枚におろし、腹骨をすき取る。血合い骨はこの時点では抜かなくてよい
  2. 大きめの鍋に水と塩を入れ、80〜85℃に加熱する(沸騰させない)
  3. 身を静かに入れ、80℃を維持しながら40〜50分茹でる。途中でアクを丁寧にすくう
  4. 身が全体的に白っぽく変色し、中心まで火が通ったら引き上げる。竹串を刺して透明な汁が出ればOK
  5. ざるに上げ、扇風機の風を当てながら2〜3時間乾かす
  6. 表面が乾いてしっとりした状態になれば完成

保存:ラップに包んで冷蔵庫で5日間、冷凍で1ヶ月保存可能。

なまり節の食べ方5選

食べ方ポイント
そのままほぐして生姜醤油最もシンプル。酒のつまみに最高
サラダのトッピング手でほぐしてレタス・トマトと。ツナサラダの上位互換
炊き込みご飯米2合に対してなまり節100g。醤油・酒・みりん各大さじ1と昆布で
チャーハンの具ほぐして卵チャーハンに混ぜる。カツオの風味が効いた和風仕上がり
パスタの具ペペロンチーノ風にオリーブオイル+ニンニク+鷹の爪でほぐし入れる

【佃煮・角煮】大量釣果を長期保存する

ソウダガツオが10匹以上釣れた日は、刺身やなまり節だけでは消費しきれない。そんなときは佃煮や角煮にして保存食にするのが賢い。ご飯のお供にもお弁当にも使えて、冷蔵で2週間持つ。

ソウダガツオの佃煮

材料

  • ソウダガツオ(種類不問)…3匹分の身(約400g)
  • 生姜…2片(千切り)
  • 醤油…80ml
  • みりん…60ml
  • 酒…60ml
  • 砂糖…大さじ2
  • 白ゴマ…適量

調理手順

  1. 3枚におろした身を2cm角のサイコロ状に切る。血合いもそのまま使ってOK(加熱で臭みが飛ぶ)
  2. 鍋に湯を沸かし、身を入れて30秒ほど湯通しする。表面が白くなったらざるに上げる
  3. 鍋に醤油・みりん・酒・砂糖・生姜を入れて中火で煮立たせる
  4. 湯通しした身を入れ、落し蓋をして弱火で30〜40分煮る
  5. 煮汁が1/3程度に減り、身に照りが出てきたら火を止める
  6. 白ゴマを振って完成

コツ:煮詰めすぎると硬くなる。身を箸でつまんで少し弾力がある程度で火を止めるのがベスト。冷めると少し締まるので、やや柔らかい段階で仕上げる。

ソウダガツオの角煮(味噌味)

材料

  • ソウダガツオ…2匹分の身(約300g)
  • 味噌(合わせ味噌)…大さじ3
  • 砂糖…大さじ2
  • みりん…大さじ2
  • 酒…100ml
  • 生姜…1片(スライス)
  • 水…100ml

調理手順

  1. 身を3cm角に切り、湯通しして臭みを抜く
  2. 鍋に酒・水・生姜を入れて煮立たせ、身を入れる
  3. アクを取りながら10分ほど中火で煮る
  4. 味噌・砂糖・みりんを加え、落し蓋をして弱火で20分
  5. 煮汁にとろみがついたら完成

保存:清潔な容器に入れて冷蔵で2週間、冷凍で1ヶ月。ご飯に乗せる、おにぎりの具にする、酒のあてにするなど万能。

【つみれ汁・フライ】血合いも丸ごと使い切る

刺身やたたきで除去した血合い部分を捨てるのはもったいない。つみれにすれば血合いの旨味がスープに溶け出して、極上の汁物になる。

ソウダガツオのつみれ汁

材料(4人前)

  • ソウダガツオの身と血合い…300g
  • 長ネギ(みじん切り)…1/2本
  • 生姜(すりおろし)…1片
  • 味噌…大さじ1
  • 片栗粉…大さじ2
  • 卵…1個
  • 塩…少々

汁の材料

  • 水…800ml
  • 昆布…5cm角1枚
  • 味噌…大さじ3(汁用)
  • 豆腐…1/2丁
  • 大根…5cm(いちょう切り)
  • 青ネギ…適量

調理手順

  1. ソウダガツオの身と血合いを包丁で細かく叩く。フードプロセッサーでもOK
  2. 叩いた身に長ネギ・生姜・味噌・片栗粉・卵・塩を加え、粘りが出るまでよく練る
  3. 昆布を入れた水に大根を入れて火にかけ、沸騰させる
  4. つみれだねをスプーン2本で丸形に成形しながら、煮立った鍋に落としていく
  5. つみれが浮いてきたらアクを取り、豆腐を加えて5分煮る
  6. 火を弱めて味噌を溶き入れ、青ネギを散らして完成

コツ:つみれだねに味噌を少し入れるのがポイント。血合いの臭みを味噌が吸収し、旨味だけが残る。生姜は多めに入れても良い。

ソウダガツオのフライ

材料(2人前)

  • ソウダガツオの柵(血合い除去済み)…200g
  • 塩・胡椒…少々
  • 小麦粉…適量
  • 溶き卵…1個分
  • パン粉…適量
  • 揚げ油…適量
  • レモン…1/4個
  • 中濃ソース or タルタルソース…適量

調理手順

  1. 柵を1cm厚の削ぎ切りにする
  2. 塩・胡椒を振り、10分ほど置いてキッチンペーパーで水気を拭く
  3. 小麦粉→溶き卵→パン粉の順に衣をつける
  4. 180℃の油で2〜3分、きつね色になるまで揚げる
  5. 油を切ってレモンを添える

コツ:ソウダガツオの身は火を通しすぎるとパサつく。中心がほんのりレアな状態が最も美味しいので、揚げ時間は短めに。アジフライの感覚で揚げると火が通りすぎるので注意。

【オイル漬け・自家製ツナ】洋風保存食の決定版

ソウダガツオで作る自家製ツナは、市販の缶詰とは比較にならない贅沢な味わい。特にマルソウダは身がしっかりしているのでオイル漬けに最適。一度作れば冷蔵で2週間保存でき、パスタ・サラダ・サンドイッチと使い道は無限大だ。

ソウダガツオの自家製オイル漬け(コンフィ)

材料

  • ソウダガツオの柵…300g
  • オリーブオイル…200ml(身が浸かる量)
  • ニンニク…2片(つぶす)
  • ローリエ…2枚
  • 黒胡椒(ホール)…10粒
  • 鷹の爪…1本
  • 塩…小さじ2

調理手順

  1. 柵に塩をまぶし、ラップをして冷蔵庫で1時間置く(余分な水分を抜く)
  2. キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取る
  3. 小鍋またはフライパンにオリーブオイル・ニンニク・ローリエ・黒胡椒・鷹の爪を入れる
  4. 柵を入れ、弱火で油の温度を70〜80℃に維持しながら40分加熱する。絶対に沸騰させないこと
  5. 身を箸で触って弾力があるのに中まで火が通っている状態になれば完成
  6. 油ごと清潔な保存瓶に移し、完全に冷めてから冷蔵庫へ

保存:身が完全にオイルに浸かった状態で冷蔵2週間

自家製ツナの活用レシピ

メニュー使い方
ツナパスタほぐしたツナとオイルをそのままペペロンチーノのベースに。茹で汁で乳化させる
ツナサンドほぐしてマヨネーズ・玉ねぎみじん切り・胡椒と和える。市販ツナとは別次元
ニース風サラダオリーブ・ゆで卵・インゲン・トマトと合わせて本格サラダに
ツナマヨおにぎりマヨネーズで和えて握る。釣行翌日の弁当に最適
ポテサラの具ジャガイモと合わせて最強のポテトサラダに

合わせるお酒と盛り付けのアドバイス

ソウダガツオに合う酒

料理おすすめの酒理由
刺身・たたき辛口の純米酒、芋焼酎ロック赤身の旨味にキレのある酒が合う。浜松なら花の舞の純米がおすすめ
なまり節ビール(ラガー)、ハイボールシンプルな旨味に炭酸の爽快感が好相性
佃煮・角煮熱燗、麦焼酎お湯割り甘辛い味付けに温かい酒がしみる
つみれ汁熱燗汁物と燗酒は冬の黄金コンビ
フライレモンサワー、白ワイン油を切る酸味と柑橘感
オイル漬け白ワイン(ソーヴィニヨン・ブラン)オリーブオイルの風味にハーブ感ある白ワイン

盛り付けのポイント

  • 刺身は白い皿に大葉を敷いて赤身の色を引き立てる。器に凝る必要はないが、色のコントラストは意識する
  • たたきは横長の皿に一列に並べ、薬味を上から散らすのが映える
  • なまり節はほぐして小鉢に高さを出して盛り、上に刻みネギと生姜を乗せる
  • 佃煮は小皿にこんもりと盛り、白ゴマを最後にひとつまみ。ご飯の横に添えるだけで食卓の格が上がる

まとめ|ソウダガツオは「持ち帰ってからが本番」

遠州灘でソウダガツオが釣れたとき、やるべきことを最後に整理しておこう。

  1. 釣り場で即殺・血抜き・潮氷に漬ける(ここが最重要)
  2. ヒラソウダは刺身・たたきで鮮度の恩恵を最大限に味わう
  3. マルソウダはなまり節・佃煮・オイル漬けで加工し、保存食として長く楽しむ
  4. 血合いはつみれ汁にして、1匹を余すことなく使い切る
  5. 大量に釣れたら、フライ・角煮・自家製ツナでバリエーションをつける

ソウダガツオは処理を怠ると「まずい魚」「危ない魚」の烙印を押されがちだが、それは正しく扱わなかった場合の話だ。釣り場でのひと手間を惜しまなければ、この魚は驚くほど美味しい。次にサーフでナブラを打ってソウダが掛かったら、ぜひ迷わずクーラーに入れてみてほしい。「またソウダか」が「ソウダ最高じゃん」に変わるはずだ。

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