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釣り魚のすき焼きは「意外な絶品組み合わせ」
すき焼きといえば牛肉が定番だが、釣り上げたばかりの新鮮な魚でも絶品のすき焼きができる。特に脂の乗ったブリ(鰤)やヒラメ・クロダイ・マダイは、醤油・みりん・砂糖の割り下との相性が抜群で、牛肉とは異なる上品な旨みを持つ「魚のすき焼き」になる。寒い季節の釣果を鍋料理で楽しむ最高の方法の一つだ。
静岡県西部(浜松・磐田)では「ブリのすき焼き(鰤スキ)」を年越し料理として食べる文化も残っており、遠州灘で釣れたブリを使う家庭の味でもある。
魚のすき焼き——基本の割り下(タレ)レシピ
割り下の材料(4人分)
- 醤油:100ml
- みりん:100ml
- 酒:100ml
- 砂糖:大さじ3〜4(好みで調整)
- 出汁(カツオ・昆布):100ml(魚のすき焼きは少し出汁を入れると旨みが引き立つ)
割り下の作り方
- 鍋に酒・みりんを入れて火にかけ、アルコールを飛ばす(1〜2分沸騰させる)
- 醤油・砂糖・出汁を加えて一度沸騰させたら完成
- 冷蔵庫で1週間保存可能。多めに作っておくと便利
魚種別・すき焼きの作り方と特徴
ブリのすき焼き(鰤スキ)——遠州の伝統料理
材料(4人分)
- ブリの切り身(または刺身用さく):400〜600g
- 割り下:上記の基本割り下を使用
- 豆腐(木綿):1丁
- 白菜:1/4株
- 長ネギ:2本
- しらたき:1袋
- 春菊(またはほうれん草):1束
- 生卵:1人1個(溶き卵でいただく)
手順
- 下処理:ブリの切り身に塩をひとつまみ振り、5〜10分置いて臭みを出す。水気を拭いてから使う
- 鍋に割り下を張る:すき焼き鍋(または厚みのある鍋)に割り下を鍋底から1cmほど入れて中火にかける
- ブリを焼く(関西風):割り下が温まったらブリを入れ、片面1〜2分焼いて両面に色をつける
- 野菜・豆腐を加える:白菜・ネギ・豆腐・しらたきを加える。割り下が少なくなったら追加する
- 蓋をして煮る:蓋をして5〜7分蒸し煮にする。白菜が柔らかくなり、ブリに出汁が染みたら完成
- 溶き卵で食べる:牛のすき焼きと同様に、溶き卵にくぐらせて食べると上品に仕上がる
ブリすき焼きのコツ
- ブリは冬(11〜2月)の脂の乗った個体が最高。夏のブリはワラサ・ヤズクラスでも美味
- ブリの臭みが気になる場合は、塩振り後に熱湯を素早くかけて霜降りにしてから使う
- 割り下は甘め(砂糖多め)にすると関西風、甘さ控えめにすると関東風。遠州は甘めが伝統
ヒラメ・カレイのすき焼き(上品な白身版)
ヒラメ・カレイは身が柔らかく崩れやすいため、牛肉感覚でさっと煮立てるのではなく、やや優しく扱う。出汁を多めにした「薄めの割り下」で煮ると、白身魚の上品な旨みが引き立つ。刺身用の厚切りを使うのがポイントだ。
クロダイ・マダイのすき焼き
クロダイ・マダイも鍋に向く魚だ。三枚おろしにして皮目から焼き色をつけてから割り下に入れる「霜降り→すき焼き」の手順で作ると、皮の旨みが割り下に溶け出して深みのある一鍋になる。大型の乗っ込みクロダイで作る「チヌのすき焼き」は絶品だ。
すき焼きに合う魚のポイント
| 魚種 | すき焼きとの相性 | ポイント |
|---|---|---|
| ブリ・ハマチ | ★★★★★ | 脂と割り下の甘みが最高。遠州の伝統 |
| クロダイ・マダイ | ★★★★☆ | 上品な白身。皮目を活かして |
| ヒラメ・カレイ | ★★★☆☆ | 身が柔らかいため優しく扱う |
| スズキ(シーバス) | ★★★☆☆ | 夏は磯臭い場合あり。塩振りで臭み取り |
| イカ(アオリイカ) | ★★★★☆ | 甘みが出る。硬くならないよう短時間加熱 |
締めのうどん・ご飯で二度楽しむ
すき焼き鍋の最後の「締め」も楽しみの一つだ。
- うどんを入れる:魚の旨みが溶け出した割り下に茹でうどんを投入。魚介だしのうどんが絶品
- ご飯でお茶漬け風:残った割り下にご飯を入れて軽く煮る「おじや」風の締め。冬の寒い夜に最高の一品
- 溶き卵で雑炊:水を少し加えてご飯を入れ、最後に溶き卵を加える雑炊。風邪の時にも最高
まとめ:釣り魚のすき焼きは「遠州の食文化と釣りが交わる最高の食卓」
ブリのすき焼きは遠州地方の冬の食文化として受け継がれている料理だ。遠州灘・浜名湖で釣り上げた新鮮なブリ・クロダイ・ヒラメで作るすき焼きは、スーパーで買った魚では絶対に出せない「釣り人だけの特権の味」だ。今年の冬こそ、大物を釣り上げてすき焼きの食卓を囲んでほしい。



