報知兵衛でございます。水産庁は令和8年(2026年)4月、太平洋クロマグロ遊漁ルールを大改正し、届出制の導入・バッグリミット厳格化・月別採捕上限管理を一斉施行しました。船釣り・陸釣り全てが対象です。本記事では水産庁公式情報のみを根拠に、2026年6月シーズンを安全に楽しむための新ルールを徹底解説します。
本記事の要点
- 令和8年4月からクロマグロ遊漁は全員届出制に
- バッグリミットは1人各期間(2か月)1尾まで(6・7月/8・9月など)
- 6月以降の大型魚採捕は各月3.8トンを上限に管理
- 30kg未満は採捕禁止(釣れたら即海へ放流)
- 違反時は1年以下の懲役または50万円以下の罰金(漁業法第191条)
2026年6月、クロマグロ遊漁ルールが大きく変わった
令和8年(2026年)4月、水産庁は太平洋クロマグロの資源管理強化のため遊漁規制を大幅に見直し、「届出制」が全国で初めて義務化。クロマグロを狙う遊漁者・遊漁船業者・プレジャーボート運航者全員が、事前届出なしには出船・出陣できなくなりました。
背景には令和6年(2024年)6月の異例の早期規制発動があります。月間採捕上限5トンを解禁からわずか数日で超過し、6月5日から月末まで全面採捕禁止となった経緯から、令和8年度は6月以降各月3.8トンを上限に管理する仕組みへ改められました。違反時は漁業法第191条により1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があり、「知らなかった」では済まされません。
【概要】2026年4月施行の主要規制ポイント一覧
まずは令和8年4月から施行された改正クロマグロ遊漁規制の全体像を、水産庁公式情報に基づき一覧表で整理いたします。従来規制と比較しながら、何が新しく追加・厳格化されたかを把握しましょう。
| 規制項目 | 令和7年度まで | 令和8年4月以降(新ルール) |
|---|---|---|
| 届出制 | 任意の協力依頼 | 全員に届出義務(遊漁者・遊漁船業者・プレジャーボート運航者) |
| バッグリミット | 1人1日1尾(年間最大数本) | 1人各期間(2か月)1尾まで |
| 対象期間区分 | 通年管理(年度合計) | 4-5月/6-7月/8-9月/10-11月/12-1月/2-3月の6期間 |
| 月別採捕上限 | 5トン/月(時期による) | 6月以降は各月3.8トンを上限に管理 |
| 小型魚(30kg未満) | 採捕禁止(C&R含む) | 採捕禁止(C&R含む、変更なし) |
| 大型魚採捕報告 | 翌日まで | 翌日まで(変更なし) |
| 対象範囲 | 船・陸釣りすべて | 船・陸釣りすべて(変更なし) |
| 違反時の罰則 | 1年以下の懲役・50万円以下の罰金 | 1年以下の懲役・50万円以下の罰金(変更なし) |
報知兵衛のひとこと:令和8年改正の核は「届出制義務化」と「バッグリミットの2か月1尾化」。届出未済の出船・出陣はそれ自体が違反です。後述の届出手順を必ず期限内に完了させ、6月シーズンを迎えてください。
【届出制】どのように届出するか(手順と必要書類)
令和8年4月施行の届出制は、クロマグロ遊漁を行う「全ての人」を対象とした事前届出制度です。届出受付は令和8年1月1日から開始しており、シーズン前に必ず完了させる必要があります。
届出が必要な3つの対象者
- 遊漁者本人:クロマグロを狙って釣りに行く個人(船・陸問わず)
- 遊漁船業者:クロマグロ釣りを目的に遊漁者を漁場へ案内する船宿・遊漁船オーナー
- その他船舶運航者:プレジャーボート・ミニボートでクロマグロを狙う、または遊漁者を乗せる運航者
届出方法(3パターンから選択)
| 届出方法 | 提出先 | 備考 |
|---|---|---|
| オンライン | 水産庁 遊漁採捕量報告システム | 推奨。アカウント登録後そのまま採捕報告にも利用可 |
| 電子メール | jfa_bluefin_rec@maff.go.jp | 添付書類は事前に確認 |
| 郵送 | 〒100-8907 東京都千代田区霞が関1-2-1 水産庁管理調整課沿岸・遊漁室 | 届出書様式は水産庁公式サイトからダウンロード |
届出に必要な主な情報
- 氏名・住所・電話番号・メールアドレス(連絡先一式)
- 本人確認書類(運転免許証等のコピー)
- 船舶を使用する場合:船名・登録都道府県・船舶番号
- 主に利用する漁場の海域情報
- 遊漁船業者の場合:登録番号・営業区域
注意:届出は年1回提出で足りますが、内容変更時は速やかに変更届出が必要。シーズン中に新たに始める場合も釣行前の届出完了が必須です。問い合わせ:水産庁資源管理部管理調整課 沿岸・遊漁室(TEL:03-3502-8111 内線6705)。
【バッグリミット】各期間1人1尾の詳細──6つの期間区分
令和8年4月から、大型魚(30kg以上)のバッグリミット(持ち帰り制限)が大幅に厳格化され、2か月単位の期間で1人1尾までという長期管理へ移行しました。
6つの期間区分とリセットタイミング
| 期間 | 対象月 | 持ち帰り上限 | リセット日 |
|---|---|---|---|
| 第1期 | 4月・5月 | 1人1尾 | 6月1日にリセット |
| 第2期(6月の対象期間) | 6月・7月 | 1人1尾 | 8月1日にリセット |
| 第3期 | 8月・9月 | 1人1尾 | 10月1日にリセット |
| 第4期 | 10月・11月 | 1人1尾 | 12月1日にリセット |
| 第5期 | 12月・1月 | 1人1尾 | 2月1日にリセット |
| 第6期 | 2月・3月 | 1人1尾 | 4月1日にリセット |
6月の釣行で1尾持ち帰った場合、7月の追加キープは不可。次回キープ可能は8月1日以降です。1日に複数本掛けてもキープは1尾のみ、残りは速やかにリリースしてください。
運用ルール:家族同行ならキープ枠は1人ずつカウント(両名とも届出済みが前提)。2人以上で1隻乗船時もキープ枠は個人単位。30kg以上キープ時は翌日までの報告義務が発生します。
【月別3.8t上限】どう管理されるか・早期規制リスクの実態
令和8年度の遊漁による太平洋クロマグロ採捕枠は年間合計51.4トン(60トン-前年度繰越調整分8.6トン)。水産庁はこの枠を均等消化するため、6月以降の大型魚採捕を各月3.8トン上限で管理する方針です。
早期規制発動の前例──令和6年6月の教訓
令和6年(2024年)6月、水産庁は当時の月間上限5トンを解禁からわずか数日で超過したと公表。翌令和7年(2025年)6月も同様に上限超過が発生し、6月5日から月末まで全面採捕禁止という異例の措置が発動されました。実質的に6月の遊漁可能期間は「4日間のみ」となり、釣行を予定していた多くのアングラーが涙を呑む結果となっています。
令和6年6月の経過(水産庁公表):6月1日採捕解禁→6月4日時点で3.8t超到達→6月5日に5t上限超過と判断し即日採捕禁止措置発動→6月30日までC&R含む全クロマグロ釣り禁止。
採捕状況のリアルタイム確認方法
水産庁は遊漁による採捕状況を公式サイト「太平洋クロマグロの漁獲状況について」で随時更新しています。出船前日・当日に必ず最新の採捕状況と規制発動の有無を確認してください。月初狙いでも油断は禁物です。
【30kg未満禁止】小型魚に当たった時の正しい対応
太平洋クロマグロの30kg未満個体(小型魚/ヨコワ/メジ)は、令和3年6月から遊漁での採捕が全面禁止されており、令和8年4月以降も継続中。キャッチ&リリースを前提とした釣りも禁止対象です。「逃がすつもりだから狙ってもよい」という解釈は成立しません。
意図せず釣れてしまった場合の対処
他魚種(カツオ・シイラ・キハダなど)狙いで意図せず小型魚が掛かった場合は、直ちに海中へリリースすれば委員会指示違反にはなりません。重要なのは「即時リリース」。長時間取り込んで弱らせたり撮影会扱いする行為は推奨されません。
- 掛かったら素早く取り込む準備(抱き合わせず短時間で)
- 陸上に上げず船べりで対応、可能なら水中で針外し
- 地面・デッキに置かない(体表ヌメリ保護で生存率向上)
- 頭を水中に向けて放流、意識回復まで支える
- 記録は航跡・時刻のみ、撮影に時間をかけない
30kgの目安:尾叉長で約110〜115cm前後が30kgの境目。クロマグロは個体差が大きく現場計測は困難なため、サイズに迷う場合はリリースが原則安全。30kg未満の持ち帰りはそれ自体が違反です。
【陸釣り・堤防釣り】陸からのマグロ釣りも全て対象
「規制対象は遊漁船とプレジャーボートだけ」という誤解が散見されますが、水産庁公式情報には「船釣り(遊漁船、プレジャーボート等)、陸(堤防等を含む)からの釣りを問わず、クロマグロ遊漁を行うもの全てが対象」と明記されています。
陸釣り・堤防釣りでも適用される規制
- 届出制:堤防や地磯からマグロを狙う場合も水産庁への事前届出が必須
- バッグリミット:陸からの釣果も期間内1人1尾の枠に含まれる
- 30kg未満採捕禁止:陸でも小型魚キャッチ&リリース禁止(意図せず釣れた場合は即放流)
- 大型魚採捕報告:陸での30kg以上採捕も翌日までの報告義務あり
- 月別採捕上限・早期規制:陸釣りの採捕量も合算カウント
近年は遠州灘・伊豆半島の地磯や堤防でもキハダ・マグロ類のヒット報告が増え、陸っぱりの大物狙いが盛り上がっています。「船を持っていない」「届出は船宿任せ」という思い込みは禁物。個人で陸から狙う場合は自身で届出を済ませる必要があります。
偶発ヒットでも規制対象:青物・回遊魚狙いで偶然クロマグロが掛かるケースが増加中。30kg未満なら即リリース、30kg以上を意図せず掛けた場合でも未届出だと持ち帰り不可。クロマグロ回遊海域で釣行するなら、「念のための届出」を済ませておくのが最も安全です。
【浜名湖・遠州灘・伊豆エリア】の影響と地域別注意点
静岡県沿岸――遠州灘・浜名湖・伊豆半島は、太平洋クロマグロの回遊ルート上に位置し、6月以降のシーズンに向けて遊漁需要が高まるエリアです。
遠州灘・御前崎沖の遊漁船利用者
御前崎・福田・舞阪などから出船する遊漁船でキハダ・カツオを狙う際、クロマグロが掛かる可能性は十分。船宿が遊漁船業者として届出済みでも、乗船する遊漁者個人の届出は別途必要。出船前に自身の届出完了を必ず確認しましょう。
伊豆半島の地磯・堤防アングラー
石廊崎・神子元島周辺・東伊豆の磯場では近年大型回遊魚の接岸が報告されています。ヒラスズキ・カンパチ狙いの最中にマグロ類がヒットする可能性を考慮し、陸釣り派もシーズン前にオンラインシステムから届出を済ませるのが賢明です。
浜名湖・湖口エリア
浜名湖内でクロマグロが釣れるケースは稀ですが、新居・舞阪の湖口部・今切口周辺ではフィッシュイーターの遡上があり、ごく稀に小型マグロ類の混獲報告も。30kg未満は全国一律で採捕禁止のため、浜名湖で掛かった際も即リリースが原則です。
地域別の出船時期目安:遠州灘・御前崎沖は6月中旬〜10月(カツオ・キハダ併狙い)/伊豆半島沖は6月〜11月(黒潮接岸期)/相模湾・初島は6月〜10月(キハダメイン)。いずれも6月解禁直後に採捕集中で早期規制リスクが特に高いです。
【FAQ】よくある質問と水産庁公式情報に基づく回答
Q1. 届出していない人が乗船した場合どうなる?
A. 届出は遊漁者個人にも義務付けられており、未届出での釣行は規制違反となります。船宿が乗船前に届出状況を確認するケースも増え、未届出だと乗船を断られる事例も発生中。出船前に必ずオンラインシステムから届出を完了させてください。
Q2. 30kg以上を釣ったらいつまでに何を報告する?
A. 陸揚げした日の翌日までに、水産庁の遊漁採捕量報告システムまたは電子メールで報告。報告項目は尾数・重量・尾叉長(写真添付)・陸揚げ日と場所・採捕海域・遊漁船の船名と船舶番号など。メジャーがない場合は靴やペットボトル等を比較対象として写真に映し込めば受理されます。
Q3. 採捕禁止期間中にキャッチ&リリースは可能?
A. 不可。月間上限到達による採捕禁止措置発動中は、キャッチ&リリースを含むすべてのクロマグロ釣り行為が禁止されます。発動状況は水産庁公式サイトで随時更新されるため、出船前に必ず確認してください。
Q4. プレジャーボートで「自分用」に釣る場合の届出区分は?
A. プレジャーボート運航者としての届出と、遊漁者本人としての届出の両方が必要です。船を所有する個人が自身で釣りに行く場合でも、両方の側面から届出が求められる点に注意してください。
Q5. 違反した場合の罰則は?
A. 委員会指示違反者にはまず裏付け命令(行政命令)が発出されます。命令に従わなかった場合、漁業法第191条により1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があり、「初犯だから」「軽微だから」という認識は通用しません。
まとめ:知らなかったでは済まない、釣行前の必須チェック
報知兵衛より、改めて令和8年6月以降のクロマグロ遊漁における必須チェック項目を整理いたします。
釣行前チェックリスト(必須)
- 水産庁オンラインシステムでの事前届出完了
- 直近の月別採捕状況を水産庁公式サイトで確認
- 採捕禁止措置の発動有無を確認
- 現在の期間のバッグリミット枠を消費していないか
- 30kg未満が釣れた場合の即時リリース手順を準備
- 30kg以上を釣った場合の翌日報告に必要な情報を準備
クロマグロは日本の海が誇る貴重な水産資源で、現在は国際的資源管理のもと回復途上。新ルールを「面倒な規制」ではなく「次世代の釣りを守る共通ルール」として受け入れ、釣り場・船上で正しく実践していきましょう。
本記事は水産庁公式サイト(jfa.maff.go.jp)の令和8年4月施行ルールに基づきます。規制は改正される可能性があるため、釣行前は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。報知兵衛は今後も最新ニュースをお届けしてまいります。
主な情報源(水産庁公式):クロマグロ遊漁の部屋/届出制の導入/太平洋クロマグロの漁獲状況/採捕規制Q&A



