御前崎港とは——遠州灘最南端の「釣り師の聖地」
静岡県御前崎市(旧浜岡町・御前崎町)に位置する御前崎港は、遠州灘の最南端・御前崎岬の付け根に発達した漁港だ。太平洋に向かって張り出した地形のため、沖合いの潮流が直接当たり、マダイ・カンパチ・ブリ・ヒラメ・キジハタなど多種多様なターゲットが揃う。浜松から車で約70分、東名・新東名の菊川ICや相良牧之原ICからアクセスできる。
御前崎は灯台(御前崎灯台)が有名だが、釣り師にとっては「黒潮の恵みと遠州灘の潮流が生む多彩な釣りの宝庫」として知られる。乗り合い船・堤防・地磯・テトラと複数のスタイルで釣りが楽しめるのが最大の特徴で、初心者からベテランまで対応できる懐の深いフィールドだ。
御前崎港のポイントマップと特徴
1. 御前崎港西堤防(外向きテトラ)
御前崎港内から最も人気が高い西側の長堤防。外向きは大型テトラが入っており、ロックフィッシュゲーム(カサゴ・キジハタ・オニカサゴ)の絶好のポイントになっている。テトラの際をソフトルアーやワームで探ると、底層に潜む根魚が食い気を見せる。
- 主なターゲット:カサゴ、キジハタ、オニカサゴ、メバル、クロダイ
- 釣り方:穴釣り、ロックフィッシュゲーム、フカセ釣り、投げ釣り(カレイ・キス)
- ベストシーズン:通年(根魚は真冬でも釣れる)
- 特記事項:テトラ上は滑りやすい。スパイクシューズ必須。潮位が高い時は足場が悪くなるため注意。
2. 御前崎港東堤防(灯台側)
御前崎灯台に向かう灯台ロードに隣接した東側堤防。遠州灘に面した外向きからカゴ釣り・投げ釣りが楽しめる。春〜秋のマダイ・アジ・イサキがカゴ釣りで狙える一級ポイント。潮流が速く仕掛けが流されやすいため、ウキ止めの設定と重めのカゴ(50〜60号)が必要。
- 主なターゲット:マダイ(春〜秋)、アジ(通年)、イサキ(夏)、カレイ・キス(冬〜春)
- 釣り方:カゴ釣り、投げ釣り、サビキ釣り
- ベストシーズン:4〜11月
- 特記事項:駐車場から堤防まで徒歩10〜15分の移動が必要。荷物の少ないスタイルが◎
3. 御前崎灯台下磯(ゴロタ・地磯)
御前崎灯台(御前崎灯台公園)の周辺から続く地磯。岩場のゴロタ浜・岩礁帯が連続しており、メジナ(グレ)・イシダイ・カサゴ・アオリイカが狙える磯釣り本来の雰囲気が楽しめる場所だ。干潮時は岩礁が露出して立ち込みでき、エギングやルアーシーバスにも人気がある。
- 主なターゲット:メジナ(グレ)、イシダイ、アオリイカ(秋)、カサゴ、シーバス
- 釣り方:フカセ釣り(メジナ・クロダイ)、エギング、ルアー(ロックフィッシュ・シーバス)、胴付き仕掛け
- ベストシーズン:春(メジナ乗っ込み)・秋(アオリイカ解禁〜11月)
- 特記事項:遊歩道から降りる際は落石・スリップに注意。磯靴(スパイク底)必須。波が高い日は立入危険。
4. 御前崎港内の釣り公園エリア
御前崎港内のファミリー向け釣り護岸。転落防止柵があり子ども連れ・初心者にも安全に使える。サビキ釣りでアジ・イワシ・サバが釣れ、夏場の家族釣行に最適。水深は浅め(3〜5m)のため、タナはやや深め(3〜4m)から探るとよい。
- 主なターゲット:アジ、イワシ、サバ、カマス(秋)、ハゼ(春〜秋)
- 釣り方:サビキ釣り、ちょい投げ
- ベストシーズン:5〜10月(夏が最盛期)
- 特記事項:トイレ・駐車場完備で最も快適なエリア。混雑時は場所取りが必要。
5. 沖の乗り合い船(オフショア)
御前崎港から出船する乗り合い船は遠州灘の本格フィッシングへの最短ルートだ。水深30〜80mの沖の根や岩礁帯に通年出船しており、ジギング・タイラバ・カゴ釣り・根魚五目などのコースが揃う。
主要な乗り合い出船コース
- ジギング・タイラバコース:マダイ・青物(ブリ・カンパチ・ヒラマサ)・キジハタ・ヒラメを狙う。水深30〜60m。スロージギング・インチクも可。
- 根魚五目コース:カサゴ・オニカサゴ・キジハタ・アコウ・マゴチをエサ釣り(胴付き仕掛け)で狙う。ファミリー・初心者向けのコースも設定あり。
- カゴ釣りコース:マダイ・イサキ・大型アジをカゴ釣りで狙う専門船。5〜11月が中心シーズン。
- タチウオテンヤコース:秋(9〜12月)限定で御前崎沖のタチウオを専用テンヤで狙う人気コース。
御前崎港の主な船宿情報(2026年)
御前崎港・相良港から出船する複数の遊漁船が釣りのサポートをしている。予約や料金は各船宿に直接確認を(シーズン・コースで異なる)。一般的な目安は一人あたり乗船料8,000〜12,000円(エサ・氷代別)。土日祝は早期予約が必須。
御前崎のシーズン別おすすめ狙い
春(3〜5月)——乗っ込みマダイが最高潮
遠州灘の春は「乗っ込みマダイ」の季節。産卵のために接岸したマダイが御前崎沖の根周りに集結し、タイラバ・カゴ釣り・一つテンヤが激熱シーズンを迎える。3月末〜5月中旬が特にチャンスで、大型(70〜80cm超)の「鯛ノボリ(タイノボリ)」が出ることも。ロックフィッシュゲームのキジハタもこの時期からルアーへの反応が上がり始める。
夏(6〜8月)——青物爆走シーズン
黒潮の支流が接近する夏場は回遊魚の季節。カンパチ・ブリ幼魚(ハマチ・イナダ)・シオが沖の根周りに集まり、ジギング・キャスティングで連続ヒットが続くこともある。地磯・堤防からのショアジギングでもカンパチの幼魚・ソウダガツオが釣れる季節で、朝マズメは必見。
秋(9〜11月)——タチウオとカンパチのダブル狙い
秋は「タチウオシーズン」。御前崎沖のタチウオは胴から指5〜7本の良型が多く、テンヤ釣りの専用船が連日出船する。同時期にカンパチ・ブリの成魚が御前崎周辺に回遊するため、ジギング船でもダブルターゲットを狙える。堤防フカセのメジナも秋磯シーズン最盛期。
冬(12〜2月)——根魚と遠投カレイ
水温が下がる冬は根魚(カサゴ・キジハタ・オニカサゴ)が深場に集中するシーズン。船釣り・穴釣りでの根魚五目は冬の御前崎名物のひとつ。投げ釣りでカレイ(イシガレイ・マコガレイ)も遠州灘サーフで狙えるほか、御前崎の磯からはヒラメの遠投サーフゲームが楽しめる。
アクセスと駐車場
車でのアクセス
- 浜松市から:国道150号線を西へ→相良→御前崎(約70分)
- 東名高速から:菊川IC降り→国道473号→国道150号→御前崎(約40分)
- 新東名から:相良牧之原IC降り→国道150号→御前崎(約35分)
駐車場情報
- 御前崎港漁港駐車場:無料・100台以上収容。港内に複数の駐車エリアがある。釣り客用として開放されているが、漁業関係車両の邪魔になる場所への駐車は厳禁。
- 御前崎灯台公園駐車場:無料・約50台。灯台下の地磯や灯台ロードへのアクセスに使う。週末は混雑するため早朝到着推奨。
- マリンパーク御前崎駐車場:港近くの有料駐車場(1日最大500円程度)。設備が整っており夏場のファミリー釣行に便利。
周辺施設・補給ポイント
- 釣り具店:御前崎市内・相良にエサ・釣り具を扱う店舗あり。活きアジ・オキアミは早朝から扱う船宿に依頼するか前日までに注文。
- コンビニ:御前崎市内にファミリーマート・セブンイレブンあり(夜間も営業)。ただし深夜帯は港近くには少ないため出発前に補給を。
- トイレ:港内・灯台公園に整備されている(一部は夜間閉鎖)。釣り場によっては近くにないため、事前確認を。
釣り場のルールとマナー
御前崎港は漁港であり、漁業関係者が日常的に使用する施設だ。以下のルールとマナーを守って釣りを楽しみたい。
- 立入禁止区域への進入禁止:港内には釣り禁止・立入禁止エリアが設定されている。看板・フェンスを必ず確認し、指示に従う。
- 車の駐車ルール:係留場所・搬出路への駐車は厳禁。漁業者の作業を妨害する行為は漁港全体の釣り禁止措置につながる。
- ゴミは必ず持ち帰る:ゴミ箱が設置されている場合でも、釣り座周辺のゴミは自分で持ち帰る意識を持つ。釣り場の環境保全が釣り場の存続に直結する。
- 夜釣りは特に静かに:漁師や周辺住民への騒音配慮が必要。深夜のエンジン音・大声は近隣迷惑。
まとめ:御前崎は遠州灘釣りのすべてが詰まったフィールド
御前崎港は堤防・磯・乗り合い船とすべてのスタイルが楽しめ、狙える魚種も春のマダイから夏の青物・秋のタチウオ・冬の根魚まで通年充実している。遠州灘の釣りをもっと深く楽しみたいなら、一度御前崎に足を運んでみることを強くおすすめする。浜松から70分のドライブが、釣りの可能性を大きく広げてくれるはずだ。



