テトラポッドの隙間に仕掛けを落とすと、ゴツッという明確なアタリとともに竿先を引き込む力強い手応え。その正体は、赤褐色の鮮やかな体にトゲだらけの風貌を持つ根魚の王様・カサゴです。関西では「ガシラ」、九州では「アラカブ」と呼ばれるこの魚は、全国の沿岸で釣ることができる最も身近な根魚のひとつです。
浜名湖・遠州灘エリアでは、テトラ帯・護岸の隙間・岩礁域に普遍的に生息しており、初心者からベテランまであらゆる釣り人に愛される人気ターゲットです。穴釣りという独特の釣法は仕掛けもシンプルで、短い竿と簡単な仕掛けがあれば誰でもすぐに始められます。しかもカサゴは食味も抜群で、味噌汁・唐揚げ・煮付けなど和食の名脇役として古くから日本の食卓に親しまれてきました。
本記事では、カサゴの生態から釣り方、そして料理法まで、浜名湖・遠州灘のフィールド情報を交えながら完全解説します。カサゴという魚をより深く知ることで、釣りの面白さも食べる喜びも何倍にも広がるはずです。テトラの穴の中で静かに獲物を待ち構える、この魅力的な根魚の世界へご案内しましょう。
カサゴの基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 和名 | カサゴ(笠子) |
| 学名 | Sebastiscus marmoratus |
| 分類 | スズキ目 カサゴ亜目 メバル科 カサゴ属 |
| 別名 | ガシラ(関西)、アラカブ(九州)、ボッカ(東海地方) |
| 体長 | 一般的に15〜25cm、最大約30cm |
| 体重 | 100〜500g(大型は800g前後) |
| 体色 | 赤褐色〜暗褐色(生息環境で変化) |
| 分布 | 北海道南部〜九州の沿岸岩礁域 |
| 浜名湖での呼称 | カサゴ、ボッカ |
| 毒棘 | 背ビレ・臀ビレ・腹ビレに鋭い毒棘あり(要注意) |
| 旬の時期 | 11月〜3月(産卵前に脂が乗る) |
| 食味評価 | 白身で上品な味わい、煮付け・唐揚げが絶品 |
カサゴはメバル科に属する根魚で、日本の沿岸部に広く分布しています。名前の由来は諸説ありますが、頭部が大きく笠(かさ)のように見えることから「笠子(かさご)」と名付けられたとする説が有力です。東海地方では「ボッカ」の愛称でも親しまれており、浜松の釣り人の間でも「ボッカ釣りに行こう」という表現がよく使われます。
カサゴの体には毒棘(どくきょく)があり、取り扱いには注意が必要です。背ビレの棘条部、臀ビレ(しりびれ)、腹ビレの先端に鋭いトゲがあり、これらには弱い毒成分が含まれています。刺されると強い痛みと腫れが数時間〜数日続くことがあります。釣り上げた際は魚バサミ(フィッシュグリップ)でしっかりと掴み、素手で触る場合はトゲの位置を確認しながら慎重に扱いましょう。万が一刺された場合は、患部を40〜45℃のお湯に浸すと毒のタンパク質が変性して痛みが和らぎます。
遠州灘・浜名湖でのカサゴ
テトラポッド・護岸の隙間に棲む身近な根魚
浜名湖・遠州灘エリアにおいて、カサゴは最もポピュラーな根魚のひとつです。今切口の護岸、弁天島周辺のテトラ帯、舞阪漁港の堤防、新居海釣り公園の護岸沿い、遠州灘沿いの各サーフ周辺のテトラなど、コンクリート構造物がある場所ならどこでもカサゴが潜んでいます。浜名湖は汽水域のため、奥浜名湖の低塩分エリアにはカサゴは少なく、今切口に近い高塩分域ほど個体数が多い傾向があります。
カサゴは「住処に居着く」性質が非常に強い魚です。同じテトラの穴に何度行っても同じサイズのカサゴが釣れることは珍しくなく、一匹釣り上げると数日後には別の個体がその穴に入り込んでいるパターンがよく見られます。これは根魚特有の「縄張り行動」で、良い隠れ家は常に他の個体に狙われているのです。この性質を理解すると、釣り場の開拓が楽になります。過去に良型が釣れた穴は、時間をおいて再訪すればまた釣れる確率が高いのです。
遠州灘のサーフに点在するテトラ群は、見落とされがちですがカサゴの好ポイントです。サーフフィッシングでフラットフィッシュ(ヒラメ・マゴチ)を狙うアングラーが多いエリアですが、テトラの隙間にブラクリを落とせば高確率でカサゴがヒットします。特に冬場はサーフの魚が少なくなる時期ですが、テトラ周りのカサゴは通年安定して釣れるため、ボウズ逃れの保険としても非常に優秀なターゲットです。
カサゴの詳細生態
体の構造と保護色
カサゴの体は、生息環境に合わせた見事な保護色を持っています。テトラポッドや岩礁に棲む個体は暗褐色〜黒っぽい体色をしており、砂混じりの根回りに棲む個体は赤褐色〜オレンジがかった明るい色合いになります。同じカサゴでも生息場所によって体色がまったく異なるのは、周囲の環境に溶け込むための適応です。浜名湖のテトラ帯で釣れるカサゴは暗褐色が多く、遠州灘の岩礁域で釣れる個体はやや赤みが強い傾向があります。
頭部は体に対して非常に大きく、特に口が大きいのが特徴です。カサゴの口は上向きに開き、自分の体長の3分の1程度の獲物まで丸呑みにできるほどの大きさがあります。目も大きく発達しており、薄暗い環境でも獲物を正確に視認できます。これは岩陰やテトラの隙間という暗い環境で待ち伏せ型の捕食を行う生態に適応した形態です。鰓蓋(えらぶた)には鋭いトゲがあり、外敵から身を守る武器としても機能しています。
カサゴの体表は粗い鱗で覆われ、触るとザラザラとした質感があります。この粗い鱗は岩場での移動時に体を保護する役割を果たしています。胸ビレは大きく発達しており、海底を「歩く」ように移動する際に使われます。カサゴは遊泳力は高くありませんが、岩陰から獲物に向かって瞬間的に飛びかかる「ダッシュ力」は非常に強く、その瞬発力が釣り針への反応の速さにもつながっています。
食性:甲殻類・小魚を捕食する待ち伏せ型の肉食魚
カサゴは完全な肉食魚で、岩陰やテトラの隙間に身を潜め、目の前を通る獲物に瞬間的に飛びかかる「待ち伏せ型」の捕食スタイルを持っています。主な餌は小型の甲殻類(エビ・カニ・シャコ)と小魚(ハゼ・キビナゴ・シラスなど)で、特にエビ類は最も好むエサです。浜名湖に生息するスジエビやイソガニは、カサゴにとって最高のご馳走であり、釣りエサとしても非常に有効です。
カサゴの捕食行動は主に夜間に活発化します。日中は岩陰やテトラの奥深くに潜んでいることが多いですが、日没後になると穴の入口付近まで出てきて捕食態勢に入ります。これが穴釣りにおいて「夕まずめ〜夜間が最も釣れる」とされる理由です。ただし、曇天や潮が濁っている日は日中でも活性が上がり、昼間の穴釣りでも好釣果が期待できます。浜名湖の今切口付近では、潮の動くタイミング(特に下げ潮の効き始め)にカサゴの活性が一気に上がることが経験的に知られています。
カサゴの食性は季節によっても変化します。春から夏にかけてはエビ・カニなどの甲殻類が主食となり、秋から冬にかけては小魚の割合が増えます。これは各季節のエサ生物の発生量と連動しています。釣り人はこの食性の変化に合わせてエサやルアーを選択することで、効率的にカサゴを狙うことができます。冬場は小型のワーム(イソメ型・シャッドテール型)が有効で、夏場はオキアミや活きエビへの反応が良い傾向があります。
繁殖:卵胎生の珍しい魚
カサゴの繁殖様式は「卵胎生」と呼ばれる非常に珍しいものです。多くの魚は卵を水中に放出して受精させる「卵生」ですが、カサゴは体内で受精・孵化させ、稚魚の状態で産み出します。これはメバルと同じ繁殖様式で、メバル科に共通する特徴です。交尾は11月から12月にかけて行われ、メスは体内で受精卵を育て、翌年の2月から4月にかけて体長3〜4mmの稚魚を数千〜数万尾産出します。
卵胎生には大きなメリットがあります。卵生の魚は大量の卵を産んでも、その大部分が他の魚に食べられてしまいます。しかし卵胎生のカサゴは、稚魚がある程度成長した状態で産まれるため、生存率が卵生の魚よりも高いと考えられています。ただし、その分産出する子の数は卵生の魚より少なく、個体群の回復には時間がかかります。これがカサゴの資源管理において「小型個体のリリース」が重要とされる理由です。
浜名湖周辺では、12月から2月にかけて腹部が膨らんだメスのカサゴが釣れることがあります。これは体内で稚魚を育てている「抱卵個体」で、このメス1尾から数千尾の次世代が生まれる可能性があります。15cm以下の小型カサゴ、特に冬季の抱卵個体はリリースすることで、浜名湖のカサゴ資源の維持に貢献できます。釣りは楽しみですが、持続的に楽しむためには資源保護の意識も大切です。
成長速度:20cm以上は5年以上かかる
カサゴの成長速度は非常に遅い魚として知られています。生まれた稚魚は1年で約5〜8cm、2年で約10〜13cm、3年で約14〜17cmに成長します。20cmを超えるには5年以上、25cmに達するには7〜8年以上かかるとされています。つまり、穴釣りで「良型」とされる20cm超のカサゴは、少なくとも5年以上の歳月をかけて成長した個体なのです。
この遅い成長速度は、カサゴが乱獲に弱い魚であることを意味しています。大型個体を根こそぎ持ち帰ってしまうと、そのポイントのカサゴが回復するまでに何年もかかってしまいます。浜名湖の人気ポイントでは、週末になるとテトラ帯に多くの穴釣り師が集まりますが、15cm以下の小型はリリースし、持ち帰りは1人5〜10尾程度にとどめるのが望ましいでしょう。
カサゴの最大サイズは約30cmとされていますが、遠州灘エリアで30cmクラスが釣れることは極めて稀で、まさに「幻の大物」です。25cmを超えるカサゴは推定年齢7年以上の古株で、テトラの奥深くに陣取った警戒心の強い個体が多いです。こうした大型個体を狙うには、通常の穴釣りでは届かない深い穴やテトラの奥まった場所を攻略する技術と、大型が潜むポイントの情報が必要になります。
生息域:テトラ・岩礁・護岸の穴
カサゴの生息域は水深0.5mから30mまでと幅広いですが、沿岸部ではテトラポッド・岩礁・護岸のコンクリート構造物の隙間が主な住処です。カサゴにとって重要なのは「身を隠せる穴や隙間があること」で、平坦な砂地にはほとんど生息していません。浜名湖では今切口の護岸ブロック、弁天島周辺のテトラ、舞阪漁港の堤防基部、新居海釣り公園の護岸石組みなどが代表的なカサゴの棲み家です。
水深による分布も特徴的です。夏場は水温上昇を嫌って水深の深い場所(5〜15m)に移動する傾向があり、冬場は比較的浅い場所(1〜5m)に上がってきます。このため、堤防やテトラからの穴釣りは水温が低い冬から春にかけてが最もチャンスが多く、夏場は沖のボートロックフィッシュや深場の胴付き仕掛けが有利になります。浜名湖の水温が15℃を下回る12月頃から、テトラ帯のカサゴの活性が上がり始めます。
カサゴは人工的な構造物にも積極的に住み着く魚です。漁礁(人工魚礁)やコンクリートブロック、沈んだ船体など、隙間のある構造物があれば、投入後比較的短期間でカサゴが住み着くことが知られています。遠州灘沖に設置された漁礁では、良型のカサゴが群れで生息しており、船釣りで高い釣果が期待できます。岸からの釣りでは、テトラの新しい増設エリアは穴場になることが多く、他の釣り人がまだ開拓していないフレッシュなポイントとして高釣果が望めます。
釣り方別解説
穴釣り:テトラポッドの隙間を攻める最もポピュラーな釣り方
穴釣りはカサゴ釣りの中で最も人気があり、最もシンプルな釣法です。テトラポッドの隙間に仕掛けを落とし込み、穴の中に潜むカサゴを直接狙います。タックルは1〜1.5m程度の短い竿(穴釣り専用ロッドまたは万能竿)にスピニングリールまたはベイトリール、ラインはナイロン3〜4号またはフロロカーボン2〜3号を巻きます。穴釣りは足場の悪いテトラの上を移動するため、長い竿は逆に取り回しが悪く危険です。短い竿でテトラの穴に正確に仕掛けを入れる機動力が求められます。
穴釣りの基本的な攻め方は、テトラの隙間を見つけたら仕掛けをゆっくりと落とし込み、底に着いたら少し持ち上げて待つ、というシンプルな動作の繰り返しです。カサゴがいればアタリは明確で、ゴツッまたはゴンゴンという力強い反応が竿先に伝わります。アタリがあったら即座にアワセを入れ、根(穴の奥)に潜られる前に一気に引き上げます。カサゴは掛かった瞬間に穴の奥に突っ込む習性があるため、アワセが遅れると根掛かりして仕掛けを失うことになります。
穴釣りのコツは「数多くの穴を手早く探る」ことです。カサゴがいる穴では落とした瞬間にアタリがあることが多く、10秒以上反応がなければ次の穴に移動するのが効率的です。ひとつのテトラ帯で20〜30か所の穴を探れば、5〜10尾のカサゴに出会える確率は高いでしょう。穴のサイズは拳が入る程度の小さな隙間がベストで、大きすぎる穴にはカサゴが潜んでいないことが多いです。浜名湖の弁天島テトラは穴釣りの好ポイントとして知られ、冬場の週末には多くのアングラーで賑わいます。
ブラクリ仕掛け:オモリ+フック一体型の必須アイテム
ブラクリは穴釣りの定番仕掛けで、赤い三角錐型のオモリにフックが直接結ばれた一体型の仕掛けです。オモリとフックの距離が短いため、テトラの狭い隙間でも根掛かりしにくく、カサゴの口にフックが入りやすい設計になっています。号数は3〜5号が浜名湖のテトラ帯では使いやすく、流れが強い今切口周辺では5〜8号を使用します。
ブラクリにつけるエサはオキアミ、イソメ(アオイソメ・ジャリメ)、サバの切り身、イカの切り身などが定番です。中でもオキアミは入手しやすく集魚効果も高いため、初心者に最もおすすめです。サバの切り身は持ちが良く(1切れで複数尾狙える)、エサ持ちを重視する場合に有効です。イソメ類は動きでアピールできるため活性の低い日にも効果的で、浜名湖の釣具店で容易に入手できます。
ブラクリの使い方にはちょっとしたテクニックがあります。穴に落とし込んだ後、底に着いたら5cm程度持ち上げてステイ。数秒待ってアタリがなければ、軽くシャクって(しゃくり上げて)再び落とす「リフト&フォール」を繰り返します。この上下動がカサゴの捕食スイッチを入れるトリガーになります。また、エサを付けたフックが穴の壁面に沿って落ちていくように、ラインの出し方を調整するのもテクニックのひとつです。
ワーム釣り:ジグヘッド+ワームで根魚のルアーフィッシング
近年人気が高まっているのが、ジグヘッドにワーム(ソフトルアー)を装着してカサゴを狙うスタイルです。「ロックフィッシュゲーム」とも呼ばれ、穴釣りよりもアクティブにカサゴを探る釣りです。タックルはメバリング用のライトロッド(6〜7フィート)にスピニングリール2000番、PEライン0.4〜0.6号にフロロリーダー1.5〜2号を結びます。ジグヘッドは2〜5gが基本で、ワームは2〜3インチのクロー系(エビ・カニを模したもの)またはシャッドテール系が定番です。
ワーム釣りの基本アクションは「ボトムバンプ」です。ジグヘッドをキャストして底に沈め、ロッドを軽くシャクってワームをホップさせ、再び底に沈める動作を繰り返しながら手前に引いてきます。カサゴは底にへばりついている魚なので、ルアーが底から離れすぎると反応しません。常にボトム付近をキープしながら、根の際をタイトに攻めるのがコツです。
ワーム釣りのメリットは、エサを使わないため手が汚れず、手返しが良いことです。また、ワームのカラーやサイズ、アクションを変えることで、その日のカサゴの嗜好に合わせた釣りができます。浜名湖では、クリアな水質の日はナチュラルカラー(茶系・グリーンパンプキン)、濁りのある日はチャートリュース(蛍光黄緑)やオレンジが有効とされています。ワームの匂い付きタイプ(ガルプやエコギアアクア)は集魚効果が高く、カサゴへの効果は抜群です。
胴付き仕掛け:船釣り・堤防からの落とし込み
胴付き仕掛けはオモリを最下部に配置し、その上に枝ハリスで1〜3本のフックを出した仕掛けです。穴釣りのブラクリと異なり、やや広範囲を探ることができ、堤防の際や船からの落とし込みに適しています。オモリは5〜15号、ハリスはフロロカーボン2〜3号、フックはカサゴ針(丸セイゴ)10〜13号が標準的な仕様です。
堤防からの胴付き釣りでは、堤防の際(壁面に沿って)に仕掛けを落とし込みます。堤防のコンクリート壁面はイガイ(ムール貝)やフジツボが付着しており、その周辺にカサゴが潜んでいます。仕掛けを底まで落としたら、ゆっくりと上下させながら魚を誘います。複数のフックがあるため、1回の落とし込みで2〜3尾同時に掛かる「ダブル・トリプル」も珍しくありません。
船釣りでのカサゴ狙いは、遠州灘沖の岩礁帯や人工漁礁がポイントです。御前崎方面の遊漁船ではカサゴを含むロックフィッシュ五目釣りのプランを提供しており、水深20〜40mの根回りを胴付き仕掛けで攻めます。船から狙うカサゴは岸釣りよりサイズが良い傾向があり、25cm超の良型も期待できます。エサはサバの切り身、イカの短冊、オキアミなどで、底に着いたら30cm〜1m上げて待つのが基本です。
浜名湖・遠州灘のカサゴポイント
| ポイント名 | 釣り方 | 特徴 | 最適時期 | アクセス |
|---|---|---|---|---|
| 弁天島テトラ帯 | 穴釣り・ワーム | 広大なテトラ帯、数釣り可能 | 通年(冬が最盛期) | 弁天島駅から徒歩15分 |
| 舞阪漁港堤防 | 穴釣り・胴付き | 港内外の堤防際、良型実績あり | 11月〜4月 | 舞阪駅から車10分 |
| 今切口護岸 | 穴釣り・ワーム | 潮通し抜群、25cm超の実績 | 通年 | 浜名バイパス今切口IC付近 |
| 新居海釣り公園 | 胴付き・穴釣り | 護岸石組み、初心者向き | 10月〜3月 | 新居町駅から徒歩15分 |
| 遠州灘サーフテトラ | 穴釣り | 中田島〜天竜川河口のテトラ | 冬〜春 | 各ポイントにより異なる |
| 御前崎周辺磯 | ワーム・胴付き | 天然岩礁帯、大型期待 | 通年 | 御前崎灯台周辺 |
弁天島テトラ帯は浜名湖で最もポピュラーなカサゴポイントです。弁天島の鳥居周辺から南東に延びるテトラ帯は全長数百メートルにわたり、無数の穴釣りポイントが存在します。テトラのサイズは比較的大きく、穴も深いため20cm超のカサゴが潜んでいることも珍しくありません。ただし足場は不安定なので、スパイクシューズやフェルトブーツを着用し、ライフジャケットを必ず着けて安全に釣りを楽しんでください。
今切口の護岸は潮通しが抜群で、遠州灘からの栄養豊富な海水が流入するため、カサゴのエサとなる甲殻類や小魚が豊富です。ここのカサゴは全体的にサイズが良い傾向があり、25cmを超える良型も時折姿を見せます。ただし、潮の流れが非常に強い時間帯があるため、安全には十分注意してください。特に大潮の満潮前後は潮流が激しくなり、テトラへの波しぶきも大きくなります。
初心者やファミリーには新居海釣り公園がおすすめです。整備された護岸から安全に釣りができ、護岸の石組みの隙間にカサゴが住み着いています。足場が良いため、小さなお子さんと一緒でも安心して穴釣りを楽しめます。売店でエサや仕掛けも購入できるため、手ぶらで訪れてもカサゴ釣りにチャレンジできるのが魅力です。
季節別カサゴ釣り情報
冬〜春(12月〜4月):カサゴ釣りの最盛期
カサゴ釣りのベストシーズンは冬から春にかけてです。水温が15℃以下に下がると、カサゴは産卵に備えてエサを積極的に追うようになり、穴釣りやワーム釣りへの反応が格段に良くなります。特に12月から2月は脂が乗った最も美味しい時期でもあり、釣り人にとっては「釣って楽しい、食べて美味しい」最高のシーズンです。浜名湖の水温が10〜14℃の範囲にある時期が狙い目です。
冬場はカサゴが浅場に上がってくる時期でもあります。夏場は水深5m以上の深い場所に移動していた個体が、水温低下とともに水深1〜3mのテトラ帯に戻ってきます。このため、岸からの穴釣りやワーム釣りが最も効果を発揮する季節です。浜名湖の弁天島テトラでは、冬場の夕まずめに釣行すると、2〜3時間で10尾以上の釣果が期待できるほど活性が高まります。
夏〜秋(6月〜11月):深場への移動期
夏場は水温上昇に伴いカサゴが深場に移動するため、浅場のテトラ帯での釣果はやや落ちます。ただし、全く釣れないわけではなく、朝夕の涼しい時間帯や曇天・雨天の日は岸からでも十分に釣果が見込めます。夏のカサゴ狙いでは、水深のあるポイント(堤防の際や護岸の深い部分)を重点的に攻めるのが効果的です。
秋は水温の低下とともにカサゴの活性が徐々に戻ってくる回復期です。10月後半から11月にかけて、テトラ帯での釣果が増え始め、冬のハイシーズンへの序章となります。この時期は他のターゲット(青物・ヒラメなど)が盛り上がる季節でもあるため、カサゴ釣りのポイントが比較的空いていることが多く、のんびりと穴釣りを楽しめる穴場的な時期です。
カサゴ料理:釣った後の楽しみ
味噌汁(アラ汁)
カサゴの味噌汁は、釣り人の間で「最も簡単で最も美味しいカサゴ料理」として定評があります。内臓とエラを取り除いたカサゴを丸ごと鍋に入れ、水から火にかけます。アクを取りながら中火で10分ほど煮ると、カサゴの頭や骨から上品な出汁が滲み出し、市販のダシでは再現できない深い旨味のスープが完成します。味噌を溶き入れ、豆腐とネギを加えれば、最高のカサゴ味噌汁の出来上がりです。小型のカサゴ(15cm以下)の有効活用法としても最適です。
唐揚げ
カサゴの唐揚げは、丸ごと一匹をカラリと揚げた豪快な料理です。作り方はメバルの唐揚げと同様で、160℃で5〜6分の低温揚げの後、180℃で1〜2分の高温揚げの「二度揚げ」がポイントです。カサゴはメバルよりも骨が太いため、低温でしっかり時間をかけて揚げることが骨ごと食べるためのコツです。レモンと塩でいただけば、ビールが止まらない最高のおつまみになります。
煮付け
カサゴの煮付けはメバルと並ぶ根魚料理の王道です。甘辛い煮汁にしょうがとごぼうを加え、中火で10分ほど煮込めば完成です。カサゴの身はメバルよりもやや弾力があり、煮崩れしにくいため、煮付けには非常に向いている魚です。見た目のインパクトも大きく、丸ごと煮付けにしたカサゴを皿に盛り付ければ、それだけで立派な一品料理になります。
刺身
20cm以上の大型カサゴが釣れたら、ぜひ刺身で味わってください。カサゴの刺身は透き通った白身で、コリコリとした歯ごたえと上品な甘みが特徴です。1〜2日冷蔵庫で寝かせると旨味が増し、さらに美味しくなります。薄造りにしてポン酢ともみじおろしで、または厚切りにしてわさび醤油で。どちらのスタイルでも、カサゴの繊細な味わいを堪能できます。浜名湖の大型カサゴは、釣り人だからこそ味わえる最高の贅沢です。
まとめ:浜名湖の根魚の王様を楽しみ尽くす
カサゴは浜名湖・遠州灘エリアで最も身近で、最も奥が深い根魚です。テトラの隙間に潜む赤褐色の体、ゴツッと竿先を叩く力強いアタリ、食卓に並ぶ上品な白身の料理。カサゴは釣りのあらゆる場面で私たちを楽しませてくれます。穴釣りのシンプルさは初心者の入門魚として最適であり、大型を追い求める奥深さはベテランをも魅了してやみません。
しかし、カサゴは成長が非常に遅い魚です。20cmの良型は5年以上の歳月をかけて育った貴重な個体であり、卵胎生という繁殖様式は資源の回復速度が遅いことを意味しています。浜名湖のカサゴを未来にわたって楽しむために、15cm以下のリリース、抱卵個体のリリース、持ち帰り数の自主規制を心がけましょう。
弁天島のテトラ帯で穴釣りに興じ、今切口の護岸でワーム釣りに挑戦し、帰宅後は釣ったカサゴで味噌汁や唐揚げを作る。そんな1日を過ごせるのが、浜名湖エリアに住む釣り人の特権です。根魚の王様カサゴとの出会いを求めて、次の休日はぜひテトラ帯に足を運んでみてください。きっと、穴の中から飛び出す赤い魚体に心躍る瞬間が待っています。



