まず揃えるべき道具——包丁の選び方

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魚のおろし方完全ガイド——3枚おろし・5枚おろし・アジの開きを写真付きで解説

「魚をさばいてみたいけど、どこから手をつければいいかわからない」「3枚おろしに挑戦したけど身がボロボロになってしまった」——そんな悩みを抱えている方は多いはずです。魚のおろし方は、一度コツをつかめば誰でもきれいにできるようになる技術です。

本記事では、釣りたての魚を自分でさばいて食卓に並べる喜びを体験してもらうために、包丁の選び方から始まり、うろこ取り・内臓の処理・3枚おろし・5枚おろし・アジの開きまでを、初心者が再現できるよう丁寧なステップで解説します。

釣った魚を自分でさばける技術は、釣り人として一つの到達点。この記事を読み終えたら、ぜひ今週末に実践してみてください。

出刃包丁(最優先で買うべき1本)

魚をさばくには「出刃包丁」が最も重要な道具です。出刃包丁は、刃が厚く重いため、魚の骨を割ったり頭を落としたりする作業に向いています。一般家庭のペティナイフや文化包丁では、魚の骨を叩く際に刃が欠けたり、力が伝わらず作業がしにくい場合があります。

出刃包丁の選び方:

  • 刃渡りの目安:アジ・サバ・キス程度の中型魚なら15cm、ブリやタイなどの大型魚には18〜21cm
  • 素材:ステンレス系(錆びにくく手入れが楽・初心者向け)または鋼(ハガネ)製(切れ味が長持ちするがメンテナンスが必要)
  • 価格帯:初心者なら3,000〜8,000円のステンレス製が最適。安すぎる包丁は切れ味が悪く、逆に怪我のリスクが高まる

初心者向けおすすめの出刃包丁:貝印・ヴェルダン・グローバルあたりのステンレス製出刃が使いやすく、砥石なしでもしばらく使えます。

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刺身包丁(柳刃包丁)——刺身を引くための専用包丁

3枚おろしにした魚の身を薄く切る「刺身引き」には、刺身包丁(柳刃包丁)が必要です。刃が細く長い(21〜27cm)ため、一方向に引くことで繊維を断ち切り、美しいツヤのある刺身に仕上げられます。

最初はなくても構いません。まず出刃包丁1本で基本のおろし方をマスターし、次のステップとして刺身包丁を揃えましょう。

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その他の必須道具

道具用途価格目安優先度
うろこ取りうろこを効率よく取る専用器具500〜1,500円高(必須)
まな板(大型)魚を広げて作業する台。40cm以上推奨1,000〜3,000円高(必須)
骨抜き(毛抜き型)刺身の中骨を抜く500〜1,000円
バット(バット皿)おろした身を置く平皿500〜1,500円
キッチンペーパー魚の水分・血を拭き取る100〜300円高(必須)

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Contents
  1. 出刃包丁(最優先で買うべき1本)
    1. 刺身包丁(柳刃包丁)——刺身を引くための専用包丁
    2. その他の必須道具
  2. 下処理——全ての基本となる工程
    1. うろこ取りの正しい方法
    2. 内臓の取り出し方
    3. 魚の頭の落とし方
  3. 3枚おろし——最も基本のおろし方
    1. 3枚おろしとは
    2. 3枚おろしの詳細ステップ
    3. 3枚おろしでよくある失敗とその対策
  4. 5枚おろし——ヒラメ・カレイに使う特殊なおろし方
    1. 5枚おろしとは・なぜ5枚か
    2. 5枚おろしの手順
  5. アジの開き——干物用の特別な切り方
    1. アジの開きとは・背開きと腹開きの違い
    2. アジの背開き(干物用)の手順
  6. 包丁の手入れ——切れ味を保つための砥ぎ方
    1. 砥石の選び方と基本的な研ぎ方
  7. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. 魚をさばくのに必要な包丁は何本ですか?
    2. Q2. 出刃包丁と普通の包丁の違いは何ですか?
    3. Q3. うろこを取る際に良い方法はありますか?
    4. Q4. 3枚おろしで中骨にたくさん身が残ってしまいます。どうすればいいですか?
    5. Q5. アジの背骨や小骨は食べられますか?
    6. Q6. ヒラメと似ているカレイの見分け方は?
    7. Q7. まな板は何素材がおすすめですか?
    8. Q8. 魚をさばいた後のまな板の洗い方は?
    9. Q9. 包丁を研いだことがないのですが、砥石は必要ですか?
    10. Q10. 魚の生臭みを取るコツはありますか?
  8. まとめ——魚をさばく技術は、釣り人の勲章

下処理——全ての基本となる工程

うろこ取りの正しい方法

うろこは、おろし始める前に必ず取り除きます。取り残したうろこが身に入ると食感を損ない、臭みの原因にもなります。

うろこ取りの手順:

  1. シンクの中か大きなビニール袋の中で作業する(うろこが飛び散るため)
  2. 魚を左手でしっかり持ち、尾から頭方向へうろこ取りをこする
  3. 背びれ・腹びれの付け根、頭の際は特にうろこが残りやすいため念入りに
  4. 全体のうろこが取れたら、水でよく洗い流す

うろこが固い魚(タイ・チヌなど):熱湯を一瞬かけると(霜降り法)うろこが取りやすくなります。ただし身に火が入りすぎないよう注意。

うろこがない・少ない魚:アジ・カマス・タチウオはうろこが細かいか少ないため、うろこ取りよりも菜箸や包丁の背でこする程度で十分です。

内臓の取り出し方

内臓(ワタ)は腐敗の進行が最も速い部位です。釣った後はなるべく早く取り除くことが、鮮度維持の基本です。

内臓取りの手順(一般的な魚):

  1. 魚を横に置き、胸びれの付け根から肛門にかけて腹を浅く切り開く(刃先だけを使って2〜3cmの切り込みで十分)
  2. 切り口から指を入れ、内臓をひとかたまりにして引き出す
  3. 腹腔内の血合い(背骨に沿った暗赤色の部分)を指の爪または歯ブラシでこすり取る
  4. 流水で丁寧に洗い流し、キッチンペーパーで水気を拭き取る

注意点:胆嚢(苦い黄緑色の袋)を破らないよう慎重に。破れると身に苦みが移ります。万が一破れたら、すぐに大量の流水で洗い流してください。

魚の頭の落とし方

3枚おろしの前に頭を落とします。頭の落とし方は魚種によって異なりますが、基本は共通です。

  1. まな板の上に魚を横に置き、頭を左(右利きの場合)に向ける
  2. 胸びれを持ち上げ、胸びれの付け根に対して斜め45度に包丁を入れる
  3. 裏返して同じように切り込みを入れ、骨を「トン」と叩いて断ち切る
  4. 頭と内臓を一緒に取り除く

3枚おろし——最も基本のおろし方

3枚おろしとは

3枚おろしとは、魚を「上身(かみ)・下身(しも)・中骨(なかほね)」の3枚に分ける最も基本的なおろし方です。マアジ・サバ・キス・メバル・カサゴなど、ほぼすべての魚に応用できます。これをマスターすれば、日本の釣魚の9割以上に対応できます。

3枚おろしの詳細ステップ

【ステップ1】魚を横に置き、背骨を意識する

頭を落とし内臓を取り除いた魚をまな板に横置きにします。魚の中央を背骨(中骨)が通っていることを常に意識してください。包丁は常に「背骨に沿って」動かすイメージです。

【ステップ2】背側から包丁を入れる

魚の背を手前に向け、背びれに沿って包丁を入れます。最初の切り込みは「ガイド線」を引くイメージで、浅く(皮一枚程度)スーッと引きます。次に少し深く切り込み、徐々に背骨に向かって包丁を進めます。

【ステップ3】背骨に包丁を当てて滑らせる

背骨に包丁の刃が当たったら、その状態を保ちながら尾方向へ包丁を引きます。「背骨の上を包丁が走る」感触が正解です。力任せに押すのではなく、引くことで滑らかに切り進められます。

【ステップ4】腹側から包丁を入れる

今度は魚の腹を手前に向け、同様に腹骨(肋骨)に沿って包丁を入れます。腹骨は弧を描いているため、包丁もその形に合わせて少し曲げながら進めます。

【ステップ5】上身を骨から外す

背側・腹側から切り込みが入ったら、尾の付け根に包丁を入れ、上身(かみ身)を骨から切り離します。きれいに外れたら成功です。

【ステップ6】裏返して下身をおろす

魚を裏返し、同じ手順で下身(しも身)をおろします。裏側は骨が透けて見えるため、ステップ2〜5よりも作業しやすいはずです。

【ステップ7】腹骨と皮の処理

おろした身の腹骨部分を包丁ですき取ります(腹骨すき)。また皮を引く場合は、尾側から皮と身の間に包丁を差し込み、皮を引っ張りながら包丁を滑らせます。

3枚おろしでよくある失敗とその対策

失敗原因対策
身がボロボロになる包丁が切れない / 力任せに押している包丁を研ぐ / 引くように使う
中骨に身が多く残る背骨から包丁が離れている常に骨の上を包丁が走るよう意識する
皮が切れる速く動かしすぎゆっくり丁寧に引く
腹骨を切ってしまう腹骨の位置を把握していない腹骨は弧状に配置されていることを意識

5枚おろし——ヒラメ・カレイに使う特殊なおろし方

5枚おろしとは・なぜ5枚か

ヒラメやカレイのように扁平(平たい)な魚は、体の構造が他の魚と異なるため、3枚おろしではなく「5枚おろし」が必要です。5枚おろしでは、「上左身・上右身・下左身・下右身・中骨」の計5枚に分けます。

ヒラメ・カレイは背骨を中心に左右対称に身が張っているため、中骨を1枚の境界線として左右の身を別々に切り離します。この方法により、身を無駄なく取り出せます。

5枚おろしの手順

  1. ヒラメ(カレイ)の頭を落とし、内臓を取り除き、水で洗って水気を拭く
  2. 魚を平らに置き、中央の「頭から尾に向かう背骨の線」に沿って、包丁で浅く切り込みを入れる(ガイド線)
  3. ガイド線の右側(または左側)に沿って、背びれ側から包丁を骨方向へ切り進め、右上身を外す
  4. 次に腹びれ側から同様に切り進め、右上身を完全に骨から外す
  5. 同じ手順で左上身を外す(計2枚が上面から取れる)
  6. 魚を裏返し、同様に右下身・左下身を外す(計4枚が身として取れ、残りが中骨の1枚)

ポイント:ヒラメの場合は「有眼側(目がある側)が上」が基本です。カレイは逆に「有眼側を下」にしておろすことも多いですが、どちらでも構いません。重要なのは「中骨の位置を常に意識する」ことです。

アジの開き——干物用の特別な切り方

アジの開きとは・背開きと腹開きの違い

アジの開きは干物を作る際の下処理で、魚を背骨を残したまま平らに開く技法です。開き方には「背開き(せびらき)」と「腹開き(はらびらき)」があります。

  • 背開き:背から包丁を入れて開く方法。干物の定番。身がきれいに見える
  • 腹開き:腹から包丁を入れる方法。関西の干物に多い

アジの背開き(干物用)の手順

  1. アジのうろこと「ぜいご(尾の付け根の硬い部分)」を取り除く
  2. 背から包丁を入れ、頭から尾に向かって背骨に沿って切り進める(骨を切らないよう注意)
  3. 腹を切らずに残し(腹がつながったまま)、完全に平らに開く
  4. 内臓を取り除き、腹腔内の血合いを丁寧にこすり取る
  5. 水で洗い、塩水(3〜4%の食塩水)に20〜30分漬ける(干物の下味)
  6. 水気を切り、天日または干物ネットで3〜8時間干す

美味しい干物を作るコツ:

  • 新鮮なアジを使う(釣りたてが最高)
  • 塩水濃度は3〜4%が基本(塩辛すぎず、旨みが引き立つ)
  • 干す時間は風通し・日差しで調整。夏は3〜4時間、冬は5〜8時間が目安
  • 一夜干しは冷蔵庫内で干すことで衛生的かつ旨みが凝縮する

包丁の手入れ——切れ味を保つための砥ぎ方

砥石の選び方と基本的な研ぎ方

いくら高い包丁でも、切れ味が落ちると魚がうまくおろせません。定期的なメンテナンスが重要です。

砥石の番手用途使うタイミング
#200〜#400(荒砥)刃こぼれの修正刃が大きく欠けた時
#800〜#1200(中砥)日常的な研ぎ直し切れ味が落ちてきたと感じたら
#3000〜#6000(仕上砥)刃のキメを整える鏡面仕上げ・刺身包丁の仕上げ

基本の研ぎ方:砥石を水に10分程度浸し、包丁を砥石に対して15〜20度の角度で当て、前後に動かして研ぎます。「バリ(かえり)」が出たら片面の研ぎ完了の合図。反対側も同様に研いでバリを取り除けば完成です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 魚をさばくのに必要な包丁は何本ですか?

A. 最初は出刃包丁1本あれば、おろしから骨切りまでほぼすべての作業ができます。刺身引きをきれいにしたい場合は刺身包丁(柳刃包丁)を追加しましょう。計2本あれば家庭での魚料理は完全に対応できます。

Q2. 出刃包丁と普通の包丁の違いは何ですか?

A. 出刃包丁は刃が厚く重いことが特徴です。魚の骨を断ち切る「叩く」作業に耐えられる強度があります。普通の三徳包丁や文化包丁で魚の骨を叩くと刃が欠けることがあります。魚を本格的におろすなら出刃包丁は必須です。

Q3. うろこを取る際に良い方法はありますか?

A. 専用のうろこ取り器を使うのが最も効率的です。ない場合は包丁の背(刃の逆側)でこする方法もあります。うろこが飛び散るのが嫌な方は、ビニール袋の中で作業するか、シンクに水を張った中でうろこを取ると周囲が汚れません。

Q4. 3枚おろしで中骨にたくさん身が残ってしまいます。どうすればいいですか?

A. 包丁の刃が骨に当たる感触を意識しながら、骨の上を滑らせるイメージで切ると身が残りにくくなります。最初は必ず失敗します。中骨に残った身は「なかおち」として、たたき・なめろうなどに利用すれば無駄になりません。

Q5. アジの背骨や小骨は食べられますか?

A. 背骨は揚げれば食べられます(骨せんべい)。小骨(中骨)は骨抜きで取り除くか、そのまま刺身に使う場合は骨の向きに垂直に薄く切ることで口当たりを良くします。

Q6. ヒラメと似ているカレイの見分け方は?

A. 「左ヒラメ・右カレイ」という覚え方が基本です。有眼側(目のある側)を上にして尾を奥に向けた時、頭が左側にあるのがヒラメ、右側にあるのがカレイです。ただし例外もあるため、口の大きさ(ヒラメの方が大きい)でも判断できます。

Q7. まな板は何素材がおすすめですか?

A. 魚をさばくなら「プラスチック(ポリエチレン)製」または「桐・ヒノキの木製」がおすすめです。プラスチック製は衛生的で洗いやすく、漂白剤での殺菌も可能。木製は包丁の刃当たりが柔らかく切れ味を保ちやすいです。サイズは40cm×25cm以上を選びましょう。

Q8. 魚をさばいた後のまな板の洗い方は?

A. まず流水と食器用洗剤でよく洗い、次に薄めた塩素系漂白剤(キッチン用ハイターなど)に5〜10分つけ置きするか、スプレーして数分後に洗い流します。魚の血や臭いが染み込む前に、素早く洗うことが重要です。

Q9. 包丁を研いだことがないのですが、砥石は必要ですか?

A. 長期的には必要ですが、最初は「シャープナー(刃研ぎ器)」で代用できます。シャープナーはV字の溝に包丁を通すだけで簡単に刃が立ちます。本格的な切れ味を求めるなら、中砥石(#800〜#1200)1枚を用意して基本的な研ぎ方を覚えることをおすすめします。

Q10. 魚の生臭みを取るコツはありますか?

A. 魚の臭みの原因は「血・粘液・鮮度低下」です。下処理でこれらをしっかり取り除くことが大切です。具体的には、うろこを丁寧に取る、内臓を素早く取り出す、血合いをしっかりこすり落とす、流水で十分洗う、使う直前まで冷蔵庫で保存する、の5点を実践してください。

まとめ——魚をさばく技術は、釣り人の勲章

魚のおろし方は、最初は誰でも失敗します。でも3回・5回と繰り返すうちに、必ず手が覚えてきます。

  • 出刃包丁1本とうろこ取りがあれば、ほとんどの魚に対応できる
  • 3枚おろしは「背骨の上を包丁が走る」感触をつかむのがコツ
  • ヒラメ・カレイには5枚おろしを使う
  • アジの開きは干物の第一歩。塩水濃度3〜4%で風味抜群の一夜干しができる

今週末、釣ってきたアジを自分でさばいてみましょう。釣る楽しさに加えて「食べる楽しさ」が加わると、釣りはさらに豊かな趣味になります。最初の1枚は不格好でも大丈夫。その経験が、あなたを本物の釣り師へと成長させてくれます。

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