結論1:竿を出すなら港内の岸壁側です。室戸岬漁港(津呂港)は、高知県公式サイト「高知家の◯◯」が家族連れ・初心者向けの県内おすすめ釣り場4カ所の1つとして名前を挙げている港で、同コラムは「非常に魚影が濃い」と書いています。一方、同コラムが「渡船で渡れる」と書いている南側の離岸堤は、陸から切り離されていて自力で退避できないため本記事では推奨しません。室戸市教育委員会が「新津呂港」として別に挙げている新しい側の岸壁については、釣りの可否を示す公式の明記を確認できませんでした。現地の表示に従ってください。
結論2:駐車場とトイレは、高知県公式コラム(本文に「2025年8月4日時点の情報」と明記)に「漁港内には無料の駐車場とトイレがあり」と記載があります。ただしここは漁業のための施設です。室戸岬漁港は高知県が管理する第3種漁港で、県の漁港管理条例は「何人も、漁港の区域内においては(中略)漁港の機能を妨げる行為をしてはならない」と定めています。荷さばきや出漁準備の場所をふさがない位置に停め、竿を出してください。
結論3:2026年秋の主役は、アオリイカの新子・回遊してくる青物・水温低下とともに上向くグレ(メジナ)の3本柱です。高知県公式コラムは県内の釣期として「10月〜11月に狙いたいアオリイカ」を挙げ、同じ室戸市内の椎名防波堤でのエギングを例示しています。同コラムが室戸岬漁港で挙げる魚種は、アジ・イサキ・イワシ・カマス・カンパチ・クロダイ・サバ・シイラ・ヒラマサ・メジナ・アオリイカです。
この記事は2026年9月時点で公開されている、高知県・室戸市・室戸市教育委員会・一般社団法人室戸市観光協会・室戸ユネスコ世界ジオパークの公式ページを読んで書いています。数値や施設名は発行元のページで原文を確認したものだけを載せ、裏が取れなかったことは「確認できなかった」とそのまま書きました。立入禁止・釣り禁止・車両規制の判断は、現地の表示と、自治体・漁協・漁港管理者が出す最新の公式情報が最優先です。
室戸岬漁港(津呂港)はどんな釣り場か
答えを先に書くと、室戸岬漁港は高知県が直接管理している「第3種漁港」で、県内でも数少ない格の港です。同時に、県の観光サイトが家族向け釣り場として名前を出している、珍しい立ち位置の漁港でもあります。
県が管理する第3種漁港という事実
高知県の公式ページ「高知県の漁港と漁村一覧」(水産振興部漁港漁場課、2025年12月17日更新)に、県内88漁港の一覧表が載っています。この表で室戸市の欄を見ると、県管理の第3種漁港が「室戸岬」、県管理の第2種が「椎名」「三津」、県管理の第1種が「高岡(東高岡)」「行当」、市町村管理の第1種が「清水」「日沖」「菜生」「元」「新村」「傍士」「吉良川」「羽根」で、市内合計13漁港と整理されています。
この一覧で室戸市内の第3種漁港は室戸岬だけです。管理者が県であるということは、現地でのルールの根拠が「高知県漁港管理条例」になるということでもあります。ただしこの条例は第1条で「この条例は、(中略)県が管理する漁港(中略)の維持管理に関し必要な事項を定めるものとする」としており、釣りの可否そのものを直接定める規定ではありません。釣ってよい/いけないの判断は、あくまで現地の表示と管理者・漁協の案内によります。そのうえで同条例は第19条で、法律にもとづく漁港管理会として「室戸岬漁港管理会、宇佐漁港管理会、佐賀漁港管理会及び清水漁港管理会を置く」と定めており、室戸岬漁港は県内でわずか4つしかない漁港管理会の設置対象として条例に名指しで登場します。それだけ港としての比重が大きい、ということです。
野中兼山が掘った港という成り立ち
一般社団法人室戸市観光協会の公式ページ「室戸岬漁港(津呂港)」は、この港を土佐藩執政・野中兼山によって整備された掘り込み港と説明しています。港口をふさぐように3つの大きな岩が海中にあったため、堤で囲んで中の海水を抜き、大鉄槌やのみで砕いたと伝わる、という記述もあります。土佐から畿内方面への航路上で、風待ちの港として重要な位置づけにあった港です。
室戸市教育委員会の「室戸の漁港」ページ(『室戸市史』下巻からの引用)も、佐喜浜・津呂・室津の三港が陸地に掘り込んだ港として藩政初期に築かれたこと、その後大地震による港底の隆起や高波による護岸の損壊で何度も改修されてきたことを記しています。「地震で海底が持ち上がる港」という土地の性格は、後述する安全の章に直結します。
港のまわりの呼び名——「とろむ」
室戸ユネスコ世界ジオパークの公式ジオパークマップでは、この一帯が「とろむ」という名前のスポットとして紹介されています。同マップは「とろむサイト内のドルフィンセンター」という書き方をしており、海の駅とろむと室戸ドルフィンセンターがこのエリアにあることが公式に確認できます。
高知の海がなぜこれだけ魚種豊富なのかという背景は、高知の海の特徴——黒潮がもたらす豊かな漁場で黒潮の影響とあわせて整理しています。同記事は室戸についても、灯台下磯やタービン岩といった磯の側を扱っています。県西部の足摺岬・宿毛湾・清水港といった有名どころは高知県の海釣りスポット|足摺岬・宿毛湾・清水港の名ポイントにまとめてありますが、こちらには室戸の節がありません。港内の岸壁で竿を出す前提の情報——駐車場・県の管理区分・漁港管理条例——はどちらにも入っていないので、本記事はその空白を埋める位置づけです。
今、竿を出せる場所と出さない場所
先に答えを書きます。公式情報だけで「ここは釣り場として案内できる」と言えるのは港内の岸壁側だけです。それ以外は、危険が理由のもの(離岸堤)と、公式の明記が見つからなかったもの(新しい側の岸壁)に分かれます。
港内の岸壁——ただし漁業が最優先
高知県公式コラムは室戸岬漁港を「非常に魚影が濃い」と表現し、サビキ釣り・投げ釣り・フカセ釣り・エギングなど釣法を選ばずに楽しめる港として紹介しています。同コラムには冒頭に「各釣り場の立ち入り禁止区域などには注意してください」という注意書きも入っています。港が広いこととどこでも入っていいことは別物だ、という前提で動いてください。
高知県漁港管理条例には、釣り人が知っておくべき条文が2つあります。1つは第3条で、「何人も、漁港の区域内においては、みだりに漁港施設(基本施設を除く。)を損傷し、又は汚損する行為その他漁港の機能を妨げる行為をしてはならない」と定めています。ゴミやオキアミの汚れを残す、通路をふさぐ、といった行為はここに触れます。もう1つは第6条で、知事が甲種漁港施設(同条例第2条でいう「県が管理する漁港施設」)の一部を「陸揚げ及び出漁準備のための区域」として指定できると定めています。ただし、室戸岬漁港でこの区域が実際にどこに指定されているかは、今回調べた公開資料では確認できませんでした。荷さばき所の前や、漁船が横付けする岸壁は用途上その候補にあたるので、空いていても釣り座にはしない、が安全側の判断です。
南側の離岸堤——渡船で渡れると県公式にはあるが、本記事では推奨しない
高知県公式コラムには「渡船で南側の離岸堤へも渡れます」という一文があります。事実としてそう書かれているので伏せずに書きますが、本記事は初めて訪れる人に離岸堤をすすめません。離岸堤は陸から切り離された構造物で、渡船が来なければ自力で戻れません。うねりが上がった、天候が急変した、体調が悪くなったといった場面で、自分の判断だけで退避できないからです。渡ると決めるなら、渡船の運航者に当日の海況と回収時刻の判断基準を直接確認したうえでの自己責任になります。なお、特定の渡船業者名を公式ページで確認できなかったため、本記事では業者名を挙げません。
新しい側の岸壁(室戸市教育委員会が「新津呂港」として挙げている区画)
室戸市教育委員会の「室戸の漁港」ページは、市内の漁港として「旧津呂港」と「新津呂港」を別々に挙げています。つまり、この一帯には新旧2つの港区画があるということです。そのうえで、この新しい側の岸壁で釣りをしてよいかについて、高知県・室戸市・室戸市観光協会の公式ページで明記を確認できませんでした。「見つからない」は「禁止されていない」ではありません。本記事はこの区画を釣り場として案内せず、行くかどうかは現地の表示だけを根拠に判断してください、という扱いにします。
駐車場・トイレの現況(2026年9月時点で確認できた範囲)
結論として、無料の駐車場とトイレがある、と書いているのは高知県公式コラムです。台数・場所・利用時間まで書いた公式資料は見つかりませんでした。
公式に確認できた記載
高知県公式サイト「高知家の◯◯」(フッターの著作権表示は Kochi Prefecture)の釣り場コラムは、室戸岬漁港について「漁港内には無料の駐車場とトイレがあり」と記載し、車で10分ほどの室津地区でキンメ丼などが味わえることにも触れています。このコラムには「この情報は2025年8月4日時点の情報となります」という明記があるので、1年前の状態として読むのが正確です。台数・区画・満車時の扱いについては公式の記載がないため、本記事では推測しません。
目印になる施設(室戸市・室戸市観光協会の公式ページで確認できたもの)
目印として使える施設は、室戸市の公式ページで次のとおり確認できました。いずれも営業日時は変わり得るので、行く前に各施設の公式情報で確認してください。
- 室戸ドルフィンセンター(室戸市公式ページに「株式会社日本ドルフィンセンターが運営を行う施設」と記載。室戸市観光協会ページの記載では所在地は室戸市室戸岬町字鯨浜6810-162、営業時間は午前10時から午後5時、最終入場受付は午後4時30分、定休日は10月から翌年3月までの毎週水曜日。同ページは、水曜日が祭日・冬休み・春休み等の場合は営業予定とも付記しています)
- 海の駅とろむ内の飲食・体験施設「室玄(むろげん)」(室戸市公式ページの記載では所在地は室戸市室戸岬町字鯨浜6810-152、営業時間は11時から14時でラストオーダー13時30分、定休日は毎週水曜日、予約の受付なし。同ページは、定食の魚に「高岡漁港(室戸市南東部)」「室戸岬漁港(室戸市南西部)」で水揚げされたものをメインに使用していると書いています)
釣具店・コンビニ・給油所については、実在と営業状況を公式資料で確認できなかったため店名を挙げません。地図アプリで最新の営業状況を確認してから出発してください。室戸は市街地から離れた区間が長いので、エサ・氷・燃料は手前でそろえておくのが無難です。
アクセスにかかる時間は資料によって差がある
ここは正直に書きます。高知県の公式資料でも、所要時間の書き方が一致していません。
- 高知県公式コラム(釣り場情報):室戸岬漁港まで「高知市内(はりまや橋起点)から車で約1時間50分」
- 高知県林業振興・環境部自然共生課「室戸阿南海岸国定公園」ページ:「高知市内から室戸岬まで車で国道55号利用、約2時間30分」
起点と目的地が微妙に違うこと、渋滞や道路状況の前提が違うことが理由と考えられます。朝マズメに入るつもりなら、余裕を見て2時間半前後を見込んでおくのが現実的です。公共交通なら、室戸市観光協会のページに「高知東部交通バス停『西下町』下車、すぐ」と記載があります。
この秋に狙える魚と時期
結論から言うと、9月は青物とアジ・サバなどの回遊、10月から11月はアオリイカの新子とカマス、11月以降は水温低下とともにグレ(メジナ)という組み立てになります。以下の表は、高知県公式コラムが室戸岬漁港で挙げている魚種を軸に整理したものです。
| 魚種(県公式コラムの表記) | 9月 | 10月 | 11月 | 12月以降 | 主な釣り方 |
|---|---|---|---|---|---|
| アオリイカ | ○ | ★ | ★ | ○ | エギング |
| カマス | ○ | ★ | ★ | ○ | ルアー・サビキ |
| メジナ(グレ) | △ | ○ | ◎ | ◎ | ウキフカセ |
| アジ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | サビキ・アジング |
| イワシ | ◎ | ◎ | ○ | △ | サビキ |
| サバ | ◎ | ◎ | ○ | △ | サビキ・ルアー |
| カンパチ | ◎ | ◎ | ○ | △ | ショアジギング・のませ |
| ヒラマサ | ○ | ○ | ○ | ○ | ショアジギング |
| シイラ | ◎ | ○ | △ | × | ルアー |
| クロダイ(チヌ) | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ウキフカセ・落とし込み |
| イサキ | ○ | ○ | △ | △ | ウキフカセ・カゴ |
表の読み方:魚種の欄は、高知県公式コラムが室戸岬漁港について挙げている魚種(アジ・イサキ・イワシ・カマス・カンパチ・クロダイ・サバ・シイラ・ヒラマサ・メジナ・アオリイカ)をそのまま並べたものです。同コラムが室戸岬漁港について挙げている釣法はサビキ釣り・投げ釣り・フカセ釣り・エギングの4つで、表の「主な釣り方」欄と◎○△×はいずれも同コラムの記載ではなく、一般的な釣期・釣法の目安として本記事が付けたものです。★は、同コラムが県内の釣期として「10月〜11月に狙いたい」と明記している魚種と月です。特定の日の釣果を保証するものではない点にご注意ください。
アオリイカの新子——県公式が10月〜11月を名指ししている
高知県公式コラムは、狙いたい魚とシーズン別のおすすめの一覧で、10月から11月に狙いたい魚としてアオリイカを挙げ、その釣り場に室戸椎名防波堤でのエギングを例示しています。椎名漁港は前述の県の漁港一覧で「県管理の第2種漁港」として載っている、同じ室戸市内の港です。室戸岬漁港でもアオリイカは魚種一覧に入っているので、この時期に室戸へ行くならエギングタックルは外せないと判断できます。
秋の新子は成長途上で、掛かるサイズがばらつきます。高知県漁業調整規則第34条の「禁止期間等」の表にアオリイカは載っていません(つまり県の規則としての持ち帰りサイズの定めは確認できませんでした)。だからこそ、どこから持ち帰るかは釣り人側の判断になります。判断の物差しは【秋イカ】アオリイカ新子は何センチから持ち帰る?リリースサイズの目安に胴長ベースで整理しています。
グレ(メジナ)——秋から冬へ、本番は水温が下がってから
グレは高知県公式コラムの室戸岬漁港の魚種一覧に「メジナ(グレ)」として入っています。ただし同コラムはグレの釣期を月単位では書いていません。一般論として、ウキフカセのグレは水温が下がるにつれて口を使うようになる魚なので、9月はまだ餌取りが多く、本格化は晩秋から冬という組み立てになります。
ここで一つ注意があります。県公式コラムの表記は「メジナ(グレ)」だけで、クチブト(メジナ)なのかオナガ(クロメジナ)なのかまでは書かれていません。黒潮が当たる高知の外洋側では両方が視野に入りますが、これは公式に確認した情報ではないので断定しません。釣れた1尾がどちらかは、エラ蓋後縁の黒い縁取りや尾ビレの切れ込みで判別できます。手順はオナガとクチブトの見分け方|メジナとクロメジナを尾・歯・エラ縁で判別にまとめました。
青物とカマス——9月から10月がピーク帯
県公式コラムの魚種一覧にはカンパチ・ヒラマサ・シイラが入っています。堤防から狙える魚としてこの3種が並ぶのは、外洋に面した港ならではです。表層のベイトにボイルが出る朝夕は、メタルジグやポッパーで届く範囲を効率よく探すのが基本になります。
カマスについても、県公式コラムは10月から11月に狙いたい魚として挙げ、釣り場に香南市手結港でのルアー釣りという県内の別の港を例示しています。手結港は室戸市ではなく香南市ですが、同じ高知県東部の秋の釣り物としてカマスが位置づけられていることの裏づけにはなります。
釣り方の組み立て——「なんでも釣りやすい」を活かす
結論を先に書くと、1本目はサビキかエギング、2本目にショアジギングかフカセという2本立てが、この港のポテンシャルを一番引き出せます。高知県公式コラムが、サビキ釣り・投げ釣り・フカセ釣り・エギングなど「なんでも釣りやすい」港として紹介しているとおり、釣法を絞る必要がないからです。
家族連れ・初心者はサビキから
県公式コラムがこの港を子ども連れ向きの釣り場として紹介している根拠は、無料駐車場・トイレ・ドルフィンセンターの存在です。アジ・イワシ・サバがそろって魚種一覧に入っているので、足場が安定している場所を選んでのサビキが一番外れの少ない入り口になります。
釣り座は「その日の風向き」で決める
室戸岬は太平洋に突き出した岬で、風とうねりの当たり方が場所ごとに大きく変わります。同じ港内でも、風表と風裏では釣りの成立度がまったく違います。到着したらまず海面を見て、白波の立ち方と潮の向きを確認し、無理をしない側に入ってください。うねりが岸壁を洗っている区画には立ち入らない、が原則です。漁港の岸壁は区画によって足場の高さが変わることがあるので、ランディングの段取りを先に決めてから釣り座に入ることをおすすめします。係留ロープをまたがない、走り回らないというのは、条例第3条の「漁港の機能を妨げる行為」を避ける意味でも重要です。
高知県の遊漁ルール——竿は出せるが「採ってはいけないもの」がある
結論から言えば、釣り(竿釣り・手釣り)は問題ありませんが、貝や海藻、イセエビには明確な規制がかかります。しかも秋は、その禁止期間が始まる季節です。ここは室戸に限らず高知県の海面全体に効くルールなので、原文にあたって転記します。
遊漁者が使える漁具・漁法は6つだけ
高知県の公式ページ「遊漁者の漁具・漁法」(水産振興部漁業管理課)は、高知県漁業調整規則第44条により海面で遊漁者が行うことのできる漁具・漁法を次のとおり定めていると記載しています。
- 竿釣り及び手つり
- たも網及びさ手網(火光その他の照明を利用するものを除く)
- 投網
- は具(「くまで」など)
- 徒手採捕(手で獲ること)
- やす(火光その他の照明を利用するもの及び発射装置を有するものを除く)
つまり、ここに挙がっていない漁具・漁法は遊漁者には認められていないということです。堤防からの釣りはもちろん「竿釣り」に入るので問題ありません。一方、ライトを使った突き漁のような形はこの列挙から外れます。
秋に効く禁止期間——あわび・さざえ・とこぶし・あなごう・いせえび
高知県公式ページ「水産動植物の採捕について(禁止期間・体長制限)」に、高知県漁業調整規則第34条の表が掲載されています。秋の磯歩きで関係するのは次の行です(同表から「あゆ」の行のみ省いて転記しました)。
| 対象 | 禁止期間 | 禁止区域 |
|---|---|---|
| あわび(殻長9センチメートル以下) | 周年 | 海面 |
| あわび(殻長9センチメートルを超えるもの) | 9月1日から翌年3月31日まで | 海面 |
| さざえ | 9月1日から翌年3月31日まで | 海面 |
| とこぶし(殻長3センチメートル以下) | 周年 | 海面 |
| とこぶし(殻長3センチメートルを超えるもの) | 9月1日から翌年3月31日まで | 海面 |
| あなごう(殻長3センチメートル以下) | 周年 | 海面 |
| あなごう(殻長3センチメートルを超えるもの) | 9月1日から翌年3月31日まで | 海面 |
| いせえび(体長13センチメートル以下) | 周年 | 海面 |
| いせえび(体長13センチメートルを超えるもの) | 5月1日から9月15日まで | 海面 |
| ぶり(もじゃこ・全長15センチメートル以下) | 周年 | 海面 |
| うなぎ(全長21センチメートル以下) | 周年 | 海面 |
| あらめ | 10月1日から翌年6月30日まで | 海面 |
| てんぐさ類(まくさ・おばくさ・おにくさ) | 9月1日から翌年2月末日まで | 海面 |
| ふのり | 10月1日から翌年2月末日まで | 海面 |
同ページは、規則第34条第4項として「前項の規定に違反して採捕した水産動植物又はその製品は、所持し、又は販売してはならない」という条文も併せて掲載しています。9月に室戸の磯に立つなら、あわび・さざえ・とこぶし・あなごう・てんぐさ類はいずれも禁止期間の中だということです。イセエビも9月15日までは体長13センチメートル超であっても禁止期間に含まれます。あらめは10月1日から禁止期間に入ります。
漁業権と特定水産動植物——貝と海藻に手を出さない理由はもう一段ある
高知県の公式ページ「漁業権設定区域での採捕について」は、漁業権が設定されている区域で一般の方が漁業権の対象となっている定着性の水産動植物(貝類、藻類、イセエビ等)を採捕すると、漁業権侵害の罪で告訴されることがある(最高で罰金100万円)と明記しています。同ページは、あわび・とこぶし・さざえ・いせえびなどを目的とする共同漁業権が県沿岸の大部分で免許されているとも書いています。
さらに、高知県公式ページ「密漁罰則強化~特定水産動植物(アワビ・ナマコ)の採捕禁止について~」は、漁業法の改正でアワビ・ナマコ・シラスウナギが特定水産動植物に指定され、これらの採捕には3年以下の懲役又は3000万円以下の罰金が科されることを説明しています(漁業権や漁業の許可にもとづく場合を除く)。禁止期間・漁業権・特定水産動植物の3段構えでガードされていると理解して、貝と海藻には手を出さないのが正解です。
クロマグロとウミガメ
高知県公式ページ「太平洋くろまぐろの資源管理について」(2026年2月16日更新)は、遊漁者に対する規制として令和7年4月から小型魚(30キログラム未満)は周年採捕禁止、大型魚(30キログラム以上)について採捕できる尾数は1人2カ月1尾まで、陸揚げした日の翌日までに水産庁への報告が必要と記載しています。同ページは、大型魚については採捕上限(年間60トン)に達すると採捕が禁止される場合があるとも書いています。青物を狙っていて小型のクロマグロが掛かることは黒潮筋ではあり得る話なので、覚えておいてください。
また、高知県公式ページ「委員会指示」の一覧には、第101号「高知県海面におけるうみがめの採捕の制限」と第103号「高知県海面におけるにほんうなぎの採捕の制限」が掲載されています(同ページは2026年8月10日更新)。
まき餌(コマセ)について確認できたこと
隣県の愛媛では、愛媛海区漁業調整委員会の指示によって陸からのまき餌釣りが禁止される区域が設定されています(愛媛・宇和海(八幡浜・宇和島・愛南)釣りポイント完全ガイド2026|アジングの聖地と全国区グレ磯・まき餌規制と渡船情報までで区域と条件を扱っています)。一方、高知県公式ページに掲載されている高知海区漁業調整委員会の指示一覧(2026年8月10日更新)には、まき餌の使用を制限する指示は掲載されていませんでした。
ただし、これは「一覧に掲載がない」という事実にすぎず、「どこでも自由にまいてよい」という意味ではありません。漁港ごとの掲示や漁協の自主ルールが優先です。加えて、まいた餌で岸壁を汚したまま帰れば、前述の漁港管理条例第3条が禁じる「汚損する行為その他漁港の機能を妨げる行為」に近づきます。使い終わったら海水で流して帰る、が最低ラインです。
安全とマナー——隆起する海岸、国定公園、ジオパーク
ここは室戸ならではの章です。答えを先に書くと、室戸岬一帯は地震で隆起してきた海岸であり、同時に国定公園でありユネスコ世界ジオパークでもあるという3つの性格が重なっています。
揺れを感じたら、釣りをやめて高台へ
室戸ユネスコ世界ジオパークの公式ページは、室戸岬サイトの見どころとして「南海地震によって陸になった海岸」を挙げています。室戸市教育委員会の「室戸の漁港」も、津呂・室津の港が大地震による港底の隆起で改修を重ねてきたことを記しています。地震のたびに地面が持ち上がってきた土地だ、というのは記録として残っている事実です。揺れを感じたら釣りを中断し、荷物を置いてでも高台へ向かってください。初めて入る釣り座では、車に戻る動線と高い場所への動線を先に頭に入れておくことをおすすめします。
ライフジャケットと単独釣行
室戸岬漁港は太平洋に直接面した岬の港で、うねりが港口から入ってくる日があります。足場が良く見える岸壁でも、ライフジャケットは着用してください。単独で夜間に入る場合はなおさらで、行き先と帰宅予定時刻を家族に伝えてから出るのが基本です。なお、室戸市観光協会が教育旅行向けに実施している「港・波止場 海釣り体験」のプログラム説明にも、集合後に注意事項の説明を行う流れが明記されています。ガイド付きの体験ですら注意事項の共有から始まる、ということです。
石や岩を持ち帰らない
室戸ユネスコ世界ジオパークの公式サイトは、研究目的の岩石試料採取の手順を解説した記事のなかで、ジオパーク内はほとんどの海岸域が国定公園に指定されており、岩石を採取するには申請して許可をもらう必要があると説明しています(採取したい場所の市町村へ、最低でも2週間前までに申請書と添付資料を提出する手順が示されています)。高知県林業振興・環境部自然共生課のページも、この一帯が室戸阿南海岸国定公園にあたることと、岬一帯の暖温帯林・海浜植生の学術的価値が極めて高く、アコウやウバメガシなどが国の天然記念物に指定されていることを記しています。
釣り人が石を1つ拾って帰る、という行為は軽く見られがちですが、この土地ではその軽さが通用しません。景色と地層は見て帰る、が室戸のルールです。
室戸市内の他の港をどう組み合わせるか
結論として、室戸まで2時間半かけて行くなら、風向きで動ける「もう1カ所」を用意しておくのが賢い組み立てです。
高知県の漁港一覧によれば、室戸市内には13の漁港があります。県管理は室戸岬(第3種)・椎名(第2種)・三津(第2種)・高岡(東高岡)(第1種)・行当(第1種)で、残りの清水・日沖・菜生・元・新村・傍士・吉良川・羽根は市町村管理の第1種です。このうち椎名については、高知県公式コラムが「10月〜11月に狙いたいアオリイカ」の釣り場として室戸椎名防波堤を挙げています。
ただし、これらの港の駐車場・トイレ・立入可否について、本記事は公式資料を確認できていません。室戸岬漁港以外の港を釣り場として案内することは、この記事ではしません。移動先を検討する場合は、現地の掲示と各港の管理者情報を必ず自分で確認してください。
よくある質問
Q. 室戸岬漁港は釣り禁止ですか
A. 2026年9月時点で確認できた公式情報の範囲では、漁港全体を釣り禁止としている高知県・室戸市の公式ページは見つかりませんでした。むしろ高知県公式サイトが県内おすすめ釣り場の1つとして掲載しています。ただし港内には立入禁止区域や、陸揚げ・出漁準備のための区域が設定されている可能性があります。現地の表示が最優先です。
Q. 駐車場は有料ですか
A. 高知県公式コラム(2025年8月4日時点の情報と明記)は「漁港内には無料の駐車場」と記載しています。料金体系や台数について、それ以上詳しい公式資料は確認できませんでした。
Q. 夜釣りはできますか
A. 夜間の可否について明記した公式資料は確認できませんでした。作業船の出入りや漁業者の準備時間帯と重なる可能性があるため、現地の表示に従い、暗い時間に初めて入るのは避けてください。なお、高知県の遊漁ルールでは、照明を利用するたも網・さ手網・やすは遊漁者の漁具・漁法から除外されています。
Q. 秋のタックルはどう組みますか
A. 県公式コラムが挙げる釣法(サビキ・投げ・フカセ・エギング)と本記事の表を踏まえると、9月から11月ならエギングタックル1本とサビキ一式が最も外れにくい組み合わせです。青物を本気で狙うならショアジギングタックルを足します。グレは公式の月別記載がなく断定できませんが、水温低下とともに口を使う魚なので、本記事の目安表では11月以降を本命帯としています。
まとめ
室戸岬漁港(津呂港)は、高知県が管理する第3種漁港でありながら、県の公式サイトが家族向け釣り場として名前を出している珍しい港です。竿を出す場所は港内の岸壁側に絞り、荷さばきや出漁準備の区域はふさがない。渡船でしか行けない離岸堤と、公式の明記が確認できない新しい側の岸壁(新津呂港)には入らない。そして、あわび・さざえ・とこぶし・あなごう・てんぐさ類は9月から禁止期間に入り、イセエビも9月15日までは禁止期間です。貝と海藻には手を出さない。石は持ち帰らない。揺れたら高台へ。これが、隆起する岬の港で釣りをするための最低限の作法です。
本記事は2026年9月時点で公開されていた公式情報にもとづいています。立入禁止・釣り禁止・車両規制の判断は、現地の表示と、自治体・漁協・漁港管理者の最新の公式情報が最優先です。
出典・参考(2026年9月時点)
- 高知で釣りを楽しみたい!初心者・ファミリーでも楽しめるおススメの釣り場から釣れる季節と魚まで(高知県公式サイト「高知家の◯◯」)
- 室戸岬漁港(津呂港)(一般社団法人室戸市観光協会)
- 室戸市 港・波止場 海釣り体験(教育旅行用)(一般社団法人室戸市観光協会)
- 室戸ドルフィンセンター(一般社団法人室戸市観光協会)
- 室戸ドルフィンセンター(室戸市)
- 海の駅とろむ 飲食・体験施設「室玄(むろげん)」(室戸市)
- 室戸の漁港(室戸市教育委員会)
- 高知県の漁港と漁村一覧(高知県 水産振興部 漁港漁場課)
- 宇佐漁港プレジャーボート等保管施設の指定管理者を募集します(高知県 水産振興部 漁港漁場課/資料4として高知県漁港管理条例の全文を掲載)(指定管理者の募集ページに添付された資料です。募集が終わって掲載が消えている場合は、高知県の例規集で「高知県漁港管理条例(昭和38年5月31日条例第17号)」の条番号をご確認ください)
- 遊漁者のみなさまへ(海や川のルール)(高知県 水産振興部 漁業管理課)
- 水産動植物の採捕について(禁止期間・体長制限)(高知県 水産振興部 漁業管理課)
- 遊漁者の漁具・漁法(高知県 水産振興部 漁業管理課)
- 漁業権設定区域での採捕について(高知県 水産振興部 漁業管理課)
- 密漁罰則強化~特定水産動植物(アワビ・ナマコ)の採捕禁止について~(高知県 水産振興部 漁業管理課)
- 太平洋くろまぐろの資源管理について(高知県 水産振興部 漁業管理課)
- 委員会指示(海区漁業調整委員会・内水面漁場管理委員会)(高知県 水産振興部 漁業管理課)
- 室戸阿南海岸(高知県 林業振興・環境部 自然共生課)
- 室戸岬(室戸ユネスコ世界ジオパーク)
- 国定公園で岩石試料採取するには、、、(室戸ユネスコ世界ジオパーク)



