秋(9月・10月・11月)の海釣り完全攻略|秋の爆釣シーズンを制する
秋は日本の海釣りにとって「黄金のシーズン」だ。夏の高水温が落ち着き、魚たちが冬に向けて猛烈に食欲を増す秋(9〜11月)は、一年の中で最も釣果に恵まれる時期として釣り師の間では「秋の爆釣シーズン」と呼ばれている。青物は回遊の最盛期を迎え、アジ・サバの群れは港内に押し寄せ、カレイは砂浜に接岸し、磯ではグレが乗っ込みを始める。この記事では9月・10月・11月それぞれの特性を詳細に分析し、ターゲット別の攻略法から服装・タックルの変化まで、秋釣りを徹底攻略するための情報を凝縮した。
水温と魚の行動メカニズム
秋に釣れる理由を科学的に理解することで、より的確な釣り計画が立てられる。夏(7〜8月)に最高値に達した海面水温が9月以降に徐々に下降し始めると、冷たい深層水との混合が活発になり、海中に酸素と栄養塩が補給される。これがプランクトンの大量発生を引き起こし、小魚(ベイトフィッシュ)の爆発的な増加につながる。イワシ・カタクチイワシ・サンマ・サバなどのベイトが沿岸に大量接岸すると、それを追いかけてブリ・カツオ・ヒラマサなどの大型青物が岸寄りしてくるという食物連鎖が生まれる。
魚の食欲が増進するもう一つの理由は「越冬準備」だ。水温が下がる冬に備えて、秋のうちに体に脂肪を蓄えようとする本能が働くため、魚は季節を問わず年中で最も積極的にエサを追う行動をとる。この状態を釣り師は「荒食い(あらくい)」「荒喰い」と呼ぶ。荒食い状態の魚はルアーへの反応も良く、エサ釣りではアタリが頻繁で豪快なやり取りが楽しめる。秋の釣果記録が多いのはこの仕組みによるものだ。
秋の海の特徴(水温・潮流・地形変化)
秋の海の特徴を知ることで、最適なポイントと時間帯を選べるようになる。水温は9月中旬から急激に低下し始め、25度前後だった表層水温が11月末には18〜20度(関東以南)、15〜18度(東北)まで下がる。この水温低下のスピードが年によって異なるため、当年の水温変化を追跡することが釣果予測の基本だ。
秋は台風シーズンと重なるため、波・うねりの影響を受けやすい時期でもある。台風通過後24〜72時間後に釣りが絶好調になるケースが多く、「台風後の一発大物」という経験を持つ釣り師は多い。台風が海底を撹拌して栄養分を巻き上げ、魚の活性を高めるためだ。ただし台風直後は水が濁りすぎることがあり、ある程度濁りが落ち着いた頃が実際の釣れるタイミングだ。浜名湖・遠州灘では台風後72時間前後でショアジギングの釣果が急増するパターンが毎年見られる。
9月の釣りターゲットと戦略
カツオ・シイラの回遊と釣り方
9月は外洋性の回遊魚が最も活発に沿岸に接近する時期だ。カツオは夏(7〜8月)に北上した個体が9月に最も岸寄りし、外房・伊豆・遠州灘沖では10〜15kgクラスの本カツオが船ジギングで釣れるようになる。カツオのジギングは50〜60gのフォールをすばやく見せるジグで、水面直下10〜20mを一気にシャクり上げるリアクションバイトが有効だ。ナブラ(海面でカツオが小魚を追い込む光景)を見つけたらすかさずジグを投入し、群れに追わせる釣り方が最も効率的だ。
シイラ(マヒマヒ)は鮮やかな黄緑色の体色を持つ外洋魚で、9月に太平洋沿岸で特に多く見られる。流れ藻や漂流物に付く習性があり、沖合の漂流物付近にシイラの群れが形成される。ポッパー・ダイビングペンシルなどの表層系のルアーへの反応が非常に良く、1〜2kgの小型から5kg超の大型まで、豪快なバイトと空中での跳躍が楽しめる。シイラは身に独特の臭みがあるため、釣ったらすぐに適切な血抜き処理をすることが美味しく食べるための絶対条件だ。
9月のアジ・サバの爆釣パターン
9月は堤防でのサビキ釣りが最高潮を迎える時期だ。水温がまだ高い9月前半は20〜25cmクラスの中型アジ(中アジ)が港内に群れており、コマセカゴ付きのサビキ仕掛けで20〜30匹連続釣りが可能な「爆釣タイム」が発生する。アジは群れで行動するため、群れに当たれば短時間で大量の釣果が期待でき、群れが外れると全く釣れなくなる二極化した釣りだ。
遠州灘の弁天島・新居海岸周辺では9月になると中型サバ(25〜35cm)の群れが接岸し、サビキ仕掛け・メタルジグ・スキンジグなどへの反応が激しくなる。サバは引きが強く、口が切れやすいため急いで巻き上げずにドラグを使いながら丁寧に取り込むことが大型を逃がさないコツだ。釣れたサバは鮮度劣化が速いため、釣れた端から氷入りのクーラーボックスに入れること。刺身・〆サバ・竜田揚げにすれば最高の食卓が待っている。
10月の釣りターゲットと戦略
ブリ・ワラサの本格シーズン開幕
10月は「ブリのシーズン」として全国の釣り師が最も楽しみにしている月だ。秋口に北方から南下してきたブリの群れが太平洋沿岸・日本海沿岸を回遊し、餌となるイワシ・サンマを追って沿岸に接近する。遠州灘では10月中旬から本格的なワラサ(60〜80cm)・イナダ(40〜60cm)の接岸が始まり、御前崎沖・浜名湖口周辺でのショアジギングが最盛期を迎える。
ブリ狙いのショアジギングでは、朝マズメ(日の出前30分〜日の出後1時間)が黄金の時間帯だ。この時間帯に潮が動いていれば、ベイトを追ったブリが表層近くを回遊し、40〜60gのメタルジグへの反応が激しくなる。御前崎港の沖堤防・弁天島沖の防波堤先端が特に実績の高いポイントで、地元の常連釣り師との情報共有が釣果を大きく左右する。10月は連休(体育の日・スポーツの日周辺)に釣り師が集中するため、平日釣行が穴場を確保する戦略として有効だ。
秋のサンマ・マサバの大釣りチャンス
10月のサンマは水揚げが最盛期を迎え、釣りの対象としても特別な魚だ。北海道・三陸沖から南下するサンマの群れは太平洋沿岸を一路南へと移動し、関東・静岡沖を通過する10〜11月に船釣りで大量に釣れる機会が生まれる。サンマ釣り(宵越し釣り)は夜の漁船に乗り込み、集魚灯でサンマを引き寄せて釣る伝統的な釣り方で、多い日には数百匹単位の釣果を得ることも珍しくない。
サバ(マサバ・ゴマサバ)も10月の重要ターゲットだ。特に9月から継続して回遊するゴマサバは脂乗りが増してくる10月が旬で、35〜45cmクラスの大型が揃う。サバの回遊パターンは「朝夕の表層攻め」が基本で、日が上がると深めの棚に落ちることが多い。コマセを使ったビシアジ仕掛けや、ワームのジグヘッドリグでサバを狙う「サバングゲーム」も人気が高い。
11月の釣りターゲットと戦略
カレイ・アイナメの秋の接岸パターン
11月はカレイとアイナメが一年で最も釣りやすくなる月だ。水温の低下とともにカレイは浅場への接岸を強め、産卵(または越冬前の荒食い)のために砂底のポイントに密集する。愛知・静岡の遠州灘沿岸では11月から2月にかけてマコガレイ・ムシガレイ・イシガレイが浜辺(サーフ)からの投げ釣りで狙えるようになる。浜名湖西岸の今切口(新居弁天)周辺の砂浜は晩秋のカレイ釣りの名所として地元釣り師から重宝されており、日の出前後の早朝が最もカレイが浅場に活発に動く時間帯だ。
アイナメ(岩礁帯の根魚)は11月が乗っ込みのシーズンで、産卵のために浅場の岩礁帯に大型個体が集まる。40〜50cmクラスの大型アイナメが堤防の際や岩礁の隙間で狙えるのは、11月〜12月の数週間だけだ。穴釣り(岩の隙間にエサを落とし込む)・テキサスリグによるロックフィッシュゲームの両方で効果的にアプローチできる。エサはイソメ・カニ・小エビ、ルアーはパドルテールワームのテキサスリグが実績が高い。
磯のグレ(メジナ)の乗っ込みシーズン
グレ(メジナ)は磯釣りの王様として全国に熱狂的なファンを持つ魚で、11月の乗っ込みシーズンが最大の釣り期だ。伊豆半島・伊豆七島・遠州灘沿岸の磯では、産卵前の荒食い状態のグレが浅場の磯に集まり、ウキフカセ釣りで40〜50cmクラスの大型が狙えるようになる。グレのウキフカセ釣りはオキアミをコマセとして使い、ウキで深さを調整しながら群れの層に合わせてエサを流す繊細な釣りだ。
11月のグレ釣りは潮の流れが特に重要だ。潮が動いている時間帯(上げ潮・下げ潮の中潮〜大潮)は グレの活性が高く、コマセへの反応が良い。潮が止まる潮止まり(干潮・満潮の前後30分)はグレの活性が落ち、アタリが遠のく傾向がある。伊豆半島の沖磯(遠州灘側と伊豆東側)は渡船を使ったアクセスが必要で、前夜または早朝に渡船屋に予約が必要だ。磯はスパイクシューズ(磯釣り専用の滑り止め靴)が安全のための絶対条件だ。
| 月 | 主要ターゲット | 釣り方 | ベストタイム |
|---|---|---|---|
| 9月 | カツオ・シイラ・アジ・サバ | ジギング・サビキ・ルアー | 朝マズメ・夕マズメ |
| 10月 | ブリ・ワラサ・イナダ・サバ | ショアジギング・船ジギング | 朝マズメ・満潮前後 |
| 11月 | カレイ・アイナメ・グレ・ヒラメ | 投げ釣り・フカセ・ルアー | 早朝・夕方・潮流れる時間 |
秋のショアジギング攻略
青物の回遊パターンを読む技術
秋のショアジギングで釣果を上げるために最も重要なのは「青物の回遊パターンを読む」能力だ。青物は潮の流れ・ベイトの位置・水温変化の3要素に連動して行動パターンを変える。潮が動く時間帯(上げ3分・下げ3分と呼ばれる潮が最も速く流れるタイミング)に青物が活発に動き、堤防先端や潮目形成ポイントに回遊してくる確率が高まる。
地元の釣り師・釣具店・SNSから得られる「今日の情報」が非常に重要だ。昨日どのポイントで何時頃にワラサが釣れたかの情報は、翌日の同じ時間帯・潮回りに再現性が高い。「釣果情報SNS(Xやインスタグラムの地域タグ)」と「釣具店のホワイトボード」が最も信頼できるリアルタイム情報源だ。御前崎・浜名湖周辺の釣具店(上州屋・ポイント・釣具のまるきん等)は秋になると毎日釣果情報を更新するため、釣行前に必ず確認したい。
ショアジギングのポイント攻略(遠州灘エリア)
遠州灘でショアジギングのポイントを選ぶ際の優先順位は「潮通しの良さ」「ベイトの接岸情報」「水深」の3点だ。御前崎港の南外防波堤(沖堤防)は潮通しが抜群で、秋の青物シーズンに毎年安定した釣果を出している最重要ポイントだ。渡船が必要なため事前に渡船屋への予約が必須だが、その分釣り人のプレッシャーが低く、大型ワラサ・ブリが狙える。
陸続きのポイントでは弁天島の東側護岸・新居弁天海岸周辺が遠州灘のショアジギング定番ポイントだ。浜名湖の出口(今切口)に近いため潮流が速く、青物が好む流れが常に形成されている。早朝4時台から場所取りをする釣り師が9〜10月は絶えず、週末の朝マズメは非常に混雑する。平日の早朝に独り占めできれば、100m以上の遠投でブリ・ワラサの回遊ルートに直接ジグを届けることができる。
秋の磯釣り完全攻略
グレのフカセ釣り基本戦略
磯でのグレ釣りはウキフカセ釣りが主流で、繊細な技術と読みが求められる高度な釣りだ。基本的な仕掛けは道糸(ナイロン1.5〜2号)→ウキ(磯釣り専用のウキ)→ハリス(フロロカーボン1〜1.5号)→チヌ針またはグレ針という構成だ。コマセ(オキアミ)を先にまいてグレを寄せてから、エサ(1匹のオキアミ)を付けたハリを同じ流れに乗せてコマセと同調させることが釣果の鍵だ。
グレが釣れるレンジ(棚)は季節と水温によって変わる。秋(11月)は水温の高い日は2〜3mの浅いタナで食ってくることが多く、水温が下がるにつれてレンジが深くなる傾向がある。ウキを沈め気味に使う「沈め釣り」は風・波が強くウキが見えにくい状況や、深いタナのグレを狙う際に有効で、ベテラン磯師が好む技法だ。
秋の堤防釣り(アジ・サバの群れ攻略)
サビキ釣りで数を稼ぐコツ
秋の堤防サビキ釣りは最も手軽で確実に釣果を得られる釣り方だ。コマセ(アミエビ)をカゴに詰め、複数の擬似針(サビキ針)を仕掛けに付けてアジ・サバ・イワシを一度に複数匹釣る。9〜10月の中型アジ(20〜30cm)の最盛期には、コマセを撒いた瞬間に仕掛けが見えなくなるほど群れが来て、5〜6匹の連掛けも珍しくない。
サビキ釣りで最も大切なのは「コマセのタイミングと量」だ。コマセを出しすぎるとアジが満腹になって針に食ってこなくなる。少量のコマセで常に「もう少し欲しい」という状態を作り出すのが連続した釣果を出す秘訣だ。コマセカゴの中孔の大きさを調整し、仕掛けを軽く振ることで少量ずつコマセを拡散させる。棚(タナ)は海底付近〜中層まで変化させながらアジがいる層を探す。
アジングで大型アジを狙うパターン
秋の夜はアジングで30〜40cmの大型アジ(尺アジ)を狙う絶好の機会だ。昼間は深場に落ちている大型アジが夜の常夜灯下や暗部と明部の境界(明暗の境界)に浮き上がってくる。1.5〜2gのジグヘッド+2〜3インチのワームで、明暗の境界を丁寧に攻めると30cmを超える大型アジが連続して釣れることがある。
秋の遠州灘エリアでは舞阪港・馬込川河口周辺の常夜灯ポイントが大型アジの実績が高い。9〜11月の中潮前後の夜、干潮から上げ潮に変わる時間帯が特にアジが活発に動くタイミングだ。アジングタックル(アジング専用ロッド6〜7ft・2000番スピニング・PEライン0.4〜0.6号)があれば、1〜2gの軽いジグヘッドでも十分な飛距離が出せる。
| 釣り方 | ターゲット | 仕掛け・ルアー | 秋のおすすめポイント(遠州灘) |
|---|---|---|---|
| ショアジギング | ブリ・ワラサ・サゴシ | 40〜60gメタルジグ | 御前崎沖堤・弁天島東護岸 |
| サビキ釣り | アジ・サバ・イワシ | コマセ付きサビキ仕掛け | 新居漁港・舞阪港・福田漁港 |
| アジング | 尺アジ・メバル | 1.5〜2gジグヘッド+ワーム | 舞阪港常夜灯・馬込川河口 |
| 投げ釣り | カレイ・キス | 天秤+2本針+イソメ | 浜名湖西岸・今切口周辺砂浜 |
| フカセ釣り | グレ・チヌ | ウキフカセ+オキアミ | 伊豆半島磯・御前崎磯 |
タックルと服装の秋仕様
秋の気温差への服装対応
秋の釣りで最も注意が必要なのは「気温差への対応」だ。9月の日中はまだ30度を超える真夏の気温になることがあるが、日没後は急激に気温が下がり、早朝の海上では10〜15度になることも珍しくない。「重ね着(レイヤリング)」が秋の釣りの服装の基本で、ベースレイヤー(肌に触れる保温インナー)→ミドルレイヤー(フリース・スウェット)→アウターレイヤー(ウィンドブレーカー・防水ジャケット)の3層構造を基本として、脱ぎ着で体温を調節する。
特に朝マズメを狙う釣りでは、真夜中から夜明けまでの2〜3時間は最も寒い時間帯だ。9月でも早朝の堤防・磯は体感温度が低く、防寒が不十分だと釣りを楽しめなくなる。カッパ(レインウェア)は雨対策だけでなく防風・防寒にもなるため、秋釣りには必携だ。手袋(釣り用の薄手グローブ)と帽子も防寒効果を大きく高める。足元は冷えやすいため、ウェットスーツ素材の防水ブーツか、防水ゴアテックスのシューズが快適だ。
秋に特化したタックル変更のポイント
夏から秋へとタックルを変更するポイントがいくつかある。まずPEラインは秋の青物シーズンに向けて新品に交換することを強くすすめる。長期間使用したPEラインは紫外線劣化・塩分によるコーティング剥げが進んでおり、大型青物との格闘でラインブレイクが起きやすい。青物シーズン前の9月初めにPEライン(1.5〜2号・200m以上)を新品に巻き直すことが大物を確実に取り込む準備になる。
ジグのカラーも秋仕様に見直す。秋の太平洋側では「赤金(赤×ゴールド)」と「ピンクシルバー」が青物に対して高い実績を持つ。遠州灘の船長・地元アングラーからのヒアリングでも、9〜11月のワラサ・ブリ狙いには赤金とピンクが鉄板カラーとして繰り返し名前が挙がる。新しいジグカラーを試すのもいいが、まず実績カラーを揃えることで秋の初釣行からの釣果を確保できる。
地域別の秋釣り情報
太平洋側(遠州灘・伊豆・三浦・外房)の特徴
太平洋側の秋釣りは黒潮の影響を強く受け、水温の低下が他の海域に比べて遅い傾向がある。10月でも水温が22〜24度を維持する年もあり、カツオ・シイラが11月初旬まで接岸することがある。遠州灘では「秋鰹(あきかつお)」と呼ばれる秋の本カツオが沖合を回遊し、御前崎沖や浜名湖沖のカツオ船が盛況になる。三浦半島・外房は青物の回遊ルート上にあり、11月まで大型のブリが狙える好況が続く年もある。
伊豆半島は磯釣りのメッカとして秋のグレ・イシダイ狙いで多くの磯師が集結する。伊豆東海岸(熱海〜下田)と伊豆西海岸(沼津〜松崎)では水温変化のタイミングが若干異なり、西海岸は黒潮の影響を比較的受けやすい。11月〜12月の西海岸磯は大型グレ(45〜50cm)の実績が高く、渡船(下田・南伊豆・石廊崎方面)での磯釣りが特に人気だ。
日本海側(若狭湾・山陰・北陸)の特徴
日本海側の秋釣りは太平洋側と時期がずれることが多く、水温低下が早い年は9月末から青物の回遊が活発になる。若狭湾(福井・京都北部)は9〜10月にハマチ(ブリの若魚)のジギングが最盛期を迎え、地元の遊漁船が大繁盛する。山陰(島根・鳥取・兵庫北部)はアオリイカのエギングが9〜11月に最盛期で、産卵を終えた秋イカ・新子イカの両方が楽しめる。北陸(富山・石川・新潟)は11月になるとブリの大回遊が始まる「鰤起こし(ぶりおこし)」として知られ、日本海側の秋の風物詩だ。
瀬戸内海の秋釣り特性
瀬戸内海は内海であるため、太平洋・日本海と比べて水温変化がゆるやかで、魚の行動パターンも独自の特性を持つ。秋の瀬戸内海の主役はアジ・サバ・チヌ・マダイで、10〜11月はチヌ(クロダイ)の荒食いシーズンとして落とし込み釣り師に人気だ。岡山・広島・愛媛の瀬戸内海側では秋にノベ竿での延べ竿チヌ釣り(落とし込み・ヘチ釣り)が盛んで、コンクリート護岸の際でカニ・エビをエサに使う繊細な釣りが楽しめる。マダイも秋の産卵前後に活発に動き、タイラバや落とし込み釣りで良型が狙える。
| 地域 | 秋の主役 | 最盛期 | 人気の釣り方 |
|---|---|---|---|
| 太平洋側(遠州灘) | ブリ・カツオ・カレイ | 10〜12月 | ショアジギング・投げ釣り |
| 太平洋側(伊豆) | グレ・ブリ・イシダイ | 11月〜1月 | フカセ釣り・磯ジギング |
| 日本海側(若狭) | ハマチ・アオリイカ | 9〜11月 | 船ジギング・エギング |
| 日本海側(北陸) | ブリ(天然ブリ) | 11〜1月 | 遠投サビキ・ジギング |
| 瀬戸内海 | チヌ・アジ・マダイ | 10〜12月 | 落とし込み・サビキ・タイラバ |
FAQよくある質問
Q1. 秋の釣りで初心者が最初に挑戦すべき釣りは何か?
堤防でのサビキ釣りが最も入門しやすい。9〜10月はアジ・サバ・イワシが大量に接岸するため、初めてでも釣果を得やすい。必要な道具は市販のサビキセット(竿・リール・仕掛けがセットで3,000〜5,000円)とコマセ(アミエビ、釣具店で500〜600円)だけで、難しい技術は必要ない。地元の釣具店で「今日釣れているポイントはどこか」を聞いてから釣り場に向かうと確実性が高い。
Q2. 秋のショアジギングで釣れる確率を上げるには?
「朝マズメに実績のあるポイントで、潮が動いている時間帯に釣る」これを実行するだけで確率は大幅に上がる。具体的には、前日夜に潮汐表を確認して上げ潮が朝マズメに重なる日を選ぶ。釣り前日に地元釣具店またはSNSで直近の釣果情報を確認し、回遊が確認されているポイントへ直行する。ジグは40〜60gの定番サイズを複数カラー準備し、最初の1時間でカラーローテーションしながら反応を探る。
Q3. 釣れた青物を美味しく食べる保存方法は?
釣ってすぐに血抜きをすることが最重要だ。エラの付け根を切り、海水バケツで血を抜いてから氷入りクーラーに入れる。持ち帰り後は速やかに三枚おろしにして、皮面を上にしてラップで包み冷蔵庫で保存する。ブリ・ワラサは2〜3日で旨みが最高に達する「熟成」が起きるため、すぐに全部食べずに翌日・翌々日に刺身で食べると格段に美味しい。冷凍保存は1ヶ月以内が旨みを保つ目安だ。
Q4. 秋の磯釣りで注意すべき危険は何か?
秋は台風シーズンと重なり、波・うねりが急変するリスクが高い。出かける前に波予報(windyなど)を必ず確認し、波高1.5m以上が予報される日は磯釣りを中止する判断が命を守る。磯では滑り止め付きのスパイクシューズが必須で、ライフジャケット(磯釣り用の落水対応タイプ)も着用すること。単独での磯釣りは避け、複数人で行動し、緊急時の連絡手段(携帯電話・無線)を必ず携帯する。「自分の命は自分で守る」意識が磯釣りの大前提だ。
Q5. 秋のアオリイカ(エギング)のシーズンと釣り方は?
アオリイカのエギングは9〜11月の秋が最盛期だ。春に生まれたイカが成長し、胴長15〜25cmサイズの「秋イカ」が浅場の藻場・岩礁帯に多数生息するため、高い確率でイカに出会える時期だ。エギング(エギと呼ばれるルアーをしゃくって操作する釣り)では、2.5〜3.5号のエギを使ってシャクリ→フォールを繰り返す。フォール中にイカが乗ることが多く、エギが着底した直後の「ダートからのフォール」がバイトを誘う黄金パターンだ。
Q6. 秋の釣りでの釣り場のマナーで特に大切なことは何か?
秋の釣り場(特に堤防・磯)は釣り人が最も集中する時期で、マナーが最も問われる季節でもある。サビキ・コマセ釣りをした後のコマセの後片付けは徹底すること(漁港内にコマセを残すと漁師との摩擦の原因となり、釣り禁止エリアが増える)。釣り場で出たゴミ(エサ袋・仕掛けパッケージ・PETボトル)は必ず持ち帰ること。混雑した釣り場では隣の人との間隔を最低2m以上確保し、声掛けをして仲良く楽しむ姿勢が釣り場の良い雰囲気を作る。
Q7. 浜名湖・遠州灘エリアで秋に絶対外せない釣り場はどこか?
秋の遠州灘エリアで最も実績が高いポイントは、御前崎港の沖堤防(渡船必要)と弁天島海岸周辺だ。御前崎沖堤防では10月中旬〜11月末に80cmオーバーのワラサ・ブリが毎年釣れており、地元では「秋の御前崎は別格」という評価が定着している。弁天島は弁天橋を渡った先の護岸エリアから60〜80mの遠投でブリ・ワラサ・イナダを狙える陸続きポイントとして最もアクセスしやすい場所だ。早朝4時台から釣り人が集まるため、前日から現地入りして場所を確保するのが理想的だ。
秋は釣り師にとって「年に一度の宴」とも呼べる特別な季節だ。9月・10月・11月それぞれに旬のターゲットがあり、春夏とは違うスケールの大物・大量釣果が待っている。タックルを万全に整え、情報を集めて、秋の爆釣シーズンを全力で楽しんでほしい。



