瀬戸内海の釣りスポット完全ガイド|岡山・広島・香川の名所を徹底解説
瀬戸内海は「魚の宝庫」と呼ばれ、日本屈指の釣りフィールドです。太平洋や日本海に比べて波が穏やかで、複雑に入り組んだ島々と独特の潮流が生み出す豊かな漁場は、多種多様な魚を育てています。チヌ(クロダイ)・マダイ・メバル・カサゴ・アイナメ・ハマチ(イナダ)・タチウオ・アナゴ・キスなど、一年を通じて様々なターゲットが釣れ、週末の釣り師が絶えることなく訪れます。岡山・広島・香川の3県は瀬戸内海沿岸の中でも特に釣りスポットが豊富で、アクセス良好な港から本格的な磯場まで、初心者からベテランまでが楽しめる環境が整っています。この記事では、岡山・広島・香川の代表的な釣りスポットを地域別に徹底解説します。
なぜ瀬戸内海は魚が多いのか
瀬戸内海が豊かな漁場である理由は大きく3つあります。
第一に「複雑な地形」です。大小700以上の島々と入り組んだ海岸線が無数の「潮のヨレ(潮目)」を生み出し、そこに魚のエサとなるプランクトンや小魚が集まります。第二に「独特の潮流」です。大潮時には「鳴門海峡」や「来島海峡」など瀬戸内海の入口で激しい潮流が発生し、この潮の力が豊富な酸素と栄養塩を海中に供給します。第三に「浅く温かい海水」です。平均水深わずか38mという浅い内海は太陽光が海底まで届きやすく、海藻や海底生物が繁茂して豊かな食物連鎖が形成されます。
瀬戸内海の釣りカレンダー概要
| 季節 | 主なターゲット | 特徴 |
|---|---|---|
| 春(3〜5月) | チヌ・メバル・カサゴ・アイナメ・マダイ(のっこみ) | 産卵前後に大型魚が接岸。のっこみのチヌ・マダイが特に人気 |
| 夏(6〜8月) | タコ・キス・ハマチ・チヌ・アジ | 青物・タコが最盛期。暑さ対策必須 |
| 秋(9〜11月) | ハマチ・サワラ・チヌ・タチウオ・カサゴ | 青物の回遊が激しく、最もエキサイティングなシーズン |
| 冬(12〜2月) | カレイ・アイナメ・メバル・アナゴ・カサゴ | 底物が好調。寒チヌも狙える |
岡山県の釣りスポット
1. 玉野市・宇野港周辺(玉野市宇野)
宇野港は四国・高松への宇野・高松フェリー航路の出発港として知られる大型港ですが、周辺の護岸や堤防は釣り人に解放された貴重なスポットです。港内はアジ・サバ・イワシのサビキ釣りに最適で、春〜秋のシーズンには夕方から夜にかけて多くの釣り人が訪れます。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 岡山県玉野市宇野1丁目周辺 |
| アクセス | 山陽自動車道・玉野IC出口から約15分、宇野みなと線・宇野駅から徒歩5分 |
| 駐車場 | 港周辺の有料・無料駐車スペースあり(早朝確保推奨) |
| トイレ | フェリーターミナル内(営業時間内) |
| 釣り場の特徴 | 港内の護岸・堤防、足場が良い・ファミリー向け |
| 主なターゲット | アジ・サバ・イワシ(サビキ)・チヌ・メバル・ガシラ |
宇野港周辺の護岸でのサビキ釣りは5〜10月が最適期です。特に夕方以降、常夜灯の灯りに集まるアジを狙うアジングも人気が高まっています。チヌはフカセ釣りで堤防際を狙うと、春と秋に大型が出ます。港の奥まった静水域はメバルの好ポイントで、夜の電気ウキ釣りが有効です。
2. 倉敷市・水島港周辺(倉敷市水島)
水島港は倉敷市の工業港ですが、周辺に釣りができる護岸が点在しています。工業排水の影響で一部エリアは立入禁止ですが、解放された護岸では年間を通じてチヌ・ハゼ・キスなどが釣れます。浅場の砂泥底が続き、投げ釣りのシロギスや夏のタコ釣りが人気です。
水島コンビナートの夜景をバックにした夜釣りは独特の雰囲気があり、タチウオ・メバル・カサゴなどが狙えます。立入禁止区域への侵入は厳禁で、案内板をよく確認して釣行してください。
3. 笠岡市・笠岡港〜カブト島周辺(笠岡市)
笠岡市の笠岡港は岡山県西端に位置し、広島県との県境に近い好釣りエリアです。港内の護岸はアジ・イワシ・サバのサビキ釣りが楽しめ、沖の深場ではマダイやハマチも出ます。カブト島周辺は磯からのチヌ・メバル・ロックフィッシュの好ポイントとして知られています。
笠岡諸島(真鍋島・北木島など)への渡船も出ており、離島釣りを楽しめます。離島の磯やテトラ帯はメバル・カサゴの魚影が濃く、磯釣り入門に最適な場所です。
広島県の釣りスポット
4. 福山市・内海町・鞆の浦周辺(福山市)
「鞆の浦」は国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定される港町ですが、周辺の釣りスポットも非常に充実しています。仙酔島や弁天島周辺の磯釣りが有名で、チヌ・メバル・マダイ・グレ(メジナ)が狙えます。
| ポイント | 主なターゲット | 釣り方 | ベストシーズン |
|---|---|---|---|
| 鞆港内護岸 | アジ・サバ・チヌ・ハゼ | サビキ・フカセ・投げ | 春〜秋 |
| 仙酔島磯 | チヌ・グレ・メバル・カサゴ | フカセ・ウキ釣り | 通年(春・秋が最良) |
| 弁天島周辺 | マダイ・ハマチ・チヌ | ぶっこみ・フカセ | 春・秋 |
| 内海町・田島・横島 | チヌ・グレ・メバル | フカセ・電気ウキ | 通年 |
5. 尾道市・向島・因島周辺(尾道市)
しまなみ海道沿いの島々は瀬戸内海屈指の釣りフィールドです。向島・因島・生口島など各島の港や護岸は全て釣りポイントとなっており、チヌ・メバル・アジ・ハマチ・タチウオなど多彩な魚種が狙えます。
向島は尾道市街から渡船でわずか数分で渡れる離島で、島内に多数の釣りポイントがあります。因島の重井港や土生港はアジ・サバのサビキ釣りが盛んで、秋のハマチ・サワラの回遊シーズンには多くのルアーマンが訪れます。
しまなみ海道の橋脚周辺は潮流が集中するため、特に青物の釣れるポイントとして知られています。ただし橋脚周辺は立入禁止区域がありますので、必ず案内標識を確認してください。
6. 廿日市市・宮島口〜江田島(廿日市市・江田島市)
世界遺産・厳島神社で有名な宮島の周辺海域は魚影が非常に濃く、宮島口の護岸や江田島の港でファミリーフィッシングが楽しめます。江田島の小用港や切串港周辺の護岸は足場が良く、アジ・サバのサビキ釣りが夏場に絶好調となります。
江田島の南部・大柿町周辺は比較的釣り人が少なく、チヌ・メバル・カサゴが好調な穴場エリアです。牡蠣の養殖筏が点在する広島湾奥エリアは、筏の周辺にチヌが集まりやすく、筏釣りの名所としても知られています。
7. 呉市・音戸・倉橋島(呉市)
呉市は海軍の街として有名ですが、周辺の海は釣りの宝庫です。音戸の瀬戸(本土と倉橋島の間の海峡)は複雑な潮流が発生し、チヌ・グレ・アジ・ハマチが年間を通じて釣れます。倉橋島の各港は穴場スポットで、島を一周しながら各ポイントを試す「倉橋島一周釣り」を楽しむ地元アングラーもいます。
香川県の釣りスポット
8. 高松市・高松港〜女木島・男木島(高松市)
高松港は四国最大の港のひとつで、周辺には釣りができる護岸が多数あります。サンポート高松周辺の護岸は足場が整備されており、ファミリーフィッシングに最適です。アジ・サバ・イワシのサビキ釣りが人気で、夏場は朝夕に釣果が上がります。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 香川県高松市サンポート周辺 |
| アクセス | 高松自動車道・高松ICから約10分、JR高松駅から徒歩5分 |
| 駐車場 | サンポート高松駐車場(有料) |
| 主なターゲット | アジ・サバ・チヌ・メバル・カサゴ・タチウオ(夜) |
| 特徴 | 足場が整備されていてファミリー向き。女木島・男木島への渡船も出る |
高松港からフェリーで約20分の「女木島(めぎじま)」は、島全体が良い釣りポイントとなっています。港周辺の岸壁でアジ・サバが釣れるほか、島の磯周りではチヌ・グレ・メバルが狙えます。「男木島(おぎじま)」は磯釣りのポイントが豊富で、グレ・チヌの実績が高い島として知られています。
9. さぬき市・津田港・大串半島(さぬき市)
さぬき市の津田港は香川県東部の漁港で、周辺に磯釣りポイントが点在します。大串半島は紀伊水道に面した半島で、太平洋側の潮流の影響を受けて魚影が濃く、チヌ・グレ・メバルの好ポイントが集まります。特に磯からのフカセ釣りで大型チヌが出ることで知られています。
津田松原海水浴場の近くには砂浜が広がり、夏の投げ釣りでキスが狙えます。砂浜沿いの海岸線は数キロ続いており、場所取りに苦労しない開放感のある釣り場です。
10. 丸亀市・番の州公園〜詫間町(丸亀市・三豊市)
丸亀市の番の州(ばんのす)公園周辺は埋立地に整備された護岸で、アジ・サバ・チヌ・ハゼのファミリーフィッシングポイントとして人気があります。足場がコンクリートで整備されており、転落防止柵もある安全な釣り場です。
三豊市の詫間(たくま)町周辺は燧灘(ひうちなだ)に面しており、キス・カレイの投げ釣りが盛んです。砂泥底が続く広大な浅場はシロギスの好ポイントで、夏場に好釣果が出ます。詫間港の堤防はアジ・チヌのポイントとしても知られています。
場所別おすすめポイントと攻め方
潮流が生み出す好ポイントの見つけ方
瀬戸内海では潮流を読むことが釣果の鍵です。大潮の満潮・干潮前後2時間が「潮が動く」ゴールデンタイムで、この時間帯は魚が活発にエサを追います。潮目(潮のぶつかる境界線)が見えたら、そのすぐ手前か潮目の下流側を狙うと魚が集まっています。
瀬戸内海の特徴的な「潮が速すぎる問題」については、「流れが緩くなる大きな岬の陰」「港内の流れが弱い場所」「テトラの陰」などで攻めるのが有効です。潮が速すぎる場所では仕掛けが流されて底が取れず、根掛かりも増えます。
チヌ(クロダイ)の狙い方
瀬戸内海の釣りで最もポピュラーなターゲットがチヌ(クロダイ)です。フカセ釣りが定番で、コマセ(撒き餌)でチヌを集めてウキ下にオキアミを付けた仕掛けを流します。港の堤防際・テトラ周り・船の係留ロープ際など、障害物周辺を好みます。
のっこみ(産卵前)の春(3〜5月)と秋(9〜11月)は特に大型のチヌが接岸し、ベテランアングラーが挑戦するシーズンです。チヌは警戒心が強いため、静かに釣ることと、コマセを同じ場所に打ち続ける「同調」が釣果の分かれ目です。
メバル・ガシラ(カサゴ)のロックフィッシング
瀬戸内海の岩礁帯はメバルとカサゴの宝庫です。夜の電気ウキ釣りやアジングタックルを使ったメバリング(ルアー)が人気で、常夜灯周りや堤防際を探ります。ガシラはテトラブロックの穴や岩の隙間を狙う「穴釣り」が最も確実で、ブラクリ仕掛けにイソメを付けて落とすだけで釣れます。
季節別攻略法
| 季節 | ターゲット | 狙い場所 | おすすめタックル |
|---|---|---|---|
| 春(3〜5月) | チヌ(のっこみ)・メバル・アイナメ | 堤防際・テトラ周り・磯 | フカセ釣り・ウキ釣り |
| 初夏(6〜7月) | タコ・アジ・キス・チヌ | 砂泥底・港内・藻場 | タコエギ・サビキ・投げ釣り |
| 夏(8月) | ハマチ・タコ・カマス・アジ | 潮通しの良い沖堤防・磯 | ショアジギング・サビキ |
| 秋(9〜11月) | ハマチ・サワラ・タチウオ・チヌ・メバル | 潮目・港の常夜灯周り | ショアジギング・ウキ釣り・電気ウキ |
| 冬(12〜2月) | カレイ・アイナメ・メバル・カサゴ | 砂泥底・テトラ穴・磯の岩陰 | 投げ釣り・穴釣り・電気ウキ |
初めて瀬戸内海に釣りに来る人へのアドバイス
持参すべきもの・事前準備
瀬戸内海の釣り場はコンビニから遠い場所も多いため、飲み物・食料・氷(クーラーボックス)は事前に準備しましょう。夏は熱中症対策として多めの水分を持参します。釣具店は各県の主要都市(倉敷・福山・尾道・高松・丸亀)周辺にあり、生き餌(アオイソメ・オキアミ)は当日購入が基本です。
島へのアクセスと渡船
瀬戸内海の離島への釣行では、渡船(チャーター船・定期便)の時刻と料金を事前に確認しましょう。定期便は本数が少なく、最終便を逃すと帰れなくなります。渡船を利用する場合は前日までに予約し、乗船場所と集合時刻を必ず確認してください。
気をつけるべき注意事項
瀬戸内海では以下の点に注意が必要です。
- 立入禁止区域:港の管理施設・工場敷地・漁業専用区域は入らない。看板をよく確認する
- 漁業権:アワビ・サザエ・ウニなどの採取は漁業権侵害になる可能性がある
- 潮流の速さ:大潮時の来島海峡・鳴門海峡周辺は世界最速クラスの潮流が発生するため、船での釣りは経験者同行が必須
- 牡蠣養殖筏周辺:広島湾の養殖筏への侵入・係留は厳禁
- ゴミ問題:釣り場のゴミは必ず持ち帰る。ゴミ放置が釣り禁止の原因になる
周辺情報
近くの釣具店
| 地域 | 釣具店 | 特徴 |
|---|---|---|
| 岡山 | 釣具のポイント 倉敷店・岡山西店 | 大型チェーン。品揃え豊富 |
| 広島 | 釣具のタイム 福山店・尾道店、マリンピア広島 | 地元情報に強いスタッフ |
| 香川 | フィッシング遊 高松店、マリン坊屋 | 瀬戸内海の最新釣り情報あり |
釣り後の楽しみ
岡山・広島・香川は釣り以外の観光資源も豊富です。広島の牡蠣・お好み焼き、香川のうどん、岡山のビーフや桃が有名で、釣り後の食事も楽しみのひとつです。また、各地に温泉施設があり、釣行後の疲れを癒せます。
FAQ
Q:瀬戸内海の釣りに遊漁券は必要ですか?
A:海釣りの場合、基本的に遊漁券は不要です。ただし一部の港や管理釣り場では入場料が必要な場合があります。
Q:瀬戸内海の釣りで特に有名な魚は?
A:チヌ(クロダイ)が最もポピュラーです。また瀬戸内海産のマダイ・瀬戸内海の天然カキ(牡蠣)は全国的に有名です。釣りでは春ののっこみチヌと秋のハマチ・タチウオが人気ターゲットです。
Q:初心者向けの釣り場はどこですか?
A:高松港・サンポート周辺、倉敷・水島港周辺の護岸が足場も良くファミリー向けです。また丸亀市の番の州公園も柵があって安全で、初心者にお勧めです。
Q:冬でも釣れますか?
A:冬でもカレイ・アイナメ・メバル・カサゴが狙えます。特にカレイの投げ釣りは冬が最盛期で、大型の「寒カレイ」が期待できます。
まとめ|瀬戸内海釣行のすすめ
岡山・広島・香川の瀬戸内海エリアは、日本でも有数の釣りフィールドです。複雑な地形と豊かな潮流が生み出す魚影の濃さは、一度体験すると忘れられない釣りの醍醐味を与えてくれます。
初心者なら高松港や宇野港のファミリーフィッシングから、中上級者なら鞆の浦・仙酔島の磯釣りや尾道・しまなみ海道の青物ルアーまで、あらゆるレベルの釣り師が楽しめるポイントが揃っています。
次の週末、瀬戸内海に足を運んでみてください。きっと「瀬戸内の魚」の豊かさに驚くはずです。



