淡路島は、関西圏のアングラーにとって「釣りの楽園」と呼ぶべき島です。周囲を播磨灘、紀淡海峡、大阪湾、鳴門海峡という4つの異なる海域に囲まれ、潮通しが良く魚種が豊富。アジ、サバ、タチウオ、アオリイカ、マダイ、メバル、チヌ、ヒラメ、青物まで、一つの島で四季を通じてあらゆるターゲットが狙えるのは、淡路島ならではの魅力です。
明石海峡大橋と大鳴門橋で本州・四国とつながっており、大阪市内から車で約1時間、神戸市内からなら約40分という好アクセス。日帰り釣行はもちろん、島内には温泉宿やキャンプ場も充実しているため、釣りと観光を組み合わせた1泊2日の釣り旅行にも最適です。
本記事では、淡路島全域の釣りスポットを東岸(大阪湾側)・西岸(播磨灘側)・南部(鳴門海峡・紀淡海峡側)の3エリアに分けて、堤防・磯・サーフの厳選15ポイントを詳しく紹介します。各ポイントのアクセス、駐車場、トイレの有無、狙える魚種、おすすめの時期まで網羅しました。
淡路島の海域特性と魚種カレンダー
4つの海域の特徴
| 海域 | 位置 | 潮流 | 特徴 | 代表魚種 |
|---|---|---|---|---|
| 大阪湾 | 東岸 | 穏やか | 水深が浅く穏やかでファミリー向き | アジ、タチウオ、キス、カレイ |
| 播磨灘 | 西岸 | やや速い | 砂地と岩礁が混在、魚種豊富 | チヌ、マダイ、メバル、アオリイカ |
| 紀淡海峡 | 南東部 | 速い | 潮通し抜群、大型回遊魚の通り道 | ブリ、カンパチ、ヒラメ、マダイ |
| 鳴門海峡 | 南西部 | 非常に速い | 日本有数の急潮流、大物ポイント | マダイ、ハマチ、スズキ、真鯛 |
月別魚種カレンダー
| 月 | 主なターゲット | おすすめの釣り方 |
|---|---|---|
| 1〜2月 | メバル、ガシラ、カレイ | メバリング、投げ釣り |
| 3〜4月 | メバル、チヌ、アオリイカ(走り) | メバリング、フカセ釣り、エギング |
| 5〜6月 | アオリイカ、キス、チヌ、マダイ | エギング、投げ釣り、鯛ラバ |
| 7〜8月 | キス、タコ、小型青物、キジハタ | 投げ釣り、タコ釣り、ショアジギング |
| 9〜10月 | アジ、タチウオ、青物、アオリイカ(秋) | サビキ、ショアジギング、エギング |
| 11〜12月 | タチウオ、ハマチ、メバル、ヒラメ | タチウオテンヤ、ショアジギング、メバリング |
東岸エリア(大阪湾側):ファミリーから上級者まで
1. 翼港(つばさこう)
淡路島の玄関口、明石海峡大橋を渡ってすぐの場所にある人気の釣り公園です。正式名称は「淡路島翼港」で、2023年にリニューアルされて設備が充実しました。駐車場(有料500円)、トイレ、自動販売機が完備されており、ファミリーフィッシングに最適です。
堤防の先端部は潮通しが良く、秋のアジ・サバのサビキ釣り、タチウオのウキ釣り、冬のメバリングが人気。水深は堤防先端で約8〜10mあり、サビキ仕掛けで足元を攻めるだけでもアジが狙えます。春にはアオリイカのエギングも楽しめ、堤防の外向きで500g〜1kgクラスの実績があります。
注意点:人気ポイントのため、休日は早朝から場所取りが必要です。特に秋のタチウオシーズンは混雑します。
2. 岩屋港(いわやこう)
明石海峡に面した岩屋港は、潮流が速く大型の回遊魚が狙えるポイントです。港内は比較的穏やかでサビキ釣りやちょい投げに適していますが、外向きの堤防はハマチやメジロなどの青物が回遊するポイントとして有名。秋には40〜60cmクラスのハマチがショアジギングで狙えます。
明石海峡の本流に近いため、潮が動いている時間帯がベスト。大潮の潮変わり前後1時間が最も釣れるタイミングです。ジグは40〜60gが必要で、潮に流されやすいため慣れが必要ですが、青物の引きは強烈で病みつきになります。駐車場あり(無料)、トイレはコンビニを利用。
3. 浦港(うらこう)
東岸の中ほどに位置する小さな漁港で、地元の釣り人に愛されている穴場ポイントです。観光客が少なく、のんびりと釣りを楽しめるのが魅力。港内でのサビキ釣りでアジ、堤防際でのメバリング、外向きでのチヌ釣りが楽しめます。
特に冬場のメバリングが秀逸で、堤防の基礎部分やテトラの隙間を1gジグヘッド+ワームで探ると、15〜25cmのメバルが連発することがあります。常夜灯が設置されているため、ナイトゲームの条件も良好です。駐車スペースは限られているため、車は邪魔にならない場所に停めてください。
4. 洲本港(すもとこう)
淡路島最大の港で、足場が良く設備も充実したファミリー向けポイントです。港内は広大で、赤灯台付近、白灯台付近、港内の岸壁など、多くの釣り場があります。年間を通じて何かしら釣れる万能ポイントで、春はメバル・チヌ、夏はキス・タコ、秋はアジ・タチウオ、冬はカレイ・メバルが楽しめます。
赤灯台の先端部は外海に面しており、秋のタチウオシーズンにはウキ釣りでF3〜F4サイズ(指3〜4本幅)のタチウオが数釣りできます。港内の岸壁はサビキ釣りに最適で、トイレや駐車場も近く、小さな子供連れでも安心して楽しめます。
5. 由良港(ゆらこう)
洲本の南に位置する由良港は、紀淡海峡に面しており潮通しが抜群です。港の外向きの堤防からは、春のマダイ、秋の青物(ハマチ・メジロ)、冬のヒラメが狙えます。特にショアジギングの実績が高く、秋には60cmクラスのメジロが堤防から上がることも珍しくありません。
由良港周辺は成ヶ島(なるがしま)という砂嘴の内側に位置するため、港内は穏やかで、キスの投げ釣りやチヌのフカセ釣りにも適しています。成ヶ島への渡船もあり、渡った先はサーフでのキス釣りやルアーでのヒラメ狙いが楽しめます。駐車場あり、トイレあり。
西岸エリア(播磨灘側):磯とサーフの宝庫
6. 郡家港(ぐんげこう)
西岸北部に位置する小さな漁港で、播磨灘に面しています。港の外向きの堤防は岩礁帯に隣接しており、メバル・ガシラ・アオリイカの好ポイント。特にメバリングの実績が高く、冬から春にかけて20〜28cmの良型メバルが期待できます。
堤防の外向きにはテトラが入っており、その隙間にメバルやガシラが潜んでいます。ジグヘッド1〜2g+ワーム、またはプラグで丁寧にテトラ際を探ると、日が暮れるとともにメバルの活性が上がり、連続ヒットも珍しくありません。駐車スペースは狭いため、軽自動車以外は注意が必要です。
7. 室津港(むろつこう)
西岸中部の室津港は、チヌ(クロダイ)釣りのメッカとして知られています。港の周辺には牡蠣筏が多く、筏の影に大型のチヌが居着いています。フカセ釣りで50cmオーバーの「年無し」チヌを狙えるポテンシャルを持ったポイントです。
筏釣りも盛んで、渡船を利用して牡蠣筏の上からチヌを狙う「かかり釣り」は、淡路島西岸の風物詩です。ダンゴエサを使った筏チヌ釣りでは、食い渋りの日でも30〜40cmクラスが安定して釣れます。春と秋がベストシーズンで、特に4〜5月の乗っ込みシーズンは大型の期待大。
8. 慶野松原海水浴場(けいのまつばら)
日本の渚百選にも選ばれた美しい松原が広がるサーフポイントです。夏場は海水浴場として賑わいますが、海水浴シーズン以外はキスの投げ釣りの好ポイントとして知られています。遠浅のサーフが広がり、100m以上の遠投が可能です。
キスのシーズンは5〜10月で、特に6〜7月がピーク。20cmクラスの良型キスが連発することもあり、投げ釣り師にとっては聖地のような場所です。秋にはサーフからのルアーでヒラメやマゴチも狙えます。駐車場(夏季有料、それ以外は無料)、トイレ完備。
9. 五色浜(ごしきはま)周辺の磯
西岸中部の五色浜周辺には、地磯が点在しています。この周辺の磯はグレ(メジナ)釣りの好ポイントで、秋から春にかけて30〜40cmクラスのグレがフカセ釣りで狙えます。足場がやや悪い場所もあるため、磯靴(スパイクシューズ)とライフジャケットは必須です。
磯からのエギングも好ポイントで、春には2kgクラスのアオリイカの実績があります。藻場が近くにあるため、産卵に接岸した親イカが狙えます。潮通しも良く、シャローからディープまで変化に富んだ地形が広がっているため、ルアーフィッシング全般に適したエリアです。
10. 津井港(ついこう)
西岸南部の小さな漁港で、鳴門海峡に近いため潮通しが良く、魚種が豊富です。堤防からのサビキ釣りでアジやサバ、外向きではショアジギングで青物、堤防際ではメバルやガシラが狙えます。特にアジングの実績が高く、秋の夜には常夜灯周りで25cmクラスの良型アジが回遊してきます。
港の南側にはゴロタ石の浜が広がっており、ここではルアーでキジハタ(アコウ)が狙えます。夏場の夕マズメから夜にかけて、テキサスリグやジグヘッドで根の周りを探ると、25〜35cmのキジハタが食ってきます。駐車場あり、トイレは近くの公園を利用。
南部エリア(鳴門海峡・紀淡海峡側):大物の宝庫
11. 丸山海釣り公園跡地周辺
淡路島南西部の丸山地区は、かつて海釣り公園があった場所で、現在も周辺の堤防や磯から釣りが楽しめます。鳴門海峡に面しており、潮流が非常に速いのが特徴。大潮時には川のような流れが生まれ、この激流に大型のマダイやハマチが着きます。
ショアジギングやカゴ釣りで青物を狙うアングラーが多く、秋には70cmクラスのメジロ、時にはブリサイズ(80cm超)も上がります。潮が速いためジグは60g以上が必要で、タックルも強めのものを用意してください。足場は比較的良好ですが、波が高い日は危険なため無理な釣行は控えましょう。
12. 阿那賀港(あなかこう)
鳴門海峡に面した阿那賀港は、港自体が入り江状になっていて港内は穏やか。しかし外向きに出ると鳴門の激流が流れており、このコントラストが多彩な釣りを可能にしています。港内ではサビキ釣りやちょい投げ、外向きではショアジギングやカゴ釣りが楽しめます。
阿那賀からは鳴門海峡の渡船も出ており、沖の磯に渡れば大型のグレやマダイ、イシダイが狙えます。磯渡しは中〜上級者向けですが、堤防からの釣りは初心者でも楽しめます。駐車場あり、トイレあり。
13. 伊毘漁港(いびぎょこう)
淡路島の南端近くに位置する伊毘漁港は、比較的知名度が低い穴場ポイントです。紀淡海峡に面しており、潮通しが良く魚影が濃いのが特徴。堤防の外向きでは秋から冬にかけてハマチやサワラの回遊があり、ショアジギングで狙えます。
港内でのアジングも好調で、特に夜の常夜灯周りでは20〜25cmクラスのアジが回遊します。港の近くにはサーフもあり、キスの投げ釣りやルアーでのヒラメ狙いも可能。穴場のため混雑が少なく、のんびり釣りをしたい人におすすめです。
14. 沼島(ぬしま)
淡路島の南4.6kmの沖に浮かぶ沼島は、磯釣りの聖地として全国に知られています。土生港(はぶこう)から渡船で約10分。島の周囲を岩礁が取り巻き、グレ・イシダイ・マダイ・青物などの大物が狙えます。
特にグレ釣りでは全国トップクラスの実績を誇り、40cmオーバーの尾長グレが磯のフカセ釣りで狙えます。渡船料は3,000〜5,000円程度で、半日コースと1日コースがあります。磯釣り経験者向けですが、島の港内では堤防からのサビキ釣りも楽しめるため、グループ内に初心者がいても対応可能です。
15. 吹上浜(ふきあげはま)
淡路島南部の吹上浜は、遠浅のサーフが広がるポイントです。紀淡海峡の潮が差し込むため、サーフとは思えないほど魚種が豊富。キスはもちろん、ルアーでヒラメ・マゴチ、秋にはサーフからワカシ(ブリの幼魚)やソウダガツオが回遊してくることもあります。
サーフフィッシング初心者でも安全に楽しめる遠浅の地形で、波も比較的穏やかです。夏場のキス釣りでは、ちょい投げで十分釣れるため、ファミリーフィッシングにも適しています。駐車スペースあり、トイレは近くの公園を利用。
淡路島釣行の実用情報
アクセスと費用
| 出発地 | ルート | 所要時間 | 高速料金(ETC) |
|---|---|---|---|
| 大阪市内 | 阪神高速→明石海峡大橋 | 約1時間 | 約2,500円 |
| 神戸市内 | 阪神高速→明石海峡大橋 | 約40分 | 約1,500円 |
| 姫路市内 | 山陽道→明石海峡大橋 | 約1時間10分 | 約3,000円 |
| 徳島市内 | 大鳴門橋経由 | 約40分 | 約1,500円 |
島内の釣具店
淡路島内には数軒の釣具店があり、エサや仕掛けの購入が可能です。島の北部には大型釣具チェーン店があり、ルアーや仕掛けの品揃えは充実しています。ただし、南部に行くほど店舗が少なくなるため、南部エリアでの釣行を予定している場合は、事前に仕掛けやエサを準備しておくことをおすすめします。コンビニは島内各所にありますが、24時間営業でない店舗もあるので、夜釣りの場合は事前に食料や飲料を確保しておきましょう。
釣り禁止エリアに注意
淡路島では一部の漁港で釣り禁止、または制限が設けられている場所があります。釣り禁止の看板が出ている場所では絶対に釣りをしないでください。漁業関係者の方々の理解があってこそ、私たち釣り人が漁港で釣りをさせていただけているのです。ゴミの持ち帰り、駐車マナーの遵守、漁業作業への配慮を徹底しましょう。
淡路島のおすすめ釣りプラン
日帰りプラン(秋のアジング+タチウオ)
14:00 大阪出発 → 15:00 翼港着 → 15:30〜17:00 サビキでアジ狙い → 17:00〜19:00 タチウオのウキ釣り → 19:00〜21:00 洲本港でナイトアジング → 22:00 帰路
1泊2日プラン(春のエギング+グレ釣り)
1日目:10:00 神戸出発 → 11:00 西岸の磯でエギング → 16:00 宿泊(南あわじ温泉) → 夜:阿那賀港でナイトエギング
2日目:6:00 沼島渡船でグレ釣り → 12:00 納竿 → 昼食(島内で海鮮丼) → 15:00 帰路
まとめ:淡路島は一年中楽しめる釣りの楽園
淡路島は、4つの異なる海域に囲まれた立地から生まれる豊富な魚種、堤防から磯・サーフまで多彩な釣り場、そして関西圏からの抜群のアクセスが揃った、まさに「釣りの楽園」です。ファミリーでのサビキ釣りから、上級者向けの沼島の磯釣り、サーフのルアーフィッシングまで、あらゆるレベルの釣り人が満足できるフィールドが揃っています。
本記事で紹介した15ポイントは、淡路島の釣り場のほんの一部です。島内を車で走ればいたるところに小さな漁港や地磯があり、「自分だけのポイント」を開拓する楽しみもあります。ただし、どのポイントで釣りをする場合でも、釣り禁止区域の確認、ゴミの持ち帰り、漁業関係者への配慮を忘れないでください。釣り人のマナーが、未来の釣り場を守ることにつながります。
次の休日、明石海峡大橋を渡って淡路島へ。きっと、あなただけの最高の1匹に出会えるはずです。



