ナイトエギングの極意|夜にアオリイカを釣るための完全攻略テクニック

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エギングといえば日中のイメージが強いかもしれませんが、実はアオリイカが最も活発に捕食行動を行うのは夜間です。日中は警戒心が強く深場に潜んでいるイカも、暗くなると浅場に移動して積極的にエサを追い始めます。ナイトエギングは、この夜間の高活性を狙った釣り方で、日中よりも大型が釣れる確率が高く、プレッシャーが低いため初心者でもヒットに持ち込みやすいという大きなメリットがあります。

しかし、暗闘の中でラインの変化やロッドティップの動きを目視できないナイトエギングには、日中とは異なるテクニックと戦略が必要です。エギのカラー選択、シャクリ方、ポイント選び、安全対策に至るまで、昼間の釣りとは発想を変える必要があります。本記事では、ナイトエギングで確実に釣果を上げるためのテクニックを、基礎から応用まで徹底的に解説します。

なぜ夜はアオリイカが釣れるのか

アオリイカの夜間行動パターン

アオリイカは基本的に夜行性の捕食者です。日中は水深20〜30m以深の深場や、岩陰・藻場の影に潜んでいますが、日没後に浅場(水深3〜10m)へと移動して活発な捕食行動を開始します。この行動パターンは「鉛直移動(垂直移動)」と呼ばれ、アオリイカの本能的な行動です。

夜間にアオリイカが浅場に移動する理由は主に2つあります。1つ目は捕食効率の向上。夜間、小魚やエビなどのベイトフィッシュも浅場に集まるため、効率的に捕食できます。2つ目は捕食者からの回避。アオリイカ自身もスズキや大型の青物などに捕食される存在であり、暗闘は天敵の視覚を制限する安全な狩りの時間です。

ナイトエギングの3大メリット

メリット詳細
大型が出やすい警戒心の強い大型個体が浅場まで接岸し、積極的にエサを追う
プレッシャーが低い日中のエギンガーによるプレッシャーがリセットされ、スレていないイカが狙える
イカの活性が高い夜間は捕食行動が活発で、エギへの反応も良い。ショートバイトが少ない

ナイトエギングのポイント選び

常夜灯周りが最強ポイント

ナイトエギングで最も実績が高いのが、常夜灯(外灯)のあるポイントです。常夜灯の光にプランクトンが集まり、それを食べに小魚が群がり、さらにそれを捕食するためにアオリイカが寄ってくるという食物連鎖の構図ができあがります。

常夜灯ポイントでの具体的な攻め方は、「明暗の境目」を意識することです。イカは光が当たっている明るい部分には出てこず、その周辺の暗い部分(影の境界線)に潜んでいることが多いです。エギを明るい部分に着水させ、フォールさせながら暗い部分へ引き込んでいくのが基本パターンです。明るい部分から暗い部分へエギが移動する瞬間に、アタリが出ることが非常に多いです。

漁港の堤防

漁港の堤防は足場が良く安全性が高いため、ナイトエギング入門に最適なフィールドです。堤防の先端部、外海に面した角、テトラポッドの切れ目などが好ポイント。特に外海側の堤防は潮通しが良く、回遊してきたイカが居着きやすい傾向があります。

堤防選びのポイントは、周辺に藻場やゴロタ石があること。アオリイカは産卵場所である藻場の近くを好むため、堤防の周辺に海藻帯がある場所は好ポイントになります。日中に偏光グラスをかけて堤防周辺の水中を観察し、藻場の位置を確認しておくと、夜の釣りがスムーズになります。

磯場・ゴロタ場

磯場やゴロタ場は大型アオリイカの実績が高いポイントですが、夜間は足場が見えにくく危険度が上がります。必ずスパイクシューズとライフジャケットを着用し、事前に明るい時間にルートを確認してから入釣してください。単独での磯のナイトエギングは極力避け、2人以上での釣行を推奨します。

サーフ(砂浜)

意外に見落とされがちですが、砂浜からのナイトエギングも効果的です。砂浜の沖に沈み根や藻場がある場所では、夜間にアオリイカが接岸することがあります。遠投が必要になるため、3.5号以上のエギを使い、ロッドは8.6ft以上の長めのものが有利です。波打ち際で掛けたイカをランディングする際は、波のタイミングに合わせてビーチに寄せるのがコツです。

ナイトエギングのエギ選び

カラーセレクトの基本原則

ナイトエギングのカラー選びは、日中とは異なる考え方が必要です。暗闘ではイカの視覚に頼る部分が変わるため、「シルエット(輪郭)」と「発光」がカラー選択の軸になります。

状況おすすめカラー理由
常夜灯周り(明るい場所)ピンク系・オレンジ系光を反射してナチュラルなアピール
暗闇(光がない場所)夜光(グロー)系蓄光で暗闘でもイカに見える
月明かりがある夜パープル系・レッド系月光のもとでシルエットが際立つ
潮が澄んでいるナチュラル系(ブラウン・グリーン)過度なアピールが逆効果の場合に
潮が濁っているケイムラ+夜光視認性を最大化

下地カラーの重要性

エギの下地(ボディーのベースカラー)は、ナイトエギングでは特に重要です。下地は「赤テープ」「マーブルテープ」「夜光ボディー」の3種類を揃えておけば、ほとんどの状況に対応できます。

赤テープは、暗闘でエギのシルエットを最も際立たせる下地です。イカは色覚を持たないと言われていますが、明暗のコントラストには敏感に反応します。赤テープは水中で最も暗く見えるため、シルエットがくっきりと浮かび上がり、イカにエギの存在をアピールできます。ナイトエギングの最初の一投は赤テープが鉄板です。

夜光ボディーは、UVライトで蓄光させてから使うことで、暗闘でも淡い光を放つエギです。光がまったくない場所や、水深が深い場所では夜光ボディーが威力を発揮します。ただし、常夜灯周りなど光がある場所では過度なアピールになる場合もあるので、使い分けが重要です。

サイズ選び

ナイトエギングでは、日中よりもやや大きめのエギが効果的です。暗闘ではイカの視認距離が短くなるため、シルエットが大きい方がイカに発見されやすくなります。秋の新子シーズンでも3号以上、春の親イカ狙いでは3.5〜4号が基本。シャロータイプ(浅場用の沈下速度が遅いタイプ)を選ぶと、浅場でのナイトゲームがやりやすくなります。

ナイトエギングのテクニック

基本のシャクリ方:スローが鍵

ナイトエギングの最も重要なテクニックは「スローに誘う」ことです。日中のような激しいジャークやダートアクションは、夜間では逆効果になることが多いです。理由は、暗闘ではイカの視界が制限されるため、速い動きのエギを追い切れないからです。

ナイト基本パターン:ゆるシャクリ+ロングフォール

キャスト後、まずボトムまでフォールさせます(着底はラインのたるみで判断)。着底したら、ロッドを9時の位置から11時の位置までゆっくり持ち上げるように2〜3回シャクります。日中の「バシッバシッ」という鋭いシャクリではなく、「スーッ、スーッ」という柔らかいストロークです。シャクリの後は、ロッドを倒してラインスラックを出し、エギをフリーフォールさせます。このフォール時間を長めに取る(5〜15秒)のがナイトエギングのコツです。

ボトムステイ

夜間のアオリイカは、日中よりもボトム付近に定位していることが多いです。エギをボトムに着底させたまま10〜30秒ステイさせ、ゆっくり持ち上げてまた落とす。この「ボトムバンプ」と呼ばれるテクニックは、ナイトエギングで非常に有効です。イカは動かないエギに興味を持ち、じっくり観察してから抱きつく傾向があります。

アタリの取り方:テンションフォールを活用

ナイトエギングで最も難しいのがアタリの取り方です。日中はラインの変化やロッドティップの動きを目視で確認できますが、夜間はそれができません。そこで重要になるのが「テンションフォール」の活用です。

テンションフォールとは、ラインにわずかなテンション(張り)をかけた状態でエギをフォールさせる方法です。ラインにテンションがかかっているため、イカがエギに触れた瞬間に「コンッ」という明確なアタリが手元に伝わります。フリーフォールだとアタリが取りにくい反面、テンションフォールはイカのバイトを感知しやすいというメリットがあります。

テンションフォールのやり方は、シャクリの後にロッドを11時の位置でキープし、ラインが軽く張った状態を維持しながらエギを沈めていくだけです。ラインを張りすぎるとエギの沈下速度が遅くなりすぎるため、ほんのわずかなテンションで十分です。

アタリのパターンは主に3つあります。

アタリのパターン感触対処法
抱き込みバイト「グッ」とロッドが持っていかれる即アワセ。最もわかりやすいアタリ
触りバイト「コンッ」という軽い衝撃一拍待ってからアワセ
重みバイトエギが急に重くなる、フォールが止まる聞きアワセ(ゆっくりロッドを立てる)

上級テクニック:ドリフトエギング

潮の流れを利用してエギを自然に流す「ドリフトエギング」は、ナイトエギングの上級テクニックです。潮の流れに乗せてエギを流すことで、自然なエサの動きを演出でき、警戒心の強い大型イカに効果を発揮します。

やり方は、潮上(潮が来る方向)にキャストし、ラインを張らず緩めずの状態で潮に乗せてエギを流します。潮が動いている場所であれば、シャクリをしなくてもエギが自然に動くため、イカの警戒心を刺激しません。ドリフト中にアタリを取るには、ラインの放出が止まる(イカが抱いてエギの移動が止まる)変化に集中してください。

ナイトエギングの安全対策

絶対に守るべき安全ルール

ナイトフィッシング全般に言えることですが、夜間の海釣りは日中に比べて事故のリスクが大幅に高まります。特にエギングは海辺を移動しながら釣ることが多いため、安全対策は徹底してください。

必須装備

装備重要度備考
ライフジャケット(膨張式)必須腰巻き型が動きやすい
ヘッドライト必須300ルーメン以上、予備電池も
スパイクシューズ必須(磯の場合)濡れた岩場は滑りやすい
携帯電話(防水ケース入り)必須緊急連絡用、フル充電で
UVライト推奨夜光エギの蓄光に使用
ギャフまたはタモ推奨大型イカの取り込み用

ヘッドライトの使い方に注意

ナイトエギングで意外に見落とされがちなのが、ヘッドライトの使い方です。海面をヘッドライトで照らすと、イカが警戒して散ってしまいます。特に浅場のシャローエリアでは、光が海底まで届くため影響が大きいです。ヘッドライトは足元の安全確認やラインを結ぶときだけ使い、海面方向には極力向けないようにしてください。

赤色LEDモードがあるヘッドライトを選ぶのも有効です。赤色光は水中への浸透が少なく、イカへの影響を最小限に抑えられます。最近のヘッドライトには白色LED・赤色LED・UVライトの3モードを搭載した製品もあり、ナイトエギングには最適です。

単独釣行は避ける

ナイトフィッシングは可能な限り2人以上で行きましょう。特に磯やテトラの上での釣りは、転倒や落水のリスクが日中の何倍にもなります。万が一の事故の際に、連絡や救助を行える仲間がいることは命を守ることに直結します。どうしても単独で行く場合は、釣行先と帰宅予定時刻を家族や友人に必ず伝えてから出発してください。

ナイトエギングのタイムスケジュール

時間帯別の狙い方

時間帯イカの活性攻め方
夕マズメ(17〜19時)徐々に上昇明るいうちにポイント確認、日没前から開始
ゴールデンタイム(19〜22時)最も高い積極的にシャクリ、広範囲を探る
深夜帯(22〜2時)やや低下ボトムステイ中心、スロー攻め
朝マズメ前(4〜6時)再び上昇薄明かりを利用、活性上昇に期待

最も釣れるゴールデンタイムは日没後2〜3時間(19〜22時頃)です。この時間帯はイカの活性が最高潮で、エギへの反応も良好。仕事帰りに2〜3時間だけ釣りをする「ショートナイトエギング」でも十分に釣果が期待できます。深夜になると活性がやや落ちますが、ボトム中心のスロー攻めに切り替えると、日中の釣りでは出会えない大型に遭遇することもあります。

月の影響とベストコンディション

ナイトエギングでは月の明るさが釣果に影響を与えます。一般的に、月が明るい満月の夜はイカの活性が高いとされていますが、常夜灯周りの釣りでは月明かりが光のコントラストを弱めてしまうデメリットもあります。

最も良いコンディションは、新月から三日月の暗い夜に、常夜灯周りを攻めるパターンです。暗闘と常夜灯の明暗のコントラストが際立ち、イカが明暗の境目に集まりやすくなります。逆に、光のない場所で大型を狙うなら、月明かりがある満月前後の方が、イカもエギを発見しやすいため有利です。

まとめ:ナイトエギングで新しい世界を体験しよう

ナイトエギングは、日中のエギングとはまったく異なる世界を体験できる釣りです。静寂の海に響くリールのドラグ音、暗闇の中で感じるイカの力強いジェット噴射、そして持ち帰ったイカで作る夜食の刺身。この一連の体験は、一度味わったらやめられなくなる魅力があります。

スローな誘い、テンションフォールでのアタリ取り、常夜灯周りの明暗の攻略。この3つのテクニックを意識するだけで、ナイトエギングの釣果は大きく変わります。安全対策をしっかり整えた上で、夜の海にエギを投げ込んでみてください。日中のエギングでは出会えなかった大型アオリイカが、きっとあなたを待っています。

釣りテクニック

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