秋田県南(由利本荘市〜にかほ市〜象潟)は、男鹿半島の知名度の陰に隠れがちですが、日本海に面した好漁場が南北に連なる釣りの空白地帯です。結論から言うと、象潟漁港・金浦港・小砂川漁港・本荘マリーナ・道川漁港ではクロダイ・アオリイカ・アジが春から秋に狙え、12月には日本海名物のハタハタが接岸します。中心都市側の秋田港・北防波堤は有料の管理釣り場として整備され、家族連れでも安全に竿を出せます。この記事では各ポイントの釣り座・魚種・時期・アクセスに加え、立入禁止区域や冬季の波浪への注意点まで、2026年7月時点の公開情報をもとに整理します。
秋田県南(由利本荘〜にかほ〜象潟)の釣り場概要|男鹿以外の日本海フィールド
秋田の海釣りといえば男鹿半島がまず名前に挙がりますが、県南の日本海沿岸には男鹿とは別の魅力を持つフィールドが広がっています。北から順に、秋田市の秋田港、由利本荘市の本荘マリーナ・子吉川河口・道川漁港・西目漁港・松ヶ崎漁港、そしてにかほ市の金浦港・小砂川漁港・象潟漁港が主なポイントです。鳥海山を望む海岸線が続き、砂浜(サーフ)と漁港・防波堤がほどよく交ざるため、青物からクロダイ、根魚、回遊魚まで狙える対象が幅広いのが特徴です。
男鹿半島の磯場・港のクロダイやマダイを狙いたい場合は、隣接エリアの秋田・男鹿半島の釣りポイント完全ガイドで磯と港の使い分けを確認しておくと、県北と県南を組み合わせた釣行計画が立てやすくなります。本記事はあくまで男鹿を含まない「県南日本海」に絞って解説します。
浜松から秋田県南までは地図上で高速道路を乗り継ぎおよそ8〜9時間の距離があり、日帰りは現実的ではありません。遠征前提のフィールドなので、宿泊や車中泊を組み込み、複数のポイントをまとめて回る計画にすると効率的です。日本海側は太平洋側と比べて干満差が小さく、風とうねりの影響で釣行可否が決まりやすいため、天気図と波予報のチェックが釣果以前の前提になります。
県南のポイント選びは「その日の風向き」で決めるのが基本です。日本海の北西〜西風が強い日は、外向きの堤防やサーフが一気に釣り不能になります。そうした日は港内でも竿を出せる象潟漁港・金浦港・秋田港セリオン前へ、穏やかな日はサーフのヒラメ・サクラマスや外向きのクロダイへ、と使い分けると釣行の空振りを減らせます。エサ・仕掛けの補給は秋田市内や本荘の釣具店が中心になるため、にかほ側の小規模漁港へ入る前に買い出しを済ませておくと安心です。
象潟漁港の釣りガイド|堤防・テトラのクロダイ・アオリイカ・根魚
にかほ市の象潟漁港(象潟港)は、県南を代表するオールラウンドな漁港です。周辺は砂地で全体的に水深が浅く、波止からクロダイ・スズキ・アジ・メバル・アイナメ・ウミタナゴ・キス・アオリイカ・ハタハタ・ソイなど多彩な魚が顔を出します。釣果情報では、最も魚種が豊富になるのは6〜8月頃で、クロダイは概ね5〜10月、アジは6〜10月がシーズンとされています。象潟漁港の釣りは検索需要も高く、まず押さえておきたい入口のポイントです。
クロダイはウキフカセ、アオリイカはエギング
クロダイは漁協前の岸壁や波止の外向きからウキフカセ釣りで狙うのが定番で、地元の釣果報告では大型が上がった実績もあります。コマセの配合やタナ取りの基本を固めたい方はフカセ釣り(ウキフカセ)入門〜中級完全マスターの手順がそのまま応用できます。秋の乗っ込み・荒喰い期は数・型ともに狙い目です。
アオリイカは秋の新子シーズン(概ね9〜11月)を中心にエギングで楽しめます。砂地に点在する藻場やテトラ際を丁寧に探るのがコツで、シャクリとフォールの基本はエギング(アオリイカ)完全攻略で解説しているタナ取り・アクションがそのまま通用します。港内のテトラ周りや根周りはソイの魚影が濃く、ワームでの探り釣りが有効です。
設備とアクセス
所在地はにかほ市象潟町で、JR象潟駅から車で約5分、日本海東北自動車道の象潟ICからも約5分と、高速を降りてすぐという好立地です。駐車スペースは公開情報では10台程度・無料とされますが、盛期は混み合います。トイレの有無は情報が分かれており、現地に無い前提で事前に済ませておくのが無難です。朝マヅメ(日の出前後)は漁船の出入りが落ち着き、釣果が安定しやすい時間帯です。
金浦港・小砂川漁港の釣り|サビキのアジ・エギング・冬のハタハタ
にかほ市には象潟漁港のほかにも実績十分の漁港が点在します。にかほの釣りポイントを回るなら、金浦港と小砂川漁港はセットで押さえておきたい存在です。
金浦港(金浦漁港)
金浦港はアクセスが良く人気の高い釣り場で、サビキ釣りでアジやサバ、エギングでアオリイカが狙えます。釣れる魚はアジ・サバ・ハタハタ・メバル・アイナメ・ホッケ・ヒラメ・アオリイカ・クロダイ・シーバスと幅広く、クロダイは堤防先端部か外側のテトラ帯が主なポイントです。特に12月頃のハタハタ釣りは非常に人気で、時期になると多くの釣り人で賑わいます。
ただし金浦港は立入禁止区域の設定に注意が必要です。公開情報によると北側の波止(波止1)は立入禁止で、漁協前の岸壁や南側の波止から竿を出す形になります。さらにハタハタ操業期間中は、ゴミ・路上駐車・漁具への仕掛け絡みといったトラブルを受けて立入禁止区域が設定されることがあり、にかほ市も遊漁者向けにマナーの徹底を呼びかけています。現地の看板と最新の告知を必ず確認してください。
小砂川漁港
小砂川漁港はメジャーな釣り場ではありませんが、魚影の濃さから地元の釣り人に親しまれる漁港です。釣れる魚はアジ・ハタハタ・メバル・アイナメ・ウミタナゴ・クロダイ・アオリイカなど。夏から秋はサビキ釣りでアジの群れを狙え、初心者でも数釣りが楽しめます。冬はハタハタ、秋はエギングでアオリイカと、コンパクトながら多彩に遊べるのが魅力です。人が少なめなので、混雑を避けて竿を出したいときの候補になります。県境に近く山形県側のフィールドとも組み合わせやすい立地です。
にかほの3漁港(象潟・金浦・小砂川)は車で数分〜十数分の距離に収まっているため、朝マヅメは象潟の白灯で竿を出し、日中は金浦や小砂川へランガンする、といった一日の組み立てがしやすいのも県南南部の強みです。ハタハタの盛期は3港とも爆発的に混むため、日の出前の場所取りと譲り合いが釣果と安全の両方を左右します。
本荘マリーナ・子吉川河口・道川漁港|由利本荘エリアのポイント
由利本荘市側は、子吉川河口を中心に河川と海が交わるフィールドが揃います。ファミリーからルアーマンまで対象が広いのが県南北部の特徴です。
本荘マリーナ
本荘マリーナは子吉川河口横に整備された海浜レクリエーション施設で、隣にはオートキャンプ場があります。ハゼ・キス・カレイ・アジ・ハタハタ・アイナメ・クロダイ・ヒラメ・シーバスなどが釣れ、足場が良く初心者から経験者まで楽しめます。キャンプと組み合わせやすく、家族での釣行に向いたポイントです。
子吉川河口
子吉川河口は大型シーバスが狙えることでルアーマンから人気が高く、夏から秋はハゼの好釣り場としても知られています。河口は流れと地形の変化が魚を寄せるため、潮と川の水位を見ながらランガンするのが効果的です。
道川漁港ほか
由利本荘市岩城内道川の道川漁港では、サビキ釣りでアジ・イワシ・ハタハタ、エギングでアオリイカ、探り釣りでアイナメなどの根魚が狙えます。ただし沖向きの堤防やテトラは現在立入禁止とされているため、釣り座は港内側に限られます。由利本荘市は公式に西目漁港・松ヶ崎漁港・道川漁港の立入禁止区域を告知しており、防波堤は波をかぶりやすく危険なため、指定区域には入らないよう強く呼びかけています。西目漁港も北側の堤防が立入禁止となっているので、いずれのポイントでも現地表示に従ってください。
秋田港(北防波堤ほか)の釣り|クロダイ・サクラマス・メバルと管理釣り場情報
県南から少し北の秋田市中心部に位置する秋田港は、県内屈指の規模を誇る港湾で、フリーで竿を出せる岸壁と有料の管理釣り場が併存します。秋田港の防波堤釣りは、県南遠征の締めに組み込みやすい安定フィールドです。
秋田港釣り(北)防波堤(有料管理釣り場)
秋田港・北防波堤は有料の海釣り施設(管理釣り場)で、公式サイトが運営情報を公開しています。2026年7月時点の公開情報では、開放期間は4〜11月の土日と祝祭日で、営業時間は5〜9月が6:00〜18:00、4月・10〜11月が7:00〜16:00(終了30分前に撤収開始)。料金は大人〜高校生1,500円、中学生600円、小学生400円で、未就学児は入場できません。予約制ではなく先着順で、混雑時は空きが出るまで待つ運用です。全長約800mの堤防は足元がフラットで、子供や高齢者でも比較的安全に釣りができます。管理棟から釣り場まで徒歩1分、簡易式ながら洋式トイレ(女性専用あり)、駐車場、レンタルタックルやエサの売店が揃います。
釣れる魚は季節ごとにマダイ・クロダイ・アジ・サバ・アイナメ・イカ・ヒラメ・ワラサなど。ただし天候・波・風・雷、さらにクマの出没など安全判断により、開放日・開場時間・受付方式が変更されることがあります。実際に近年はクマ対策で車中抽選方式や開場時間の変更が案内されており、行く前に必ず公式サイトと電話で最新の開放状況を確認してください。アクセスは秋田自動車道・秋田北ICから車で約25分です。
セリオン前・中島埠頭・外港防波堤
無料で楽しむなら、道の駅あきた港セリオン前の桟橋が入門向きです。サビキでアジ・サバ・イワシ、ちょい投げでハゼ、ワームでクロソイが狙え、駐車場・トイレが整っているためファミリーに人気です。護岸のテトラ隙間はメバル・カサゴ・アイナメ・ソイの好ポイントで、潮通しの良い場所ではクロダイの回遊も期待できます。中島埠頭は車を横付けして釣れる手軽さが魅力ですが、運河沿いのため船舶の入港時は立入が制限されることがあります。外港防波堤はサビキでアジ・サバの数釣りが楽しめます。
春の日本海はサクラマスのシーズンで、釣果報告の多くは秋田のサーフや河口からのルアーゲームです。港湾内での実績は限られますが、回遊にあたれば大型が期待できる魚なので、穏やかな日にサーフへ足を延ばす価値は十分にあります。港の常連ターゲットと違い、広い砂浜をランガンして群れの通り道を探す釣りになります。
狙える魚とシーズンカレンダー|アオリイカ・クロダイ・アジ・ハタハタ(12月)・サクラマス
県南日本海エリアで狙える主な魚と時期の目安を、公開されている釣果傾向をもとに整理しました。海況や年によって前後するため、あくまで目安として活用してください。◎は最盛期、○は狙える時期を表します。
| 魚種 | 春(3-5月) | 夏(6-8月) | 秋(9-11月) | 冬(12-2月) | 主な釣り方 |
|---|---|---|---|---|---|
| アオリイカ | ○ | ○ | ◎ | – | エギング |
| クロダイ | ○ | ◎ | ◎ | – | ウキフカセ・チニング |
| アジ | – | ◎ | ◎ | – | サビキ・アジング |
| ハタハタ | – | – | – | ◎(12月) | サビキ・ぶっこみ |
| メバル・根魚 | ◎ | ○ | ○ | ○ | ワーム・探り釣り |
| ヒラメ | ○ | ○ | ◎ | – | ルアー・泳がせ |
| サクラマス(サーフ) | ◎ | – | – | ○(晩冬) | ルアー(サーフ) |
| キス・カレイ | ○ | ◎ | ◎ | ○(カレイ) | 投げ釣り |
県南日本海の一番の風物詩は、やはり12月のハタハタです。秋田県では12月最初の大潮頃から産卵接岸が始まり、2回目の大潮が産卵のピークとされ、岸壁や堤防から釣れるのは概ね12月初旬〜1月初旬のわずか約1ヶ月間に集中します。外海が荒れると港内に群れが差してくる傾向があり、安全な港奥で数釣りになることもあります。接岸のしくみや仕掛け、しょっつる鍋などの食べ方はハタハタ完全図鑑で詳しく解説しているので、盛期前に読んでおくと現場での動きが変わります。
仕掛けと釣り方|エギング・ウキフカセ・サビキ・ルアーの基本
県南のポイントは漁港・防波堤・河口・サーフが揃うため、狙う魚に応じて釣り方を選び分けます。ここでは代表的な4つの釣り方の要点を整理します。
エギング(アオリイカ):秋の新子シーズンは3〜3.5号のエギで、砂地の藻場やテトラ際をテンポよく探ります。キャスト後にボトムを取り、シャクリとフォールで抱かせるのが基本です。象潟・金浦・小砂川・道川と広く狙えます。
ウキフカセ(クロダイ):漁協前岸壁や波止外向きで、コマセを効かせてタナを合わせます。砂地で水深が浅い象潟漁港ではウキ下を浅めから探り、当たりダナを見つけるのが近道です。
サビキ(アジ・サバ・ハタハタ):夏〜秋のアジ・サバは足元へのコマセで寄せる定番。12月のハタハタは、ハタハタ用のサビキやブラーを使い、群れが差したタイミングを逃さないのがコツです。ファミリーには本荘マリーナや秋田港セリオン前が安心です。
ルアー(シーバス・ヒラメ・青物・サクラマス):子吉川河口のシーバス、サーフのヒラメ・サクラマス、港湾の回遊青物(ワラサ・サワラ)が対象です。サーフのサクラマスは春の限定的なチャンスで、ミノーやブレードを広く探ります。根魚はワームでテトラ際やボトムを丁寧に。投げ釣りではキス・カレイが手堅く楽しめます。
タックルは、エギング・アジング用のライトな1本(ML〜Mクラス)と、サーフや青物・シーバスに対応する遠投可能なルアーロッド(9〜10ft前後)、そしてサビキ・投げ・フカセに使える磯竿またはコンパクトロッドの3系統を用意しておくと、県南の多彩なフィールドにひと通り対応できます。冬のハタハタだけを狙うなら、安価な万能竿にハタハタサビキという最小構成でも十分に楽しめます。エサやワームは魚種と季節で消費が読みにくいため、遠征では多めの予備を持参するのが結果的に効率的です。
アクセス・駐車場・トイレ・遊漁ルールと安全
浜松からは高速を乗り継いで地図上でおよそ8〜9時間と遠く、宿泊・車中泊前提の遠征になります。高速の最寄りは、象潟・金浦・小砂川エリアが日本海東北自動車道の象潟ICなど、由利本荘エリアが同自動車道の本荘IC周辺、秋田港が秋田自動車道・秋田北ICです。駐車場は各漁港に数台〜のスペースがありますが、盛期は満車になりやすく、路上駐車は漁業者とのトラブルの元になるため厳禁です。トイレは秋田港(管理釣り場・セリオン前)は整っていますが、小規模漁港では無いことも多いので事前に済ませておきましょう。
立入禁止区域と遊漁ルール(最重要)
県南のポイントには公式に立入禁止とされた区域が複数あります。2026年7月時点の公開情報では、由利本荘市が西目漁港・松ヶ崎漁港・道川漁港の立入禁止区域(防波堤・沖向きテトラなど)を告知しており、にかほ市の金浦港は北側の波止(波止1)が立入禁止で、ハタハタ操業期間中はさらに区域が設定されることがあります。これらは波をかぶりやすく危険な区画であること、そして漁業活動への支障を防ぐことが理由です。立入禁止・釣り禁止の判断は、現地の看板・表示と、自治体や漁協が出す最新の公式情報が最優先です。本記事の情報が現地の掲示と食い違う場合は、必ず現地表示に従ってください。問い合わせは由利本荘市産業振興部農山漁村振興課(電話0184-24-6355)、秋田港北防波堤は運営の公式サイト・電話(018-853-8037)が窓口です。
安全とマナー
日本海側は冬季を中心にうねりと突風が強く、防波堤やテトラは波をかぶると一気に危険度が増します。荒天・高波の予報時は無理をせず釣行を中止してください。テトラの上での釣りは転落リスクが高く、単独釣行は避け、ライフジャケットを必ず着用しましょう。近年は秋田港の管理釣り場でクマ対策の運用変更が案内されるなど、海岸周辺でも野生動物への注意が求められます。ゴミは必ず持ち帰り、係留ロープや漁具に仕掛けを絡めない、駐車マナーを守るといった基本の徹底が、釣り場を将来にわたって残すことにつながります。料金・営業時間・アクセス・開放日はいずれも2026年7月時点の公開情報であり、変更される可能性があるため、釣行前に各公式情報で最新の内容を確認してください。



