横浜・川崎の海釣りは、有料の海づり施設3か所(本牧・大黒・磯子)と、無料で24時間開放されている東扇島西公園を軸に組み立てるのが2026年時点での正解です。京浜工業地帯のふ頭岸壁はSOLAS条約に基づく保安措置で立入禁止が原則のため、安全に竿を出せる場所は限られます。結論を先に言えば、魚種の多さと沖桟橋の水深を求めるなら本牧、遠投カゴでアジ・サバ・青物を狙うなら大黒、料金の安さとクロダイなら磯子、無料で夜通し粘るなら東扇島西公園という住み分けになります。以下、料金・営業時間・狙える魚を2026年7月時点の公開情報でまとめました。
京浜工業地帯は釣りの宝庫|横浜・川崎の海の特徴
「横浜 釣りスポット」で検索すると数多くのふ頭名が出てきますが、その大半は現在フェンスで囲われ、一般の立入ができません。2001年の同時多発テロを受けて2004年7月に改正SOLAS条約(海上人命安全条約)に基づく保安措置が施行され、国際航海船舶が着岸する岸壁は制限区域となりました。全国で100か所以上の港湾施設が立入禁止となり、京浜地区でも多くの好ポイントが失われています。
一方で、横浜港には市が運営する海づり施設が本牧・大黒・磯子の3か所、川崎港には東扇島西公園が「釣りができる公式のエリア」として残っています(川崎港内にあった浮島つり園は2019年の台風被害で休園し、復旧されないまま2025年4月1日をもって閉園しました)。裏を返せば、これら以外のふ頭・岸壁での釣りは原則できないということです。京浜の海は水深があり潮通しも良いため、湾奥ながらアジ・サバ・イワシの回遊魚から、クロダイ・カサゴの根魚、秋のタチウオや青物まで狙える「工業地帯の宝庫」ですが、その恩恵を安全に受けるにはルールを守れる場所を選ぶことが大前提です。
アクセス面では、横浜の3施設はいずれも横浜駅・鶴見駅・磯子駅などから市営バスで到達できます。本牧は横浜駅西口から市営バス26系統で「海づり桟橋」下車、大黒は鶴見駅から17系統など、磯子は磯子駅から85系統で「磯子海づり施設」下車が定番ルートです。車の場合、各施設に有料駐車場が併設されています。浜松からの遠征なら東名高速で横浜町田・横浜青葉インター経由が分かりやすく、いずれも首都高の渋滞を見込んで早めの到着を心がけると釣り座を確保しやすくなります。
本牧海づり施設|魚種数最多・沖桟橋の攻略法
本牧海づり施設は、横浜の3施設のなかでも総延長が約1400mと最大規模で、狙える魚種の多さでは随一とされます。釣り場は管理棟の左右に伸びる護岸釣り場と、長さ約300mの沖桟橋、そこへ渡る渡桟橋の3構造。公開されている地形データでは、沖桟橋周辺は水深15m前後と深く、これが魚種の豊富さを支えています。初めて京浜で竿を出すなら、まずはこの施設で全体像をつかむのがおすすめです。トイレ・売店・レンタルタックルが揃い、手ぶらでも成立するため、家族連れやビギナーの一本目に向いています。
沖桟橋のサビキ・ちょい投げ
釣果情報では、沖桟橋の中央付近ではサビキ釣りでアジ・サバ・イワシ・コノシロが、投げ釣りではイシモチ・シロギスが上がっています。とくにシロギスは初夏の乗っ込みで浅場に群れるため、ちょい投げで数を伸ばせる時期があります。アジは朝夕のまずめに沖桟橋を中心に活性が上がる傾向です。水深があるぶん、サビキのタナは表層から底まで幅広く探るのがコツで、当たりダナが見つかれば手返しよく数を伸ばせます。地元釣具店の報告では、夕まずめのサビキと日中のちょい投げシロギスが安定株とのことです。基本のサビキ仕掛けと数釣りのコツはサビキ釣り完全ガイド|アジ・サバ・イワシを数釣りする方法で押さえておくと、初めての一本目がスムーズです。
護岸のヘチ・落とし込み
護岸沿いはヘチ釣り・落とし込みでクロダイの実績があります。台風後の改修で背後の護岸が高くなった区画もありますが、釣果面での優劣は大きく変わらないと報告されています。料金は大人900円・中学生450円・小学生300円、見学料は大人100円・小中学生50円。営業時間は4月〜10月が6時〜19時、11月〜2月が7時〜17時、3月が6時〜18時で、休業日は年末年始(12月31日〜1月1日)と施設点検日です(季節の変わり目は開場・閉場が前後することがあるため現地表示を確認してください)。
大黒海づり施設|遠投カゴでアジ・サバ・タチウオ
大黒海づり施設は、遠投カゴ釣りとの相性で人気の施設です。潮通しの良い外向きに向かってコマセカゴ+ウキを遠投すれば、アジ・サバ・イワシに加え、秋にはイナダ・ワラサといった青物、シーズンにはタチウオまで射程に入ります。釣果情報では直近でアジ・タイ・ウミタナゴ・シーバスなどが確認されており、回遊のタイミング次第で釣果が大きく動くのが京浜の湾奥らしいところです。関東の青物は水温が下がり始める秋(9〜11月)に活性が上がるとされ、イナダ・ワラサ狙いなら手前のサビキよりも一段沖のカゴ・ジグサビキに分があります。混雑時は隣との仕掛け絡みを避けるため、遠投の飛距離を合わせる配慮も欠かせません。
遠投カゴは仕掛けとコマセワークの基本を押さえるだけで釣果が大きく変わります。タックル選びからコマセの詰め方、タナの取り方までは遠投カゴ釣り入門完全ガイド|コマセカゴ+ウキで遠くのポイントを釣るが参考になります。料金・営業時間は本牧と共通で、大人900円・中学生450円・小学生300円、4月〜10月が6時〜19時、11月〜2月が7時〜17時、3月が6時〜18時、休業は年末年始と点検日です。駐車場は3時間以内250円・5時間以内350円・5時間超500円が目安(2026年7月時点の公開情報)。
磯子海づり施設|料金500円・クロダイ落とし込みの名所
磯子海づり施設の最大の魅力は、大人500円という料金の安さと、クロダイ(チヌ)の実績です。ウキフカセ釣りではクロダイ・メジナ、落とし込み釣りではカサゴ・キジハタ・メジナなどが狙え、アジ・イシモチ・シロギスといった定番も揃います。釣果情報では、ヘチ・落とし込みでのクロダイが安定して報告されている名所です。
2026年は磯子クロダイダービー2026が6月1日〜7月15日に開催されており、施設で釣れた叉長35cm以上の活きたクロダイが対象とされています(参加要件は現地の最新掲示を確認してください)。落とし込みは、岸壁際にエサを自然に落として居着きのクロダイを狙う繊細な釣りで、手前を丁寧に探る集中力が釣果を分けます。落とし込みの基本仕掛けとタックルはヘチ釣り(落とし込み)完全攻略|堤防際でクロダイを仕留める全解説で、クロダイそのものの生態や見分け方はクロダイ(チヌ)完全図鑑で予習しておくと、当日の組み立てが速くなります。ダービー期間は釣り座の競争も激しくなるため、開場直後の入場が有利です。
料金は大人500円・中学生300円・小学生300円。営業時間は季節で細かく変わり、3月〜6月・9月・10月が8時〜18時、7月〜8月が8時〜19時、11月〜2月が8時〜17時、休業は年末年始です。他の2施設より開場が8時とやや遅い点に注意してください。
東扇島西公園(川崎)|無料・24時間で青物・タチウオ
「東扇島西公園 釣り」で真っ先に挙がるのがこの公園です。入園無料・24時間開放で、柵が整備された約600mの護岸を持つ家族向けの人気釣り場。釣果情報では、タチウオ・サバ・タコ・メバル・キス・イワシ・メジナなどが確認され、秋にはイナダ・ワラサといった青物がヒットすることもあります。タチウオは秋から初冬がハイシーズンで、夕まずめから夜にかけての電気ウキやワインドが有効です。夜釣りの基本は夏タチウオ完全攻略|テンヤ・ウキ釣り・ジギングの考え方がそのまま応用できます。
駐車場は172台収容で24時間利用可、料金は24時間最大800円(3時間未満200円)が目安(2026年7月時点の公開情報)。公園内には地元釣具店の出張売店が出ることがあり、トイレも完備されています。ただし後述のとおり、川崎港内で釣りができる公式の釣り場は東扇島西公園のみ(かつての浮島つり園は2025年4月1日に閉園)で、周辺のふ頭・岸壁は立入禁止です。無料ゆえに人気も高く、夜間や連休は混雑するため、場所取りをせず譲り合うマナーが求められます。
ポイントの選び方
釣果情報では、タチウオや青物は潮のヨレが効きやすい先端部が一番人気で、中ほどでも回遊は狙えるとされます。ファミリーでサビキ中心なら、足場が良く風を避けやすい中央付近が無難です。なお、かつて川崎港内でもう一つ釣りが認められていた浮島つり園は、2019年の台風被害で休園したのち復旧されず、2025年4月1日をもって閉園しました。復旧には莫大な費用がかかるとして「釣り場として復活することはない」と川崎市が案内しているため、現在川崎港内で釣りができる公式の釣り場は東扇島西公園のみです。無料スポットは規制変更やメンテナンス休園も起こり得るので、遠征前に川崎市の公式情報を確認しておくと空振りを避けられます。
うみかぜ公園・海辺つり公園(横須賀)|湾口寄りの選択肢【番外編】
ここからは、タイトルの「横浜・川崎」からは外れる番外編(横須賀エリア)ですが、湾口寄りで潮通しが良く、選択肢として知っておく価値があるため簡潔に触れます。京浜が混雑・不調のときの逃げ場として覚えておくと便利です。
うみかぜ公園(横須賀市平成町)
三浦半島側の人気公園ですが、釣りができるのは平日のみで、土日祝は公園内での釣りが禁止されています。さらに展望台エリアは終日釣り禁止で、2026年にも一時的な釣り禁止措置が出た実績があります。土日祝に釣りたい場合は、公園に隣接する護岸(うみかぜ公園横岸壁など、公園施設に含まれないエリア)が候補になりますが、規制は流動的です。この平日限定ルールを知らずに土日祝へ向かうと空振りになるため、来園前に横須賀市の最新公式情報を必ず確認してください。週末に確実に釣りたいなら、無休で開放されている横浜の海づり施設や東扇島西公園を選ぶほうが計画は立てやすくなります。うみかぜ公園はコマセの遠投が禁止されているなど独自ルールもあるため、平日に訪れる場合もマナーの確認が必要です。
海辺つり公園(横須賀市平成町)
ボードウォーク状の海釣り広場を持つ公園で、釣果情報ではカゴ釣りでアジ(15〜20cm前後)、シーズンにはタチウオ(指幅4本前後)が報告されています。夕方はメタルジグ、夜はテンヤやウキ釣りが効くとされます。駐車場があり、京浜急行「堀ノ内」駅から徒歩圏です。うみかぜ公園と違い週末の可否など細部が異なるため、こちらも現地・公式の最新情報を確認のうえ計画してください。
料金・営業時間早見表と狙える魚の釣期カレンダー
主要スポットの料金・営業時間を一覧にまとめます(すべて2026年7月時点の公開情報。季節で時間が変わる施設があるため、来場前に各公式で最新を確認してください)。
| 施設 | 料金(大人) | 営業時間(目安) | 主なターゲット |
|---|---|---|---|
| 本牧海づり施設 | 900円 | 4-10月 6-19時/11-2月 7-17時/3月 6-18時 | アジ・サバ・イワシ・シロギス・クロダイ・イシモチ |
| 大黒海づり施設 | 900円 | 4-10月 6-19時/11-2月 7-17時/3月 6-18時 | 遠投カゴのアジ・サバ・青物・タチウオ・タイ |
| 磯子海づり施設 | 500円 | 8時開場(季節で17-19時終了) | クロダイ・メジナ・カサゴ・キジハタ・アジ |
| 東扇島西公園 | 無料 | 24時間(駐車場も24時間) | タチウオ・サバ・タコ・メバル・青物・キス |
続いて、京浜エリアで狙える主な魚の釣期カレンダーです。回遊魚は年や水温で前後するため、あくまで目安として捉えてください。
| 魚種 | 春(3-5月) | 夏(6-8月) | 秋(9-11月) | 冬(12-2月) |
|---|---|---|---|---|
| アジ | ◯ | ◎ | ◎ | △ |
| サバ・イワシ | △ | ◎ | ◎ | △ |
| シロギス | ◯ | ◎ | ◯ | × |
| クロダイ | ◎ | ◎ | ◎ | ◯ |
| タチウオ | × | ◯ | ◎ | ◯ |
| 青物(イナダ等) | △ | ◯ | ◎ | △ |
| カサゴ・メバル | ◯ | △ | ◯ | ◎ |
釣った魚を持ち帰ったら、アジは刺身・なめろう・南蛮漬けと万能です。アジ料理レシピ完全版|フライ・南蛮漬け・なめろうを見れば、施設で数釣りしたアジを最後まで美味しく使い切れます。
安全・規制・マナー|立入禁止岸壁と混雑回避
京浜での釣りで最も重要なのが、釣ってよい場所と、そうでない場所を正しく区別することです。前述のとおり、横浜港・川崎港のふ頭岸壁はSOLAS条約に基づく保安措置で立入禁止が原則です。フェンスの内側や「関係者以外立入禁止」の掲示があるエリアには絶対に入らないでください。安全に竿を出せるのは、横浜の海づり施設3か所(本牧・大黒・磯子)と、川崎の東扇島西公園(かつての浮島つり園は2025年4月1日閉園)、そして各公園の釣り開放エリアに限られます。
横須賀2施設の利用制約(必読)
番外編で触れたうみかぜ公園は平日のみ釣り可で、土日祝は公園内での釣りが禁止されています。展望台は終日禁止、2026年にも臨時の釣り禁止措置が出た実績があります。この制約を知らずに週末に向かうと釣りができないだけでなく、禁止エリアでの釣行はトラブルの元です。海辺つり公園も含め、横須賀の各施設は開放条件が細かく異なります。
共通のマナーと安全
東扇島西公園など無料の人気スポットでは、川崎市の公式ルールとして「ゴミは持ち帰る」「場所取りをしない」「竿は1人2本まで」「釣り場は禁煙」「投げ釣りは周囲の安全確認を徹底」が定められています。子ども連れが多い施設では、キャスト時の後方確認を特に徹底してください。ライフジャケットの着用、滑りにくい靴、夜釣りでのライト携行は基本装備です。混雑回避のコツは、無料施設なら平日や早朝を狙うこと、有料施設は開場直後の好ポイントを押さえることです。有料の海づり施設は柵・救命具・監視員が整い、初心者や家族連れでも安心して竿を出せるのが最大の利点で、その安全と引き換えの入場料と考えると納得のいく仕組みです。
また、いずれの施設も強風・高波・雷などの荒天時は臨時休場や利用中止になることがあります。台風接近時や冬の北西風が強い日は無理をせず、風裏になる釣り座を選ぶか日を改める判断が大切です。コマセを使う釣りでは足元や柵をこまめに洗い流し、次に入る人のためにきれいに使うのが京浜のローカルルールとして根付いています。ゴミやラインの放置は釣り禁止化の引き金になり得るため、フィールドを守る意識で行動してください。
最後に重要な注意点です。立入禁止・釣り禁止・利用可否は、現地の表示と自治体・港湾管理者・漁協の最新公式情報が常に最優先です。本記事の料金・営業時間・アクセス・釣期は2026年7月時点で公開されている情報をまとめたもので、施設の点検日・臨時休業・料金改定・規制変更で変わる可能性があります。出発前に必ず各施設の公式ページや管理者へ最新情報を確認し、ルールとマナーを守って安全に楽しんでください。浜松からは東名高速で横浜・川崎方面までおおむね2〜3時間、遠征でも十分日帰り圏内のフィールドです。


