釣り糸の結び方を知らずして、釣りは語れない——ルアーを結ぶ、仕掛けを作る、PEラインとリーダーをつなぐ、針にエサを付けるための針結び。釣りには多くの「結び」が存在し、その正確さが魚が逃げるかどうかを左右します。高価なロッドとリールを揃えても、結び目からラインブレイクしては意味がありません。このページでは初心者に必須の基本ノット(結び方)から、中上級者向けのFGノットまで、浜名湖・遠州灘の釣りで必要なすべての結び方を図解で徹底解説します。
釣り糸の種類と特性(まず理解すべき基礎)
主要な釣り糸の種類
| 糸の種類 | 素材 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| ナイロン(Nylon) | ポリアミド系合成繊維 | しなやか・伸びる・安価。初心者に向く | 仕掛け糸・投げ釣り・フカセのハリス |
| フロロカーボン(Fluoro) | フッ素系樹脂 | 透明度高い・擦れに強い・伸びにくい・水に沈む | ルアーリーダー・ハリス・底物釣り |
| PE(Polyethylene) | 超高分子量ポリエチレン | 極細・高強度・伸びない・感度抜群。ただし擦れに弱い | ルアー釣りのメインライン・エギング |
| エステル(Ester) | ポリエステル系 | 細い・感度が良い・少し伸びる・PE以上に軽い | アジング・メバリング等のライトゲーム |
号数(太さ)の目安
- 1号=直径0.165mm(ナイロン標準)。2号で0.235mm、4号で0.330mm
- PEラインは同号数でナイロンより細くて強い。PE1号≒ナイロン4号程度の強度
- 「lb(ポンド)表示」:1lb≈0.45kg。20lbリーダー=約9kgの引張り強度が目安
初心者必須のノット①:クリンチノット(ルアー・スナップへの基本結び)
クリンチノットはルアーのスプリットリング・スナップ・サルカンへの最も基本的な結び方です。初心者がまず覚えるべき結び方です。
クリンチノットの結び方
- ラインをリング(スナップ・サルカン・スプリットリング)に通す
- ラインの先端を4〜5回ひねり(巻き付け)する
- 巻き付けた輪の上の穴にラインの先端を通す
- ゆっくりと両方のラインを引っ張って締める
- 余分なラインを1〜2mm残して切る
ポイント:締める前にラインを唾液・水で湿らせる(摩擦熱でラインが弱くなるのを防ぐ)
強度:ライン強度の約75〜80%。シーバス・チヌ程度なら十分
初心者必須のノット②:ユニノット(汎用性の高い多用途ノット)
ユニノットはリング・針・サルカンに直接ラインを結ぶ際の定番ノットです。クリンチノットより強度があり、覚えると非常に応用が利きます。
ユニノットの結び方
- ラインをリング(サルカン等)に通す
- ラインを折り返して輪を作る
- その輪の中にラインの先端を通し、本線(リング方向のライン)に5〜6回巻き付ける
- 先端を引っ張って輪を締める
- 本線とリングを引っ張って結び目をリング側に移動させて固定
強度:ライン強度の約85〜90%
針への結び方:外掛け結び・内掛け結び
外掛け結び(初心者向け)
- ハリス(針に結ぶ糸)を針の軸に沿わせ、輪を作る
- 輪の中に先端を6〜7回通して巻き付ける
- 先端を引っ張って締める(針の腰部分で締まるように)
外掛け結びはサビキ仕掛けや市販仕掛けの針に使われていることが多い標準的な結び方です。
内掛け結び(強度重視)
- ハリスを二重にして針の軸に添わせる
- 先端を針の腰から下のほうに5〜6回巻き付ける
- 先端を輪に通して引き締める
内掛け結びは外掛けより強度が高く、大物釣り・本格フカセ釣りで推奨される結び方です。
PEライン×リーダーの結び方:FGノット(中上級者の必須技術)
PEラインを使うルアー釣り(シーバス・ショアジギング・エギング等)では、PEラインとリーダー(フロロカーボン)を接続する必要があります。最も強度が高い結び方がFGノットです。
FGノットとは
- PEラインをリーダーに編み込む方式の結節法
- 強度:ライン強度の90〜95%(最強クラス)
- 細さ:他のノットより結び目が細く、ガイドへの引っかかりが少ない
- 難易度:慣れるまで難しい。初心者は最初からFGノットにこだわらず、簡単なノットから始めて良い
FGノットの基本手順(簡略)
- リーダーを引き伸ばしてピンと張る(口で咥えるか、専用器具を使う)
- PEラインをリーダーに対して交互に上下に巻き付けていく(20〜25回)
- 最後にエンドノット(ハーフヒッチ)を5〜6回行って固定する
- 余分なラインを切ってライターで軽くあぶる(ほつれ防止)
FGノットのコツ:「海老縛り」と呼ばれる編み込み作業が核心。最初は指が痛くなることもあるが、繰り返しで身に付く。自宅でラインをたっぷり使って何度も練習すること。
簡単なPE×リーダー接続:電車結び
FGノットを覚えるまでの暫定版として「電車結び」があります。強度はFGノットより低いですが、初心者でも簡単に結べます。
- PEラインとリーダーを10〜15cm重ねる
- PEラインをリーダーに3〜4回巻き付けてユニノットを作る
- リーダーをPEラインに同様に3〜4回巻き付けてユニノットを作る
- 両方のユニノットを引き締め、二つの結び目が引き合うようにする
チチワ結び(仕掛け作りの基本)
「チチワ」は仕掛け糸の先端に小さな輪(ループ)を作る結び方で、道糸と仕掛けを素早く交換できる便利な接続方法です。
- ラインを折り返して輪を作る(二重にする)
- 折り返した先端を本線に2〜3回巻き付ける
- 先端を元の輪に通して引き締める
できた輪(チチワ)を道糸のスナップやサルカンに引っかけて接続します。サビキ仕掛け・投げ仕掛けで標準的に使われます。
結び方を練習する際の注意点
- 自宅で練習する:釣り場でいきなり結ぼうとすると焦ってうまくいかない。太めのロープや靴ひもで形を覚えてから、実際のラインで練習する
- 締める前に濡らす:乾いたままでラインを締めると摩擦熱でラインが弱化する。締める直前に水・唾液で湿らせること
- 余分は2〜3mm残す:余分なラインを切るとき、ギリギリに切るとほつれてノットが崩れることがある。2〜3mm程度は残しておく
- 結んだ後は強度テストを:完成したノットは両側をゆっくり引っ張ってテストする。釣り場でバラすより自宅で「ラインブレイク」したほうが損失が少ない
浜名湖の釣りスタイル別必要なノット
| 釣りスタイル | 必要なノット | 優先度 |
|---|---|---|
| ハゼ・投げ釣り(初心者) | クリンチノット・チチワ結び | まず最初に覚える |
| フカセ釣り(チヌ・メバル) | 外掛け結び・ユニノット | 針結びが重要 |
| シーバス・チニング(PE使用) | FGノット・クリンチノット | FGノットが最優先 |
| ショアジギング(PE使用) | FGノット・スプリットリング接続 | FGノットの精度が釣果に直結 |
| エギング(タコ・アオリイカ) | FGノット・クリンチノット | 同上 |
まとめ:結び方は「釣り上達の基礎体力」
釣り糸の結び方は、一度身に付けると一生使えるスキルです。ラインブレイクで大物を逃がす悔しさを経験したアングラーなら、ノットの重要性は骨身に染みているはずです。
まずクリンチノット・ユニノット・外掛け結びをマスターして、実際に浜名湖でハゼ・アジを釣ってみてください。釣りながら自然と手が動くようになったら、次はFGノットに挑戦。結び方の上達が釣り上達への確実な一歩です。



