相模湾の釣りスポット完全ガイド——神奈川・静岡の人気ポイント20選
相模湾は神奈川県と静岡県に囲まれた太平洋に開いた湾で、日本屈指の好漁場として知られています。黒潮の影響を受ける温暖な海域には青物・根魚・タチウオ・カワハギなど多彩な魚種が生息し、オフショアからショアまであらゆるスタイルの釣りが楽しめます。本記事では相模湾の地形的特徴から始まり、神奈川・静岡の主要釣りスポット20か所を詳しく解説します。
相模湾の最大の特徴は、湾内に相模トラフと呼ばれる最大水深1,500m超の深海が広がっていることです。湾口から急に深くなる地形は、深海から冷たく栄養塩豊富な水が湧き上がる「湧昇流」を生み出します。この湧昇流はプランクトンを大量発生させ、食物連鎖の起点となるため、相模湾全体の生産性を高めています。
また、相模湾は黒潮(日本海流)の支流が定期的に流入します。黒潮の影響で水温が安定しており、カツオ・マグロ・ブリなどの回遊魚が夏〜秋にかけて岸近くまで接近してきます。これが「相模湾=青物の宝庫」と言われる所以です。
さらに、湾の北岸(神奈川側)には相模川・酒匂川・早川などの河川が流れ込み、河口付近に豊富な栄養分が供給されます。砂底・岩礁・藻場など多様なボトム環境が混在するため、魚種の多様性も際立っています。
神奈川エリアの主要釣りスポット
1. 平塚海岸・新港(平塚市)
相模川河口の東側に広がる平塚海岸は、サーフフィッシングの名所です。シロギス・ヒラメ・マゴチが通年で狙えます。特に夏の投げ釣りではシロギスの数釣りができ、ファミリーフィッシングにも最適です。平塚新港(ひらつか花水川河口付近)ではサビキ釣りでアジ・イワシが狙えます。
- アクセス:JR東海道線「平塚駅」からバス・タクシーで約10分
- 駐車場:平塚海岸駐車場あり(有料・シーズン中は混雑)
- おすすめ釣法:投げ釣り(シロギス)、サビキ(アジ・イワシ)、ルアー(ヒラメ・シーバス)
2. 大磯港(大磯町)
大磯港は小型の漁港ですが、港内の常夜灯付近でアジ・メバルが狙える人気スポットです。堤防先端からはイナダ(ブリの若魚)やショゴ(カンパチ若魚)などの青物が秋に回遊してきます。コンパクトな港のため、子連れファミリーにも安心して楽しめます。
- アクセス:JR東海道線「大磯駅」から徒歩約15分
- 駐車場:港内に無料駐車スペースあり(早朝は漁業関係者が優先)
- おすすめ釣法:サビキ(アジ)、ウキ釣り(メバル・カサゴ)、ショアジギ(青物)
3. 小田原港・早川港(小田原市)
小田原市内には早川港(小田原漁港)があり、神奈川県西部最大規模の漁港として知られています。港内は広く、サビキでアジ・サバが数釣りできます。港の外側の堤防ではカワハギが有名で、11〜12月のカワハギシーズンには多くのアングラーが集まります。
- アクセス:JR東海道線「早川駅」から徒歩約10分
- 駐車場:港内有料駐車場あり
- おすすめ釣法:サビキ(アジ・サバ)、胴突き仕掛け(カワハギ・ベラ)、エギング(アオリイカ)
4. 真鶴港・真鶴半島(真鶴町)
相模湾のほぼ中央に突き出した真鶴半島は、岩礁帯と砂地が複雑に入り組む地形を持ち、根魚釣りの聖地と呼ばれます。カサゴ・メバル・ムラソイ・オオモンハタなどが豊富で、特に夏から秋にかけてのハタ系が人気です。磯からのフカセ釣りでは大型のクロダイが狙えます。
- アクセス:JR東海道線「真鶴駅」からバスまたはタクシーで約10分
- 駐車場:真鶴半島先端の魚つき公園付近に有料駐車場あり
- おすすめ釣法:穴釣り(カサゴ・メバル)、フカセ(クロダイ・メジナ)、エギング(アオリイカ)
| スポット | 主要魚種 | 難易度 | ファミリー向け |
|---|---|---|---|
| 平塚海岸 | シロギス・ヒラメ・アジ | 初級〜中級 | ○ |
| 大磯港 | アジ・メバル・青物 | 初級 | ◎ |
| 小田原(早川)港 | アジ・サバ・カワハギ | 初級〜中級 | ○ |
| 真鶴港・半島 | カサゴ・メバル・クロダイ | 中級〜上級 | △(磯は注意) |
熱海・網代・伊東エリア(静岡県東部)
5. 熱海港(熱海市)
熱海港は年間を通じて多くの釣り人が訪れる人気スポットです。港内の防波堤からはサビキ釣りでアジ・サバが楽しめ、堤防外側ではカワハギやメジナが釣れます。夏から秋はソウダガツオやシイラが回遊することもあります。熱海温泉と合わせて訪れる観光釣りとしても人気が高いです。
- アクセス:JR東海道線「熱海駅」から徒歩約10〜15分
- 駐車場:港周辺に有料駐車場あり
- 特記事項:釣り禁止区域があるため事前確認が必要
6. 網代港・網代漁港(熱海市)
熱海市南部の網代は、相模湾の中でも特にアジが豊富な漁港として知られています。地元では「網代のアジ」は旨いと評判で、脂がのった大型アジが春から秋にかけて多く回遊します。サビキ釣りはもちろん、アジングでも楽しめます。
- アクセス:JR伊東線「網代駅」から徒歩約5分
- 駐車場:港周辺に有料駐車場複数あり
- おすすめ時期:4〜11月(アジ・サバ)、11〜12月(カワハギ)
7. 伊東港・伊東マリンタウン周辺(伊東市)
伊東港は大型の港で、岸壁や防波堤が整備されており、初心者から上級者まで楽しめる環境です。港内ではアジのサビキ釣りが定番。アオリイカのエギングでも有名で、秋には多くのエギンガーが集まります。伊東マリンタウン前の護岸は足場がよく、ファミリーにも人気です。
8. 川奈港・富戸港(伊東市南部)
伊東市の南部には川奈港・富戸港が点在します。特に富戸港周辺は岩礁が多く、メバル・カサゴ・アオリイカの好ポイントとして地元アングラーに知られています。透明度の高い海が特徴で、潮通しもよいため青物の回遊も期待できます。
下田エリア(静岡県伊豆南部)
9. 下田港・須崎港(下田市)
伊豆半島最南端に近い下田は、黒潮の影響を直接受けるため水温が高く、南方系の魚が多く見られます。下田港ではアジ・サバの他にグレ(メジナ)・ブダイ・ハタ系が釣れます。須崎港周辺の磯では大型のクロダイが狙えます。
10. 弓ヶ浜・田牛サーフ(下田市)
弓ヶ浜は遠浅のサーフで、サーフルアーフィッシングの名所です。ヒラメ・マゴチ・シロギスが狙えます。田牛(とうじ)付近のサーフも静波・ヒラメが多いことで知られています。夏の海水浴シーズンは立入禁止区域が設定されるため注意が必要です。
相模湾で狙える主要魚種と季節
青物(イナダ・ワラサ・ブリ・カツオ)
相模湾はショアから青物が狙える数少ない場所として、全国のショアジギンガーから注目されています。夏から秋(8〜11月)にカツオ・イナダ(ブリ若魚)・ソウダガツオが接岸し、ショアジギングで豪快なファイトが楽しめます。特に秋のイナダ祭りは大磯・真鶴・熱海の各港で見られます。
カワハギ
相模湾のカワハギは全国的に有名です。岩礁混じりの砂地に生息し、10〜12月が旬のシーズンです。小田原港・真鶴港・熱海港がカワハギ釣りの名所として知られています。専用の仕掛けを使った「あさり餌のカワハギ釣り」は技術が必要ですが、釣り応えと食べ応え(肝和えが絶品)が格別です。
タチウオ
タチウオは夜行性で、夜間に中層から表層に浮いてきます。相模湾では9〜11月が最盛期。テンヤ釣り・電気ウキ釣り・ルアー(ジグやワインド)で狙います。平塚・大磯・小田原沖の船釣りでも人気がありますが、岸からも狙えます。
根魚(カサゴ・メバル・ハタ)
真鶴半島や伊豆半島の岩礁帯にはカサゴ・メバル・オオモンハタ・カンガレイ(ムラソイ)が豊富です。穴釣り・ライトゲーム・テキサスリグなどで楽しめます。特に冬から春のメバリングは夜の港での定番釣りとして人気があります。
| 魚種 | 主なシーズン | 釣り方 | 主なポイント |
|---|---|---|---|
| イナダ・ワラサ | 8〜11月 | ショアジギング | 大磯・真鶴・熱海 |
| カワハギ | 10〜12月 | 専用仕掛け(胴突き) | 小田原・真鶴・熱海 |
| タチウオ | 9〜11月 | テンヤ・電気ウキ・ルアー | 各漁港・沖船 |
| アオリイカ | 春・秋 | エギング | 伊東・伊豆各港・真鶴 |
| シロギス | 5〜10月 | 投げ釣り | 平塚海岸・大磯海岸 |
| カサゴ・メバル | 通年(冬〜春が特に○) | 穴釣り・ライトゲーム | 真鶴・伊豆各港 |
季節別おすすめポイントカレンダー
春(3月〜5月)
春は水温上昇とともにアオリイカの親イカが藻場に接近します。真鶴港・伊東港周辺の藻場がおすすめ。カワハギも春先に活性が上がります。磯ではクロダイのフカセ釣りも盛んになります。
夏(6月〜8月)
シロギスが最盛期を迎えます。平塚・大磯のサーフが特に賑わいます。7月以降は青物(カツオ・ソウダガツオ)の情報が各漁港から入り始めます。アジのサビキ釣りも各港で楽しめます。
秋(9月〜11月)
相模湾で最も釣れる季節です。青物・タチウオ・アオリイカが一斉に活発になり、各スポットが賑わいます。カワハギも10月から本格化します。ショアジギングとエギングを組み合わせて1日で複数魚種を狙う「欲張り釣行」も楽しめます。
冬(12月〜2月)
青物は沖に落ちますが、根魚(カサゴ・メバル)は冬でも釣れます。カワハギも12月まで楽しめます。冬の磯からのクロダイ・メジナは大型が多く、ベテランアングラーに人気があります。
アクセスと駐車場の総合情報
相模湾沿岸の主要釣りスポットへは以下の交通手段が使いやすいです。
- 電車:JR東海道線(平塚・大磯・小田原)、JR伊東線(熱海・網代・伊東)が主要ルート
- 車:東名高速・西湘バイパスが便利。小田原厚木道路で小田原方面へのアクセスも良好
- 駐車場:各漁港に有料・無料駐車場があることが多いが、シーズン中の土日は満車になることが多い。早朝(夜明け前)到着を推奨
よくある質問(FAQ)
Q1. 相模湾で釣りをするのに入漁料や許可は必要ですか?
A. 海での釣りには原則として入漁料や許可証は不要です。ただし、一部の漁港では釣り禁止区域や特定のエリアで立入制限が設けられています。釣り場の看板表示や地元漁協の告知を必ず確認してください。
Q2. 相模湾でショアジギングは初心者でもできますか?
A. はい、できます。ただし30〜60gのジグを遠投するため、MLからMのロッドとPEライン1号前後のタックルが必要です。初心者には大磯港や小田原港など足場の良い堤防から始めることをおすすめします。
Q3. 真鶴半島の磯釣りは危険ではないですか?
A. 磯は足場が不安定で転落の危険があります。必ずライフジャケット(磯釣り用)と磯靴(スパイクまたはフェルトスパイク)を着用してください。単独での入磯は避け、常に波の状況を確認してください。
Q4. 相模湾のカワハギはどの時期が最も大きいですか?
A. 10月下旬から12月が最も大型が釣れやすい時期です。肝臓が大きく発達する晩秋〜初冬のカワハギは食味も最高で、刺身の肝和えは絶品です。
Q5. 熱海港は現在も釣りができますか?
A. 熱海港の一部エリアは釣りが可能ですが、立入禁止区域があります。現地の案内板を必ず確認し、禁止区域には入らないようにしてください。最新情報は地元の釣具店に確認するのが確実です。
Q6. 相模湾でのタコ釣りはできますか?
A. 神奈川県の一部海域ではマダコの採取に制限がある場合があります。岸壁でのタコエギ(タコング)を使ったタコ釣りは行われていますが、漁業権の設定状況を事前に確認することが大切です。
Q7. 伊豆半島と相模湾北岸、どちらが釣れますか?
A. 目的とする魚種によって異なります。青物・カワハギは北岸(神奈川側)の各港、根魚・アオリイカは伊豆半島側がやや有利です。どちらにも一長一短があり、季節や魚種によって使い分けるのがベストです。
Q8. 相模湾での釣りにおすすめの時間帯は?
A. 基本的には夜明け前後の「朝マズメ」が最も活性が高い時間帯です。タチウオは夕マズメから夜間が主体。カワハギは日中(10〜14時)が好タイムと言われます。青物は潮が動く時間帯(満潮・干潮の前後2時間)がよいです。
Q9. 釣り上げた魚は食べることができますか?安全ですか?
A. 相模湾で釣れる一般的な魚(アジ・カサゴ・カワハギなど)は食べられます。ただし、フグは種類の見分けが難しく素人の調理は禁止されています。また、水質汚染の懸念がある場所で釣れた魚については注意が必要です。
Q10. 相模湾の釣り場情報はどこで入手できますか?
A. 現地の釣具店(ポイントフィッシング・釣りjoy等)が最も信頼性の高い情報源です。その他、「相模湾 釣果」でウェブ検索すると地元アングラーのリアルタイムな釣果情報が得られます。
まとめ——相模湾釣行を最大限に楽しむために
相模湾は日本でも屈指の好釣り場エリアです。神奈川県の平塚・大磯・小田原・真鶴から、静岡県の熱海・網代・伊東・下田まで、多様な釣り場が集まっています。各スポットの特徴と季節を理解して釣行を計画すれば、初心者でも十分な釣果を期待できます。
相模湾釣行の鉄則3か条:
- 釣り場のルールを守る——禁止区域への立入や禁漁期間の違反は厳禁です
- 安全装備を忘れない——ライフジャケット・磯靴・レインウェアは必須
- ゴミを持ち帰る——釣り場の環境を守ることが釣りを続ける上で最も大切なマナーです
相模湾の豊かな海を楽しみながら、マナーある釣り人として素晴らしい釣行を重ねてください。



