ハモ(鱧)は京都の祇園祭に欠かせない高級魚として知られていますが、浜名湖・遠州灘でも夏に釣れる身近な魚です。
問題は「骨が多い」こと。ハモの骨切りは料理人の技として有名ですが、実は家庭でもコツを掴めばできます。料理之進が、ハモの骨切りから多彩なレシピまで完全解説します。
Contents
1. ハモ(鱧)の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分類 | ウナギ目ハモ科 |
| 別名 | ホリコ(愛知・三河)、ウミウナギ(一部地域) |
| 体長 | 50〜100cm(大型は150cm超) |
| 旬 | 6〜9月(梅雨入り〜盛夏が最高峰) |
| 食味 | 白身で上品な甘み。クセがなく繊細な味わい |
| 特徴 | 小骨(Y字骨)が非常に多い。骨切りが必要 |
| 浜名湖での釣れ方 | 夜釣りの投げ釣り・ブッコミ釣りで外道として釣れることが多い |
| 市場価格 | 高級魚。1kg 2,000〜5,000円以上 |
2. ハモの下処理と骨切り
捌き方(大まかな手順)
- 活け締め・血抜き:釣り上げたらすぐに頭を切って海水に浸し血抜き
- うろこを取る:ハモのうろこは細かい。包丁でこそぎ取る
- 内臓を除去:腹を開いて内臓を取り除く
- 背開き:ハモは背開きにする(腹開きでもOK)。背骨沿いに包丁を入れて開く
- 骨切り(最重要工程):下記参照
骨切りの方法(家庭での簡易版)
ハモには細かいY字骨が皮下に多数あり、そのままでは口に刺さって食べられません。骨を切って食べやすくするのが「骨切り」。
必要な道具:包丁(柳刃包丁が最適、普通の出刃包丁でもOK)
- 背開きにした身を皮側を下にしてまな板に置く
- 包丁を垂直に立てて、皮を切らないギリギリのところまで「トントントン」と等間隔で細かく切り込みを入れる
- 切り込み間隔は1mm以内が理想(細かいほど骨が口に当たらない)
- 腕を使ってリズムよく切る。慣れると1分で1尾できる
ポイント:皮1枚残すのがコツ。皮まで切ってしまうと身がバラバラになります。
3. レシピ①:ハモの湯引き(落とし)——最高の食べ方
京料理の定番。骨切りしたハモに熱湯をくぐらせると、身が花のように開いて美しい。
材料(2〜3人分)
- ハモ(骨切り済み):300〜400g
- 梅肉だれ:梅干し2〜3個(叩いてペースト状に)、醤油少々、みりん少々
- 薬味:大葉・みょうが・すだち
作り方
- 骨切りしたハモを5〜6cm幅に切る
- 大きめの鍋にたっぷりのお湯(95〜100℃)を沸かす
- ハモを1切れずつ熱湯にくぐらせる(10〜15秒。身が白く花のように開く)
- すぐに氷水に入れて冷やす(5〜10秒で取り出す)
- 水気を切って皿に盛る。梅肉だれ・薬味で食べる
ポイント:熱湯は十分に沸騰させること。生ぬるいお湯では身がきれいに開かない。
4. レシピ②:ハモの天ぷら——ふわっと軽い食感
骨切りしたハモを天ぷらにすると、骨が揚げ油で溶けてサクサクの食感に。
材料(2〜3人分)
- ハモ(骨切り済み):400g
- 天ぷら粉:大さじ6
- 冷水:大さじ6(冷たくするほど衣が軽くなる)
- 揚げ油:適量(180℃)
- 塩・天つゆ
作り方
- ハモを8cm幅に切る
- 天ぷら粉を冷水でさっくり混ぜる(混ぜすぎNG)
- 180℃の油で2〜3分揚げる(泡が少なくなってきたら揚げ上がりのサイン)
- 塩・天つゆで食べる。すだちを添えると最高
5. レシピ③:ハモの照り焼き——ご飯に合う!
材料(2人分)
- ハモ(骨切り済み):300g
- タレ:醤油大さじ2、みりん大さじ2、砂糖大さじ1、酒大さじ1
- サラダ油:少々
作り方
- フライパンにサラダ油を熱し、ハモを皮面から焼く(中火、2〜3分)
- 裏返して反対面も焼く(1〜2分)
- タレを加えて絡める。照りが出てきたら完成
- ご飯の上に乗せてハモ丼にしても絶品
6. レシピ④:ハモ鍋(秋のハモ鍋は別格)
秋(9〜10月)のハモは「子ハモ」として脂が乗り、鍋にすると最高級の出汁が出ます。
材料(4人分)
- ハモ(骨切り済み):500〜600g
- 昆布出汁:1.5L
- 具材:白菜・豆腐・えのき・三つ葉
- つけダレ:ポン酢・ゆずこしょう
作り方
- 昆布出汁(昆布を2〜3時間水に浸したもの)を鍋に入れて弱火で加熱
- 白菜・豆腐を入れて火が通ったらハモを少量ずつ加える
- ハモが白く変わったら(30秒〜1分)食べる。ポン酢・ゆずこしょうで
- 残った汁でうどん・雑炊を作ると最高の締め料理になる
7. ハモ骨の活用(骨せんべい)
捌いた後の背骨・肋骨は骨せんべいにできます。
- 骨をきれいに洗い、水気を拭き取る
- 片栗粉をまぶして170〜180℃の油でゆっくり揚げる(7〜8分)
- 塩・カレー塩で食べる。サクサクのおつまみに
まとめ——「ハモは釣り人だけが楽しめる夏の最高級食材」
市場でkg単価5,000円以上することもあるハモが、浜名湖の夜釣りで釣れることがあります。難点は骨切りが必要なことですが、コツを掴めば家庭でも十分に楽しめます。
湯引きの梅肉だれ・天ぷら・照り焼き——ハモのポテンシャルを最大限に引き出す料理を、ぜひ試してみてください。
※ハモは生きている状態で鋭い歯を持ち、非常に危険です。釣り上げたら必ず頭を切るか脊髄を切断してから扱ってください。素手でつかむと噛みつかれて重傷を負うことがあります。



