10月・11月の海釣り完全ガイド——秋の爆釣シーズンを攻略する
10月・11月は日本の海釣りにおける「黄金シーズン」です。夏の高水温が落ち着き、青物・アジ・サバ・カツオ・タチウオといった魚たちが越冬に向けて荒食いを始めるこの時期は、一年を通じて最も多くの魚が釣れる季節といっても過言ではありません。
また秋は魚だけでなく、釣り人にとっても快適な季節です。真夏の炎天下や厳冬期と違い、気温・気候ともに穏やかで、長時間の釣行も苦になりません。この記事では、秋の海の特性から始まり、10月・11月のターゲット別攻略法、ショアジギングとエギングの秋戦略まで完全解説します。
水温低下と魚の動き
9月下旬〜10月にかけて海水温が急速に低下し始めます(太平洋側では26℃前後→20℃前後に)。この水温変化が秋の釣りを劇的に変えます。
- 青物の南下:夏に北方向(東北・北海道方面)に分布していたブリ・ヒラマサが、水温低下とともに南へ戻ってくる。この「秋の南下回遊」が各地で青物フィーバーを引き起こす
- 荒食いの開始:魚たちは冬の低水温期に備えて体に脂肪を蓄えようとする。この「荒食い」モードで食欲が爆発し、食いの渋い夏とは別物のような釣れっぷりになる
- 深場への移動準備:一方でヒラメ・カレイは深場に移動する前の「荒食い」期間で、沿岸に接岸してくる
- アオリイカの新子成長:春に孵化したアオリイカの稚魚が秋には200〜400g程度に成長し、活発に捕食する時期になる
秋の釣りカレンダー
| 魚種 | 10月前半 | 10月後半 | 11月前半 | 11月後半 |
|---|---|---|---|---|
| 青物(ブリ・ハマチ) | ◎ | ◎ | ○ | △ |
| カツオ | ◎ | ○ | △ | — |
| タチウオ | ◎ | ◎ | ○ | △ |
| アジ・サバ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
| アオリイカ | ◎ | ◎ | ○ | △ |
| カレイ | △ | ○ | ◎ | ◎ |
| ヒラメ | ○ | ◎ | ◎ | ○ |
| メバル | △ | ○ | ◎ | ◎ |
※◎=最盛期、○=釣れる、△=やや難しい、—=ほぼ釣れない(地域差あり)
10月のターゲット——青物・アジ・サバ・カツオ・タチウオ
青物(ブリ・ハマチ・イナダ)
10月は青物狙いの最高潮期です。南下回遊してきたブリ・ハマチ・イナダが各地の磯・堤防・サーフを騒がせます。
釣り方のポイント
- ショアジギング:メタルジグ30〜60gを遠投してリトリーブ・ジャーク。青物は速いアクションに反応しやすい
- カゴ釣り:コマセでナブラを引き寄せてからカゴ釣りで狙う
- ノマセ釣り(泳がせ):生きたアジを泳がせて大型ブリを狙う遊漁船釣りが人気
- 攻略ポイント:ナブラ(小魚が海面を逃げ回る様子)を見つけたら即キャスト。ナブラが消えても周辺に魚がいる場合が多い
カツオ
秋カツオは「戻りガツオ」とも呼ばれ、春夏に北上したカツオが南に戻る際に太平洋岸を通過します。10月が最盛期で、房総半島・三浦半島・静岡・遠州灘沖での遊漁船釣りが人気です。
- カツオの一本釣り:遊漁船では疑似餌(カツオ一本釣り専用)を使った一本釣りが定番
- ジギング:沖合でのジギングでもカツオはよく釣れる。イワシカラーのジグが効果的
- 刺身の美味しさ:脂の乗った戻りガツオの刺身は絶品。釣り立てを食べる贅沢は遊漁船ならでは
タチウオ
秋はタチウオ釣りの最盛期。東京湾・大阪湾では遊漁船が連日大盛況になります。
- 船釣り(テンヤ釣り):専用テンヤにキビナゴを付けて底〜中層を探る
- 夜の堤防釣り:電気ウキ釣り・ワインド釣法(ジグヘッド+ワーム)で堤防から狙える
- タナ:秋は比較的浅め(水深15〜40m)に魚が浮いてくることが多い
- 指数:秋の最盛期はF4〜F5の良型が出やすい
アジ・サバの数釣り
秋のアジ・サバは脂が乗って食べても最高。数釣りでは1日100匹超えも夢ではない爆釣シーズンです。
- サビキ釣り:岸壁・堤防で手軽に楽しめる。コマセ袋に市販のアミエビを詰めてタナを探る
- アジング:軽量ジグヘッド(1〜3g)+ソフトワームで繊細に狙う釣り。尺アジ(30cm以上)も秋なら狙える
- カゴ釣り:遠投で沖合の大アジを狙う。夕マヅメ〜夜にかけてが時合
11月のターゲット——カレイ・ヒラメ・アオリイカ・メバル
カレイ(投げ釣りの主役)
11月は投げ釣りファン待望のカレイシーズン本番です。水温低下とともにカレイが接岸し、砂浜・港・河口部での投げ釣りで好釣果が期待できます。
カレイ投げ釣りの基本
- タックル:投げ竿4〜5m(錘負荷20〜30号)・スピニングリール大型(3500〜5000番)
- 仕掛け:カレイ専用2本針仕掛け。フラッシャー(ビーズ)付きが集魚効果あり
- エサ:アオイソメ(青虫)が最もポピュラー。イシゴカイ・ユムシも有効
- ポイント:砂泥底の海岸・漁港内・河口近くの砂地
- 釣り方:遠投後は動かさずにじっくり待つ「置き竿」が基本。時々20〜30cm引いてエサを動かすと誘いになる
ヒラメ(フラットフィッシュの王様)
秋〜冬はヒラメが最も脂を蓄える時期。「フラットフィッシュゲーム」として近年大人気の釣りです。
- サーフフィッシング:砂浜(サーフ)からヒラメ専用ミノーやメタルジグをキャスト。底を意識してスローリトリーブ
- 泳がせ釣り:生きたイワシ・アジを泳がせてヒラメを誘う。大型(ソゲ・座布団ヒラメ)が出やすい
- ルアーの鉄則:ヒラメは「底から少し上」を泳ぐ。底スレスレをゆっくり引くのがコツ
アオリイカ(秋エギングの醍醐味)
秋は今年生まれのアオリイカ(新子)が100〜500gに育ち、活発に餌を追うシーズンです。数釣りが楽しめ、エギング入門にも最適な時期。
- エギのサイズ:秋の新子サイズには2号〜2.5号の小さめのエギが有効。大型狙いなら3〜3.5号
- カラー:昼間はオレンジ・ピンク、夜間はグロー(夜光)・金テープが定番
- アクション:シャクリ→フォール(沈め)の繰り返し。フォール中にアタリが出ることが多い
- ポイント:藻場(アオリイカは藻に産卵するため藻場に集まる)・漁港内・堤防先端
メバル(秋から冬のロックフィッシュ)
メバルは春が最盛期とされますが、秋から水温低下とともに活性が上がり始めます。夜のライトゲームで楽しめる身近な魚です。
- メバリング:0.3〜1gの極軽量ジグヘッド+1.5〜2インチのワームで漁港や磯の常夜灯周りを攻める
- ウキ釣り:電気ウキを使って虫エサ(イシゴカイ)でじっくり狙う伝統的な方法
- ポイント:常夜灯の光が海面に映る境界線・テトラポッド周り・岩礁の際
ショアジギングの秋シーズン戦略
秋ショアジギングの基本タックル
| タックル | スペック | 選ぶポイント |
|---|---|---|
| ロッド | ショアジギング専用 9〜10ft、M〜MH | 遠投性能と操作感のバランス |
| リール | スピニング4000〜5000番 | ドラグ性能重視。青物の走りに対応 |
| メインライン | PEライン1〜2号 | 感度・飛距離重視。1号で大半の青物に対応 |
| リーダー | フロロ4〜6号・1.5〜2m | 傷付きやすいPEをガード。結び方も重要 |
| ジグ | メタルジグ 20〜60g | 水深・潮流・飛距離に応じて選択 |
秋ショアジギングの釣り場選び
- 磯・地磯:最も青物が入りやすい。潮通しが良く、ベイトフィッシュが豊富な場所を選ぶ
- 堤防先端:潮が当たる先端部が最もポイント。沖から青物が突進してくる
- サーフ:砂浜からのロングキャスト。ナブラが出た時の爆発力は堤防以上
秋ショアジギングのアクション
- ワンピッチジャーク:ロッドを一回しゃくってリールを一回転させる基本アクション
- フォール:ジグを落とす時間を取る。フォール中のバイトが多い
- 速巻きリトリーブ:青物が活性高い時は一気に速巻きするだけでHIT
- レンジを変える:表層・中層・底層と広く探ることで回遊層を見つける
エギングの秋シーズン——春と秋の違い
春エギングと秋エギングの比較
| 比較項目 | 春エギング(3〜6月) | 秋エギング(9〜11月) |
|---|---|---|
| イカのサイズ | 大型(500g〜3kg超) | 小〜中型(100〜500g) |
| 釣れる数 | 少ない(大型を厳選) | 多い(数釣りが楽しめる) |
| エギのサイズ | 3.5〜4号(大きめ) | 2〜3号(小さめから) |
| 難易度 | 高(大型はスレている) | 低(新子は積極的に食う) |
| おすすめ釣り人 | 中〜上級者 | 初心者〜上級者全員 |
秋エギングの戦略
- まず2〜2.5号の小さなエギでスタート:新子の小型個体を数釣りする
- 徐々にサイズアップ:10月後半〜11月にかけてイカが成長するにつれ、3〜3.5号にサイズアップ
- 藻場を重点的に攻める:アオリイカは藻(アマモ・ホンダワラ)に産卵するため、藻が生えているポイントが最もよく釣れる
- 日中でも釣れる:春より活性が高く、日中でも積極的にエギを追う。特に水の透明度が高い晴天の昼間が視認しやすく釣りやすい
秋の釣りで気をつけること
気候・装備の注意点
- 朝晩の冷え込み:10月下旬〜11月は朝晩の気温が急激に下がる。重ね着できる防寒着を準備する
- 急な荒天:秋は台風シーズンの名残で天気が変わりやすい。波高・風速の天気予報を必ず確認
- 日没が早い:11月の日没は17時頃と早い。ライトの準備と帰宅時間の計画を立てる
- ライフジャケット:磯や堤防では波にさらわれる危険がある。必ず着用
よくある質問(FAQ)
Q1. 10月・11月の釣りで最もおすすめのターゲットはどれですか?
A. 釣り経験・スタイルによって異なりますが、初心者には秋のアジング・サビキ釣りが最もおすすめです。数釣りが楽しめ、食べて美味しく、タックルも安価です。中級者以上にはショアジギング(青物)とエギング(アオリイカ)が秋の醍醐味を最大限に楽しめる釣りです。
Q2. 10月と11月ではどちらが釣れますか?
A. ターゲットによります。青物・カツオ・タチウオは10月が最盛期で、11月になると南へ行ってしまうか深場に移動します。一方、カレイ・ヒラメ・メバルは11月以降に本格化します。アジ・アオリイカは10〜11月前半が最もよいため、10月が「秋釣りの総合王」という印象です。
Q3. 秋のアジングはどんな場所で釣れますか?
A. 漁港の常夜灯周り・堤防の常夜灯下・港の曲がり角(潮が当たる場所)が定番ポイントです。秋のアジは暗い場所より常夜灯で照らされた明暗の境界線(明るい側から暗い側に向けてキャスト)に集まる傾向があります。また水温低下とともに表層から中層〜底層に落ちてくるので、タナを変えながら探ることが重要です。
Q4. 秋のショアジギングでブリを釣るにはどうすればいいですか?
A. ブリ(ブリ級)は稚魚のモジャコから成魚まで呼び名が変わる出世魚で、釣れるサイズも様々です。秋のショアジギングでは①ナブラや鳥山(カツオドリが魚を追って集まる場所)を見つけてキャストする、②朝マヅメ・夕マヅメに実績ポイントで粘る、③ジグは水平フォールするセミロングタイプが有効、が基本戦略です。
Q5. 秋のヒラメ釣りで「座布団ヒラメ」(大型)を釣るコツは?
A. 座布団ヒラメ(60cm以上)を狙うには①ベイトフィッシュ(イワシ)の回遊情報を確認する、②泳がせ釣り(ウキ・底の双方)を使う、③サーフでは沖側のブレイク(急深になる場所)を集中的に攻める、④朝マヅメの30分を最優先する、の4点が重要です。座布団ヒラメは決して簡単ではありませんが、秋〜冬の最大の釣りロマンです。
Q6. 11月になってもエギングは楽しめますか?
A. 地域によって差がありますが、水温が15℃を下回ってくると活性が低下します。太平洋側の温暖な地域(紀伊半島・九州など)では11月後半〜12月もエギングが楽しめます。一方、日本海側や東北では10月後半に水温低下が急なため、11月はかなり難しくなります。釣具店の最新釣果情報を確認してください。
Q7. 秋のカレイ釣りで特に釣れる時間帯はいつですか?
A. カレイは朝マヅメ(日の出前後1〜2時間)が最も活性が高いとされています。また潮が動く「潮替わり」の前後(満潮・干潮の前後2時間)も好時合です。日中の潮止まりは食いが落ちることが多く、「夜明け前から竿を出して午前中で勝負する」のが秋カレイ釣りの定石です。
Q8. 秋の釣りに適した服装を教えてください
A. 10月前半は日中まだ暑いが朝晩は冷える時期。薄手のミドルレイヤー(フリース等)を持参しましょう。10月後半〜11月は防寒着が必要になります。釣り用ウェアの重ね着(インナー+フリース+アウター)が最も機能的です。また磯・堤防では風が強いため防風性の高いウィンドブレーカー類は必須です。
Q9. 秋の釣りで子供と一緒に楽しむには何が向いていますか?
A. 秋はサビキ釣りが最もファミリーに向いています。アジ・サバ・イワシが活発な10月は、子どもでも簡単に数釣りが楽しめます。安全な足場の良い堤防・漁港内で、仕掛けを落として巻くだけのサビキ釣りなら、幼稚園児でも楽しめます。エキサイティングな瞬間(大量のサバが掛かる等)は子供の記憶に残る最高の体験になります。
Q10. 秋の夜釣りで何が釣れますか?
A. 秋の夜釣りの主役はタチウオ・アジ・メバルの3種です。タチウオは日没後に浅場に浮上し、夜釣りが最も効果的。アジも常夜灯周りに集まり、夜のアジングで数釣りが楽しめます。メバルも夜行性で、常夜灯周りの暗い部分に定位しています。さらにクロダイ(チヌ)の落とし込み釣りも夜間に活性が上がります。
まとめ——秋の爆釣シーズンを最大限に楽しもう
10月・11月の秋釣りは、日本の海釣りで最も多くの魚種が楽しめる黄金シーズンです。青物の南下回遊・アオリイカの成長・カレイの接岸・ヒラメの荒食いと、一年を通じて最高のコンディションが揃います。
- 10月の主役は青物・タチウオ・カツオ:秋の回遊魚フィーバーを堪能する
- 11月の主役はカレイ・ヒラメ・メバル:底物・根魚狙いに切り替える
- アジ・アオリイカは10〜11月前半が最盛期:数釣りと質釣りの両方を楽しむ
- ショアジギングとエギングが秋の定番:アクティブな釣りで秋の海を攻略
- 防寒と安全対策を万全に:秋の急激な気温低下と荒天に備える
今年の秋も、釣り場で最高の釣果を!



