秋の味覚であるサンマ。
その時期は当たり前のように、鮮魚コーナーに並ぶ大衆魚です。
安くいし調理もしやすいため、なんとなく買ってしまうのだが……「塩焼き」もいい加減飽きてきた。
蒲焼きなど和食アプローチは子供の頃から散々味わっている。
「じゃあ欧風にしましょう!」と、得意のアプローチではじめてサンマを攻めることになった。
サンマのサンテュベール風を作ってみよう(20分くらい)
「サンテュベール風」とは、ジビエの内臓や血を使ったソースを使用したフランス料理のこと。
和食でも似た調理法はあり、肝や内臓を使うのは当たり前だけど、血液は必ず洗い流すため、それを使う料理は海の向こうだけに存在する。
西洋料理は難しいと、敷居が高く思われてる。
でももともとは家庭料理が礎だし、焼くのと煮込むことが多いから、放置できる料理が多い。
どちらかといえば、和食のほうが工程が多く、面倒にも感じる。
世界の料理は鍋と包丁とレードルがあればどれでも再現できます。
というわけで今回は、「大人が大好きなサンマの内臓をソースにしてしまおう!」という算段。
下ごしらえからはじめて、およそ20分程度の調理時間。
材料(一人分)
- サンマ1匹(30cm程度)
- 白ワイン(大さじ3)
- オイスターソース(大さじ1)
- オリーブオイル(適量)
- しょうが(ミジン切り2つまみ)
- 日本酒&みりん(それぞれ大さじ1)
- 砂糖(小さじ1)
──最低限はこれだけ。あとは「あったらイイネ♪」な物。
「見栄えはどうでもいい。ただ腹を満たせばいい」みたいな考えなら、特に必要ないです。
- 出汁(だしの素でいいし、味噌汁の残りでもいい)
- 適当な野菜(余ってたオクラを使用)
- 飾り(プチトマトとバジルを使用)
1.サンマを開いて水気を切り下味をつける
キレイな姿で開きたいならこの方法。腹か背開きで中骨を切り取る方法でも構わない。慣れない人は三枚開きでも可。
内臓は使うので残しておくこと。
開いたら血をよく洗ってから水気を拭き取り、身の方へ塩をかけて余分な脂と水分を飛ばして、下ごしらえ完了。
2.内臓のソースを準備する
まな板に取り残された内臓と血に、しょうがと「適当な物」を合わせて包丁で叩く。
余ったオクラを使ったけれど、塩焼きの付け合せにする予定だった大根をおろしてもよかったかなと。
ペースト状にしたら小さな容器に移し、日本酒とみりんを入れ混ぜ合わせ、ここでの工程は終了。
サンマを蒸し焼きにする
フライパンにオイルをひいてしょうがを入れて香りつけ&臭み消しの予防線。
煙が立つ前に皮面からサンマを入れ、白ワインを注ぎ蓋をして中火で蒸し焼きにする。
コゲ付き防止のためには、フライパンを揺らしてサンマを張り付かせないこと。
ワインが飛んで水気がなくなり、音が静かになったら味付けを開始する。
味付けをする
煮魚の煮汁とオイスターソースを使ったけれど、出汁としょうゆくらいで十分。
それを入れてフライパンを揺らしながら全体になじませ、サンマをひっくり返し、身に味を染み込ませる。
ここで熱すぎると速攻で焦げてしまうので、追いオイルして全体の温度を下げてから味付けをするとうまくいく。
蒸し焼きの時点で全体に火は通るので、火を消してじっくりやっても可。
魚のソテーはオイルに”浸す感覚”でやると焦げにくいし、オイルを取り替えることで臭み抜きにもなる。
ソースを煮詰める
オイルを拭き取るか、別のフライパンに用意した内臓ソースを入れ火にかける。
食べるのが大人だけであれば、サンマの甘みを際立たせるため、苦味を前面に出すようにする。そのためにみりんと砂糖だけで苦味をコントロールしている。
子供向けにするのであれば、バターと牛乳を適度に入れて灰色っぽくする。それでも苦いと感じれば蜂蜜を使うのが手。
適当に盛り付けて完成!
有り体にいえば、「ソテーした魚に塩辛を添える」みたいなもの。
ソースの色で見た目が暗くなるので、選ぶ皿は白がおすすめ。
葉っぱを乗せても暗かったから、プチトマトを添えてようやくバランスが整った。
レモンやかぼすを添えるのは、酸味と苦味が喧嘩するのでオススメしない。
それだったら普通にソテーするだけでいいと思う。
冷凍や旬を外れた痩せたサンマに合う調理法
冷凍サンマは、塩焼きにしても「ぼそぼそした食感」になりやすい。
なので脂を適度に補給できるソテーと相性がいい。
水煮サンマの缶詰は、トマトピューレで煮こむだけで結構イケる。
「新鮮じゃないし、これ絶対味が悪いよな…」って食材ほど、味付けで調整できる洋風が格段に楽。
塩漬けサンマもこれは合うんじゃないかな。
腹がピンとした新鮮なサンマであれば、塩焼きが無難だったりする。
でもグリルの洗浄が面倒なのよね……、この苦労は調理した人にしかわからない。
なので後片付けを率先したり、ねぎらったりすると、好感度が上がると思います。