陸上に地図があるように、海には「海図」が存在します。
それはGoogleMAPのように、気軽に大衆がホイホイ見ることはできません。
「海図が釣りの参考になるか?」
といわれれば、外洋に面したサーフだとかなり有効。
それをスマホで見れる「海釣図(かいちょうず)」は、地域毎の海底地形図を見れる便利な機能が備わっています。
海釣りに役立つ機能を他にも備えるので、どれほどの物か紹介しましょう。
「海釣図」の地図機能だけで月額の元は充分取れる説
「海釣図」の主な機能は、GPS連動で海底の起伏がわかる沿岸(海)の地図を見れること。
起伏がわかることは、深さもわかりますね。
これと海上保安庁の「海洋情報部」を兼ねれば、航行するに十分な情報が手に入ります。
海釣図はボート(カヤック含む)でこそ活きると思われがち。
実は陸っぱりでも活用でき、些細な地形変化が重要なサーフにおいては、最終兵器になりえます。
サーフは沖の地形変化を読むのが難しいですが、それを知るに海釣図を利用すると──
「なぜ魚が入りやすいのか」
「なぜベイトが集まりやすいのか」
みたいなことまで知ることが、一応可能です。
浜松沿岸部をちょっと見てみよう
遠州灘沖には漁礁があったりして、ボートでのジギングやらキャスティングはそれなりに人気。
シラスの漁場でもあるため、小魚など海の栄養は豊富。
沖はキハダやカツオなどの青系回遊魚がメインですが、時期によっては中深海の根魚なども。
年中通して何かしら狙える水域です。
……とりあえず、浜名湖沖の地形をちょっと覗いてみましょう。
「──あれ? 意外と沖まで浅くね?」
遠浅の浜なので、そりゃ当たり前なんですが……。
実際の深度を見て、改めて実感する人は多いのではないかと。
ここの地形だけでも、潮流の方向や、地形の成り立ちの裏を知ることが可能です。
浜松市と磐田市は、天竜川の土砂が堆積して形成された扇状地の上に在ります。
暴れ天竜ちゃんはどんどん砂を海へ運び、時間をかけて海底を埋めていき、もともと在った岩肌が砂にすっぽり覆われて、現在ある遠浅の砂浜が完成しました。
よく見ると、東西で深度が違うことに気づくのではないかと。
遠州灘沿岸には、東から西へと流れ(海流)があります。
これが丁度いい感じにブチ当たるのが、袋井~磐田辺りで、海底に砂が溜まりにくかったから、他よりちょっと深い理由にもなっている。
そして海流が当たるってことは……それにより沿う回遊魚などたちも、訪れやすいってわけ。
流れがあれば砂は堆積しにくく、岩は削られて深くなりやすい。
逆に西側は東から流れる砂が押し込められ続け、浅めの箇所が広いのはこのためです。
「海流が地形を造る」ことを理解すれば、鹿島灘と九十九里浜がどうやって生まれたのかも、わかるのではないかと。
「言葉でいわれてもワカンナイ」
って人は、扇状地形成の実験動画を見て直感してどうぞ。
地形の生まれ方を、TVを見ながら学べるのは、「ブラタモリ」がベスト。
断層や地層の成り立ちから、人が住む町はどうしてできたのかなど。
自然の力による形成と侵食の仕組みについては、学術書を見るよりわかりやすい。
サーフの地形を読む2つの心得
ということで、海釣図の海底地形図は、潮流も読み取ことも可能なのがわかったでしょう。
現地を見ずとも、起伏がわかる地図があれば、ある程度砂浜から先の海中も読み取れるわけです。
それができれば、自分の目で見た時に、砂浜の形状を把握するのは造作なくなりますね。
サーフにおける地形の基本で、おさえるべきは点は2つ。
- 流れがあると深くなる
- 流れの先は浅くなる
離岸流が発生している箇所は深くなると、色々な本で教えられているでしょうけど……行き着く先は浅くなるわけです。
この“浅くなる箇所”が、馬の背とか呼ばれている、ちょっと砂が盛り上がった箇所のこと。
そして海底の高低差は波が教えてくれます。
それに関してはこっちに詳しく書いてあるのでどうぞ。
「まずルアーを通して流れを把握する」
なんてことも推奨されていますが、通さなくても海は教えてくれているんですよ。