弁天島海浜公園は、JR弁天島駅からスンッと降りて目の前にある地域。
かつてはホテル業も盛んで、潮干狩り客の多くを惹きつけ、海水浴に魚釣りなど海のレジャー拠点として名高い弁天島だが、現在は昭和のバブル感が残り、津波にガクブルする地域になってしまっている。これをなんとかしようと、2019年の4月頃に再整備計画の公募が開始された。
11月13日に優先交渉権者が決定し、未来の弁天島がお披露目されました。
ポチップリニューアルする弁天島海浜公園は2022年開業予定！
再整備する内容を箇条書きすると──
- 3階建てのホテル建てるよ！（客室数71）
- 2階建ての商業施設造るよ！（飲食にサイクルステーションなど）
- 990平方メートルの広場を作るし結婚式もOK！
ふむ、つまり定番のイオンだな。……いやいや「道の駅」ぽいヤツで行こうかって話。その理想形は「フィッシャーマンズワーフ＋宿泊施設」の模様。大丈夫？ 土地足りる？
この区域内は昭和が色濃く残り、老朽化したホテルが立ち並ぶ。集客どころか、予想される災害に耐えるかどうかの瀬戸際。なら新設（改修）しようにも、現存だけでは資金力がない。あればやってるし、客を呼び込むには集めるだけの要素が必要だ……！ とでも思ったのでしょうね。
弁天島は浜名湖の入り口から最も近い地域であり、景観の条件もかなり良くJR駅が近い良好な宿泊立地。だからこそ、東南海地震に対応できる”安全”のハードルが高めの場所でもある。
再整備に市が乗り気になったのは、防潮堤が完成するからでしょう。
ノーガード戦法だった今までなら、最大想定の10m超の津波で壊滅する地域です。そんな土地をわざわざ再開発しようとは普通考えないですよね。それが防潮堤のおかげで半減されます。弁天島海浜公園の再開発も、「これならいけるんじゃね？」と気づいたのでしょう。
──人が集まるかは別ですが。
駐車場は300台で足りるのか？
水産物を販売する店が出来ることは歓迎。むしろ「ようやくか……」って感じですね。
とはいえ、地産の水産物は大した物がないぞ、大丈夫か？ パッと思いつく限り、全国区はアサリとシラスとウナギくらいしかないじゃないか。それよりも、そこら中にいて食害もあるクロダイやキビレも、刺身じゃなく煮付けでもウマイことを証明して減らしたり、ヘダイの塩焼きで腰を抜かせたり、新鮮なボラの刺身はマダイに勝ってるやん！ くらいのラインナップで攻めて欲しいところ。遠州灘産のトラフグとハモ？ それは豊洲に持っていけ。
──商業施設ができることは歓迎ですが、駐車場スペースが少なすぎやしないか。
現状を維持するようですが（約300台）、舞阪港のえんばい朝市ごときで、もれなくキャパオーバーするってのに、宿泊者との兼用にしたら、オープンしてしばらくは当問題が浮き彫りになりそう。周辺道路も狭めだし、JRを使って上手く分散させないとワンオクの渚園ライブより渋滞がひどいことなりそう。
イメージ図を見る限り、要塞化ではなく現状を上手く再利用って感じですね。
これで総事業費14億は多すぎだろ──と思っていましたが、49年間で使う金額とすればしゃーなしかな。構想を実現する程度なら4億以内くらいだろうし。浜名湖の新たな観光拠点として頑張っていただきたいですね。
てか20年後にはもう不動産価値もないだろ……。
もう1者の公募者案が気になるんだぜ
事業を勝ち取ったのは、東海地方を代表するかなりガチ目な面子の観光業連合。そんな出来レースめいたコンペに敗れはしたが、もう1者の案もあったらしい。
個人的には負けた案のほうが気になっていて、その内容は「アウトドアレジャー」を中心とした計画だったよう。浜名湖といえば弁天島──、まあ釣りのメッカだし？ 潮干狩りの拠点だし？ 一応海水浴場にもなっている。少し戻ればマリーナなど船着き場が多く、海のレジャー拠点として活用するのも、アリといえばアリ。
だけど海のレジャーなら、浜名湖の”内側”が向いている。現存の海浜公園を釣り公園化しても今切があるし、ぶっちゃけ現状と大して変わらないですね。そこを突かれたのではないかなーと思います。
ひとつは宿泊施設を備えた観光拠点。ひとつは釣り人に蹂躙されるであろうアウトドアレジャー拠点。どちらがいいといえば、そりゃ旅行業界とずっぷりいけるほうがオイシイでしょ（ゲス）。
当事業が目指すのは、こんな風に（↓）大手旅行会社が紹介してくれるような場所ですしね。
……浜名湖全体を集めても勝ち目が薄いぜ。
ポチップ浜松のグルメガイドはけっこう多いんですが、いつも2ページ目くらいに「掛川」が来るからフフッてなる。もう静岡県西部でまとめようよ。
