「燃費不正問題」を抱える三菱自動車を、日産が出資して資本提携することになりました。
いわゆる”M&A”ですね。
もともと軽自動車では提携していることもあり、「なるべくしてなった」ともいえる。獣道すらないジャングルを抜けるには、いつまでかかるのだろう。
2社が合併してもトップには届かない
三菱と日産がひとつになれば、”軽自動車売上No.3”である『ホンダ』に並ぶか、超えることになる。
ご存知のとおり、三菱自動車の燃費不正問題が抱える補填による金銭的負担は大きい。
燃料代の差額を返金、軽自動車の生産ラインは停止中。おまけに提携していた日産にも飛び火して、両社の4月期成約率は大幅減となり、株価も下落中。
正直いって「倒産秒読み?」の状況。
「これからどうする?」と存続させたいのなら、合併するか潔く潰すかが、無難な手段になる。
今回みたいな「不祥事」が原因ならば、社内体制が原因であるため、関係者を排除し、トップは責任を問われて辞任をし、「これでクリーンですよ?」とアピールするのがよくある終わらせ方。
日産と三菱は「社名のブランド力」が強い。
仮に全く新しい社名でスタートしても、その力を取り戻すのは容易じゃない。合併してもどちらが主導権を握るかで、揉めるでしょう。
「クレームは損失しかない」との意見もあるが、結果的には利益を生みだす。
それは論じてこそ──ですけどね。
「お客様は神様です──ケドあなたは違います」
「お客様は神様です」という言葉は、まるで呪詛のよう。
これを「神様だから何やっても許される」と勘違いした人たちが、サービス業の悩みのタネになっている。
誰がいい出したのかというと、三波春夫と宮尾たか志による、対談での一言が起源だった。
「三波さんは、お客様をどう思いますか?」
「うーむ、お客様は神様だと思いますね」※「お客様は神様です」について
これは「客席にいる神様に向けて歌を捧げる」意味での言葉。
どこをどう間違ったのか、「お客様は神様! 一番偉い!」と解釈して使っている人がいる。
サービス業を黒く染めてしまったのは、神様と呼ばれる意味を誤解した人たちがもたらした、残念なクレームによる蹂躙だと感じている。
釣り竿が折れてしまった──どうする?[>コマンド]
釣りで多い難癖は、「釣れないじゃないか!」「道具が壊れたんだけど!」などでしょう。
”釣れない”は自然が相手、何卒ご理解を頂くとして、問題は”壊れた”場合。
「あなたは本当に正しく使っていましたか?」
高いロッドが「~~が壊れた! ほんとクソ」とたまに見るけれど、”何故そうなったのか”を説明している人は少ない。
それを見て「うわー使いたくない」とか、「もう買うのやめよ」と考えるのは早計すぎるし、流されすぎ。
ロッドは正しく使っていれば、そうそう折れるものじゃないんですよ。
耐水じゃない本を風呂で読んで「ふやけた!」はおかしい。
子供連れお断りの店に「入れろ!」もおかしい。
最近は商品の注意書きが細かくなって、想定内を保証対応とし、想定外は”ご理解”を求める形になっている。ようは訴訟対策ですね。
良いクレームと悪いクレーム
- 良いクレームとは、改善点を見出す切り口の論じ方。
- 悪いクレームとは、自分の都合を押し付ける論じ方。
「お客様は神様です」を格言とした企業は、客の声を反映することで、利益を出している。
そのほうが満足度は高くなるが、余計な物を載せてしまうため、現代の主流である「シンプル」から外れてしまい、ひとつを突出させた商品に負けたことは多い。
ガラケーと国産スマホはその最もたる例です。
とにかくお客様の要望を聞いて、「あれもこれも」と機能を詰め込みすぎて、技術が追いつかなくなった典型例だった。
それを犠牲にして、使いやすさを追求して成功したのが「iPhone」です。
クレームは、する人としない人がいる。
傲慢な神様はごく少数だけど、とにかく声がデカイのが難点。それはただのワガママだから、その声を聞き過ぎると、わざわざ客が少ない市場に順応してしまうことになる。
何かが壊れてしまった時に、「壊れた!弁償しろ!」とはやし立てるのではなく、「何故壊れたんだろう…」と一考してもらいたい。
前者は互いに損失しか産まず、後者は互いに利益をもたらします。