GW土産に「3000円で山陰の干物買ってきて」と頼んだら、クールな宅急便でもっさり届いて驚く。
その干物達を見て、何かピンときたから干物を釣りに行きました(?)。
干物はなぜ美味しくなるのか
干物は保存食の役割もありますが、旨味が凝縮された上質な食材です。
魚を乾燥させることで、旨味成分であるアミノ酸が、たんぱく質の分解酵素の働きにより大幅に増加・濃縮されるため、よくわからんけどメチャ美味い物へ変身します。
干物の歴史は古く、奈良時代に献上物としての記録があります。
近代以前は冷蔵設備もないし、氷室も手軽ではないため、保存するうえで干物や塩漬けは知恵の結晶であり、交易品としても重宝されていた。
ある意味、日本の歴史宿るソウルフード、それが干物です。
干物の種類
どれも”干す”ことは同じですが、違うのは下ごしらえのやり方。
- 一般的な「生干し」
- 朝においしく頂く「一夜干し」
- めんどいから「丸干し」
- ひと手間かける「煮干し」
空気が乾燥し、色々な水揚げが期待できる秋が、干物をするに向いている季節です。
ん? 釣り場って広くて風通しもいいし、絶好の干物ポイントになるのでは?
そんなわけで、魚を釣ってすぐ干物にすれば、わざわざ夜間に下処理して間隔をあけることもないし、すぐ乾きそうだし、いろいろ得じゃない?
という経緯で、干物を釣りにいったのだった。
干物を釣ってみよう!
勝手知ったる場所なので、根魚狙いの短期決戦。ロックフィッシュ狙いの一個師団がいて、「今日は難しいかな」と思っていた。
けれど、ここそこあそこ──と、だいたい3時間くらいで十分なくらい確保完了。
22cm前後のカサゴ4匹に、25cmのムラソイ2匹。同じくらいのがもう4匹くらい──。
締めるには十分だけど、開くのには小さいナイフが問題点。剥き身の包丁なんて所持していれば、おまわりさんに何をいわれるかわかったもんじゃない。
アウトドアで使う刃物にも「銃刀法」は適用されます。
そう難しく考えることもなく、ようは鞘なり布でくるんで、剥き出しで所持してなけりゃいい。
アウトドアに関しては、使わないとどうしようもないこともあるので、一般よりは寛容です。
──そんなわけで小さいナイフで捌くハメになったのだが、特にムラソイくんは生命力がハンパなく、活けで素手は「お前が刃物やん」とツッコミたくなる。
だが そんなのかんけい ないね!
干しました。作業が完了したのは午後1時過ぎくらい。
友人談では、近くにいた釣り人が「すげぇ…あいつ釣りながら干物つくってるよ…」とかいっていたらしい。私もこんな場面に遭遇したら、「ナニモンだあいつ…!?」と思ってしまう。
本来は殺菌(気休め)のために酒を使ったり、真水で塩気を調節したいところ。
「これが本来の干物よ」と、昔の人をリスペクトして、全て海水で行った(辛そう)。
──ここまでは簡単なんだけど、”味”については後日になるのは仕方がない。
釣りの反省点はないが干物の反省点はある
15時くらいから曇りはじめ、風もうまく当たらず、乾きがちょっと甘かった。日照は十分だったが、岸壁で風通しが悪かったせいかな。
都合よく、物干し竿的な木が「ニョキ」っと生えていればいいけれど、残念なことに背面は岩肌と崖しかない。干す方法を見直す必要がありそうだ。
むしろザルの上に鎮座しとけばそれでよかったのでは、と思う。
鳥や猫にパクられても、それはそれでオイシイ。
釣り場で干物を作ることはできないことはない。けど仕上がりは環境に左右されやすい。
干す道具は小型化して、持ち運びやすく、効率的に風を通せる──そんな方法をある程度は導きだした。
「答えはきっと、100均にある」
あそこの商品を組み合わせると、なんでもできる気がしてくるんだ。