令和2年7月豪雨も7月13~14日が最後の山場と予想されます。
1週間後には本州もほとんど梅雨明けチャンスがあるし、本物の夏がやってくる可能性が高い。被災地にとっては悪夢を払拭する期間となり、心配のお気持ち表明が仕事の地域は普段どおりの生活が続く……。この温度差は如何ともし難い。
浜松市の海側は崩れた報告もなく、せいぜい浜名湖がカフェオレ色になった程度だったが……、そんな状況下でも釣り人を見かけるのはなぜだろう。「あいつらどんな天気なら釣りをあきらめるのだろう」──と考えたのでした。
「ちょっと川の様子見てくる(ついでに釣りしてくる)」
今回の豪雨で戦慄したできごとは、雨が特にひどかった翌日くらいですかね……。
買い物帰りに奥浜名湖の都田川河口近くを通ったんですよ。そしたら名古屋ナンバーの車がいて、泥濁りの中に立ち込んでウェーディングしてましたね。素で「ばかじゃねぇの」と声が出ました。いや出るでしょ。
都田川は氾濫注意で済んでいたと記憶していますが、上流はずっと強く降っていたし、あの雨で流木などゴミが大量に流出してくるのは間違いない。そのポイントは、流木がよく流れ着いているため、ルアーを投げたところでゴツゴツ当たるのをバイトと勘違いして、「今日は喰いが悪ぃナ」とかなるパターン。
それを”知っていれば”、まずやらない。
ただ、あのアングラーの心中を考えると……もしかしたら、1年のうち今日しか釣りができない体だったかもしれない。だからしょうがなくやってみた可能性も捨てきれない。でもあれだよ、愛知県のほうが降ってなかったから、矢作川の河口でもいいんじゃないかとは思うわけ。「YOUはなんでわざわざ浜名湖に?」と感じてしまうわけです。
どれほどの荒天ならアングラーは釣りをあきらめるのだろうか
その日は雨も小康状態で、ドアを開けたら2秒でずぶ濡れにならない状況だったからこそ、買い出しにでかけていました。
釣りをするには邪魔にならない程度の雨だった。私もそう感じることはできた。
ただ西日本と東日本で大雨警報がバンバン出ている状況の中で、外でやる遊びに出かける神経は疑います。暴風警報で休みになることは常識になっているけど、なぜか大雨警報で休みになることはほぼないですよね。学校だと車に乗って出勤する先生方は、「傘させばええやろ」の感覚で登校を勧めているのだろうか。
多くの人は休みになる気象条件に、「台風」を挙げると思います。台風ほどバカでもわかる命が危ない気象はないわけで、世界中の誰もが危険性知っているはず。
でも大雨の予報に関しては、いまいち危険性の周知がないのが現状でしょう。西日本豪雨も東日本豪雨も今回の豪雨も、あらかじめ局地的な大雨は予測されていましたが、過ぎてみれば「これほど降るとは……」と、見通しの甘さに嘆いています。
”予想はできても絶対と言い切れない”のが自然相手の予測です。
「さすがに台風で釣りは行かないだろ」と、思う人もいるでしょうけど……。毎年のように、台風の高波で命を落とすアングラーがいるのも事実。自然で遊ぶ人ほど、自然の驚異に鈍感な気がします。
私なんて、雷が鳴った程度でノイズキャンセリングのイヤホンぶっ刺して、音楽ガンガン出してアイマスクなり布団をかぶってガタガタ震えるほうですよ。雷なんてどこに落ちるかはランダムじゃないですか。家のアンテナに落ちて、屋根が吹っ飛んだりPCがお亡くなりになったりとか、間近で体験したくないし、その瞬間を目にしたくもない。
自然は予測できてもコントロールできない
私が自然を驚異に感じるのは、これからどうなるかを予想はできるものの、人間がコントロールできる領域じゃないところ。
例えばクッソやばい台風が上陸間近で、「アレが通り過ぎた後は基礎も残らないぞ!」って状況でも、「やれやれ……ちょっと日本救っちゃいますか」となろう的な主人公は現れないじゃないですか。ファンタジーじゃないんだから、現実は地下室で生きていることを祈るか、進路外へ脱出するくらいしか対処しようがないじゃないですか。ミサイルぶち込んでなんとかなるのなら、アメリカさんがハリケーンにやっているでしょうに。
自分が自然に対して極度のビビリだから、この状況下でも空の下で何かをする──てのが、信じられません。
GoToが22日から始まりますし、JR東日本は21日前の予約で新幹線と特急が半額キャンペーンも予定されています。21日前に予約したとして、その日にこういう大雨予報がぶち当たると直前に判明したら、「さぁどうしよう」の選択が迫られます。「キャンセル料がもったいないからとりあえず行く」──てのが、最もハマりやすいパターンではないかと。
行って後悔するよりも、行かずに後悔するほうがまだいいのでは?
避難せず後悔するよりも、事前に避難して「何事もなくてよかったね」でいいと思うんですけどね……。