「魚配りおじさん」とは、釣った魚を配るおじさんのこと。
釣り人からすれば凄腕で、尊敬しちゃう存在。いっぽう、食べきれない魚を近所に配ることで、実は嫌われていることを知らない。
謎の生態を解明しちゃいます。
魚配りおじさんの謎
魚配りおじさんに不思議な点は多い。
特筆すべきなのは、「悪意は全くない」こと。
魚配りおじさんが嫌われるのは、下処理も一切せず、ゴミが増えるだけの魚を押し付けられるから。逆に下処理をしているなら、優秀だといえる。
──魚を捌くのって、すごい面倒なんですよ。
できあがりは美味しいけど、至るまでの過程が、生臭さとゴミ処理との戦いです。時間もかかるし、臭いも残りやすい。……台所をあずかる身として、これほど嬉しくないおすそわけもありません。
配る側はただ純粋に、よかれと思ってやっていること。
近所付き合いも円滑にしたいし、だからこそ断りにくい。
釣った魚をそのまま他人にあげるのは、同じく釣りをして、下処理しない魚を捌くことに慣れているなら……喜ぶ人もいるでしょう。
けれども、釣りをしない家庭にとっては、ただただ迷惑なんです。
魚を釣ることが好きな人ほど配り側になりやすい
魚釣りの楽しみ方は人それぞれ。
”魚を釣る”ことが好きな人もいれば、”魚釣りをする”ことが好きな人もいる。これらは同じに思えるでしょうけど、価値観は180度違っているため、実は仲が悪い。
「魚を釣るのが好きなタイプ」は、数釣れるほど喜びます。
1匹ごとに興奮物質が増えていき、爆釣になるほど歯止めがきかず、釣りすぎてしまいやすい。釣りすぎた結果、処理しきれなくなって、近所に配りだすのが王道です。
釣れるのは楽しいし、釣れるだけやりたい気持ちはわかる。
釣り場から釣られた分だけ魚は減ります。釣りすぎは後にくる人が悲しい思いをするきっかけになりやすいし、なにより、資源保護が叫ばれる昨今では、褒められた行為じゃありません。
ようするに、何事もほどほどに──ってことよ。
悪意のない魚配りおじさんを止めることはできるか?!
「NOといえない日本人」よろしく、同調圧力による”いえない空気”は日本の悪しき文化です。
魚配りおじさんは近所に潜みます。もし町内会で上の人間だったり、顔が無駄に広いタイプなら、受取拒否をすることで、町からハブられる可能性だってあります。
配る側はそこを全く考えないんですよね。ぶっちゃけサイコパスです。
もし魚を配る際は、くれぐれも”適量”を意識してください。
誰もがわかる高級魚(ブリ・マグロ)なら喜ばれるでしょうけど、サビキで釣れた大量のアジサバイワシをビニール袋もっさり渡されても、足が早いし処理に困ります。
相手の人数も考えるとスマートですし、下処理をして「あとは焼くだけだから」と渡せば、魚配りおじさん(神)になれるはず。