牡蠣の加熱用と生食用の違いを知ることで見えるモノ

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”海のミルク”ともいわれる牡蠣は、今が旬のピークで、店頭でもよく見られます。

分類として大まかに「真牡蠣」「岩牡蠣」の二種類が存在し、前者は秋のはじまりから春まで、後者は夏が旬です。

店頭に並ぶと「加熱用」と「生食用」に分けられていますが、その理由を知っているでしょうか。

そしてどちらがより美味しいのだろうか。

牡蠣の「加熱用」と「生食用」の違いは?

ここで「なぜ生で食べることができないのか?」を考えてみましょう。

これは”鮮度の問題”ではありません。

そもそも貝類を生食することは、食中毒のリスクが高いです。

貝は体内に海水と一緒にプランクトンなどの栄養分を取り込み、それを濾すことで成長していきます。

貝自体が「ろ紙」の役割を果たしていると考えてくれていいです。そして残った物が「糞」として排泄されるわけです。

貝類は人が酸素を吸って二酸化炭素を吐き出すように、海水を飲んで食べる物を濾過した水を排出しています。

いわば海の浄化ポンプみたいな役割を果たしています。

アサリの水質浄化作用長野木曽青峰高等学校

アサリの浄化パワーについては、これが写真と解説つきで非常にわかりやすいかと。

ようするに、海の汚れが圧縮されている内臓を食べてしまうと、「食アタリ」になる可能性があるわけ。

フグと同じようなもんです。身に毒素が宿ることはほぼありません。

貝の刺身では「ホタテ」が有名でしょうけど、あれも”内臓だけ”は取り外してます。

貝類を生食するための”ひとしごと”

貝で毒となりえるのは内臓であり、糞であるとはわかって頂けたかと。

「じゃあ生食用の牡蠣はなんで食べれるの?」って疑問に思うでしょうけど、簡単なことです。

アサリの砂抜きのように、内臓しているアレを全て吐き出してもらえばいいだけです。

活きた牡蠣を、殻を剥いてそのまま生でジュルン──できるのは、水質が良い証拠といえます。

ここでいう”水質”とは、人が生み出した物ではなく、自然本来に存在するものだけならば……の話。

マズイ牡蠣は、海にとってもマズイ物を食べて育つから生まれる物なんですよ。

生食用と加熱用の牡蠣はどちらが新鮮なのか?

生食用の牡蠣は、数日間絶食させたのち、滅菌消毒をして、ようやく販売ルートに乗ります。

数日間何も食べさせないのと、消毒処理を経るので、どうしても身が痩せてしまい見た目が「べちゃあ」になりやすい問題がある。

それに対し、加熱用の牡蠣はほぼ無加工で販売ルートに乗るため、生食用よりか鮮度は勝ります。

栄養面でも加熱用のほうが勝ります。

そりゃあ数日何も食べない牡蠣よりか、自然から与えられる栄養素を存分に含んだ牡蠣のほうがいいです。

「加熱用の牡蠣を生食するとどうなるか?」は、たまに辛い物がある獅子唐を食べるみたいなもの。当たるも八卦当たらぬも八卦。

そもそも生食用より内臓にアレが残されているので、味の純粋さとしてそれに劣ります。

そこまでして生で食べたいの?

「そこまでするほど、生の牡蠣は美味しいものだろうか」……という疑問はあるかと。

加熱することで失われるのは、「身のクリーミー」さ。生の貝は硬い物が多く、サザエやアワビなどは味よりも歯ごたえを楽しむほうが趣とされている。

牡蠣はそれらと比べると異質で、”飲める”感じですね。

ほどよく塩気が残った身は、噛めば溢れる甘味をほどよく引き立てます。

綺麗な海で育った牡蠣は、内臓の苦味もあまり感じられません。

海が極度に汚れた70年代より、現在の海は格段に水質が良くなりました。

それに伴って、生牡蠣を提供する飲食店も増えていますね。

静岡で新鮮な牡蠣を堪能!オイスターバーのお店4選|macaroni

水質の改善もあって、全国どこでも美味しい牡蠣が食べやすい時代となりました。

その改善を陰ながら実現できたのは、貝類たちであり、その一員である牡蠣です。

「牡蠣の浄化能力ってどのくらいスゲーの?」と疑問に持つなら、「ゼネラル・オイスターグループ」の取り組みを見てみるといいでしょう。

牡蠣のエサは海中の植物性プランクトン。これを取り込もうと、あの小さな体でなんと1時間に約20リットル、1日に約400リットルもの海水を吸い、吐き出しています。
牡蠣は海をきれいに浄化する貝類といわれるほど、海水の状況により牡蠣自体も影響が及びます。

牡蠣は偉大。はっきりわかんだね。

【余談】牡蠣が嫌いな人おりゅ?

「牡蠣が嫌いな人」は、1950~80年生まれに多いんじゃないかな。

この頃は最も水質が悪かった時期なので、マズイ牡蠣も出回りやすかった背景があります。

そんな牡蠣を最初に食べてしまえば、「皆がいうほど美味しくない」と、苦手意識を持つでしょう。

牡蠣は水質改善と、運送技術の発達で負のイメージを拭い去ったわけですが、現在も時代の苦手意識を受けつづけているのが、魚の「ボラ」ですかね。

河川をはじめとする海沿岸にはどこにでも居るような魚なので、釣ったり食されたりはしてきました。そして沿岸で生息したおかげで、汚染の影響をモロに受けてしまいました。

彼も水質悪化の影響を受けて、「身までクサイ魚」と評されるようになり、それが現在も続いています。

……今は全然そんなことないんですけどね。

逆にフローラルでトロピカルな香りがする魚を教えてもらいたいものです。

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