ヤドカリの飼い方・飼育に必要な道具・餌・仲間種類・混泳・繁殖・通販について徹底解説!

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海に行くと、貝殻を背負ってチョコチョコと歩き回る生き物がいます。ヤドカリです。

釣り人にとっては釣り餌にもなる生き物ですが、貝殻に引っ込んだり、ヒョッコリと出てくる姿や可愛らしい大きさ、捕まえやすさなどから子供達にも人気があり、広く親しまれている海の生き物です。

そのため家族で海に行った際に「ヤドカリ飼いたい、家に連れていきたい」というお願いをされた事がある方もいます。

今回は、そんな願いを叶えるためにも海の小さな人気者・ヤドカリの特徴や飼育方法などについて皆様にご紹介させていただきます。

はる@釣行中
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特徴を復習したい方、ヤドカリくらいならペットにしてお子さんの願いを叶えたい方は特に必見です。

Contents

1,貝殻を背負ったアイドル!ヤドカリの特徴について!

①分類

ヤドカリの生物学上「十脚目抱卵亜目異尾下目ヤドカリ上科」に分類されており、見た目からは分かりづらいですがカニやエビの仲間で甲殻類です。

オカヤドカリ科、オキヤドカリ科、ヤドカリ科、ホンヤドカリ科、ツノガイヤドカリ科がおり、広い海域や貝殻に適応している種類でもあります。

はる@釣行中
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陸上最大級の甲殻類であるヤシガニ、ペットとして人気が高いオカヤドカリは陸上に適応した種類であり、幼生時は海中でプランクトン生活をしていますが、上陸すると海水に入る事は少なくなります。

⭐タラバガニはヤドカリの仲間!

毛ガニ、ズワイガニと並んで人気が高いタラバガニですが、前2種より脚の数が少ない事からヤドカリの仲間として知られていました。

しかし、2009年に新分類としてタラバガニ科は「タラバガニ上科」に移される事になったので、異尾下目はそのままに新たな分類となりました。

はる@釣行中
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また、タラバガニは異尾下目ですが、毛ガニ・ズワイガニは「短尾下目」に分類されているので、海の生き物に詳しくなりたい方は下目も覚えておくと紛らわしい種類と出会っても簡易的な判別ができるようになります。

②生息地について

ヤドカリの仲間は現在2470種も確認されており、そのほとんどが海に生息しています。

相当水質が悪い地域でなければ適応する事ができ、世界中の海の浅瀬や磯、深場、サンゴ礁などに生息しています。

日本でも沿岸部であればその姿を観察する事ができ、巻き貝の殻を背負って底を歩き回っています。

はる@釣行中
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また、生息密度が高く、狭い潮溜まりであっても1匹見つければ周りには5〜6匹見つかる事も珍しくありません。

⭐淡水性のヤドカリがいる!?

ほとんどが海に生息しているヤドカリの仲間ですが、淡水性のヤドカリの仲間も存在しています。

それが「タンスイコシオリエビ科」で、こちらも異尾下目に分類されています。

タンスイコシオリエビ科は60と数種類が確認されており、南アメリカ原産種です。

異尾下目に分類されてはいますが貝殻は背負わず、平たい頭胸殻と細長い鋏脚、短く平たい尾部を折り曲げてお腹にピッタリとくっ付けています。

はる@釣行中
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また、ヤドカリ科の仲間に1種だけ淡水性の種類がいるようですが、その実態は謎に包まれたままです。

③どんな見た目をしているの?

ヤドカリの仲間は基本的に巻き貝の貝殻を背負っています。この貝殻はヤドカリの家になるだけでなく、外敵の攻撃から身を守ったり擬態するのにも用いられます。

種類によっては「ある生き物」を背負ったり、ガラスの貝殻やカメラのフィルムケースなどを背負う事もあります。

鋏脚は太短く縦に開く種類が多いですが、「ヨコバサミ」の仲間は鋏脚が横に開く種類です。

またヤドカリの仲間自体が小型種が多く、鋏脚も小さい事が多いのですが、一部の種類は片方の鋏脚が発達して攻撃や防御に使う種類もいます。

ヤドカリの仲間の多くは腹部(尾)があまり発達しておらず、最大の弱点となっているため貝殻に収納する事で弱点を守っています。

腹部はプヨプヨしていてとても柔らかく、巻き貝の形に合わせるために左右不対象になっています。

ヤドカリは歩脚が8〜6本しかないように見えますが、それは第4〜5歩脚がかなり短くなっていて、背中側に折り畳まれているため目立たないからです。

この極小の脚は貝殻が落ちたり外れないように固定する役割があると考えられています。

はる@釣行中
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貝殻を背負ってチョコチョコと歩きますが、カニと違って前に歩く事もでき、岩場や漁港の壁面、枝サンゴの先を登る事もできるなどパワフルな一面もあります。

④どのくらいの大きさ?

海中に生息しているヤドカリ達は、基本的に巻き貝から出ている頭胸部が1.5〜3cmほどの小型種が多いです。

はる@釣行中
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しかし、ソメンヤドカリやオニヤドカリなどの大型種は頭胸部や鋏脚、歩脚も太く、背負う貝殻の大きさもかなりの物になります。

⑤どんな物を食べているの?

雑食性の生き物で、砂泥内のデトリタスや柔らかい海藻や藻、小魚やエビなどの死骸、ゴカイやウミケムシなどの水生生物を食べています。

ヤドカリ達は捕食する事は珍しいですが、お腹が減ったり自分に合った貝殻が無いと小魚や巻き貝を襲う事もあります。

はる@釣行中
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中には超危険生物・イモガイ(アンボイナ)も逃げ出すような種類もいるようです。

⑥性格は?

ヤドカリは天敵も多いため、影が少しでも横切るだけで殻に隠れてしまうほど臆病ですが、ちょっとだけ様子を見て安全だと判断するとすぐに動きだすほど気持ちの切り替えが早い生き物です。

そのため捕まえたりショップで飼ってきた個体は最初は殻に籠っていても、少し時間を空けるだけで活発に動きだします。

特に飼育期間が長い個体は、指の動きにビックリする事はあれど完全に殻に引っ込む事は少なく、通常通りに活動する事もあります。

はる@釣行中
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また、一部の種類は気が強い事もあり、他のヤドカリから宿を奪ったり、最悪の場合は捕食してしまう事もあるので注意が必要です。

⑦別名はあるの?

ヤドカリは古語で「かみな」と呼ばれており、それが転じて「ごうな」「がうな」「かむな」「かうな」などと呼ばれる事があります。

また、海外では貝殻にすぐ隠れる様子から「ハーミットクラブ」と呼ばれたり、オカヤドカリがココナッツを好むとされる事から「ココナッツクラブ」と呼ばれたりします。

陸上に特化したオカヤドカリの場合は、沖縄の方言で「アマン」「アママー」「クーアマム」「アーマンツァー」などと呼ばれています。

この「アマ」は一説には琉球神話の創成神などから来ていると考えられており、神聖な生き物とされている事があります。

はる@釣行中
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これはかつての琉球文化で、人が亡くなると神聖な場所に安置して「ヤドカリ葬」をした事から、オカヤドカリは亡くなった人の体を土や海に還し、魂を天に還す生き物として特別視されていた事が関係していると思われます。

2,実は奥深い世界!?ヤドカリの仲間達についてご紹介!

ヤドカリは海の生き物の中でもかなり身近な存在のため、日本だけでなく海外でも高い人気があります。

はる@釣行中
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その中でも今回はマリンアクアリウムで親しまれている種類と珍しい種類をいくつかご紹介させていただきます。

①ユビワサンゴヤドカリ

メリハリのある美しい見た目から高い人気を誇るヤドカリです。

頭胸部はパステルブルーで眼は青、触角はオレンジ、鋏脚は黒褐色、歩脚は黒褐色に鮮やかなブルーのバンドがいくつも入ります。

また、紫色の毛も生えており、ヤドカリの地味なイメージを払拭させてきます。

最大甲長は約5cmと少し大きめで、チョウセンサザエなどの大きめの貝殻に好んで入ります。

性格はやや強めで、同種同士だとケンカする事がありますし、餌が足りないと自分より小さなヤドカリを食べてしまう事があるので注意が必要です。

はる@釣行中
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稀に「ハワイアンユビワサンゴヤドカリ」という種類が入荷する事がありますが、そちらは眼とバンドが鮮やかオレンジ色で陽気な雰囲気があります。

②アカツメサンゴヤドカリ

純白の体に歩脚の先端だけ朱色に染まる上品な種類です。

甲長は約2cmほどの前者より小型な種類で、性格も大人しく他のヤドカリとも仲良く過ごす事ができます。

はる@釣行中
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野生下では枝サンゴの隙間などで暮らしており、意外と活発な性格をしています。

③スベスベサンゴヤドカリ

名前の通り鋏脚や歩脚がツルツルスベスベの美肌系ヤドカリです。

鋏脚と歩脚の一部が白く、頭胸部はパステルブルー、それ以外は茶褐色をしています。

甲長は約2cmとアカツメサンゴヤドカリと同じくらいですが気が強く、同種多種問わず戦いを挑んで宿を奪う事があります。

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また、片方の鋏脚が大きく発達しており、殻に籠った時に大きな鋏脚でフタをする事で防御力を高めています。

④ホワイトブルーレッグハーミットクラブ

カリブ海原産の小型種で、白い頭胸部にオレンジ色の触角、ブルーの歩脚は爪先が白、関節は赤色です。

また、鋏脚は黒褐色に細かい白のドット模様で眼は小さいですが、星空のように美しい模様があります。

甲長は約1cmですがとても美しい種類であり、性格も大人しい事から人気の高い種類です。

はる@釣行中
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筆者が学生の頃は「カリビアンブルーハーミットクラブ」という流通名で販売していたショップがあり、飼育・繁殖もしやすかった思い入れのあるヤドカリです。

⑤ホワイトストライプラインハーミットクラブ

前者に良く似た小型のヤドカリで、甲長は約2cmと前者より少し大きめです。

体色は全体的に白みがかっており、触角はオレンジ色、眼は星空のような模様があります。

また、鋏脚も細かな白のドット模様がありますが、地色が茶褐色と明るめです。

はる@釣行中
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歩脚は白地に茶褐色のラインが入るため、よく観察すれば前者との見分けも簡単で性格も大人しく飼いやすいヤドカリです。

⑥アデヤカゼブラヤドカリ

「艶やか」の名の通り、派手な体色が魅力のヤドカリです。サンゴヤドカリ達と共に、沖縄でも見る事ができます。

甲長は約4cm、頭胸部はベージュで眼は黄色、眼の付け根部分と触角、片方だけ大きな鋏脚は優しい紫色、歩脚は山吹色にベージュのラインという目立ちまくりな体色をしています。

はる@釣行中
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ヤドカリの仲間の中では深場に生息しており夜行性で暗い場所を好んでいますが、飼育下だと関係なく活動します。性格は大人しいので複数匹飼育する事もできます。

⑦ポルカドットハーミットクラブ

カリブ海原産のヤドカリの仲間で甲長は約3cmの珍しい種類です。

頭胸部は白く、赤紫に白のドット模様が入った鋏脚、歩脚は朱色に白のバンドが入ります。

はる@釣行中
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飼育はしやすいのですが大人しいため色んなヤドカリと混泳させる場合は隠れ家や貝殻を多めに用意する必要があります。

⑧スカーレットリーフハーミットクラブ

「レッドレッグハーミットクラブ」という別名もあり、眼の付け根が白く、全身が深紅に染まる情熱的な体色のヤドカリです。

はる@釣行中
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甲長は約3〜5cmとなり、性格も大人しく飼育しやすいのですが、他のヤドカリより草食性が強いため海水版コケハンターとしてコミュニティタンクでも活躍しています。

⑨ルチルスハーミットクラブ

甲長約2cmの小型種ですが、前者と違い全身鮮やかな朱色に染まるヤドカリです。

かつては「レッドヨコバサミ」と呼ばれていましたが、1999年に学名が付けられてから現在の名前で呼ばれるようになりました。

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性格は大人しく、飼いやすい種類です。

⑩ベニワモンヤドカリ

他のヤドカリ達と違ってフラットな体型をしている珍しい種類です。

甲長は約5cmで頭胸部は白、眼は赤、鋏脚と歩脚は赤の地色にオレンジ色の細いバンド模様がこれでもかというくらい入る派手な種類です。

ベニワモンヤドカリはヤドカリの仲間の中でもイモガイやマガキガイなどの入り口が狭い巻き貝に好んで入るため、丁度良いサイズの宿が無い場合は巻き貝を襲ってでも手に入れるパワフルな種類でもあります。

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しかし、性格は至って温和なので飼育もしやすく美しい種類として人気があります。

⑪スタッグホーン・ハーミットクラブ

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巻き貝を背負わないというヤドカリの常識を破壊している珍しい種類です。

市場で出回る事も少なく、自然下での観察例も少ない謎に満ちたヤドカリであり、彼らが背負うのは生きたサンゴの一部となっています。

はる@釣行中
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僅かな飼育データによると彼らを飼育する場合は、背負っているサンゴも健康に飼育する必要があるため飼育難易度はヤドカリの中でも高い種類です。

⑫カンザシヤドカリ

甲長は僅か5mmという超小型のヤドカリです。

どんな物を背負っているのかと言うと、最早、逆に「背負われてる側」になっている珍しい種類となっています。

彼らはサンゴやライブロックに空いた小さな穴の中に住んでおり、この穴は「イバラカンザシ」などの美しいゴカイの仲間が作った「棲管」です。

実際イバラカンザシがたくさん棲んでいるサンゴをよく観察するとカンザシヤドカリが生息しており、鳥の羽のような触角を振って微細なプランクトンを捕まえています。

はる@釣行中
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また、市場ではイバラカンザシの付いたサンゴを飼うとカンザシヤドカリが付いてくる事もあります。

⑬マダラヨコバサミ

日本でも見る事ができるヤドカリの仲間で、甲長は約3cmくらいの小さな種類です。

性格も穏やかで、黒にオレンジ色の斑模様が特徴的ですが、個体差や地域差があります。

はる@釣行中
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飼育は簡単ですが、海藻などの植物もよく食べるので餌不足や海藻類のレイアウトには気を付けるようにしましょう。

⑭ホンヤドカリ

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日本沿岸部で良く見られる種類であり、一般的にヤドカリというと本種の事を指します。

海藻そっくりの暗い緑色の体色に星空のような眼が特徴的で、派手さではなく燻し銀のような渋さを売りにしています。

はる@釣行中
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性格も大人しく活動的なので、じっと見ていたくなるような面白みもある他、コミュニティタンクではクリーナーとして活躍もしています。

3,ヤドカリの飼育の注意点について

可愛くて飼育もしやすいヤドカリはマリンアクアリウムでも人気が高く、美しいヤドカリだけの水槽を立ち上げる方もいれば、ヤドカリを飼育するためにマリンアクアリウムを始めたという方もいます。

しかし、そんなヤドカリ達も飼育環境が良くないと短命に終わってしまう事も少なくありません。

その注意すべき点をまとめてみました。

〜🐚ヤドカリの注意ポイント🐚〜

・意外と餌をよく食べるので餌不足に注意する事。

・引っ越すための貝殻をたくさん用意する事。

・色んな種類のヤドカリを飼育する時はケンカから逃げられるように隠れ家をいくつか作っておく事。

・コード類を登る事があるのでネズミ返しかフタを設置する事。

主にこれらが挙げられます。

はる@釣行中
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特に引っ越し用の貝殻は必要不可欠で、貝殻が不足すると相手の宿を奪うためにケンカが勃発したり、最悪の場合は共食いに発展してしまうため注意が必要です。

4,ヤドカリの飼育方法について

①お迎え

ヤドカリのお迎え方法は現地で採集するか、ショップで購入するの2つです。

近くに海がある場合は、そこが一般人も立ち入って良い場所か確認してから磯に行き、潮溜まりにいるヤドカリを捕まえましょう。

ヤドカリは人の気配を感じるとすぐに貝殻に引っ込むため、タイミングが悪いと巻き貝と間違えやすいです。

その場合は少し様子を見ていると、貝殻から出てきて動き出すのでヤドカリを見つけたら優しく貝殻の部分を掴んで捕獲しましょう。

しかし、オカヤドカリの場合は現地で天然記念物として保護されている事があるので捕まえないでください。

近くに海がない、海外の美しいヤドカリが飼育したいという方は海水系に強いアクアショップや総合ペットショップがオススメです。

はる@釣行中
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通販でもお迎えする事は可能なので、気になる種類をネットで探してみるのも良いと思います。

②水合わせ、導入

ヤドカリは水合わせ無しでも大丈夫という話も聞きますが、腹部が想像以上に貧弱なので、ショック死を防ぐためにも水合わせをしましょう。

まずは水槽に20分ほど袋ごと浮かべて水温を合わせます。自然採集した場合は丈夫なポリ袋に海水ごと入れてから水槽に浮かべれば簡単に水温合わせをする事ができます。

水温を合わせ終わったら、パッキングを開封して中の水を1/5〜1/4捨て、水槽の水を足して15〜20分ほど様子を見ます。

特に異常が見られなければ、袋の中の水がほとんど水槽の水になるまでこの行程を繰り返しましょう。最後の水合わせ後も異常が見られなければ、水槽に解き放ちます。

水槽に放たれたヤドカリは、最初は驚いて殻に籠っていますがしばらくすると殻から出てきてチョコチョコと歩き始めます。

また、元気が良い個体はライブロックの上に登って鋏脚でツマツマを始める事があるので、ほんの少しだけであれば餌を与えても問題ありません。

はる@釣行中
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本来であれば導入直後の給餌は控えたいところですが、お腹を空かせたヤドカリ同士のケンカの方が怖いです。

Q,水槽を立ち上げてからどのくらい経てば魚やヤドカリを導入できるの?

A,期間は水槽の状態によって様々ですが、状態が良ければ立ち上げてから1週間後には導入可能です。

海水・淡水に限らず水槽への生体の導入というのは結構ドキドキするもので、水槽のサイズやフィルターなどによっては水質や濾過が安定するまでに時間がかかったり、人によっては立ち上げてから1ヶ月以上環境を整えてから導入する事も珍しい事ではありません。

しかし、海水用濾過バクテリアを添加したり、テスターを使って亜硝酸などの数値が変に高いという事がなければ水槽を立ち上げてから、大体1週間ほどで導入する事もできます。

むしろ筆者的に避けた方が無難と思うのは、立ち上げ初日や数日しか経っていない時です。

濾過バクテリアが定着できずに不安定な状態なので、その時に生体を導入してしまうと生物濾過が水質悪化に追い付けず、体調を崩しやすくなってしまいます。

はる@釣行中
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もしヤドカリを飼育したい、マリンアクアリウムを始めたいという方は、水槽を立ち上げてから最低1週間は生体を導入しないようにしましょう。

③水槽、フタ

ヤドカリはソメンヤドカリやオニヤドカリのように大型種でなければ小型水槽でも飼育する事ができます。

30〜45cm水槽でもしっかり濾過を効かせていれば、小さい種類なら6〜8匹飼育する事もできます。

混泳をさせたり気が強めの種類も飼育したい場合は活動スペースや隠れ家も確保するために60cm水槽で飼育するのが個人的にオススメです。

最近では水槽もセットで販売されており、ヒーターなどもフルセットになっている事もあるのですぐにマリンアクアリウムを始めたいという方はそちらを選ぶようにすると良いでしょう。

はる@釣行中
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ヤドカリは見た目に似合わず体育会系であり、ヒーターやエアチューブを登って水槽から出てしまう事があるのでフレームが無い場合はコード部分をまとめてネズミ返しを付けるか、シンプルにフタをすると脱走を防ぐ事ができます。

④水温、比重

ヤドカリの飼育ですが、高水温には弱い面があるので22〜24℃くらいであれば特に問題なく飼育できます。

水温を一定に保つために、オートヒーターやサーモスタット付きヒーターを使い、水温を目視できるように水温計も使うと効果的です。

はる@釣行中
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比重は比重計を使い、数値が1.020〜1.023くらいであれば飼育する事ができます。

⑤フィルター

水槽に対して濾過力が見合っていればどのフィルターでも飼育に使う事ができます。

60cm水槽以上であれば上部式フィルターや外部式フィルターの方が安心ですが、それより小さい水槽の場合は外掛け式フィルター、パワーフィルター、底面式フィルター、投げ込み式フィルター、スポンジフィルターも使う事ができます。

はる@釣行中
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特に外掛け式フィルターはプロテインスキマー機能を持つ商品も販売されているのでヤドカリ飼育にはかなりオススメです。

⑥プロテインスキマー

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プロテインスキマー機能付きのフィルターを使わない場合やこまめな水換えが難しい場合はあった方が良いアイテムです。

水中の目に見えない有機物を取り除く効果があり、水質悪化やコケの生えすぎなどを抑えます。

はる@釣行中
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ヤドカリ飼育の場合は小型水槽を使う場合が多いと思いますので「マメスキマー」のように小型水槽にも設置できる物が使いやすいです。

⑦底砂

ヤドカリはベアタンク飼育に向かない種類であり、底砂は敷いた方が安心して飼育できます。

しかし、クルマエビやチンアナゴが好むようなパウダータイプのサンゴ砂だと上手く踏ん張る事ができず、ライブロックやサンゴから落ちた時にひっくり返ったままどうしようもできなくなってしまうので不向きです。

そこで筆者がオススメする底砂は「サンゴ砂の粗め」です。

粗めのサンゴ砂はサンゴの骨格がゴロゴロと残っているためヤドカリも脚をかけて移動しやすいです。

また、サンゴ砂の粗めにサンゴ砂の細かめを少し足した物もヤドカリの移動しやすさも確保しつつ見た目も自然に近くなるので是非参考にしてみてください。

ホンヤドカリやイソヨコバサミ、マダラヨコバサミなどの野性味溢れる種類を飼育したい方には「大磯砂」もオススメです。

はる@釣行中
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アクアリウムで使われる事も多い底砂ですが、元々磯で採れた物なのでマリンアクアリウムにおいて水質に影響を与えず、砂粒の落ち着いた色彩から磯に生息する魚や甲殻類にピッタリで、自然な雰囲気と野性味、渋さとカッコ良さを引き立ててくれます。

⑧レイアウト

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水質を安定させたりヤドカリの活動場所にするためにもライブロックやサンゴ、サンゴの骨格などを配置しましょう。

はる@釣行中
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ヤドカリを多数飼育する場合は、ケンカから逃げられるようにレイアウトの段階でいくつか隠れ家を作る事を忘れてはいけません。

⑨ライト

昼夜のメリハリを付けたり、サンゴや海藻の成長を促す働きがあります。

ヤドカリ飼育に必要不可欠という訳ではありませんが、体色がより鮮明になり、レイアウトも美しく見えるため、マリンアクアリウム改め「ヤドカリウム」を楽しみたいのであれば使った方が良いです。

また、購入したサンゴ以外にもライブロックに小さなサンゴが付着している場合もあり、ライトがあると少しずつ成長してくれます。

はる@釣行中
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ライトには様々な種類がありますが、なるべく電気代を抑えたい方はLEDタイプがオススメです。

⑩混泳

ヤドカリは広いスペースと引っ越し用貝殻が豊富にあれば気が強い種類のヤドカリとも飼育できますし、大人しい性格のヤドカリ同士であればもっと混泳させやすいです。

ヤドカリ同士の飼育では引っ越し用貝殻は必需品であり、これがあるかないかが飼育難易度を左右してきます。

巻き貝の殻はアクアショップや総合ペットショップでも取り扱っており、「ビーチコーミング」の途中で拾う事もできます。

また、雑貨店や100均などでも部屋の飾り用に巻き貝の殻を販売している事があります。

このタイプの貝殻は強度や漂白が気になるので、使う前には1週間ほどカルキ抜きした水に浸けてからにした方が無難です。

他にもヤドカリに危害を加えない種類であれば魚とも混泳ができ、ハゼやデバスズメダイやローランドデムワーゼル、チョウチョウウオ、キンチャクダイ、ハナダイ、テンジクダイなどは混泳させやすいです。

はる@釣行中
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また、脱皮中に狙われる可能性は捨てきれませんが、肉食性が強いチゴハナダイやチョークバスレット、ロイヤルグラマなども混泳は狙えます。

■ヤドカリの混泳NGな相手とは!

意外と多くの魚達とも混泳ができるヤドカリですが、それは背負った貝殻による防御力の高さが理由とも言えます。

しかし、カラッパやガザミのように挟む力が強い種類には捕食されてしまいますし、タコやイカの仲間はヤドカリが大好物なので混泳相手としては非常に危険です。

また、「日淡といっしょ」で危険生物として紹介しているシャコの仲間・モンハナシャコは自慢のシャコパンチでヤドカリを貝殻の上から殴り倒して捕食してしまう他、フグやイシダイ、ネコザメなどもヤドカリを食べてしまうため混泳はNGです。

逆に「ヤドカリがいると困る」という種類もおり、ハゼと共生する事でも知られる「テッポウエビ」の仲間の小型種がそれにあたります。

【危険!恐怖シャコパンチ】シャコを釣り上げてしまった時の対処法・シャコの習性・特徴を解説!|日淡といっしょ
はじめに 突然ですが、皆様はテレビや動画サイト等で格闘技をご覧になった事はありますか? 鍛え上げられた格闘家が放つ渾身の
はる@釣行中
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自慢のピストルを何度発砲しても穴に遊びに来るヤドカリを追い返す事ができず、ストレスを抱えてしまうため混泳はできません。

⑪給餌

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ヤドカリは雑食性で、何でもよく食べてくれるので餌に困る事はほとんどありません。

甲殻類用人工飼料や海水魚用人工飼料、乾燥クリルや冷凍飼料もモリモリ食べますし、乾燥ワカメを飼育水でふやかした物も与えれば食べてくれます。

また、鮮度の良い魚の切り身や貝の剥き身も良い餌になります。

冷凍飼料はある程度大きさがあった方が良く、ブラインシュリンプやホワイトシュリンプ、観賞魚用の冷凍ワカサギ、ブリハツ、マグロハツなどがオススメです。

「釣り餌でも良さそう」と思うかも知れませんが、釣り餌は劣化が早く、再冷凍したものを解凍して食べさせると体調を崩して死んでしまう事があるので避けてください。

死骸を食べる事があるヤドカリはショックは起きづらいかも知れませんが、小型のテンジクダイの仲間だと食べて半日ほどで症状が出て死んでしまう事があります。

与える頻度ですが、1日1〜2回、1時間ほどで食べきれる量を与えます。ヤドカリ自体は常に何かをツマツマしているので食べるのには時間がかかります。

はる@釣行中
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食べ残しが多めに出ている場合はクリーナースポイトで取り除き、次から与える量を調整するようにしましょう。

⑫ヤドカリの引っ越し

ヤドカリウム特有の現象です。ヤドカリは脱皮を繰り返して成長しますが、体が大きくなるとそれに合わせて新しい宿を探して引っ越します。

この時体に合った宿が無いと、同居しているヤドカリや巻き貝を襲う事があるので注意が必要です。

新しい宿を見つけると、まずは内見をします。貝殻に頭を突っ込んで中を確認したり、貝殻を回して先に溜まっている汚れや空気を出したりします。

また、幅やサイズを確認するためか、手頃な砂粒を掴んで計測する様子を観察する事もできます。

最後は実際に入ってフィット感を確認します。気に入ればそのまま引っ越し完了ですが、気に入らなければ元の貝殻に戻って宿探し続行です。

はる@釣行中
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ヤドカリの引っ越しは一瞬なので、この時くらいしか彼らの弱点である腹部を見る事はできません。

⭐自然界では珍事件が起こる事も!

沿岸を歩いていれば、たくさんのヤドカリ達と出会う事ができます。

彼らは皆貝殻を背負っていますが、いつでも自分に合った貝殻が手に入るわけではありません。

そのため自然下での引っ越しの際には、自分と同じように引っ越し先を探している自分よりちょっと大きめのヤドカリの貝殻にしがみつくという行動を見る事ができます。

はる@釣行中
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場合によっては10匹近いヤドカリが連なる事があり、一番先にいるヤドカリが新しい貝殻に入ったら、捨てた貝殻に次の個体が入るという「エスカレーター式引っ越し」をして皆が新しい貝殻に引っ越すという様子は、彼らがどれだけ平和的解決と貝殻に対する執着があるかを知る事ができる貴重なデータでもあるのです。

⭐イモガイ「コイツだけは無理…」

人間ですら一撃で葬り去る猛毒の銛を持つ危険生物として知られるイモガイ(アンボイナ)ですが、前の項目でご紹介した「ベニワモンヤドカリ」のような平たい貝殻を好むヤドカリの仲間は天敵となります。

よく似た無毒なマガキガイの殻にも入りますが、強度に不満があるのか、はたまた平たい貝殻自体が貴重なのかは分かりませんが、イモガイを見つけると襲いかかって捕食し、貝殻を奪う事があります。

はる@釣行中
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一説では猛毒の銛を撃ち込む前にベニワモンヤドカリがイモガイに対して激しく攻撃するため、一方的にやられてしまうと言われています。

⭐一緒に引っ越し!

ヤドカリの仲間の中でも比較的深場に生息しており、大型種であるソメンヤドカリなどはイソギンチャクの仲間と共生している事が知られています。

ヤドカリはイソギンチャクの下部を鋏脚でつつき、イソギンチャクが岩から剥がれると自分の宿に乗せてくっつけます。

中には3匹ものイソギンチャクを乗せている個体もおり、重くないのかと心配になってしまいます。

共生なのでお互いにメリットがあり、ヤドカリはイソギンチャクの刺胞によってタコやイカ、タイなどの天敵から身を守ってもらい、イソギンチャクは移動できる他、ヤドカリから見つけた餌の一部を貰えるというメリットがあります。

はる@釣行中
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こういう事もあって、イソギンチャクと共生するヤドカリの仲間は自分の身を守ってくれる彼らを引っ越しの時には先に剥がし、新しい宿にくっつけてから引っ越しするという行動も確認されています。

⑬水換え、水槽掃除

ヤドカリの仲間は比較的水質の変化に強い面がありますが、それを信頼し過ぎてメンテナンスを怠っていると突然死する事があります。

水換え、掃除の間隔は水槽のサイズや汚れ具合にもよりますが、1週間〜10日に一度、1/4〜1/2の量の水換えをします。

ヤドカリは水を汚しやすい生き物ではありませんが、プロテインスキマーを設置していない水槽の場合はテスターで測ると結構な数値を叩き出す事があるのでこまめな水換えが必要になる事もあるので注意が必要です。

まずはヒーター以外の飼育器具の電源を切り、フタやライト、水温計などの割れやすい物は取り外して安全な場所に移動させます。

次に、水槽壁面に付いたコケや石灰藻をスクレイパーで削り落とします。状態の良い水槽やサンゴを飼育している水槽は石灰藻が発生しやすいので環境のバロメーターになります。

フィルターの揚水パイプを取り外し、専用のブラシで中の汚れを擦り落とすのも忘れてはいけません。

ストレーナーも目詰まりしている事があるのでしっかり掃除して解消しましょう。洗い終わったら再びフィルターに装着します。

パワーフィルターや外掛け式フィルター、投げ込み式フィルターのように濾過材が一体型の場合や上部式フィルターなどのウールマットは目詰まり解消のために別容器に取っておいた飼育水で軽く洗います。

繊維が酷く痛んでしまったり、濾過力が極端に低下している場合は新しい物と交換しましょう。

ライブロックやサンゴの骨格が汚れていた場合は歯ブラシで汚れを軽く落としますが、レイアウトを変えたい場合や組み方が不安定な場合は水槽から取り出してからブラシなどで優しく擦って汚れを落とします。

ヤドカリウムで海藻を育てる事はあまり無さそうですが、状態が良いと海藻は一気に殖えるため、繁茂してきたらヤドカリ達の活動スペース確保のためにもトリミングをします。

トリミングで出た海藻は燃えるゴミに処分するか、別容器に取っておいて水槽内の海藻がヤドカリに食べられて激減した時のレイアウト用に取っておくのもアリです。

大体の掃除が終わったら、クリーナーポンプで水ごと汚れを排出します。ゴマハゼやアオギハゼのようにヤドカリが吸い込まれる事はほとんどありませんので、安心して掃除に取り組む事ができます。

水を抜き終わったら、新しい水を水槽に足していきます。新しい水はカルキ抜きと水温合わせをし、人工海水の素を溶かして比重も合わせておきます。

水足しが終わったら飼育器具を戻し、電源を入れれば水槽掃除と水換えは完了です。濾過材も洗った場合は海水用濾過バクテリアも忘れずに添加するようにしましょう。

はる@釣行中
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また、生物濾過槽の掃除は1ヶ月に一度は行い、飼育水で軽くすすいで溜まった汚れを落とすくらいにします。

4,ヤドカリが陥りやすい事と対処方法について

飼育も簡単で可愛らしいヤドカリ達ですが、甲殻類特有の問題を抱えている事があります。

はる@釣行中
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ここでは健やかなヤドカリウムのために、この問題と対処方法について皆様にご紹介させていただきます。

①脱皮不全

あらゆる甲殻類が持っている問題です。脱皮が上手くできないと死んでしまったり脚が取れたり曲がったりしてしまうため、できれば水槽内に出したくない問題です。

原因としてはカルシウム不足や水質が悪い事、脱皮に適した足場がなかった事などが挙げられます。

対処方法として、カルシウムが豊富な甲殻類用人工飼料を与える他、サンゴや石灰藻の成長を助ける「パープルアップ」や「コーラルアップ」を少量添加する事でカルシウムを補う事ができます。

また、ライブロックやサンゴの骨格を組んだり、底砂を粗めの物に変えるだけでも脱皮不全を抑制できるのでレイアウトの変更も視野に入れてみてください。

はる@釣行中
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水質に関しましては、定期的に水換えをしたり、プロテインスキマーを使って水質をキレイにする必要があります。

②共食い

ヤドカリはカニやクルマエビとは違い、共食いは起きづらい種類です。

しかし、水槽が狭かったり餌が少なかったりすると共食いをする事があり、隠れ家が無いと脱皮したてで動けないヤドカリが狙われる事もあります。

対処方法ですが、広い水槽に変えたり、ライブロックやサンゴの骨格を組んで隠れ家を用意したり、餌を十分に与える事で共食いをさせないようにします。

一部のヤドカリは気が強いため、数種類のヤドカリを混泳させる場合は弱い種類が逃げやすいように広い水槽で飼育するのもかなり効果的です。

はる@釣行中
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また、餌が少なかったりすると弱い個体を貝殻から引っ張り出して食べてしまうため、十分な量の餌を与える他、時々タンパク質が豊富なホワイトシュリンプやブリハツなども与えてヤドカリに眠る肉への渇望を癒してあげましょう。

5,ヤドカリの繁殖について

「飼育下でできるの!?」と思われそうですが、タイミングと自分の時間を削る事ができれば繁殖もできます。

ただし、実際やった筆者としては凄く達成感はありますが、あまりオススメはしません。

はる@釣行中
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ここではそんなヤドカリの繁殖についてご紹介させていただきます。

①繁殖期に入った時の行動

ヤドカリは見た目からの雌雄判別は難しいですが、一般的にオスの方が大きいとされています。しかし、同サイズの事もあるので見分けはオスだけがやる行動を見て判断します。

成熟し、繁殖期を迎えたヤドカリのオスは、メスのヤドカリの殻を掴んで移動するようになります。

これは他のオスに取られないようにするためで「ガーディング」と呼ばれています。邪魔者がいなければそのままメスに覆い被さって交尾をします。

はる@釣行中
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邪魔者がいる場合は、メスを一旦離してから鋏脚で掴み合って戦いますが、この隙にメスが逃げてしまう事も珍しい事ではありません。

②繁殖のための水槽について

ヤドカリの繁殖まで狙う場合は底砂を厚くして底面式フィルターを使うか、オーバーフロー式フィルターにして濾過槽に「マッドシステム(海泥や細かい砂を厚く敷き詰めて微生物を繁殖、濾過するシステム)」を導入するのがオススメです。

マッドシステムはオーバーフローから濾過槽に落ちて来たヤドカリの幼生が定着し、自然に成長する事があります。

底面式フィルターで繁殖させる場合は水流をなるべく小さく調整しなければなりませんが、幼生の様子を確認しやすいのが最大のメリットです。

はる@釣行中
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マッドシステムとは異なり餌となる微生物の用意は必要なものの、成長の度合いを確認できるので貝殻を用意するタイミングも掴みやすいです。

③メスの産卵

交尾によってオスから精包を貰ったメスは物陰に隠れてひっそりと産卵します。産卵は宿の中で行われ、産み出された卵に精包を使って体外受精をします。

はる@釣行中
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パッと見では産卵したかは分かりづらいのですが、宿が卵でいっぱいになっているので宿が傾いた時やライブロックから転げ落ちてしまった時に殻と体の隙間から赤色のプチプチとした卵が確認できる事があります。

④卵の孵化について

産卵から約1ヶ月ほど経つと、メスヤドカリは夜に枝サンゴやサンゴの骨格の先に登り、体を振るわせて幼生を水中に放ちます。

この時背負った宿がぶつかって「コツコツコツ」という音が聞こえるため、当時の筆者はビックリして懐中電灯で水槽を照らしていました。

はる@釣行中
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放たれた幼生は大きさが1mmにも満たない非常に小さくて繊細な生き物です。自力で泳ぐ事はできないため水流に乗って静かに水中を漂います。この幼生を「ゾエア幼生」と呼びます。

⑤ヤドカリの幼生のお世話について〜ゾエア編〜

ゾエア幼生は俗に言う「プランクトン」であり、自力で泳げないので水中を漂っています。

しかし、ルーペなどで観察すると、尾または脚と思われる部分を動かしているため、彼らなりに移動しようと必死なのかも知れません。

マリンアクアリウムで親しまれているヤドカリのゾエアはオカヤドカリのゾエアより小さいため、初期飼料にはワムシとPSBを与えます。

ワムシも可能であれば海性植物プランクトンやクロレラなどを与えて栄養をつけたり培養しながら与えたいところです。1日3回はゾエアに餌を与えていました。

ゾエア期は1〜5期に分けられており、4回脱皮したらゾエア期最後となります。ここまで大きくなれば、孵化したてのブラインシュリンプベビーも餌として与えられます。

経験上、水温を27℃くらいにすると成長も早く脱皮の間隔も短くなりますが、死んでしまう個体も多いので24〜25℃くらいが丁度良いと感じています。

はる@釣行中
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大体20〜25日ほど飼育すると、いよいよゾエアに変化が起こります。

⑥ヤドカリの幼生のお世話について〜グラウコトエ編〜

ゾエアは5回目の脱皮をすると繊細な姿からエビのような姿の「グラウコトエ幼生」になります。

グラウコトエになると素早く泳いだり水底を歩けるほど体や脚がしっかりします。

当時、餌にはブラインシュリンプベビーとPSBを与えていました。しかし、この時期は代謝が良いのか共食いをしやすく、たくさんいたゾエアやグラウコトエもかなり減ってしまいます。

体の大きさが3mm近くなると藻や魚の切り身なども食べるようになったため、冷凍飼料の解凍したブリハツを薄くスライスしたものやホワイトシュリンプを与えて様子を見ていました。

鋏脚と思われる部分で必死に餌を口に運ぶ姿はミクロな世界ですが、とても可愛らしいもので、ホロホロシュリンプに通じる何かがあります。

はる@釣行中
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しかし、グラウコトエ幼生になってからは約1週間ほどで貝殻を背負い始めるため、この貝殻を用意するのが一番の山場です。

■サンゴ砂から見つけろ!極小お宿!

学生時代にヤドカリのゾエアを水槽で発見してしまった事から繁殖成功のために動き出してしまった筆者。

恩師達からの助言を受け、サンゴ砂の細か目から極小お宿を探しまくる事に。グラウコトエ達の生存率を少しでも上げるために毎日貝殻を探しては寝不足になり、自習の時間は教科書を被って寝てました。

そんな甲斐あってか、グラウコトエ50匹が何とかお宿に入って生存する事ができ、人生初のヤドカリ繁殖は成功に何とか漕ぎ着けたのです。

冒頭の自分の時間を削れば何とかなるというのはこういう事です。

はる@釣行中
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ちなみに最近は雑貨店などで極小の巻き貝の殻がまとめ売りされているため、これを手に入れられればここまで苦労する必要は無いと思います。

⑦水槽掃除について

グラウコトエが貝殻を背負ってミニマムヤドカリになると、水槽も掃除できるようになります。

壁面をスクレイパーで掃除し、エアチューブからの呼び水で底から汚れを水ごと排出します。小型水槽かつ時間がに余裕がある場合は、クリーナースポイトも掃除しやすいです。

はる@釣行中
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水を抜いたら新しい水を足していきますが、グラウコトエはまだ「幼生」なので少しずつゆっくり水を足し、ショックが起きないように注意が必要です。

⑧稚ヤドカリのお世話について

貝殻に入ったグラウコトエは数回脱皮すると稚ヤドカリに姿を変えます。オカヤドカリなどは場合は上陸してから脱皮すると稚ヤドカリになるようです。

海生ヤドカリの貝殻に入ったグラウコトエは観察が難しいですが、幼生の時は体が透明なのでギリギリ分かります。

稚ヤドカリになればより安心して水換えもできるため、かなり飼育が楽になり肩の荷も下りた感じがします。

達成感なのか解放感なのかは今でも分かりません。

稚ヤドカリになれば冷凍飼料だけでなく人工飼料も食べるようになるため、甲殻類用人工と海水魚用人工飼料を与えるようにしました。

また、極小お宿探しはもう少し続きますが、体がしっかりした事もあってか、ちょっと大きめの貝殻でも背負う事ができるので安心感があります。

ここまで成長するとミニマムサイズのヤドカリなので繁殖は成功と言えると思います。ちなみに繁殖した個体はアクアショップを営む恩師に御礼と証拠とプレゼントしました。

筆者の場合はユビワサンゴヤドカリとハワイアンユビワサンゴヤドカリだったので海生ヤドカリの中でもゾエアが少し大きかったかも知れません。

はる@釣行中
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これがホワイトブルーレッグハーミットクラブなどの小型種だったらもっと難易度が高かったのではないかと今でも考えてしまいます。

⭐実は私達より長生きかも!?

とてもポピュラーな海の生き物・ヤドカリですが、貝殻を背負うという生存戦略はかなり良かったようで、磯でもたくさんのヤドカリを見つける事ができます。

しかし、彼らには驚くべき事が発覚しており「寿命や年齢が不明」と言われています。

つまり磯にいる小さな彼らは見た目に似合わず凄く長生きしている可能性もあり、ある研究者は「50年近く生きている個体の可能性がある」としていました。

はる@釣行中
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つまり、私達より先輩かも知れない訳です。ヤドカリのように堅実な生き方を私も見倣いたいところです。

まとめ

今回は海の小さな人気者・ヤドカリについて皆様にご紹介させていただきました。

オカヤドカリは陸上なのでちょっと割愛し、磯採集やマリンアクアリウムで親しまれている種類についてが主ではありましたが、飼育が難しそう、地味そうというイメージが払拭できればと思います。

また、日本のホンヤドカリやイソヨコバサミも小さくて可愛らしいですが、海外産のヤドカリも美しいので広い水槽で複数種飼育すればそれぞれの良さを堪能・再発見する事ができます。

ヤドカリの仲間には眼に星空を宿している種類もおり、まさにアイドルのような可愛らしさがあります。

はる@釣行中
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そんな身近な海中のアイドルをご自宅の水槽に招き、のんびりだけどコミカルなヤドカリウムライフを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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