トップバッターは”じゃぶじゃぶ”を周知させた「フラワーナイトガール(花騎士)」
ブラウザゲームでは随一の神運営といわれ、信者達の信仰を集めている。
──そういわれる所以は、一体何なのだろう。
神運営から学ぶのは、ユーザーに「快感」を与える術である。
無課金を引き寄せる「侘び石」の魔力
花騎士のガチャは、最高レアである”虹”を出すのに、20万円はかかるといわれている。
単体の確率は「0.5%」……、200回やって1回でたらイイネ♪ということになる。
普通ならガチャを有料にして、信者から金をまきあげるのが運営の手法だが、花騎士のガチャをするための”石”は、無課金でもガッツリ集まるのが特異なところ。
ことあるごとに無料で侘び石をくれるので、運営が配る理由を探しているようにも感じる。
侘び石の発祥はパズドラから
侘び石の発祥はパズドラで、ユーザーへの”お詫び”として、配られた魔法石から全てがはじまった。
今ではどのゲームでもそれは当たり前になっており、緊急メンテや不具合が起きるたび、「侘び石はよ」という語句が飛び交うのも、界隈ではあたりまえになった。
花騎士は、それを配布する機会が他よりも圧倒的に多い。
メンテのお詫びでは当たり前、延長すれば更に追加、はては誤字脱字など、ユーザーにとって別に不利益でもないことでも配られるため、もはや自然現象となっている。
そのためわざわざ石を買わなくても、無料で十分ガチャを回せるのが魅力でもある。
かわいいは正義
しかしながら、ゲームとしては致命的なほど面白くない。
「脳死プレイ」「レベルを上げてスキルで殴る」「ひたすらクリック」など、とにかく作業ゲー。
そこを補うのがキャラクターの魅力と、絶対に手に入らないと思わせない手法。
イベントでの高レアキャラの配布や、確定で任意のキャラが貰えるガチャシステムを有して、はじめたばかりの人でも収集する意欲を生むことに長けている。
最近は「DMM一般ランキング」で不動の1位だった”艦これ”を抜くことも多くなった。
一体誰がこんな脳死ゲーに金をじゃぶじゃぶしているのか……無料でそれなりに遊べるのに、多くのユーザーが、売上があることに違和感を感じているくらい。
確率ガチャは「出るまで回す」危険な人もいて、ン十万をぶっこんだりする。
そういう人は「石油王」と呼ばれ、ゲームの売上を支える柱たちなのかもしれない。そうして花騎士はDMMの看板ゲームへと成長した。
年商10億と予想される売上を産み、ニコニコ生放送の番組ではアンケートが94%以上など、ユーザーに愛されている伝説めいたゲームであるといえる。
ではこの運営手法を、ブログで活用するためにはどうしたらいいのか。それを考えてみましょう。
商品紹介のエンジョイインプレ系ブログを目指す!
”エンジョイインプレ系”とは、商品の使い勝手をとにかく楽しんで褒め倒すことを指す。YouTuberでは特に多いジャンルですね。
なんらかの方法で”他人の興味を自分に向けれる人”がこの分野では強い。
釣具のルアー1個も2千円と、若い学生が気軽に出せる金額じゃないので、「絶対に外れは引きたくない!」という考えが生まれる。
魚釣りは意外とお金がかかる趣味。おまけに「道具はいい物ほど、よりいい結果を産む」というウソでもない真実がある。
高額になるほど「これ欲しいけど、大丈夫かな」と不安になる。
だから実際に使った人の意見はとても参考になりやすく、レビュアーの言葉はネットマーケティングの核となっている。
一般ユーザーが自ら使った使用感(インプレ)は貴重な意見!
スポンサーからアレを貰い、褒めるだけの紹介よりも、一般のほうが信憑性があるのです。
初心者ほど商品を見てから検索をする傾向がある
アフィリエイトでは、商品が高額であるほどリターンは多いです。
でも安いほうが誰でも購入しやすいので、インプレとしての需要は高い。
学生は釣具を揃えるだけでもギリギリなので、失敗したくない考えが働く。なので、「これを使って”正解or失敗”だった」を明確に書くほうが、SEOの評価も高まるし、検索上位になりやすい。
実際に「インプレ」から検索してもらうと、ロッドやリールなどは高価なハイエンドモデルが大半を占める。
それはメディアアングラーの言葉に公式の紹介を、そのまま鵜呑みにした記事が多いのもあります。
7万円もするリールが良いのは当たり前。2万円以下と比べて「~~比べると劣る」という感想が世の中には多い。
初心者は手を出しやすい廉価から、そこに足を踏み入れることを忘れてはいけない。
インプレブログで成功する秘訣は行動と資金力
インプレ(impression)は印象または感銘を意味する言葉。
ブログ界隈でのインプレは、物事に対する「レビュー(批評)」との認識が強い。
それで成功するには、文章力よりも、感覚・感性がユーザーと一致することが重要になる。
はじめて手にした物を、人へとどのようにして勧めるか──。
一方的な感想を述べるだけでは、ただの感想文で終わります。
お金は与えなければ貰えない(資金力)
お金って、使う方が戻ってきやすいんですよ。そこに対価があればこそですけどね。
どんなジャンルでも、その製品に対する感想というのは需要があります。
お金をもらう仕組みは、幸福を与える代わりに対価をもらうこと。その対価は貨幣として、わかりやすい現物として渡されているわけです。
物事に触れたことのない感想は嘘と見抜かれやすい。
そこを上手くやるのも腕の見せ所だけれど、釣具は「続けて使った使用感」が重宝される。
レビューに使用感は最低限必要で、感想はおまけのようなもの。
貴方のインプレを読んで買った人は、同じ道を辿ると思うべきで、誇張したりなんだりで、偽りの情報を与えるのは控えましょう。
花騎士の運営から学ぶブログの集客方法
花騎士の運営は、ユーザーに幸福を感じさせることが非常に巧い。
侘び石1個も電子データながら、実際は100円です。70万人規模の花騎士でいうと、詫び1回で7000万円をばら撒いていることになる。少ない金額ながらも、それをすぐ消費する人もいれば、貯めこんで一気に吐き出す人もいる。
──それでも足りない、そう思った人は課金に手を伸ばす。
あと1回……もしかしたらあと1回回せば、出るかも……。
じゃぶらせることに成功すれば、ナズナさん(運営)大勝利!
じゃぶじゃぶさせるための魅力を常に模索していく
「ゲー無」として落ち目と思われていた花騎士だが、有名イラストレーターのキャラを投入し、じゃぶじゃぶ率が格段にアップして、DMM一般(売上)ランキングとR18の首位を制覇した。
ガチャ確率としてはかなり極悪な方なのだが、なぜ人はじゃぶるのだろう……。
ソシャゲへの課金は「もったいない」とよくいわれる。でも据え置きゲームのソフトに月1万かけるのと、ソシャゲに月1万課金するのは同じですよね?
これは価値観の違いから生まれる齟齬。
どちらも電子データには変わりない。どちらも遊ぶために、お金を払っているわけで……。
値段? 評判? 偶然? ──色々理由はあると思う。
じゃぶらせる魅力を意図して表現できるなら、それはビジネスで通用する財産になるでしょう。
相手と自分の興味を共有するのは、いつの時代だって難しい。